B01人とチームを育てるマネジメント

コラム

管理者は組織に勇気をもって関わろう(対話の場)

職場の人間関係がスタッフの離職率の高さに影響していると感じることはありませんか? 訪問看護ステーションのスタッフは、その一人ひとりの専門性が高く、かつさまざまなバックグラウンドを持ち、働き方も異なります。今回は、管理者としてスタッフ同士の関係性をどのようにみるべきかを解説し、組織の関係の質を高める「対話の場」のつくり方をお伝えしていきます。 目に見えない上下関係 はじめに注目していただきたいのが、「職場内で心理的安全性が保たれているかどうか」です。 あなたのステーション内で、スタッフ同士の関係性にさまざまな「目に見えない上下関係」が発生してはいないでしょうか。 「目に見えない上下関係」とは、各々が仕事に誇りを持つがゆえに、他の人との価値観や看護観の違いを理解できない、あるいは、理解しようとしないということが原因でできあがってしまう人間関係のことです。 例えば、働き方が異なる同僚を下に見る、スタッフ内で派閥ができてしまう、事務スタッフへの上から目線な対応、ベテランスタッフが面倒臭がって新人を育てない。これらにはすべて「目に見えない上下関係」が存在します。 第2回のコラムで触れたように、管理者として個々のスタッフと関係を深めたとしても、上述のような「目に見えない上下関係」が職場内にあると、それぞれのスタッフの言い分が異なるため、個々にいくら対応しようとしても溝が埋まらないという経験もあるのではないでしょうか。 この軋轢が大きくなればなるほど、解決は難しくなっていきます。そこで軋轢が大きくならないうちにやっていただきたいのが、普段の業務管理、進捗管理とは異なる目的で、スタッフ同士を集めてミーティングを開くことです。 スタッフ一人ひとりに向き合う場を「1on1」と呼ぶのに対し、スタッフ同士が向き合うこのミーティングをここでは「対話の場」と呼びます。 「対話の場」開催のポイント この対話の場は、業務の話をする場ではありません。さらに飲み会とも別で行うことをおすすめします。飲み会はつい話が流れてしまいがちになり、また人によって集中力に違いが出やすくなるためです。 上述のような上下関係が生まれるのは、大概「相手が本当は何者かわからない怖さ」から来ます。管理者として、その「怖さ」がなるべく小さいうちにお互いを「相手が本当はどんな人か」理解し合える場を作ることが大切です。 最初は話しやすい話から始め、徐々にもっとその人がわかるような深いテーマにしていくといいでしょう。下記に開催時のポイントをいくつか具体的に挙げます。 ①話しやすいテーマからスタートする 対話の場は一度で終わらせる必要はなく、何度も開催するものだと思ってください。なので、最初はとにかく話しやすいテーマからスタートさせるといいでしょう。 その際に注意していただきたいのが、相手の許可なしに興味本位で話を掘り下げないようにすることです。各自「話せる範囲」を前提とし、互いに尊重して話を聴き合うことが大事です。 【テーマ例】過去のキャリアや背景、なぜこの仕事についたか、大変だったこと、充実していたこと、乗り越えたことなど ②対話の場のルールを明確にする この場で話したことは絶対に他の場では話さない、相手の話を遮らずちゃんと最後まで聴く、などお互いのことを少しでも安心安全に話せる場を前提とするためにルールを明確にしておくとよいでしょう。 【ルール例】守秘義務、相互サポート、評価判断はしない、尊重し合う、など ③時間を区切る(ダラダラ話さない) 対話の場の開催をはじめた当初は、業務以外の事を話すことに価値を見出してくれるスタッフはそう多くないでしょう。 やっていくうちに徐々に「自分の話もできる」「相手を知ることがそう悪くない」という気持ちになるので、時間としてはあくまで業務を邪魔しない程度の時間(30分〜1時間くらい)でお互いの事を話し合えるよう、配慮する必要があります。これは何度目の開催でも同様です。 