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利用者の心に寄り添い、通じ合う看護を~チームでつなぐ、その人らしい暮らし~ユアーズ訪問看護リハビリステーション三郷 片岡さんにインタビュー
利用者の心に寄り添い、通じ合う看護を~チームでつなぐ、その人らしい暮らし~ユアーズ訪問看護リハビリステーション三郷 片岡さんにインタビュー
インタビュー
2026年4月21日
2026年4月21日

利用者の心に寄り添い、通じ合う看護を~チームでつなぐ、その人らしい暮らし~ユアーズ訪問看護リハビリステーション三郷 片岡さんにインタビュー

病気だけを看るのではなく、利用者さんの「生きがい」にまで寄り添う訪問看護を実践するユアーズ訪問看護リハビリステーション三郷。管理者の片岡さんが語る、現場で感じた喜びと課題、そして地域に根ざした看護への想いに迫ります。 【※本記事はNsPace Careerが事業所向けに提供している「特集記事掲載サービス」によるものです。取材・撮影・編集はNsPace Careerが担当しました。】 訪問看護への転身のきっかけは、地域医療への憧れ 私が看護師を志した原点は、生まれ故郷の熊本県にあります。幼少期に、無医村で活躍する保健師の姿に憧れを抱き「いつか地域で働きたい」という大きな夢を持っていたんです。九州の看護大学で学び、看護師・保健師・養護教諭の免許を取得した後、総合病院の病棟で20年間勤務しました。病院での経験は貴重でしたが、20年という節目を迎えたとき「新しいことに挑戦したい」という思いが芽生えたんです。そのときに在宅医療に関心を持ったことが、キャリアの転機になりました。 当時、訪問看護に対しては「ひとりで訪問し、ひとりで判断する」というイメージがあり、正直なところ不安を感じていました。そのため、まずは在宅医療の現場を知るために、診療所の看護師として1年間勤務しました。在宅で医師の診療の介助を経験し、地域での医療の実際を肌で感じることができましたね。 しかし、訪問診療は治療がメインであり、利用者さんと深くコミュニケーションを取る機会が限られていると感じました。私が求めていたのは、治療だけでなく、利用者さんの『生活に寄り添う看護』でした。この経験を経て、より利用者さんの生活に深く関われる訪問看護へと転向することを決意したんです。 当ステーションに入職して5年になりますが、訪問看護師としての道を歩み始めてからのことを振り返ってみると、この仕事が私の看護観と深く結びついていることが実感できますね。 「ユアーズ訪問看護リハビリステーション三郷」の強みについてお話しされる片岡さん リハビリ職との強力な連携体制で、利用者の生活全体をサポート 当ステーションでは、現在、私を含め4名の訪問看護師が在籍しています。利用者さんの対応は担当制ですが、利用者さん一人ひとりの状況をチーム全体で把握し、看護の質を向上させるために、週に一度はナースカンファレンスを実施しています。このカンファレンスでは、症例検討はもちろんのこと、日々の業務で困っていることや相談したいこと、新しい疾患に関する勉強会なども積極的におこない、看護師全員で学びを深めていますよ。 ただ、日々の困りごとを、リアルタイムですべて共有するのは難しいのが現状です。そのため、スタッフ全員が毎日、朝の記録を確認するようにし、情報共有を補っています。 当ステーションの強みは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などのリハビリスタッフが多く在籍していることです。非常勤を含めると看護師よりもリハビリスタッフの人数が多いため、地域では「リハビリといえばユアーズ」というイメージも定着しているようです。私が入職する前からリハビリスタッフが多数在籍しており、当事業所の特徴となっています。 私たちは、看護師とリハビリスタッフが常に密に連携を取り合い『病気だけをみるのではなく、生活全体をみる看護』を実践しています。病気に関する不安は看護師が、そして日常生活の動作や生活環境に関する不安はリハビリスタッフが、それぞれの専門性を活かしながら利用者さんをサポートすることで、生活の質の向上に貢献できると考えています。この連携体制があるからこそ、一時的なケアにとどまらず、利用者さんの継続的な生活を意識したサポートを提供できているんです。 柔軟な働き方と、教育体制の構築にも注力 当ステーションの利用者さんは、慢性疾患が中心で、医療依存度が低めの方が多いです。現時点では、小児科や精神科の対応はしていません。働き方も柔軟で、時短勤務や一時帰宅が可能なんですよ。私自身、2歳児を育てながら勤務しています。子育て世代のスタッフも多く、協力し合いながら働ける環境なので、ワークライフバランスを重視した働き方ができるのではないでしょうか。 また、訪問看護が初めての方やブランクのある方でも安心して働けるよう、教育サポートには力を入れています。看護技術に関しては、チェックリストを活用しており、未経験の手技があれば、必ず私を含むほかのスタッフが同行訪問でサポートする体制を整えています。そうすることで、さまざまな経験を持つ看護師が、それぞれの得意分野を活かしつつ、必要に応じて新しい技術を習得できるんです。 心に寄り添う看護とは。訪問看護の魅力とやりがい 訪問看護のやりがいは、なんといっても利用者さんの心に寄り添い、通じ合う瞬間です。病院では難しいような、利用者さんの『生きがい』や『希望』に深く関われることも、訪問看護ならではの魅力だと感じています。 たとえば、以前、終末期の利用者さんから「最後にタバコを吸いたい」という希望があったことがありました。病院では、病状の悪化を防ぐため、タバコや甘いものの制限が厳しいのが一般的です。一方で在宅では、その方の最期の願いを叶えることができる場合があります。 今回のケースでは、医師やご家族と十分に相談したうえで、私たちがそのお手伝いをさせていただきました。利用者さんはご自身でタバコを持つことも難しい状態でしたが、私が火をつけて寄り添いながら支えることで、その方の大切な最期の願いを叶えることができました。奥様も「好きなことをやらせてあげたい」というお気持ちでしたので、見守りながらサポートすることができたんです。病院ではなかなか許されないことですが、在宅だからこそ、利用者さんの最期の願いを叶えることができ、私たちも大きな喜びを感じました。 このように、時間に追われるのではなく、利用者さんの生活に合わせたケアができること、そして自分の看護観を大切にしながら、最大限に力を発揮できるフィールドであることも、訪問看護の大きな魅力ではないでしょうか。訪問看護は『待っていてくれる人がいる』仕事であり、利用者さんから頼りにされ、心を通わせる瞬間に、大きなやりがいを感じることができます。 「ユアーズ訪問看護リハビリステーション三郷」の事務所 見えないニーズを拾いたい。地域に根ざしたステーションを目指して 今後のビジョンとして、私は単なる訪問看護にとどまらず、地域にまだ存在する『困っているけれど声を上げられない人』を助けたいと考えています。訪問中に「知らない家の中にも助けを求めている人がいるのではないか」と感じることがあるんです。依頼を受けた方に看護を提供するだけでなく『地域の健康相談室』のような活動を展開し、潜在的なニーズを持つ方々を地域で支えていきたいと考えています。とくに、高齢化が進むUR団地など、地域が抱える課題にも積極的に介入していきたいです。 外部の多職種連携においては、とくにケアマネジャーとの関係性を重視しています。利用者さんにとってより良いケアを提供するためには、職種の垣根を越えた信頼関係が不可欠です。そのため、担当者会議にはできる限り出席するようにしており、全体の視点から利用者さんを見つめることを意識しています。 また、月に一度作成する報告書も、居宅介護事業所へ出向き、あえてケアマネジャーへ手渡しで届けるようにしています。これにより、報告書に記載された内容だけでなく、直接顔を合わせて情報交換する機会を作り『顔の見える関係』を築くことができるんです。職種の垣根を越えて気軽に相談し合える信頼関係を構築したいという考えをスタッフも理解してくれ、積極的に取り組んでくれています。直接会うことで、利用者さん以外の、地域の困りごとについても相談しやすくなり、より広範囲で地域の方々をサポートできると信じています。 インタビュアーより 訪問看護師として、利用者様やご家族だけでなく、地域全体を支えたいという熱い想いをお持ちの片岡様。多職種を尊重しながら、より良いケアを提供するために精力的に行動しておられる姿が印象的でした。「病気だけでなく、生活全体を支える看護」に携わりたいとお考えの方におすすめのステーション様です。興味をお持ちの方は、ぜひお問合せください! 事業所概要 ユアーズ訪問看護リハビリステーション三郷(埼玉県三郷市) 住所:埼玉県三郷市三郷1-30-10 運営方針・理念:ご利用者様とご家族様に寄り添い、心のケアを大切にしたコミュニケーションを第一に、安心して在宅療養を続けられるようサポートいたします。 また、スタッフが一人ひとりの利用者様にきちんと向き合い、やりがいを持って働ける環境づくりにも努めています。ご利用者様とご家族、そして働くスタッフの誰もが明るく自分らしく過ごせるよう、まごころを込めた看護・リハビリ・介護支援を提供してまいります。 事業所紹介ページ:https://ns-pace-career.com/facilities/14854 この記事を読んで「訪問看護、自分にもできるかも」と感じた方へ 「もっと患者さんと関わりたい」「自分らしい看護を実現したい」そう感じている看護師の方は少なくありません。 NsPace Careerナビでは、訪問看護の現場で働く看護師のリアルな声を多数掲載しています。 精神科訪問看護で活躍する看護師の声 未経験から訪問看護を始めた体験談 育児と両立しながら働く現場の実例 各ステーションの教育体制・チーム文化 さらに、キャリアの悩みやモチベーション維持のコツなど看護師として働くうえで役立つ記事も充実。 「自分に合う訪問看護の職場って、どんなところだろう?」そのヒントが、きっと見つかります。 ▶ 他の訪問看護師インタビューを読むhttps://ns-pace-career.com/media/ 記事提供:NsPace Careerナビ編集部 NsPace Career

想いがつながる場所~シームレスケア訪問看護ステーションの挑戦・宮崎さん・梶さんにインタビュー~
想いがつながる場所~シームレスケア訪問看護ステーションの挑戦・宮崎さん・梶さんにインタビュー~
インタビュー
2026年4月14日
2026年4月14日

