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コロナパンデミックで看護師志望者が急増した理由とは?

新型コロナウイルス患者を治療する医療従事者(C)ゲッティ=共同

 2021年3月初旬現在、死者が52万人という惨事を生み、今も進行中のアメリカのコロナ禍で、一筋の光のようなニュースが静かな話題になっています。パンデミックをきっかけに看護師志望者が増加しているのです。

 以前からアメリカでは慢性的な看護師不足が起きていましたが、病院が医療崩壊に陥る中、彼らへの負担は異常なものとなりました。マスクやガウン不足が原因と考えられる感染で亡くなる看護師が少なくなかったことは、このコラムでもお伝えした通りです。家族と自分の命を守るために退職せざるを得なかった看護師もいました。

 ところがその一方で、大学の看護学科(正看護師になるにはアメリカでは基本的に4年制の大学卒業資格が必要)に入学した人の数が、この1年で6%増加したのです。

 大きな理由としてまず考えられるのは、誰よりも厳しい状況に置かれた看護師の現状が大きく報道され、若者への大きな刺激になったことです。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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