コラム

訪問看護の社長業~創業経営者 水谷氏から学んだこと 内部体制に関する方針 パート1~

第9回は「内部体制に関する方針」についてのパート1をお伝えします。
内部体制とは?と思う方もいるかと思いますが、ソフィアメディ創業者の水谷氏は、「内部統制」や「コーポレートガバナンス」といったものを、現場スタッフから管理職に至るまで、同じ言語を用いて、わかりやすく明示しました。

内部体制に関する方針

会社の内部には成果はありません
机上で企画や管理ばかりに終始しているスタッフへは、容赦なく叱咤しました。営業・渉外を担当していない人事や総務スタッフなどへも同様で、とにかく自社拠点事業所を回って、現場スタッフとの交流を深めることを促し、時間を作って営業マンと連携事業所への挨拶回りをすることを大事にしていました。

基本姿勢

①成果はすべてお客様から得られます。会社の内部はすべて費用でしかありません。赤字会社の社長は、いつでも内部管理に終始しますが、本末転倒です。
②正しい組織とは、職務・職責・権限にこだわらず、お客様指向の組織であり、お客様の要求の変化・市場の変化に、迅速に対応できる組織です。
・・・半年に1回など、定期的に社長以下、各部署管理職が、訪問看護の現場の同行訪問を実施したり、連携事業所へ営業マンと挨拶回りをしたりなど、お客様の要求の変化・市場の変化を多角的に確認し続けられるよう網を張り続けます。当然、同行や挨拶回りをすることで現場の苦労を管理職が身を持って知ることも重要です。
③組織はおせっかい・お人好しの原則で運営しますが、和気あいあいの楽しいだけの職場では、厳しい市場競争には勝てません。厳しく苦しい仕事も必ずやり遂げる体質にし、やり遂げてこそ得られる真の喜びを目指します。
④報告・連絡・相談を通して問題点、課題を顕在化させ各部署、事業所ですべてが見えるようにします。報・連・相の遅れはクレームとなり、お客様や関係者にご迷惑をかけ会社の損失にも繋がります。報・連・相はスピードが命です。
⑤報告の重要事項は、悪い事ほど早く。事後報告はトラブルを招きます。報告すべき人間を間違えない。報告は一に結論、二に経過。報告の不必要な業務はありません。報告は仕事のけじめ、次へのスタートです。
⑥連絡の重要事項は、ちょっとした連絡がトラブルを無くします。手間でも文書化を心がけます。まめな連絡が信頼を得る。事前連絡が有効です。内容は5W2Hで。
⑦相談の重要事項は、早めの相談が事を解決します。行き詰ったらまず相談する。相談上手は仕事上手。相談はTPOを考えて。相談される人になりましょう。
⑧お客様、仕事に関することは適時ミーティングをして共通認識化する。ミーティング上手は仕事をスムーズにして誤解をなくし、準備と段取りもよくなります。
⑨上下、仲間、お客様を中心とした周辺関係への根回し上手は、協力者ができて結果仕事が早くなります。継続すると人気を得て存在価値も高まります。
⑩来客時は、お客様が社内に入ってこられたら、誰彼を問わず明るく大きな声で、「いらっしゃいませ」と挨拶をすること。いつでも、何処でも元気な挨拶が好印象を与えます。
⑪電話は呼び出し3回以内に必ずとる。1本の電話からご縁が始まります。また、お客様のご紹介・人材の応募も電話が最初です。ご縁を活かせるか・無くすかの瀬戸際です。ぜひ目の前の仕事から切り替えて、親切・丁寧・心配りをして対応してください。「お電話ありがとうございます、○○訪問看護ステーションでございます」が基本です。
・・・電話が鳴りっぱなし、ぶっきらぼうな電話対応、していませんか?
私(上原)はそんな訪問看護事業所の対応を沢山経験してきました。
⑫相手本位に徹していきます。医療・介護だからと市場やお客様は許しません。電話で気分を害して大切な機会を失う。挨拶ができなくて嫌われる。活き活きしていなくて暗いからよそを使う。など自己本位では通用しません。
⑬よい組織とは、一言でいうと優れたお客様サービスができ、競合他社と戦って勝てる組織です。それには、業界・仕事環境の変化に敏感であることです。変化に気付かない、気付いても報告・連絡・相談をしない、動かない、ではどんどん衰退に向かい、報酬・処遇も下げざるをえなくなります。
⑭タコ壺社会とは、がん細胞と一緒。健康な細胞同士は情報交換を行いますが、がん細胞はそれを無視して、健康な細胞を侵していきます。やがて組織を自滅させます。会社や団体でもいたるところで不平分子や背任思考者が出てきますが、タコ壺から締めだしていきます。
・・・閉鎖的な事業所、専門職の縦割り思考的な事業所、外部との関係が雑な事業所、高圧的な上司(管理者)の居る事業所や組織に対して、この例えを水谷氏はよく使います。暖かく居心地の良い壺にタコは集まるが、最終的には中で共食いさえするというタコの習性を例えたものです。
いかがでしょう。さほど特別な内容ではなく、社会人としてはごく一般的な価値観に関する内容ではないでしょうか? ただし、常識の範囲は人それぞれ。あえて当たり前のこともわかりやすくすべて文章に書き出し、全社員に配布して毎朝の読み合わせで周知徹底させるのが水谷氏流です。そこまでやることによって、理念浸透(健全経営)が進むわけですが、一方では理念拒絶者や危険因子の炙り出し・問題の早期解決に繋がります。
パート2へ続きます。
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一般社団法人訪問看護エデュケーションパーラー理事長  上原良夫
 【略歴】
2012年ソフィアメディ(株)入社。訪問看護事業の営業開発課長・教育研修事業部長・介護事業統括部長・医療連携推進室長を経て、(株)CUCの支援医療法人の訪問診療事務長、在宅事業企画担当。
2020年7月より一般社団法人訪問看護エデュケーションパーラー理事長に就任。訪問看護事業の教育研修企画・ 各種 コンサルティング、業務委託においてアームエイブル(株)ゼネラルマネージャー兼務
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