想いがつながる場所~シームレスケア訪問看護ステーションの挑戦・宮崎さん・梶さんにインタビュー~

【※本記事はNsPace Careerが事業所向けに提供している「特集記事掲載サービス」によるものです。取材・撮影・編集はNsPace Careerが担当しました。】 人生と向き合うきっかけ――「在宅ケア」への転機 「せっかくやるなら、社会的に意味のあることをしたいと思いました」 そう語るのは、株式会社シームレスケア代表の宮崎さんです。急性期の総合病院で約5年間勤務されたのち、ご自身の家族の介護を通じて在宅ケアの世界に入りました。 「母が難病になり、自宅でケアを受けるようになったのです。そのとき、訪問看護のありがたさを肌で感じたのがきっかけでした。加えて、私自身、三つ子を育てていた時期でもあり、時間的な柔軟性が必要でした」 訪問看護の現場で経験を積み重ねていく中で、次第に「もっと栄養面まで踏み込んだ支援がしたい」と考えるようになりました。そこで、病院勤務時代の仲間である管理栄養士に声をかけ、北海道から転居してもらい、共に2018年に「シームレスケア訪問看護ステーション」を立ち上げました。 設立当初は、事業の方向性や現場での運営体制も手探りの状態でした。制度も整っていない中での立ち上げでしたが、仲間との対話や利用者さまとの信頼関係の積み重ねにより、少しずつ地域に根ざしたステーションとして成長していきました。 「切れ目のないケアを届けたい」という理念は、今もなお組織の核となっています。医療・介護・生活支援が途切れることなく繋がること。それが、利用者さまの安心感や生活の質の向上に直結すると信じているからです。 シームレスケアの歩みには、「誠実さ」が常に根底に流れています。宮崎さん自身、「人として誠実であること」が、すべての行動や判断の原点だと語ります。 「うちの仲間たちは、誰かのために動ける人ばかりです。利用者さまに対してだけでなく、職員同士に対しても、互いに思いやりを持って接しています。そうした誠実な姿勢が、組織としての信頼につながっているのだと思います」 この信念は、単に理念として掲げるだけでなく、日々の実践の中で自然と表れています。困っているスタッフがいれば手を差し伸べ、困難なケースに直面してもチームで話し合いながら乗り越えていく――そんな姿勢が、職場全体に息づいているのです。 その積み重ねが、地域からの信頼にもつながり、今では多くのケアマネジャーや医療機関からも頼りにされる存在となっています。事業所としての規模が大きくなる中でも、「目の前の一人に誠実に向き合う」という姿勢を忘れずに、地域に根ざしたケアを続けています。 働きやすさを支える柔軟な制度と人のあたたかさ 看護部主任の梶さんは、神奈川県で急性期病院やクリニックに勤務された後、転居をきっかけに訪問看護の道を選ばれました。 「直接ケアに関わり、アセスメントの力をもっと磨きたい。訪問看護って、子育てと両立しやすいと聞いたのです。ちょうど新しい環境を探していたので、『やってみよう』と思いました」 最初は未経験で不安もありましたが、「紹介会社の方から“ここ、人がとてもいいよ”と勧められて。それが後押しになりました」と話していました。 実際に入職してみると、その言葉通りだったそうです。子育て中のスタッフが多く、病児保育を兼ねたこどもとの同伴出勤を許可するサポートもあり、安心して働けると感じたそうです。 「子どもが熱を出したときでも、“お互いさま”の精神で理解してくれる環境があるのです。それって、本当にありがたいことだと思います」 子育てしているスタッフがいるからこそ、お互いに信頼して支えながら仕事ができることは、キャリアプランが途切れないために重要な要素です。 同行訪問や段階的なオンコール指導により、無理なくステップを踏むことができます。 「最初から一人で行ってと言われていたら、絶対に無理でした。でも、先輩が同行してくれたり、少しずつ任せてくれたりしたので、不安なく始めることができました」 訪問看護が未経験だった梶さんも、安心してキャリアを積むことができたようです。 制度面も充実しており、子どもの同伴出勤、1時間単位の有給など、スタッフの生活を支える工夫が随所に見られます。また、定期的な面談を通じて、キャリアやライフスタイルに合った働き方を共に考える体制も整えられています。 「自分らしく、そして安心して働ける場所です」 明るくはきはきとお話しされる梶さん。 職種の垣根を越えた連携が生む“シームレスな支援” シームレスケアでは、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士など、幅広い専門職が連携し、利用者さまを多角的に支えています。この連携の要は、専門性を尊重し合い、対等な立場で意見を交わす風土にあります。 「腰痛がある方に、“どうすれば負担なく介助できるか”をセラピストに相談できるのです。足の置き方ひとつで、本当に変わるのですよ」 このような現場のやりとりは日常的に行われています。実際に、清拭しかできなかった方がシャワー浴を希望された際にも、リハビリ職と相談しながら動線や移乗方法を見直すことで、安心・安全に希望を実現させたというエピソードもありました。 また、リハ職が看護師の動作を観察しながら「その介助方法、腰に負担がかかりませんか?」とフィードバックを行うこともあれば、逆に看護師が「この方の体調面からすると、今日の訓練はこう調整したほうが良いかもしれません」と助言することもあります。 「どこに足を置けば腰への負担が減るか」「この体位での介助は安心か」といった現場での細やかな工夫は、表には出にくいながらも、利用者さまの生活の質を大きく左右する重要な要素です。 こうした“気軽に相談できる関係性”は、日々の積み重ねによって築かれています。「なるべくみんなでランチをしたり、対面で会ったりする時間を大切にしています。顔を合わせると、信頼感が育まれるのですよね」 日常的にコミュニケーションを取ることで、単なる情報共有を超えた「相互理解」が生まれ、それが連携の質を一層高めています。チームの中で、誰かがひとりで抱え込むことなく、「困ったらすぐ相談できる」関係性が、職種を問わず築かれているのです。 そして、この“シームレス”な関係性は、単に職務を円滑にするだけでなく、ケアの質そのものを底上げしています。利用者さまの「その人らしさ」を引き出すためには、身体的なケアだけでなく、心理的な安心感や信頼関係の構築が欠かせません。 シームレスケアでは、職種の違いを超えて“ひとつのチーム”として、常に「この人にとって、いま何が最善か」をともに考え続けています。このような文化が、“切れ目のない支援”の根幹となっているのです。 地域に根ざす「誠実な会社」であり続けるために 宮崎さんが掲げる目標の一つは、「地域で最も誠実な会社」であることです。 「地域の皆さまにとって、安心して頼れる存在でありたいです。そして職員にとっても、“ここで働けて良かった”と思える職場を目指しています」 その思いの背景には、ご自身の在宅介護経験を通して実感した、地域に根差した包括的な支援体制の重要性があります。訪問看護の現場では、看護だけで解決できない課題も多く存在し、そのたびに「チームでどう補い合えるか」が問われます。 そのため、宮崎さんは今後のチャレンジとして、地域に診療所を開設し、訪問看護・訪問リハビリ・居宅介護支援といった多職種サービスを一体化させる構想を描いています。 「在宅医療って、診療、看護、リハビリが一体となってはじめて機能するのですよね。それを地域の中で完結できるようにしたいのです」 このような地域連携の強化は、利用者さまの安心・安全な暮らしを支える基盤となり、同時に、働くスタッフにとっても専門性を発揮しやすい環境につながります。 また、会社としての持続的な成長にも目を向けています。事業を安定的に発展させることにより、職員への給与や教育面での還元を進め、モチベーションや働きがいを高めていくことを目指しています。 「職員一人ひとりの“やってみたい”という想いを大切にしています。そのチャレンジが、結果的に地域への貢献にもつながる。そんな循環を大切にしています」 こうした理念のもと、現場では日々「自分ごと」として物事に向き合う姿勢が根づいています。小さな気づきを見逃さず、丁寧に形にしていく。その積み重ねが、地域社会の中で確かな信頼となって花開いているのです。 「安心して頼れる存在でありたい」と地域全体にも目を向けられている宮崎さん。 これからの仲間へ――挑戦と成長を支える土壌 シームレスケアでは、未経験から訪問看護に飛び込むスタッフも多く、支援体制がしっかり整えられています。同行訪問を重ね、段階的にオンコールを持ちます。緊急訪問の際は先輩とペアで行うなど、安心してスキルを積み重ねていける環境です。訪問看護が未経験の場合、「一人で訪問するのが心配」と不安に感じる方も少なくありません。シームレスケア訪問看護ステーションでは、少しずつ成功体験を得ながら、チャレンジしていけるような支援を用意しています。 「最初から一人でやってと言われていたら、不安でいっぱいだったと思います。でも、先輩がずっとフォローしてくれて、本当にありがたかったです」 また、勉強会や外部研修も無理のない頻度で行われており、日々の業務を圧迫しないような工夫もなされています。加えて、ライフワークバランスを支援する制度として、育休復帰時の面談やコーチング支援なども充実しています。 「最初に産休を取ったスタッフがいたとき、制度がまだ整っていなかったのです。でもそのときに“ライフワークバランスサポーター”という新たな役割が生まれて、一人ひとりの働き方をより丁寧に考えるようになりました」 このように、スタッフの声を起点に制度がつくられていく文化が、組織の中に根づいています。より良い組織を作っていく中で、オープンな風土があることが働きやすさや、看護ケアの向上にもつながっています。 「ここでは、“看護師である私”と“母親である私”、どちらも大切にできるのです」 梶さんの言葉は、多くのスタッフの想いを代弁しているように感じられます。 インタビュアーより 取材を通して何度も耳にしたのは、「人がいい」という言葉でした。それは、単なる仲の良さではなく、専門職同士がお互いの強みを活かし合い、信頼でつながっている証だと感じました。 「切れ目のない支援」とは、制度や技術だけではなく、一人ひとりが目の前の人に丁寧に向き合い続ける“姿勢”から生まれるものなのかもしれません。 また、特に印象に残ったのは、制度づくりにおける柔軟さとスピード感でした。初めての産休取得者が出た際に「ライフワークバランスサポーター」という新たな仕組みを立ち上げたという話は、まさに現場の声が制度を形づくる好例だと感じました。 一人ひとりの「こうして働きたい」という思いが、決して置き去りにされない。そうした空気の中でスタッフがのびのびと働いている姿は、まさに「人を大切にする組織」そのものでした。 看護の専門性と人間性、そのどちらも大切にしながら成長していける場所。そんな職場で働くことの意義と希望を、今回の取材で強く実感しました。 誰一人置き去りにしない、そんな想いが、この場所には確かに息づいていました。 事業所概要 株式会社シームレスケアシームレスケア訪問看護ステーション ■稲毛ステーション住所:千葉市稲毛区穴川4-13-28-201 ■検見川ステーション住所:千葉市花見川区検見川町3-326-1 平助ビル201 ■習志野ステーション住所:習志野市鷺沼台3-12-18-101 開設日:2018年8月1日 訪問エリア:千葉市稲毛区、美浜区、花見川区、習志野市が主なエリア 経営理念 ミッション○在宅医療・介護が変わる流れをつくる○在宅療養者様が、体験したことのない感動と安心を提供する ビジョン○チームによる集合知により、最良で最適なサービスを提供する○利益追求とともに、顧客・職員の幸せを追求する○地域でNo.1の誠実な在宅医療チームを目指す 事業所紹介ページhttps://ns-pace-career.com/facilities/14546 この記事を読んで「訪問看護、自分にもできるかも」と感じた方へ 「もっと患者さんと関わりたい」「自分らしい看護を実現したい」そう感じている看護師の方は少なくありません。 NsPace Careerナビでは、訪問看護の現場で働く看護師のリアルな声を多数掲載しています。 精神科訪問看護で活躍する看護師の声 未経験から訪問看護を始めた体験談 育児と両立しながら働く現場の実例 各ステーションの教育体制・チーム文化 さらに、キャリアの悩みやモチベーション維持のコツなど看護師として働くうえで役立つ記事も充実。 「自分に合う訪問看護の職場って、どんなところだろう?」そのヒントが、きっと見つかります。 ▶ 他の訪問看護師インタビューを読むhttps://ns-pace-career.com/media/ 記事提供:NsPace Careerナビ編集部 NsPace Career

「この人の人生に関われる」——訪問の現場で育った看護師の物語 ~訪問看護ステーションMARE 吉原さんにインタビュー~
「この人の人生に関われる」——訪問の現場で育った看護師の物語 ~訪問看護ステーションMARE 吉原さんにインタビュー~
インタビュー
2026年3月31日
2026年3月31日

