インタビュー

初めてお家に帰ってくる子どもと家族をサポートする

子どもだけではなく、家族のケアも大切な小児訪問看護。小児に特化した訪問看護ステーションベビーノの所長平原さんに、引き続き子どもとその家族への看護についてお話を伺いました。

よその家族とも繋がりたい、親子の集い

―何か家族に対して活動していることはありますか。
平原:
医療保険での訪問看護がベースではありますが、開設した年に「よその家族とも繋がりたい」というお声をいただいて、親子の集いをはじめました。子どもと家族が楽しく生活していくことを目標にしているので、親子の集いがちょっとでもそうした楽しみになればいいなという思いからです。
春には新宿御苑でピクニックをしたり、秋にはお寺の本堂を借りて小さな運動会をしたりして、いろいろと企画しています。ママやパパ、子どもたちとそれぞれに分かれてお楽しみ会をすることもあります。月に一回は広場を借りて遊んだりすることもあります。中には出かけるのが怖い、近所の児童館でも少し躊躇してしまうご家族もいるので、安心して出かけられる場を提供することもしています。今はコロナ禍のため開催できていませんが、オンラインでリトミックなどをして工夫しています。
―家族の反応はどうですか。
 平原:
はじめたころはどこも出かけられないというご家族もいて、ベビーノの親子の集いをうまく使ってもらっていたこともありました。最近はSNSなども普及したためか、ママ友の繋がりも結構あるようで、私たちが場を設定しなくても活動的になっている印象があります。それでも、まずはひとつのきっかけになればいいなと思いながらやっています。訪問看護師がいるということで、「ちょっと行ってみようかな」となってくれればと思っています。

初めて家族の中に子どもがやってくるときのサポート

―家族看護で気を付けていることは何ですか。
平原:
成人だと元々家に住んでいて、入院してまた帰ってくるという状況ですが、NICUから退院の場合には、初めてその子がお家にやってくる状況なので、どういう風に迎え入れるか、ご両親も初めて尽くしです。そこをきちんとサポートするために、病院のスタッフや私たち訪問看護師も力を入れてやっています。
なかには、初めての子どもで核家族、ご両親以外にサポーターがいないケースも多いです。そのため、夫婦だけの生活のところにお子さんが入ってきても、家族の生活がちゃんとまわるかどうか、夜は眠れて、ごはんが食べられるかというところを、特に最初は意識しています。子どもの安全が保てているか、危険じゃないかどうかを確認しながら、退院直後は訪問看護の頻度も週2~3日、「時間が空いたら様子を見に来ます」といって頻回に行きます。そこから、子どもや家族の状況をみながら段々訪問回数を調整していきます。小児の場合ケアマネはいないので、訪問回数の調整などを訪問看護師が行っていくのが特徴的です。
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訪問看護ステーションベビーノ所長
平原真紀 助産師、看護師)
大学病院のNICUで勤務し、主任を経験した後、2010年に訪問看護ステーションベビーノを開設。当時はNICUから退院した子どものサポートがなかったため、育児支援サービスとして乳幼児専門の訪問看護を提供している。
※本記事への写真掲載はご家族の許可をいただいております。
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