そのためには1人が話す時間もせいぜい10分以内。もし、事前準備が必要ならそのように伝えておきましょう。人数が多いなら、数回に分けて同じテーマを話すのもいいかもしれません。 管理者のあり方を見せることが関係性を創る 管理者としては、各々のスタッフのプロ意識や仕事ぶりに信頼を置いている人が多いことでしょう。 管理者自身とスタッフ個人の関係性ができていれば、仕事自体は回るかもしれません。ですが、組織は人の集まりである以上、やはり職場全体のやりづらさ、働きづらさについても、少し注意しながら観察する必要があります。 そして関係性について気づいたことがあったらそれがなるべく小さな火種の時に何かしら関わることが必要です。組織のあり方を信じつつも、そこに勇気を持って関わっていくこと。 管理者がオープンで正直であり、フラットな気持ちで組織の関係性に関与していることが、その組織のあり方に反映されていくのです。 対話の場を設けたとしたら、ぜひ管理者自身が自分の話もしていきましょう。管理者のリアルな話が「その話をしてもいいんだ」という安心感を場にもたらすきっかけになるかもしれません。 組織のメンバーが互いに理解しあい、関係性についてもお互い気を使うことができれば、組織としてもっとやりたい看護を地域に提供することも可能です。ひとりの力ではできないことを、組織で取り組むことが可能だからです。 人をマネジメントするということは、その業務の管理だけではなく、人を育て、組織を育てることに管理者として心を砕いていくことです。そのことを通じて、個人としての成長のみならず、組織としての成長をも促すことができるでしょう。 OfficeItself 代表 コーチ・ファシリテーター 山縣いつ子 2008年から企業や医療従事者向けにコーチングや研修を提供。クライアントは中間管理層を始め、女性管理者も多く、ベンチャーの執行役員、医療従事者、NPO組織の代表など幅広く担当している。 【コラムご意見番】 ~訪問看護ステーション管理者 ぴあの目~ 訪問看護ステーションは開設当初は十分に話し合いができる人数でスタートすることが多いですが、利用者が増え、スタッフの人数も増えるにつれて出勤しても他のスタッフと顔を合わせないことも増えていきます。 その様な状況になると、コラムにもあるように先輩看護師と若い看護師の間に目に見えない上下関係が生じることや、相談したいことを話せず悩んでしまうスタッフが出てくると感じます。 対話の場の一つとして、現場で最も馴染みがあるのは「カンファレンス」かと思います。 これは、看護師の人数が少ないうちは活発な意見交換を行う場として適していますが、組織が大きくなってくると、意見を発することができないスタッフも出て来てしまいます。 例えば私が働いていたステーションでは、どうしてもベテランのスタッフの意見に対して、若手のスタッフが意見を出しにくいという問題がありました。 そこであるカンファレンス時に、スタッフをランダムに組み合わせて話し合ったところ、一人一人が意見を出してくれるようになりました。 またこの時のカンファレンスの議題が「ステーション内のルールを決める」という、スタッフ一人ひとりが自分自身に関係のある身近に感じられるテーマだったのですが、そこでスタッフの業務だけではわからない新たな一面を知ることができました。 このカンファレンスを振り返ってみると、対話の場の「話しやすいテーマからスタートする」というポイントをクリアした話し合いになっていたからこそ、以前のカンファレンスより有意義なものに感じたのかもしれないと思いました。 私自身、管理業務を行なっていると、業務に追われスタッフが話しかけにくい雰囲気を醸し出してしまうことがありました。 今回のコラムを読んで、「1on1」の面談だけではなく、「対話の場」を通してスタッフの新たな一面を知り、私の一面を知ってもらうことで、小さな軋轢が生まれそうになっても、思いやりを持ってお互いの関係性を構築していけるようになるといいなと思いました。