「この人の人生に関われる」——訪問の現場で育った看護師の物語~訪問看護ステーションMARE 吉原さんにインタビュー~

【※本記事はNsPace Career が事業所向けに提供している「特集記事掲載サービス」によるものです。取材・撮影・編集はNsPace Career が担当しました。】 訪問看護との出会いは、驚きの連続だった 「自分の家族の中に、ケアが必要なひとがいて。地域で受ける医療や介護はもともと身近だったんです——」 病棟経験はあったものの、訪問看護は初めて。吉原さんは知らない世界に飛び込む不安もあったと言います。 「最初は“本当に一人で行くの?”って。病棟ではチームで動くのが当たり前だったので、一人で判断する場面があるって聞いた時は正直怖かったです」 けれど、実際に現場に立ってみると、その印象は大きく変わっていきました。 「おうちの中に入って、その人の人生の一部を見せてもらう感じ。こんなに丁寧に関われるんだって驚きました」 訪問看護ならではの濃い関わり。吉原さんの心には、その新鮮さとやりがいが強く残ったそうです。はじめての訪問看護では、主に精神疾患を抱える利用者さんへ訪問していたと話す、吉原さん。 その後、ご縁があって訪問看護ステーションMAREに入職されました。入職後は、その明るいお人柄を評価され、主任としてスタッフを引っ張っています。 未経験からの挑戦——「わからない」を乗り越えて 最初は、とにかく「わからないことだらけ」。 「何かをするときに“これで大丈夫?”と思ってました。病棟ではすぐ聞けるけど、訪問はその場で判断しないといけない。それが怖かったですね」 それでも、吉原さんが一歩ずつ前に進めたのは、周囲の支えがあったからだといいます。 「“わからないならすぐ聞いて”と常に言ってもらえたんです。報告や相談がしやすい雰囲気で。同行訪問もたくさんしてもらえたので、自信がつくまで安心して学べました」 スタッフみんなが話しやすく、相談しやすい。そういった雰囲気の中で、日々の積み重ねが少しずつ自信に変わっていきました。 「わからないってこと自体が、成長の種なんだって今は思えます」 明るく笑顔でお話しされる吉原さんには、元気がもらえる。 「この人の人生に関われる」訪問のやりがい 病棟では感じられなかった“生活のリアル”。訪問の現場では、それが日常です。 「肺炎を繰り返す方がいて、毎月のように入院していたんです。どうしたら再発せずにおうちで暮らせるかみんなで考えたり、悩んだりして…その方、入院はしたくなくて。ケアの介入頻度を増やして関わったことで、その後入院せずにご自宅で過ごせているんですよ」 吉原さんは、自分のことのように嬉しそうに利用者さんの話をしてくれます。 「“ありがとうね”って言われた時は、やっぱり嬉しいです。病院とは違って、感謝の言葉がダイレクトに返ってくるのが訪問の魅力だと思います」 自分の関わりが、その人の人生や生活に直接つながっている。だからこそ、感じられる喜びも大きいのかもしれません。 一人じゃないから頑張れる——支え合うチームの存在 「一人で行くから不安、と思われがちなんですけど……実は全然一人じゃないんです」 吉原さんは、そう断言します。訪問の現場では、一人で訪問していても、常にチームとつながっています。 「訪問中に“これどうしよう”って思ったら、すぐに電話で聞けるんです。『それならこうしてみて』ってすぐ返ってくる。そういう安心感があるから、怖くなくなるんですよね」 また、訪問看護ステーション全体の雰囲気も、吉原さんの背中を押してくれたそうです。 「スタッフを“みんなで育てる”空気があるんです。上下関係というより、横のつながりが強い。誰かが困ってたら、みんなでフォローしようっていう文化があるから、挑戦しやすいんです。それに、スタッフとは“1日1笑”ではなく、それ以上の“1日5笑以上”です!楽しく働けているのもスタッフみんなの明るいところだと思います」 お互いを支え合うスタッフにも訪問看護ステーションMAREならではの特徴があります。看護師だけでなく、理学療法士や言語聴覚士が在籍しており、多様な関わりをすることで、利用者さんの生活のサポートをより豊かにしています。さらに、訪問美容を担っている、美容師も在籍しているため飛び込みの依頼が直接事務所に来ることもあるとか。 「近所の方がチラシやポスターを見て、“髪を切ってほしいの”と訪問美容だけの依頼が来ることもあります。地域の方に訪問看護を知っていただく良いきっかけになっていると嬉しいです。」 訪問看護だけにとらわれず、地域にも開かれた訪問看護ステーションとして新しいケアの形を提供しています。 未来の仲間へ伝えたいこと 未経験で不安を感じている看護師さんへ、吉原さんはこう語ります。 「“できない”を理由にしなくて大丈夫です。私も最初はできなかったけど、それでもここまでこられました」 そして最後に、こんな言葉を添えてくれました。 「患者さんに関わることで、自分自身が育てられる——そんな仕事です。迷っているなら、ぜひ一度見学に来てほしいです」 やわらかく、でも力強いメッセージ。 訪問看護の温かさ、そして吉原さんのまっすぐな人柄が、きっと誰かの背中をそっと押してくれることでしょう。 インタビュアーより 「楽しいって思えるのがいちばん」という吉原さんの言葉が、とても印象的でした。訪問看護は、一人ひとりの人生に丁寧に寄り添える仕事。それが大変ではあるものの、“楽しい”ととらえる吉原さんのまなざしや語り口から、その奥深い魅力を強く感じました。 経験の有無にかかわらず、「人と丁寧に向き合いたい」と思う方にこそ、訪問看護という選択肢がある——そう思わせてくれるインタビューでした。 スタッフの中には、訪問美容を担当する美容師さんも働いています! 事業所概要 事業所名:訪問看護ステーションMARE 住所:〒661-0025 兵庫県尼崎市立花町1-14-11 ハイツルミナール302号 ◎ 勤務形態:常勤・非常勤(応相談) ◎ 教育体制:同行訪問・定期カンファレンス・OJTあり ◎ 雰囲気:落ち着いたアットホームな空気。子育て中のスタッフも活躍中。 運営方針:ステーションの看護職員等は、要介護者の心身の特性を踏まえて、全体的な日常生活動作の維持、回復を図ることを重視した在宅療養が継続できるように支援いたします。要支援者が可能な限りその居宅において、自立した日常生活を営むことができるよう、その療養生活を支援するとともに利用者の心身の機能の維持回復を図り、もって利用者の生活機能の維持又は向上を目指すものといたします。 事業の実施に当たっては、関係市町村、地域の保健、医療、福祉サービスとの綿密な連携を図り、総合的なサービスの提供に努めるものとします。 兵庫県尼崎市にある訪問看護ステーション。未経験者の受け入れ体制が整っており、「パーキンソン病・がんターミナル専門」24時間対応型訪問看護ステーションです。スタッフ同士の横のつながりが強く、安心して相談・共有できる風通しの良さが魅力。 事業所紹介ページ:https://ns-pace-career.com/facilities/16677 この記事を読んで「訪問看護、自分にもできるかも」と感じた方へ う感じている看護師の方は少なくありません。 NsPace Careerナビでは、訪問看護の現場で働く看護師のリアルな声を多数掲載しています。 精神科訪問看護で活躍する看護師の声 未経験から訪問看護を始めた体験談 育児と両立しながら働く現場の実例 各ステーションの教育体制・チーム文化 さらに、キャリアの悩みやモチベーション維持のコツなど看護師として働くうえで役立つ記事も充実。 「自分に合う訪問看護の職場って、どんなところだろう?」そのヒントが、きっと見つかります。 ▶ 他の訪問看護師インタビューを読むhttps://ns-pace-career.com/media/ 記事提供:NsPace Careerナビ編集部

ケアマネと管理者、二つの視点で紡ぐ訪問看護〜衣病訪問看護ステーション 安田さんにインタビュー〜
ケアマネと管理者、二つの視点で紡ぐ訪問看護〜衣病訪問看護ステーション 安田さんにインタビュー〜
インタビュー
2026年3月10日
2026年3月10日

