インタビュー

異業種参入 第三の壁:お客様獲得

事業規模の拡大には、専門職の確保とともに継続的にお客様の確保が必要です。オープン当初のステーションにも真似できる、営業戦略の立て方と営業のコツを藤原さんに伺いました。

データを活用した、綿密な計画


ーセントケア・グループの営業戦略を教えていただけますか?
藤原:
訪問診療をやっている医師が強い、ケアマネさんが強いなど、地域によって特徴があります。お客様獲得には、こういったデータをもとに戦略を立てることが大切です。
セントケアでは、以下の手順で営業戦略を決めています。
1. お客様獲得が必要なエリアを選定
2. 該当エリアにある訪問先リストの作成
3. データをもとに各訪問先に対し、「誰が営業に行くか」「どういったことを話すか」を会議で決定
特に3については、その施設にいる方の性質まで考えた上で、誰が行くべきかを決めています。営業先の中で特に重要だと思っているのが、病院です。訪問看護の指示を出すのは医師なので、医師との信頼関係は、継続的なお客様獲得にとって重要なことだと思っています。
病院への営業というのは、具体的にどのようなことをされるのでしょうか?
藤原:
具体的な営業方法はシンプルで、看護師が定期的に病院に伺うようしています。
そうすると、どの病院でどんな患者さんが退院されるのかがわかるようになってきますし、退院調整室と顔見知りになれます。
そこで相談してもらい、退院前のカンファレンスに参加することができれば、主治医との信頼関係を作ることができます。医師との信頼関係があれば、退院後のやり取りもスムーズになるので、お客様の安心にもつながっていると感じます。こういった戦略は各子会社の事業部と本社の私達が一緒に考えています。
看護師さんの中には、「営業が苦手」という方も多いかと思いますが、どのようにサポートしていますか?
藤原:
本社から現場の悩みに対応したアドバイスをしています。例えば「ケアマネさんへの営業で、初回にセントケアの良いところをアピールし終わってしまうと、二回目以降の訪問に行きづらいです。どうしたら良いでしょうか?」というお悩みがありました。
これには「アピールだけでは、うまく行きません。今、ケアマネさんがどんなお客様を担当されているかを聞いた上で、困ったことがあれば相談してもらえる関係性を作るといいですよ」とアドバイスしました。
なるほど。ちょっとしたことかもしれませんが、すごく納得しました。
藤原:
ほかにも「来週お答えを持ってきますね」と言えば、次につながりやすいなど、今まで上手くいった例をお伝えする役割を本社で担っています。
また営業の際に活用できる、お客様の病気や状態への対応方法の事例をまとめたチラシも現在では50種類くらい用意しています。
50種類も!チラシはどのように活用されているのでしょうか?
藤原:
活用方法としては例えば、胃ろうを作った直後のお客様の家族が、今後のこと心配している状態であれば、「訪問看護ではこういうケアをしていきますよ」とチラシを使って説明して、ケアを実際にイメージしてもらっています。こういったお客様に安心してもらう工夫の積み重ねが、セントケアの価値を高めていくと思います。

セントケア・ホールディング株式会社 訪問看護部門 統括次長
藤原祐子
病院勤務で、在宅に受け皿がないために、帰りたくても家に帰れない高齢者が多くいる現実を見て、世の中の制度に疑問を感じるようになる。その後、結婚・出産を経て、2000年に介護保険制度がスタートするタイミングで、介護保険や訪問看護について勉強し、訪問看護師へ転身。管理者としてセントケア・グループに入職し、現在はセントケア・ホールディングの訪問看護部門統括次長として、訪問看護ステーションの安定運営をサポートする基盤づくりに注力している。
セントケア・グループ
1999年、株式会社として初となる訪問看護ステーションを開設。現在では97か所の訪問看護ステーションを全国に展開し、訪問入浴や訪問介護、デイサービス、有料老人ホームなどの幅広い事業にも取り組んでいる。(2020年11月時点)    
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