京阪電鉄京津線追分駅近くにある「ピースホームケアクリニック」(大津市)は、在宅緩和ケア中心のクリニック。院長の平本秀二医師は、京都市内の病院で消化器内科と腫瘍内科、緩和ケアの臨床実績を重ねてきた在宅医だ。
元は消化器内科医だったが、義母をがんで亡くしたことから、がんを総合的に診たいと考え、腫瘍内科に軸足を移した。当時、近畿一帯で腫瘍内科を専門的に行う病院は少なかったが、国立がん研究センターへの国内留学などを経て、臨床と研究の両面からがん治療を考えるようになる。
そんな平本医師が開業へと舵を切ったのは、緩和ケアとの出合いから。
「当時の上司が、がん治療と緩和ケアを途切れることなく行うことを実践していて、それを見るうちに患者さんの生きがいを重視し、生活を支える医療に興味を持つようになっていったのです」