ケアマネと管理者、二つの視点で紡ぐ訪問看護〜衣病訪問看護ステーション 安田さんにインタビュー〜

ケアマネージャーと管理者の二つの役割を担いながら、日々利用者に寄り添う安田真琴さん。子育ても両立しつつ、仲間と「楽しい看護」をつくりあげてきました。その背景には、安田さん自身の経験から生まれた視点と、仲間と築いたチームの力がありました。 【※本記事はNsPace Career が事業所向けに提供している「特集記事掲載サービス」によるものです。取材・撮影・編集はNsPace Career が担当しました。】 安田さんのキャリアと訪問看護との出会い 安田さんが看護師として歩み始めたのは、内科外来のクリニックでした。その後、外科と整形外科の混合病棟、内科病棟、外来や手術室など、さまざまな領域での経験を重ねてこられました。 そんな折、ある患者さんとの出会いが安田さんの心に深く残ります。 「病院では食事がなかなか食べられず、主治医と一緒にさまざまな工夫をしていた患者さんがいました。その方が『妻と一緒にいたい』と退院され、訪問看護で様子を見に行ったら…驚くほどモリモリ食べていたんです。環境がこんなにも人に影響するのかと、強く感じた瞬間でした」 「あの笑顔がまた見たい」と、訪問看護師への想いが強まった安田さん。 訪問看護を始めるにあたり「ケアマネージャーの資格が役に立つ」とアドバイスを受けた安田さんは、在宅分野への移動を見据えて資格を取得。こうして訪問看護の世界に足を踏み入れました。 爽やかな笑顔で訪問にむかう安田さん 子育てと両立しながら、変化する働き方 訪問看護師として常勤勤務を始めて間もなく第一子を出産。夜間オンコールが難しいため非常勤へ切り替えました。 「ありがたかったのは、非常勤でも産休・育休が取れたことです。子育て中も無理せず働き続けられる環境でした」 第二子出産後はしばらくケアマネ業務に専念。ライフステージに応じて柔軟に働き方を選べる職場の風土が、安田さんを長く支え続けています。 そしてコロナ禍による看護師不足をきっかけに、再び訪問看護の現場へ。現場への想いとこれまでの経験を買われ、管理者の役割を任されることになりました。 「訪問看護ステーションだけの視点ではなく、“誰に相談すれば利用者さんにとって最適か”を常に考えられるようになりました」 ケアマネージャーとして培った俯瞰力が、管理者としての判断や多職種連携にも大きく活きています。 コロナ禍で見えた、チームで守る連携体制 安田さんが管理者として働き始めたころは、コロナ禍による人手不足や利用者さんへのサービス提供の制限が続く厳しい時期でした。 「コロナ禍は本当に大変だったんですけど、その時からいてくれるメンバーも新しく入ったメンバーも、みんな頑張ってくれました」 こうした経験が、チームとしての結束力をあげているそうです。また、安田さんはステーションで働くスタッフの良さをこう語ります。 「うちは“利用者さんのために納得できるまで”を大切にしています。便秘ひとつでも根本から考えようとするスタッフばかりです」 毎朝のカンファレンスで疑問や不安を共有し、議論が長引けば夕方に再度集まることもあります。 「利用者さんのことを考えて、“あれがいいんじゃない”“いや、こっちの方がいいんじゃない”と熱く話し合える方が看護の質を高める上でおもしろいんじゃないかなと思うんで」と、スタッフの成長やモチベーションの高さを温かく見守る安田さんの姿があります。 また、訪問中に感じたことや悩みも、素直に吐き出せる風通しの良さもあります。 「愚痴でも感想でも、何でも話せる環境だからこそ、長く続けられると思います」 辛いこともある中で、安田さんは「楽しい看護ができる職場にしていきたい」と話します。 利用者さんについて熱心に話し合うステーションの皆さん 新人看護師への教育とキャリアアップ体制 新しく加わった看護師には、まず1週間の同行見学期間を設け、その後も3回程度の同行訪問で徐々に慣れてもらいます。独り立ち後もプリセプターが付き、成長に合わせて支援します。 「訪問中に少しでも不安があれば、すぐ電話してほしいと伝えています」 実際に訪問の際に慌てて連絡してきたスタッフにも、丁寧に対応しているそうです。 「例えば、訪問中に『この排泄量は利用者さんにとって問題ないことなのかな』と不安になったスタッフが、電話をかけてきたことがありました。利用者さんに長く訪問している先輩看護師であれば、誰でも答えられるようにしています。」 法人全体としても、看護師の成長支援に力を入れており、クリニカルラダーを導入し、段階的にスキルアップを図る体制が整っています。 「認定看護師や専門看護師、特定行為研修に関しても、学費の補助制度があります。学びたい気持ちを応援してくれる仕組みがあるのも、心強いですよね」 利用者・地域とつながる日常の積み重ね 衣病訪問看護ステーションでは、利用者さんのために多職種を巻き込んだカンファレンスが日常的に行われています。 「必要があれば、病院や訪問診療の先生、ケアマネにも声をかけて、カンファレンスで丁寧に整えていくんです」 こうした場を実現できるのは、多職種それぞれが「利用者さんのためなら必要な時間」と理解しているからこそ。 「衣笠病院の先生も、ケアマネージャーも、訪問診療の先生も、みんな“巻き込まれてくれる”ので、本当にありがたい環境だなと思っています」 また、地域とのつながりづくりにも積極的です。町内会を巻き込んだ会議や地域連携会議への参加、横須賀の拠点ブロックで行われる看護師同士のグループ研修など、顔の見える関係を大切にしています。 「“ひと”が相手の仕事だからこそ、関係性を大事に。職場の内外を問わず、自然につながり続けていけたらと思っています」 こうした姿勢が、利用者や地域の人々に「ここに相談すれば安心」と思ってもらえる信頼の土台となっています。 インタビュアーより 穏やかな語り口で、時に笑いも交えてお話しくださった安田さん。利用者にもスタッフにも誠実に向き合い、笑顔で働ける職場を目指す姿が印象的でした。ケアマネージャーと管理者、二つの視点を持つ安田さんだからこそ描ける訪問看護の形が、ここにはあります。 事業所概要 事業所名:衣病訪問看護ステーション 開設:1996年10月1日 法人名:社会福祉法人日本医療伝道会(衣笠病院グループ) 所在地:神奈川県横須賀市小矢部2-23-1(衣笠病院内) 管理者:安田 真琴 最寄駅:JR横須賀線「衣笠駅」徒歩5分 電話:046-852-1471 FAX:046-852-1485 メール:health@kinugasa.or.jp / soumuka@kinugasa.or.jp Webサイト:http://www.kinugasa.or.jp 介護保険事業所番号:1461990043 事業所紹介ページ:https://ns-pace-career.com/facilities/16744  ステーション紹介:地域密着の衣笠病院グループが運営する訪問看護ステーション。自宅での療養生活を支えるため、ご利用者のQOLを大切にした看護を提供。教育体制や福利厚生も充実し、子育て中の方や訪問看護未経験者も安心して働ける環境です。 この記事を読んで「訪問看護、自分にもできるかも」と感じた方へ 「もっと患者さんと関わりたい」「自分らしい看護を実現したい」そう感じている看護師の方は少なくありません。 NsPace Careerナビでは、訪問看護の現場で働く看護師のリアルな声を多数掲載しています。 精神科訪問看護で活躍する看護師の声 未経験から訪問看護を始めた体験談 育児と両立しながら働く現場の実例 各ステーションの教育体制・チーム文化 さらに、キャリアの悩みやモチベーション維持のコツなど看護師として働くうえで役立つ記事も充実。 「自分に合う訪問看護の職場って、どんなところだろう?」そのヒントが、きっと見つかります。 ▶ 他の訪問看護師インタビューを読むhttps://ns-pace-career.com/media/ 記事提供:NsPace Careerナビ編集部

インタビュー
2026年2月24日
2026年2月24日

子育ても、学び直しも、今の自分を大切にできる職場~訪問看護ピアステーション 坂倉さんにインタビュー~

「学校に行きづらかった過去」「不登校の娘との時間」――代表・坂倉幸さんが精神科に特化した訪問看護事業を立ち上げた背景には、ご自身の体験に根ざした深い想いがありました。医療や福祉の枠組みを超え、「安心安全な家から社会とつながる第一歩を」と願いを込めて運営される『訪問看護ピアステーション』。未経験でも安心してスタートできる教育体制や、働く人の「今の暮らし」に寄り添う柔軟な働き方について、お話を伺いました。 【※本記事はNsPace Career が事業所向けに提供している「特集記事掲載サービス」によるものです。取材・撮影・編集はNsPace Career が担当しました。】 「誰もが社会とつながれる場を」――訪問看護を始めた理由 -ご経歴について教えていただけますか? もともとはフリーランスのカウンセラーやコーチとして活動していたという坂倉さん。私立中学・高校などの教育現場で教職員の研修を任される中で、福祉事業所からも研修依頼が相次ぐようになったそうです。 「研修を通して、福祉って本当に素晴らしい分野だと感じたんです」 そう語る坂倉さんには、ご自身や娘さんが学校に行きづらかったという体験がありました。教育へのアクセスが経済格差や制度のはざまで制限される現状に直面し、支援の手が届きにくい家庭が多いことに気づいたといいます。 「中には親子で引きこもりになってしまう家庭もあります。何か公的な仕組みを使って、社会とつながる第一歩をつくれないかと考えて調べた結果、訪問看護にたどり着きました」 家にいながら安心して関わることができ、医療保険で費用負担も抑えられる訪問看護は、まさに社会への扉。その仕組みを活かすことで、「誰も取り残されない支援」が実現できるのでは――そんな想いから、『訪問看護ピアステーション』は生まれました。 寄り添う力を育む、“聴く”訪問看護 -ピアステーションが大切にしている支援のスタンスについて教えてください。 「支援者からアドバイスするのではなく、利用者さんのお話をじっくり聴くことを一番大切にしています」 そう語る坂倉さんの表情には、強い信念とともに、やわらかなまなざしが感じられました。 訪問看護ピアステーションは精神科訪問看護を得意としており、利用者の多くは、医療的な処置よりも心理的なサポートを求めている方々。だからこそ、支援者には“聴く力”が求められるのです。 「30分間しっかりと向き合い、アドバイスではなく質問を通して、その方自身のニーズを一緒に探っていきます。上からでも下からでもなく、伴走者として」 この「伴走」の姿勢は、スタッフ一人ひとりにも丁寧に伝えられています。 未経験でも安心――実践に根ざした教育体制 -未経験者の教育体制についても教えてください。 「精神科訪問看護が未経験の方には、精神科訪問看護研修会を受講してもらっています」 ピアステーションでは、利用者さんを“患者”ではなく、あくまでも“主役”として支援するスタンスを学ぶことから始めます。そのための講座や研修を整備しているそうです。 また、坂倉さん自身のカウンセリングやコーチングの経験を活かした実践的な研修も随時提供されており、希望者には支援資格の取得支援も行っています。 「もちろん強制ではなく、希望される方に提供する形です。でも、学びたいという気持ちはどんどん応援したいですね」 “教えて育てる”ではなく、“共に育つ”ことを大切にする――その言葉どおり、ピアステーションには優しさと主体性が共存する教育文化があります。 働き方は自分で選ぶ――ママナースにもやさしい環境 -働き方における工夫や柔軟性についてはいかがですか? 「基本的に直行直帰OKですし、パートさんはスポットでの訪問も大歓迎です」 ピアステーションでは、オンコールや緊急対応もなく、事前の相談があればお子さんの行事に合わせてお休みも可能とのこと。 「私自身がシングルマザーで子育てをしてきた経験があるので、お母さんにもお子さんにも無理のない環境をつくりたいんです」 勤務形態も柔軟で、ライフスタイルに合わせた働き方ができます。残業も少なく、ワークライフバランスを重視したい方にとっても、安心して長く働ける職場です。 「共に育つ」仲間を待っています -求職者の方へのメッセージをお願いします。 「例えば“こういう学びを深めたい”“こういう研修を受けてみたい”という思いがある方は、ぜひ共有してほしいです。一緒に成長できたらうれしいですね」 一方で、「キャリアアップよりも、今の自分らしく働ければいい」という方も大歓迎とのこと。 「若い看護師さんなら、子どもの利用者さんと一緒に遊ぶことができたり、子育て中の方なら、その経験がそのまま力になると思います。看護師さん自身の“得意”や“経験”を活かせる場所にしたいんです」 法人全体としても、訪問看護だけでなくさまざまな福祉事業を展開しており、「ピア=仲間」として共に育ち合える人材を歓迎しています。 インタビュアーより 精神科の訪問看護と聞くと、「特別な経験やスキルがないと難しそう」と感じる方もいるかもしれません。でも、坂倉さんのお話を伺いながら、その印象はゆっくりとほぐれていきました。 ピアステーションには、「できること」ではなく「ありのままの経験や想い」を大切にしながら、自分らしく働く人たちが集まっていました。そこには、“教える人”と“教わる人”という上下ではなく、共に育つ「仲間」という関係性が、自然に息づいているように思えます。 子育てと両立したい方、精神科訪問看護に初めて挑戦する方、そして「ちょっと自信がないけれど、誰かの力になりたい」と思っている方。そんな方にこそ、ぜひ一度、ピアステーションの扉をノックしてみてほしい――そんな気持ちを込めて、このインタビューをお届けします。 事業所概要 事業所名:訪問看護ピアステーション 住所:〒604-8413 京都府京都市中京区西ノ京勧学院町27-17 事業所紹介ページ:https://ns-pace-career.com/facilities/17001 この記事を読んで「訪問看護、自分にもできるかも」と感じた方へ 「もっと患者さんと関わりたい」「自分らしい看護を実現したい」そう感じている看護師の方は少なくありません。 NsPace Careerナビでは、訪問看護の現場で働く看護師のリアルな声を多数掲載しています。 精神科訪問看護で活躍する看護師の声 未経験から訪問看護を始めた体験談 育児と両立しながら働く現場の実例 各ステーションの教育体制・チーム文化 さらに、キャリアの悩みやモチベーション維持のコツなど看護師として働くうえで役立つ記事も充実。 「自分に合う訪問看護の職場って、どんなところだろう?」そのヒントが、きっと見つかります。 ▶ 他の訪問看護師インタビューを読むhttps://ns-pace-career.com/media/ 記事提供:NsPace Careerナビ編集部

利用者の日常と希望を支える看護を~スタッフの働きやすさを追求~訪問看護ステーションちるな 石高さんにインタビュー
利用者の日常と希望を支える看護を~スタッフの働きやすさを追求~訪問看護ステーションちるな 石高さんにインタビュー
インタビュー
2026年2月10日
2026年2月10日

利用者の日常と希望を支える看護を~スタッフの働きやすさを追求~訪問看護ステーションちるな 石高さんにインタビュー

訪問看護ステーションちるなの管理者である石高様は、多忙な医療現場や、患者様の「家に帰りたい」という願いに触れるなかで、予防医療と看護師の働き方改革の必要性を痛感されたそうです。そんな石高様に、訪問看護ステーション設立のきっかけや思い、そして今後のビジョンについてうかがいました。 【※本記事はNsPace Career が事業所向けに提供している「特集記事掲載サービス」によるものです。取材・撮影・編集はNsPace Careerが担当しました。】 自身のやりたい看護を追い求めて。訪問看護ステーション設立への道のり 私は2010年に看護師の免許を取得し、地元である北海道の急性期病院に勤めました。その後、救急医療を学ぶために上京し、大学病院の救命センターやICUで働き、経験を積みました。緩和ケアや退院支援を行う病棟に異動した際には、患者さんとの関わりを大切にした看護ができるようになりました。 しかし、ICUなどクリティカル領域へ再び異動することになり、自分のやりたい看護とのギャップに悩みを感じるようになりました。 そのなかで、新人看護師の離職の多さや、医療者と一般の人々との知識の格差といった看護業界の課題に気づき「なんとかできないか」と考えるようになりました。 ちょうどコロナ禍の時期でもあり、個人事業主としてSNSやYouTubeで看護業界の課題に関する情報発信を開始。 1年ほど活動を続けるなかで、訪問看護に出会いました。「入院や急変の前段階で関わり、適切なアセスメントを行うことで不必要な入院が減り、結果として患者さんも医療者も救われる社会を作れるのではないか?」という思いが芽生え、訪問看護事業を通して看護業界の課題解決ができるのではないかと思いました。 訪問看護の経験はなかったものの、北海道の知人のステーションで研修を受け、その後「訪問看護ステーションちるな」を設立しました。SNSでの発信を通じて、思いに共感してくれた看護師さんたちに声をかけ、初期メンバーとして集まってくれたんです。 「『看護師が働きやすい場所』を作ることを目指している」とお話しされる石高さん 働きがいを追求するために。評価制度や柔軟に働ける体制を整える 現在、ステーションは設立から4年目を迎え、おかげさまで経営も順調です。私が目指しているのは『看護師が働きやすい場所』を作ることなので、スタッフと対話を重ね、どんな環境なら安心して働けるかを一緒に考えながら制度を整えています。 今年度から、スタッフの声を取り入れた新しい評価制度を導入しました。『グッジョブカード』は利用者さんからの声やちるな文化に沿った行動をスタッフ同士で評価し合い、『グッドケア』は良いケアの事例を共有し、ポイント制で賞与に反映する仕組みです。日々の良い実践を可視化し、正しく評価されることでモチベーション向上につながっているとの声があがっています。 また、柔軟で公平な働き方も導入しており、小さなお子さんがいるスタッフには、月に8時間までの急な休みをカウントしない制度を設けています。また、独身のスタッフにはフレックス制度を導入し、お互いが助け合える仕組みを試行錯誤しています。オンコール対応のためのタクシー利用も認めており、スタッフが長く楽しく働いてくれるような環境を、少しずつ整えています。 訪問看護未経験も安心のサポート体制 在籍する看護師の多くは病院勤務の経験者であり、訪問看護は未経験というケースがほとんどです。急変を未然に防ぎ、異常の早期発見を行うためには病院での経験や知識が必要不可欠なため、訪問看護が未経験でも病院経験者を積極的に採用しています。朝のカンファレンスで全員が集まり、看護計画やケア内容を話し合う時間を設けています。日常の情報共有にはチャットツールを使い、困ったことがあればすぐに相談できる体制を整えているので「リモート同行」しているような感覚でサポートし合っています。オンコール対応に不安を感じているスタッフもいるので、私自身も連絡がつくようにしていますよ。 訪問看護では、病院とは異なり医師のカルテを見ることができないのが一般的ですが、弊社では、連携しているクリニックの医師のカルテや検査結果、指示書をリアルタイムに確認できる電子カルテシステムを導入しています。これにより、医療者間の連携がスムーズになり、質の高いアセスメントやケアが可能になり、業務効率化にも繋がっています。 教育面では、外部研修の費用は会社が負担。社内ではリーダー層や管理者層が勉強会や症例検討会を企画・実施し、その活動も評価制度に反映されています。リハビリスタッフからは、看護師向けにリハビリの知識や認知機能に合わせた脳トレを共有してもらっているんですよ。 「訪問看護ステーションちるな」のスタッフさん。とても明るい雰囲気です。 訪問看護で実現する“予防的ケア”と地域との連携 私にとって訪問看護の魅力は、「利用者さんに何かが起こる前に関われる」ことです。救急搬送される前に自宅での生活を支え、異常に気付き、適切なタイミングで介入することで、不必要な入院や急変を防ぐ。この視点は、救命のひとつだと考えています。 また、入院中の患者さんが「お家に帰りたい」という最大の希望を叶えるサポートができるのは、本当に素敵なことです。 今後は、医師やケアマネジャーとの連携を強化し、地域全体で在宅医療の理解を深めるため、定期的な勉強会を開催予定です。特に「この状態ではお家は無理」と判断されがちなケースでも、実は在宅で過ごせる利用者さんが多くいます。そうした誤解を解消し、より多くの方の「お家に帰りたい」という希望を叶えるとともに、急性期病院の負担軽減に繋がる活動をしていきたいと考えています。 訪問看護師の新しい働き方への挑戦 そして、株式会社chillnaとしての長期的なビジョンとしては、看護師の新しい働き方を作ることです。現場のみではなく、リモートワークと現場を組み合わせた「ハイブリッド型」の働き方を構築したいと考えています。たとえば、書類作成を含めた事務作業をリモートで行うことで、体力的に厳しい時期でも年収を落とさずに働き続けられるような環境を作りたいという思いがあります。これは5年から10年かけて取り組む長期的なプロジェクトですが、必ず実現したい夢です。 スタッフとともに挑戦したい。求職者へのメッセージ スタッフ採用にあたり、まずは私たちのミッションやビジョン、行動指針に共感してくれることを重視しています。現場では不要なルールは作らず、ある程度の自由を尊重したいと思っています。 当ステーションには、病院での働き方に疑問を感じながらも「もっと患者さんのために頑張りたい」と、熱意と向上心を持った素直な看護師が多いのが自慢です。とても風通しが良く、楽しい雰囲気の職場だと感じています。 私の目指す『看護師の働き方を変える』というビジョンや、病院で看てきた患者さんたちの『日常』を支える訪問看護の魅力に共感し「病院ではできなかったことを叶えたい」「一緒に未来を創っていきたい」と思ってくれる方がいれば、ぜひ私たちの仲間になってほしいです。私たちは、訪問看護未経験の方でも安心して働けるよう、教育やフォロー体制を整えています。皆さんと一緒に、この新しい挑戦ができることを楽しみにしています。 インタビュアーより 利用者様の生活を支えることはもちろん、看護師の働きやすさを追求し、さまざまな取り組みをされている石高様。スタッフ全体が利用者様への看護を熱心に考え、エネルギッシュな雰囲気が魅力的なステーション様です。訪問看護に興味のある方、看護師の新しい働き方に挑戦してみたい方は、ぜひお問い合わせください! 事業所概要 訪問看護ステーションちるな 住所:東京都台東区松が谷3-6-8 maison momo 2階  理念・文化:医療者を守り、医療が継続される社会の創造  運営方針:医療者の働き方改革を行い、医療者が笑顔でケアを提供できる環境を整えます。そして、利用者さんが安心して「生活の場」を選択できる世の中を目指します。 事業所紹介ページ: https://ns-pace-career.com/facilities/15599 この記事を読んで「訪問看護、自分にもできるかも」と感じた方へ 「もっと患者さんと関わりたい」「自分らしい看護を実現したい」そう感じている看護師の方は少なくありません。 NsPace Careerナビでは、訪問看護の現場で働く看護師のリアルな声を多数掲載しています。 精神科訪問看護で活躍する看護師の声 未経験から訪問看護を始めた体験談 育児と両立しながら働く現場の実例 各ステーションの教育体制・チーム文化 さらに、キャリアの悩みやモチベーション維持のコツなど看護師として働くうえで役立つ記事も充実。 「自分に合う訪問看護の職場って、どんなところだろう?」そのヒントが、きっと見つかります。 ▶ 他の訪問看護師インタビューを読むhttps://ns-pace-career.com/media/ 記事提供:NsPace Careerナビ編集部

寄り添うケアが旅を可能にする~医療的ケア児のキャンプを支える在宅医療チーム~
寄り添うケアが旅を可能にする~医療的ケア児のキャンプを支える在宅医療チーム~
インタビュー
2026年1月27日
2026年1月27日

寄り添うケアが旅を可能にする~医療的ケア児のキャンプを支える在宅医療チーム~

2025年10月、河口湖を舞台に医療的ケア児と家族のための「第6回 キラキラこどもキャンプ 湖と富士山を見たい! 2025 in河口湖」が開催されました。医療的ケアを必要とする子どもたちとご家族にとって、旅行は大きなハードルであると同時に、かけがえのない体験でもあります。その一歩をどう支え、どのように連携を整えてきたのか、キャンプの企画・運営に携わる木戸さんにお話をうかがいました。 >>前編はこちら医療的ケア児と家族へ届ける自然体験~こどもキャンプ再開に込めた想い~ 木戸 恵子(きど けいこ)さん株式会社ウッディ 訪問看護ステーションはーと 管理者・代表取締役訪問看護師として25年以上の経験を持ち、在宅療養を支える実践を続けている。「ナイトナース」制度を導入し、24時間対応体制の課題に対する新しい働き方を訪問看護業界に提案。看護師の負担軽減と利用者満足度の両立に取り組む。「第3回 みんなの訪問看護アワード」大賞受賞。(エピソード漫画化記事:「お母さん〜看護の襷をつなぐということ〜」) 垣間見えたこどもたちの成長と頼もしさ ―キャンプ内で心に残ったご家族の言葉やエピソードはありますか? 例えば、保護者の方々からは以下のような声をいただいています。 「自分たちが旅行を計画するとなると、部屋のお湯や電子レンジの有無など、細かな確認が必要で本当に大変です。今回はそういった確認が不要で、安心して参加できました」   「娘と一緒にキャンプに行くのがずっと夢でした。普段は旅行に連れていく余裕もなくて…。でも今回は移動中も医療者の方が見てくださって、本当に助かりました」「久しぶりにキャンプが開催されると知って、思い切って申し込みました。シングルなので、一人で子どもたちを旅行に連れていくことが難しい状況があります。キャンプでは子どもたち同士が自然と仲良くなっていました」 自然と打ち解け、あっという間にできた「仲間の輪」。笑顔あふれるキャンプの様子 普段の訪問では、ごきょうだいの揺れ動く気持ちや我慢はどうしても見えにくいものですが、このキャンプはごきょうだいのケアも大切にしたいという思いで運営しています。 あるご家庭からは、どうしても医療的ケアが必要な子に注目が集まり、ほかのごきょうだいが自然と我慢を重ねる場面が多いというお話を伺っていました。そこで、キャンプ中はごきょうだいたちにも小さな役割をたくさんお願いすることにしたんです。バスタオルを配ったり、歯ブラシを届けたり。任せた仕事をどれも丁寧にこなしてくれて、来年に向けての意気込みを語ってくれた子もいました。自己肯定感の向上につながる経験のひとつになったのではないかと思います。 24時間体制での連携 ―キャンプ地でのサポート体制はどのように組んでいたのでしょうか。 キャンプ地で24時間医療的ケアを支えるためには、当日だけでなく、丁寧な準備が欠かせません。キャンプの前日と前週水曜日に往診を行い、参加するすべてのご家庭を医師と看護師が事前に回り、カルテを作成してアレルギーや体調について把握していました。また、事前に必要な情報を共有し、看護師・医師が即時に対応できるよう、さまざまなケースのシミュレーションも重ねていました。 キャンプ当日は、医療従事者20名ほどが参加。夜間は看護師が必要に応じて各部屋を訪問する体制を取り、「一家族一ナース」には至らないものの、必要なタイミングで寄り添う形を重視しました。食事や移動時のトイレ対応、医療的ケアなど、担える部分は積極的に引き受け、ご家族が休息できる時間を確保することを心がけました。 ―想定外の事態などはありましたか。 キャンプ当日にインフルエンザが発生しました。感染症に罹患した場合のこともシミュレーションして臨んでいたので、初動対応は比較的スムーズに進めることができたと感じています。発熱が確認された時点で、運営・看護師・医師がすぐに協議し、感染拡大防止を最優先に対応しました。医師は点滴や検査キット、緊急薬剤を含む医療機材を持参しており、その備えが現場で生きました。 しかし、準備していた抗ウイルス薬が結果的に不足してしまった点が想定外でした。そのため、夜間対応が可能な薬局を手分けして探し、当日中に必要な量の薬剤を調達する対応が発生したんです。最終的には、運営・医療スタッフ・ご家族それぞれの協力によって、影響を最小限に抑えることができたと受け止めていますが、プログラムは変更せざるを得ませんでした。 過去にも、海で鼻血がでてしまったり、夜に興奮しすぎて発熱したり、急な体調変化や疲れによる不調など、想定外の出来事は少なくありません。どれほど準備を重ねても、現場では「想定外」が起こりえます。「次はもっとこうしよう」という振り返りの積み重ねが、より安全で安心できる場づくりにつながるのだと考えています。 参加した医療職の動機と気づき ―今回は、他の事業所の医療職の皆さんも数多く参加されたそうですね。 はい。医療的ケア児の生活により近い形で関わりたい、家族看護の視点を深めたい、自分たちの地域でもキャンプを実現してみたい…。そんな前向きな思いで来てくれていました。若いスタッフから経験豊富なメンバーまで、立場はさまざまでも共通していたのは「現場の外で子どもたちを見る機会がほしい」という願いでした。中には、キャンプの運営方法や広報の工夫、場所選びのポイントなど、すぐに持ち帰って応用したいという情熱を持った方もいました。 実際に参加した医療職からは、「キャンプは非日常の場だけれど、ごきょうだいの関係やご家族の過ごし方を見て、むしろ『日常そのもの』を感じさせていただいた」「訪問看護をしていて利用者さんのことや生活について分かっているつもりでしたが、実際には知らないことも多かったと気づきました」といった声をいただきました。こちらとしても、その場の状況を瞬時に読み取り、柔軟に動いてくださり、本当に心強い存在でした。 医療スタッフとボランティアが一体となって支えたキャンプ どの事業所も当然ながらスタッフ全員がキャンプに参加できるわけではありませんし、スタッフの人数に合わせて受け入れられるご家庭の数も調整が必要になります。それでも、今回他事業所の方々を含めて協力していただいて、「小規模だから無理」ではなく「やると決めて仲間を集めれば実現できる」ということを改めて強く感じました。大事なのは規模ではなく、情熱と連携。この2つがあれば、どの地域でも形になるはずです。 スタッフ・支援者・寄附の力 ―協賛・協力をしてくださった方も多かったと聞いています。 はい。このキャンプは、これまで「地域みんなで育てていく」という思いで続けてきました。私たちの活動は個人ではなく、地域の医師をはじめとした協力やつながりが土台になっています。今回も、日頃から関わってくださっている方々が自然と力を貸してくださり、その温かさに何度も救われました。 クラウドファンディングでは、直接お会いしたことがない方々も理念に共感して寄付してくださいました。その一つひとつの思いに触れ、「世の中にはこんなにも優しさが残っている」と胸が熱くなると同時に、託された責任や期待の大きさも実感しました。 立ち上げの思いに共感した仲間たちが、構成づくりから担ってくれた特設サイト「第6回キッズキャンプ in 河口湖―小児疾患の子どもたちの勇気を膨らます会―」HPより 久しぶりの開催だったこともあり、「待っていたよ」という声をたくさんいただきました。朝早くから駆けつけてくれた方、差し入れで場を盛り上げてくれた方、「本当は企画段階から関わりたかった」と言いながら当日に参加してくれた方……。その気持ちの一つひとつが励みになりましたし、私ひとりの力では絶対に形にできませんでした。 寄付をしてくださった人のなかには、「うちの子も医療的ケア児です。今回は参加しませんが活動を応援したい。来年は参加します」というメッセージもありました。小児科の先生から、支援金とともに「小児科医はいくらいてもいいよね。来年は行くよ」と連絡をいただいたりもしました。 こうした声に触れるたびに思うのは、「このキャンプは、もう私たちの会社だけの取り組みではない」ということです。関わる人が時間も体力も心も注いでくれる。医療的ケアが必要な子どもたちとその家族が「自分たちは支えられている」「未来がある」と感じられる場所であり続けたいし、そのための努力をもっと積み重ねていかなければいけないと感じています。声を上げれば、誰かが応えてくれる。応えた力が、また次の誰かを動かす。この循環を、未来へもっと広げていきたいですね。 未来への展望・これからの活動 ―今後の展望についてお聞かせください。 子どもキャンプは、これからも続けていくつもりです。そのためには募金活動を継続することに加え、いずれはNPO化など、持続可能な体制づくりも必要かもしれません。活動としての「器」を整える段階に入りつつあると感じています。 地域や法人の枠を越えて協力し、より多くのお子さんが参加できる形をつくることが理想です。車の台数やルート調整など運営上の課題もありますが、それも皆でつくり上げるキャンプの醍醐味だと思っています。 また、現地に来られない子どもたちにも、今回のお出かけの楽しさや心に残る風景を映像で届けたら素敵ですね。医療的ケアが必要な子どもが多く通う放課後デイサービスに共有するのもいいと思っています。そんなふうに「体験を分かち合う」ことで、どの子も少しずつキャンプに参加している気持ちになれるのではないかと思っています。 富士山を背に記念撮影 ―最後に訪問看護師の皆さんへメッセージをお願いします。 訪問看護師の皆さんは、日々やることを整理し、チームで助け合いながら、看護に取り組まれていると思います。しかし、看護の本質はそれだけに収まらないと感じています。看護は本来「気づいて、想像して、つくっていく」もの。 少し視野を広げて、どこに本当のニーズがあるのか目を向けてみると、まだ埋まっていない穴がたくさんあることに気づきます。特に医療的ケア児やそのご家族は、日々たくさんの「我慢」が積み重なっているので、ちょっとした声かけや小さな配慮によって救われることがあります。大きなことじゃなくていいんです。そっと差しのべたひと手間。その温かい「気配り」こそ、看護の本質だと思うんです。技術だけでは届かない部分が、確かにそこにあります。 そのためには、何より自分自身が元気でいてください。心身が健康であれば、「ここでこんな関わりをしたら、きっと心が和らぐだろうな」と自然に想像できるようになります。それが、私から訪問看護師の皆さんへ送るエールです。 取材・編集:NsPace編集部執筆:小松原 菜々

“すぐに動く”を支えるしくみ――待たせないケアと、信頼でつながるチームの力~訪問看護ステーションれんげの花 野老さん・富田さんにインタビュー~
“すぐに動く”を支えるしくみ――待たせないケアと、信頼でつながるチームの力~訪問看護ステーションれんげの花 野老さん・富田さんにインタビュー~
インタビュー
2026年1月27日
2026年1月27日

“すぐに動く”を支えるしくみ――待たせないケアと、信頼でつながるチームの力~訪問看護ステーションれんげの花 野老さん・富田さんにインタビュー~

「すぐに動ける」訪問看護――それは決して一人の行動力だけで成り立つものではありません。 今回お話を伺ったのは、「訪問看護ステーション れんげの花」で日々利用者さんに寄り添う野老さんと、ケアマネジャーとして現場を支える富田さん。職種の垣根を越えて支え合う関係性や、日々のちょっとした声かけの積み重ねが、利用者さんの“いま”を守る力になっているといいます。チームの温かな信頼の中で育まれる、「待たせないケア」の真髄とは――その現場をのぞいてみました。 【※本記事はNsPace Career が事業所向けに提供している「特集記事掲載サービス」によるものです。取材・撮影・編集はNsPace Careerが担当しました。】 「待たせないケア」は、チームでつくる 「基本的に、“何とかする”って思ってます」 インタビューの冒頭、野老さんはそう静かに話してくださいました。訪問看護の現場において、“待たせない”ということは、時に大きな意味を持ちます。急な症状の悪化、ご家族の不安、予期せぬ環境の変化――どれも、「すぐに誰かが動く」ことで救われる瞬間があるからです。 「訪問看護は定期的な訪問がベースですが、“今、ちょっとおかしいかも”って連絡が入ったら、まずは“今から行きます”って動ける体制をとってます」 それを支えているのは、野老さん個人の意志だけではありません。管理者という立場にありながら、日々の訪問を自ら担い、チーム全体の動きを把握しているからこそ、瞬時の判断ができる。そして何より、「それを分かって動いてくれる仲間」がいるからこそ可能なのだといいます。 また、こうした体制を維持するために、日頃からスタッフ間での情報共有やケース検討の場も大切にしているとのこと。日常のちょっとした会話の中にも、「あの方、最近どうですか?」といった気づきや声かけが行き交う現場だそうです。 「何かあったときに動けるのは、日頃の関係性があるから。信頼できる人が周りにいると、自分も安心して判断できますし、相談もしやすいんです」 笑顔でスタッフと話し合うケアマネージャー富田さん。併設している居宅介護支援事業所で一緒に働いている。 気軽に相談できる距離の近さ 野老さんは、訪問看護歴10年であり、たくさんの経験や知識を今まで得てきています。そんな野老さんだからこそ、自分で訪問看護を運営する難しさや喜びを実感しています。 「前の訪問看護ステーションを退職して、少し休もうかなと思っていたんです。でも、家族や知人に“訪問看護、立ち上げてみたら?”と背中を押されて。書類や準備など開設の時は大変でしたが、ステキな仲間とのご縁もあって。楽しく続けてこられました」 自身もプレーヤーとして日々、利用者さんの訪問看護を提供する毎日。忙しさの中で、改めて多職種での連携の良さを感じたと話します。 「今まで、ケアマネージャーさんがそばにいる訪問看護ステーションで働いてきたのですが、最初、れんげの花を立ち上げたときは、居宅介護支援事業所を併設していなくて。その時に“いかにケアマネージャーがいたことがありがたかったか”と痛感したんです。富田さんが来てくれて本当によかった!」 改めて、多職種との距離が近いことで気軽に相談し合える良さを感じたと話す、野老さん。その姿に富田さんも笑顔ではにかんでいました。 背景にあるのは、人と人との信頼関係 チームワークの良さ、少数気鋭だからこそ、日々の人間関係が丁寧に築かれていることが伝わってきます。 「私は、“困ったときの富田さん”って勝手に呼んでるんですけど。本当に、何かあるとすぐに相談できる存在なんです」 野老さんがそう語ると、富田さんもまた、「私は“野老さんが行ってくれるなら安心”って思ってますよ」と笑顔で応じました。 職種が違っても、同じ目的で動ける関係性。それは一朝一夕で築けるものではなく、日々の小さな積み重ねによるものだといいます。 こうした連携のしやすさは、単なる業務効率では語れない「人と人の信頼」によって支えられています。 働く人が支えあえる現場づくり 「相談しやすさって、本当に大事なんですよね」 これは富田さんの言葉です。長年ケアマネとして働いてきた中で、職種間の“壁”を感じる場面もあったといいます。 「昔は、“ここからは医療だから看護師さんに”“これは介護の仕事”って線を引く風潮もありました。でも今は、“とにかく目の前の方のために”という軸で動いてくれる人がいると、本当に働きやすくて」 一方の野老さんも、「スタッフにも同じように、“声をかけやすい”って思ってもらいたい」と日頃から意識しているそうです。 「私は管理者ではありますけど、偉そうにしたいわけじゃなくて。“この人に相談しても大丈夫”って思ってもらえるように、毎日の声かけや雑談も大事にしてます」 さらに、業務以外の会話やちょっとした雑談が、チーム全体の関係性を柔らかくしているのだそうです。例えば朝の申し送りのときや訪問から戻ったタイミングで交わす、「今日はどうだった?」「ちょっと大変だったね」などの何気ない会話。その積み重ねが、「困ったときに助け合える」空気を育んでいるのです。 野老さんは、今後地域での活動にも目を向けています。 「精神疾患を抱える人が過ごせる居場所づくりにもチャレンジしていきたいです。今は、保険外の自費訪問看護のサービスも力を入れていて。受診同行や、日中にご家族がお仕事で見守りの支援とか、傾聴相談とか!地域で待っている人にいち早くケアをお届けしたい気持ちは持ちながら、広い視点で活動していきたいです」 スタッフを信頼し、のびのびと支え合いながら育っていくことができる、訪問看護ステーション れんげの花。 まさに、れんげの花の花言葉「あなたがいれば、私の苦痛は和らぐ」のように優しいあたたかな場所です。 てきぱきと業務をこなし、頼れる存在の野老さん。 インタビュアーより “すぐに動ける訪問看護”を実現するには、ただの行動力だけでは成り立ちません。そこには「信頼して任せられる関係性」「相談できる職場の安心感」「柔軟に判断する視点」といった、数えきれないほどの“人の力”が積み重なっています。 今回のインタビューを通して、「人に寄り添うケア」は、「人に支えられながら働ける職場」から生まれるのだと深く感じました。 “何とかする”という想いを、チームみんなで実現できる場所。そんな現場で働く喜びを、少しでも感じていただけたら嬉しいです。 事業所紹介 訪問看護ステーション れんげの花 住所:〒264-0032 千葉県千葉市若葉区みつわ台4-16-2斎木事務所1階102号 訪問エリア:千葉市若葉区、稲毛区、中央区、美浜区、花見川区 スタッフ:20~50代と幅広い。男性看護師も大歓迎。 特徴:タブレット貸与、ユニフォームや靴は会社にて補助している。シフト制、直行直帰も可能。保険外の自費訪問看護のサービスも提供している。 事業所紹介ページ:https://ns-pace-career.com/facilities/14664 この記事を読んで「訪問看護、自分にもできるかも」と感じた方へ 「もっと患者さんと関わりたい」「自分らしい看護を実現したい」そう感じている看護師の方は少なくありません。 NsPace Careerナビでは、訪問看護の現場で働く看護師のリアルな声を多数掲載しています。 精神科訪問看護で活躍する看護師の声 未経験から訪問看護を始めた体験談 育児と両立しながら働く現場の実例 各ステーションの教育体制・チーム文化 さらに、キャリアの悩みやモチベーション維持のコツなど看護師として働くうえで役立つ記事も充実。 「自分に合う訪問看護の職場って、どんなところだろう?」そのヒントが、きっと見つかります。 ▶ 他の訪問看護師インタビューを読むhttps://ns-pace-career.com/media/ 記事提供:NsPace Careerナビ編集部

医療的ケア児と家族へ届ける自然体験~こどもキャンプの意義~
医療的ケア児と家族へ届ける自然体験~こどもキャンプの意義~
インタビュー
2026年1月20日
2026年1月20日

医療的ケア児と家族へ届ける自然体験~こどもキャンプの意義~

外出や旅行に大きなハードルを抱える医療的ケア児と家族に、自然の中での体験を届けたい――。訪問看護師の木戸 恵子さんは、そんな思いから「こどもキャンプ」の企画・運営をしています。コロナ禍で約5年休止していましたが、2025年10月に待望の「第6回 キラキラこどもキャンプ 湖と富士山を見たい! 2025 in河口湖」が開催されました。今回は、木戸さんの本キャンプに込めた想いや運営の裏側を伺います。 木戸 恵子(きど けいこ)さん株式会社ウッディ 訪問看護ステーションはーと 管理者・代表取締役訪問看護師として25年以上の経験を持ち、在宅療養を支える実践を続けている。「ナイトナース」制度を導入し、24時間対応体制の課題に対する新しい働き方を訪問看護業界に提案。看護師の負担軽減と利用者満足度の両立に取り組む。「第3回 みんなの訪問看護アワード」大賞受賞。(エピソード漫画化記事:「お母さん〜看護の襷をつなぐということ〜」) キャンプの再開に向けた想い ―このキャンプは、そもそもどんなきっかけから始まったのでしょうか。 はい。重い病気や障害のあるお子さんのご家庭ほど、どうしても日常がケア中心になり、ごきょうだいが寂しい思いをする場面も出てきてしまいます。家族全員で思い出をつくる機会は限られ、運動会や旅行など、一般的には「当たり前」の体験が叶わないご家庭も多い現実があるのです。 この活動を始めたのは2015年ですが、その原点には、致死性骨異形成症という難病を抱えた「しゅうくん」(当時12歳)の存在がありました。 「しゅうくんの物語」より抜粋。物語全文はリンク先よりご覧ください。 自宅で過ごす時間が長く、公園にすら行ったことがなかった彼に、妹さんが「海みたいよね!」と言ったとき、嬉しそうな表情で頷いていました。その様子を見て、ご家族で行ける海でのキャンプを提案したんです。 これまでに6回キャンプを開催してきたなかで、かけがえのないご家族の思い出づくりの意義を、スタッフ一同強く実感しています。 ―コロナ禍で5年自粛されたようですが、再開に込めた思いについてもお聞かせください。 利用者さん家族から「今年はキャンプありますか?」という問い合わせを毎年いただき、「今年も自粛です」と伝えるのはとても胸が痛みました。また、キャンプを実施する際はスタッフの負担が大きく、体力も時間もエネルギーも必要ですが、それでもスタッフから「今年はやらないんですか?」と声をかけられることが何度もあって。「キャンプを大切に思ってくれているんだ」と胸が熱くなりました。 だからこそ、今回念願の再開を迎えられたことは、大きな希望となりました。再開初年度となる今回は、8家族が参加してくださいました。 キラキラこどもキャンプ2025 協力者募集用のチラシ 思いの根っこはずっと同じで、「子どもたちに自然の中でのびのびと過ごしてほしい」ということ。屋内ではなく外で、風や光や空気を感じながら、五感をいっぱい使ってほしい。そして楽しい思い出をたくさんつくってほしい。それが私たちの願いでした。 実際、キャンプでは毎回、子どもたちの素直な力に驚かされます。初めて出会った子同士でも、いつの間にか打ち解けて一緒に遊び始める。大人が構える前に、子どもたちが「もう仲間だよ」と言わんばかりに自然に輪を広げていく。その姿こそ、このキャンプが持つ魅力のひとつでもあります。 下見で見えた大切な条件と医療者の視点 ―今回の開催地はどのように検討されたのでしょうか? もともとこのキャンプは、夏休みのイベントとして開催していたのですが、昨今の猛暑は本当に厳しいですよね。子どもたちやスタッフの体力的負担も大きく、開催時期は秋にしました。その前提で改めて「どんな場所なら子どもたちが安心して、安全に楽しめるか」を考え、今回は「自然の中で富士山を見よう」「キラキラ光る湖を眺めよう」というテーマで河口湖に行くことにしました。 海・遊園地・山・川などさまざまな方向性を検討し、「沖縄に行けないか?」とも考えましたが、公共交通機関の利用は負担が大きい。また、果物狩りなども素敵だと思いましたが、安定しない土の地面の移動は、バギーを使うお子さんたちにとってハードルが高いんです。さまざまなシーンを想定しながら、最終的に今回のコースがベストだと判断しました。 ―開催場所を決めたあとも、多くの準備が必要だったと思います。重点的にチェックされた部分を教えてください。 どのキャンプでも、開催地の下見には複数回足を運んできました。今回は過去に利用したことのあるコテージだった分、3回の訪問で必要な確認をすべて済ませることができました。 第6回 キラキラこどもキャンプ開催地のコテージとそこから見える景色 下見で大事なのはまず「安全に過ごせるか」という視点です。緊急時の医療体制、宿泊するコテージや出入り口のバリアフリー、設備、停電時の自家発電など、確認しなければいけないポイントは多岐にわたります。感染対策においても、「動線が混雑しないか」「隔離スペースを確保できるか」など、一つひとつ丁寧にチェックしました。 木の温もりがそっと寄り添う、穏やかな雰囲気のコテージ内 また、参加してくださったご家族が「ここなら安心して思い出をつくれる」と心から思えることも大切です。医療的ケア児のキャンプは、一般に想像されるアウトドア体験とは状況が異なり、プライバシーの確保や他の宿泊客と互いに気持ちよく過ごせる環境も重要ですし、ゆっくり身体を休める場所がないと、発熱したり体調を崩したりと、翌日に影響が出てしまうこともあります。 すべての条件を満たす場所を探すことは簡単ではなく、ガイドブックだけでは見えてこない部分が多いので、現地で直接打ち合わせをし、確認する作業が欠かせないと実感しています。 キャンプ当日の移動 ―移動時にはリフト付きの福祉バスを利用されたそうですね。 はい。新幹線や飛行機など一般の交通機関では、どうしても周囲に気を遣いますし、時間の遅れが大きなトラブルにつながることもあります。 リフト付きの貸切バスなら、私たち看護師が車内で医療的ケアを行えるので、その間にご家族も少し肩の力を抜けます。みんなが同じ車内にいることで自然と一体感も生まれ、とても良い選択だったと感じています。 看護師側は吸引やしゃっくりへの対応など、慌ただしい場面もありましたが、途中から運転手さんもお子さんの様子を見て声をかけてくださるなど、とても協力的でした。温かいガイドさんと運転手さんに恵まれたことも、今回の旅を支える大きな力になりました。 ―皆さんで移動する際の工夫や大切にされた点を教えてください。 移動時間そのものが、医療的ケアを含めた大切な「ケアの場」になるため、事前にしっかりスケジュールを組んで臨みました。特に休憩の取り方には気を配りました。サービスエリア等でのトイレの個数、どのお子さんがトイレに行く必要があるか、オムツ交換のスペースが不足した場合どう動くかなど、事前に休憩場所の確認をした上で臨んでいます。 ただの移動で終わらないよう、行き帰りの道中にもお猿さんの観劇や眺望が素敵な大石公園へのお出かけ、車内での映画鑑賞など、楽しめるプログラムを組み込むような工夫もしています。 なお、車で別ルートから来られた方は遊覧船にも乗ったそうです。バギーのまま乗船できるのはいいですよね。貴重な体験になると思います。そうした選択肢の広がりもまた、この旅の魅力のひとつです。 ワクワクがぎゅっと詰まった旅のしおり。移動中にも小さな冒険が散りばめられていました。 ―移動時の下見も入念にされているのですね。 はい。ただ、公共トイレはどうしても混雑があり、予測どおりにいかない場面はあります。また、トイレに行けば水分補給も必要です。バス走行中の経管投与は難しいため、一度停車してもらう必要があります。こうした時間の積み重ねや高速道路の渋滞も重なって、進行は想定より少しゆっくりとしたものになりました。 次のキャンプに向けては休憩時間を少し長めに取ることも検討していますが、今度はごきょうだいが暇を持て余してしまいますよね。休憩中のちょっとした遊びも用意するなど、時間の過ごし方を工夫したいと思います。 * * * 次回は、医療的ケア児とご家族が一歩を踏み出すためにどのように支え、チームとしてどのように連携を整えてきたのか。そして今回のキャンプから見えた子どもたちの成長や、医療連携の課題と可能性について、引き続き木戸さんに伺います。 >>後編はこちら寄り添うケアが旅を可能にする~医療的ケア児のキャンプを支える在宅医療チームの実践~ 取材・編集:NsPace編集部執筆:小松原 菜々

誰かの人生に、まっすぐ寄り添いたい──病院から在宅へ転じた看護師の決断~YC町田訪問看護リハビリステーション・吉満さんにインタビュー~
誰かの人生に、まっすぐ寄り添いたい──病院から在宅へ転じた看護師の決断~YC町田訪問看護リハビリステーション・吉満さんにインタビュー~
インタビュー
2026年1月6日
2026年1月6日

誰かの人生に、まっすぐ寄り添いたい──病院から在宅へ転じた看護師の決断~YC町田訪問看護リハビリステーション・吉満さんにインタビュー~

「もっと一人ひとりに寄り添える看護がしたい」 急性期の現場で多くを学び、充実した日々を送っていた吉満さんが、ふと抱いた思いでした。その気づきがきっかけとなり、選んだのは“生活に深く関わる”訪問看護というフィールド。利用者さんとの関係性を丁寧に築きながら、自分らしい看護の形を見つけていったそうです。 今回は、吉満さんのこれまでの歩みと、訪問看護に込める想いを伺いました。 【※本記事はNsPace Careerが事業所向けに提供している「特集記事掲載サービス」によるものです。取材・撮影・編集はNsPace Careerが担当しました。】 准看から正看へ、そして訪問看護の世界へ──キャリアのスタート 吉満さんの看護師としての道は、准看護師としての一歩から始まりました。最初に勤務したのは慢性期病院で、丁寧なケアをじっくりと学ぶ日々。その中で「もっと広い視野で、さらに専門性を高めたい」と正看護師の資格を取得し、20代で急性期病院に転職されました。 「もっと知識や技術を学びたいと思ったんです。急性期の現場は目まぐるしくて、やりがいもありました。循環器が好きで長く勤めていましたが、その後ICUに異動して…ちょうど友人に起業する誘いを受けたんです。病院の外にも関心がありました」 病棟では一日に何人もの患者さんと関わる忙しさの中で、笑顔や感謝の言葉に励まされながらも、病院外で過ごす患者さんにも気持ちが向いていったと話されます。 「友人との起業は、結局流れてしまって。でも訪問看護はやってみたい気持ちがあったので、飛び込んでみたんです。ただ、その訪問看護ステーションの管理者さんがあまり誠実ではない方で…。信頼関係が築けず、離れました」 結婚を機に転居先の横浜で新たな働き方を探していた吉満さん。転職した訪問看護ステーションでは、管理者さんの言動や態度を信頼できず、離れる決心をされたそうです。 「約束が守られないことが続いて、“誰と働くか”って本当に大切だと感じました」 その後は自ら情報を集め、いくつかの訪問看護ステーションを比較。面接での雰囲気や、スタッフ同士の温かいやりとりに惹かれて選んだのが、YC町田訪問看護リハビリステーションでした。 訪問の現場で見つけた「看護師としての軸」 2024年1月、YC町田訪問看護リハビリステーションに管理者として入職。町田市内でも集合住宅が多く、独居の利用者さんが多い地域です。インフラとしても訪問看護がキーになっており、内服管理と状態観察をきっかけに訪問看護を利用し始める利用者さんもいるとか。 「“看護”だけで終わらない、“生きる”を支える仕事なんです」 病棟時代には味わえなかった“密度の濃い関わり”や“信頼関係の積み重ね”に、大きなやりがいを感じているといいます。 「循環器病棟が長かったので、緊急対応は自分の強みだと思っています。たとえば、頻脈が出ている利用者さんに対して、その人の生活背景や考えも考慮した上で、どうしていくか一緒に考えたり、相談したりしますね。ご家族やご本人の意向が大事だと思っていて」 今までのキャリアを存分に活かしながら、新しいスタートを切った吉満さん。訪問看護の世界は、思ったよりもすぐになじめたと話します。 「病院だと先生のレスポンスが早く、すぐに動ける良さがあったんですが、訪問看護だと病院ほど早く解決できないこともあって。あとは社会保険の制度の限界とか。でも、今まで多職種と連携して働いてきた経験もあるし、バランサーとしての役割もあったから、意外とギャップは大きくなかったですね」 笑顔でそう話す吉満さんは、まるで訪問看護師になるべくして、これまでの道のりを歩んできたかのようです。 親しみやすい雰囲気の吉満さん。地域から様々な利用者さんの依頼を受けるそうです。 チームで支える“ひとりじゃない訪問看護” 訪問看護は「一人で完結する仕事」と思われがちですが、YC町田訪問看護リハビリステーションでは、“ちいさな相談”をする機会があり、チームワークを大切にしています。 「週に一回はオンラインも含めて、みんなで顔を合わせる時間を作っています。やっぱり話し合うことは重要だし。それにスタッフと僕との1on1では、今思っていることや困っていること、いろんなことを吸い上げる時間にしています」 同行訪問や定期的なカンファレンス、日々の何気ないやりとりを通して、吉満さんは“ひとりじゃない看護”を実感しています。 「困っている人がいたら、自然にサポートする文化が根付いています。そんなチームだから、安心して利用者さんと向き合えるんだと思います」 未来への展望── 一歩踏み出す人の背中を押せる存在に 吉満さんが大切にしているのは、目の前の一人ひとりと丁寧に向き合う姿勢です。 「訪問看護では、より利用者さんやご家族が“選択する”ということを大切にしています。メニュー表みたいに『これと、これがありますがどうしていきましょうか?』という感じで、その人が自由に選択できることがポイントだなって。」 スタッフにも管理者として、「利用者さんを主に考える」という姿勢を伝えているといいます。 「極論、その人が望んだことならいいと思うんです。もし、ご自宅で亡くなる予定だったとしても土壇場でやっぱり病院に行きたいってなったとしても、それはそれでいいと思うんです。結局は正解なんてないんですから」 まっすぐな目で話してくださった吉満さん。今後は、地域でほかの訪問看護ステーションと連携を強化していきたいと考えているそう。そんな吉満さんに、今後どんな看護師さんと一緒に働いていきたいか伺ってみました。 「そうですね…。仕事はあとで覚えていけるので、それよりもお互いに尊敬の念が消えない関係っていうか、そういう人間関係を築いていける人がいいですね。僕は必ず人は成長すると思っているので、何回でも同行訪問してじっくりやっていけばいいと思います。自分の成長の立ち位置を確認しながらチャレンジしていけるといいかな」 技術や知識以上に“人間性”を重視した考えは、吉満さんだからこそ。 「子育て世代のスタッフも多いので、お子さんのお迎えに合わせて非常勤として働いている方もいます。基本的には9時から17時の勤務なので、プライベートや家庭を大事にしながら働けますよ」 また、YC町田訪問看護ステーションには、働き続けるための土台もあります。勤務時間が原則7時間なのは、子育て世代にとっては非常にありがたい勤務です。土日祝日はお休みで、もし訪問が必要な利用者さんがいる場合は半日勤務して、別の日で代休を取るようにしているそうです。移動時間もできるだけ負担にならないように、ルートを設定しています。 働く人が、働き続けることができるような仕組みを考え、実践しているのです。 スタッフは、日頃の会話から利用者さんの情報共有を大切にしています。 インタビュアーより 吉満さんのお話からは、「人との信頼関係」に対するまっすぐな想いと、訪問看護にじっくりと向きあう姿勢が丁寧に伝わってきました。訪問看護は、看護師としての原点に立ち戻れる場所なのかもしれません。もし今、転職や働き方に悩んでいる方がいたら──吉満さんの言葉が、きっと優しく背中を押してくれるはずです。 事業所概要 事業所名:YC町田訪問看護リハビリステーション 所在地:東京都町田市木曽東3-8-22 3階 アクセス:JR横浜線「町田駅」よりバス10分/「古淵駅」より徒歩15分 電話番号:042-709-3952 スタッフ数:看護師8名、理学療法士3名、作業療法士1名、事務1名 特徴:団地・集合住宅が多く、独居の利用者さんが中心。地域に密着した丁寧な訪問看護を実践している。 運営方針:私たちは、東京都町田市木曽東を拠点に地域に根ざした訪問看護リハビリサービスを提供しています。 私たち看護師・理学療法士・作業療法士は、医師・ケアマネージャーの皆様を始め様々な方々と連携し、24時間・365日、ご利用者様とそのご家族様に安心して日常生活を送って頂けるお手伝いをいたします。在宅医療を支えていらっしゃる皆様と共に地域で最も頼りがいのある事業所となるべく精進して参ります。 一人ひとりのニーズや生活スタイルを大切にし、日常の看護から専門リハビリまで、幅広いサービスをご提供します。温かい環境の中で、皆様と共に過ごしやすい生活を築いていきましょう。 事業所紹介ページ:https://ns-pace-career.com/facilities/16699 この記事を読んで「訪問看護、自分にもできるかも」と感じた方へ 「もっと患者さんと関わりたい」「自分らしい看護を実現したい」そう感じている看護師の方は少なくありません。 NsPace Careerナビでは、訪問看護の現場で働く看護師のリアルな声を多数掲載しています。 精神科訪問看護で活躍する看護師の声 未経験から訪問看護を始めた体験談 育児と両立しながら働く現場の実例 各ステーションの教育体制・チーム文化 さらに、キャリアの悩みやモチベーション維持のコツなど看護師として働くうえで役立つ記事も充実。 「自分に合う訪問看護の職場って、どんなところだろう?」そのヒントが、きっと見つかります。 ▶ 他の訪問看護師インタビューを読むhttps://ns-pace-career.com/media/ 記事提供:NsPace Careerナビ編集部

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