コラム

答えはスタッフの心の中にある(1on1ミーティング)

近年、主には大企業の人材育成の一環として、上司部下の間で行われている「1on1ミーティング」は、上司部下との関係性を高め、部下のやる気を引き出し、組織へのエンゲージメントを高めることなどによって離職率の低下に効果が出ています。 今回は、管理者が一人ひとりのスタッフとの関係の質を高める「1on1ミーティング」のやり方をお伝えしていきます。 1on1ミーティング 管理者として、日ごろからスタッフの方々と、どのようなコミュニケーションをとっているでしょうか。業務上の報告・連絡・相談はもとより、スタッフのその日の調子を確認する声かけや、時にはプライベートな話からちょっとした雑談まで、あらゆるコミュニケーションを心がけていらっしゃると思います。 管理者としてスタッフ全員と等しく、心理的安全な関係ができたら、それは仕事をお互い気持ちよく進める上で理想的な関係と言えます。 しかし、時として忙しくてミーティング時以外は話さない、ルーティーンの電話連絡で必要最低限のことしかやり取りしない、などコミュニケーションを取る時間がない場合もあるでしょう。 また、なかなか心が通わない相手だったり、気軽に話はできても肝心なことは言いにくかったり、人間関係のあんばいで仕事が前進しないこともご経験があるのではないでしょうか。 関係性を深めるためには、意図的にスタッフ一人ひとりとしっかり話す場を設ける必要があります。 そこでやっていただきたいのが「1on1ミーティング」です。 これは評価面談や、業務相談の場ではありません。時間をとって、一対一でスタッフの思いや価値観、今後のキャリアなどを聴く場です。 スタッフと関わる時の三つの「耳」 「1on1ミーティング」はあくまで話し手が、自分の考えや思いを掘り下げ、可能性に気づき、行動につなげることが大切です。基本的な考え方としては「答えは話し手の中にある」ので、アドバイスはせず、問いかけることでコミュニケーションを取っていきます。 そこで大切なのが、傾聴する技術です。ここでは傾聴する技術について、三つの「耳」を用いて説明します。 ①事柄を聞く耳 一つ目はスタッフの話す内容にしっかりと耳を傾ける「事柄を聞く耳」です。 普段は忙しく、業務以外の話を聞けていない方もいるかもしれませんが、「1on1ミーティング」ではしっかり時間をとって話を聞いて行きます。 何か相談に乗るときも、プライベートの内容でもスタッフが話す事にきちんと耳を傾け受け止めましょう。 ②思いや価値観を聴く耳 二つ目は、その事柄の奥にある「思いや価値観を聴く耳」です。 スタッフがなぜそのことを話してくれるのでしょうか。スタッフが普段から大事にしている価値観が潜んでいないでしょうか。 本当の思いや本音、本人も気づいていない本心がその奥にないでしょうか。管理者としてはそこにもしっかり耳を傾けていきます。 「Aさんが仕事を通じて、大事にしていることは何ですか?」 「そのことを通じて気づいたことは、どんなことですか?」 「Aさんは粘り強く仕事をすることを、大事にしていますね」 など、話されている事象の言葉にならない言葉にも注目するような感じです。「聞く」が「聴く」となったように、耳だけではなく心で聴いていきます。 ③その人の成長を願う耳 三つ目は、「その人の成長を願う耳」です。 これは少し抽象的かもしれませんが、この次に触れる、「聴く姿勢」にも通ずる「常に相手の可能性に耳をそば立てる」聴き方です。 この人の可能性はなんだろう、この組織の未来とこの人の未来はどう交わるのだろう、この人はどんな未来に向かっていきたのだろう。こんな思いを持って相手の話を聴いていきます。 大事なのは管理者の聴く心の姿勢 普段一緒に働いているとつい、スタッフに対しても色々な意味での「色メガネ」をかけてみてしまいます。そのメガネをかけたまま「1on1」を行うと、安心安全な場が作りにくく、スタッフの本心が聴きだせなくなります。 「1on1」の時に大事なのは、管理者としての評価判断は一旦脇に置き、スタッフの人そのものに対して焦点を当て、好奇心を持って聴くことです。上述の「その人の成長を願う耳」で聴くのです。 そしてそれは、管理者としての普段からの自身の「あり方」と関係します。 パーソナルコーチングはあくまでコミュニケーションの行動形態の一つです。ですが、コーチがクライアントの成長を願わず、自分のエゴを押し付けてしまっていたら、相手をコントロールしたり、言うことをきかせていたりすることで、「クライアントの中にある答え」を引き出せなくなってしまうのです。 管理者として、スタッフ1人ひとりにどんな願いを持っているでしょうか。「自分のために」「組織のために」の前に、そのスタッフ自身がどのように成長してくれたら嬉しいでしょうか。 その願いを持つ管理者のあり方は、必ずスタッフ本人に言わずもがな伝わります。 その上でさらにスタッフのことを深く知るために「1on1」などの丁寧で意図的なコミュニケーションが必要になります。 このようなコミュニケーションを続けることで成功循環モデルの「関係の質」が高まっていきます。 OfficeItself 代表 コーチ・ファシリテーター 山縣いつ子 2008年から企業や医療従事者向けにコーチングや研修を提供。クライアントは中間管理層を始め、女性管理者も多く、ベンチャーの執行役員、医療従事者、NPO組織の代表など幅広く担当している。 【コラムご意見番】 ~訪問看護ステーション管理者 ぴあの目~ コラムを読んで、私は思わず「う~ん」と唸ってしまいました。 管理者として自分自身コミュニケーションを振り返ってみると、特に「思いや価値観を聴く耳」と「その人の成長を願う耳」を、私は本当に持っていただろうか。持っている気になっていただけだったかも・・・と反省しました。 「思いや価値観を聞く耳」についての話です。 私にはとても信頼を置いているスタッフがいて、私が不在の時なども安心してそのスタッフにステーション運営を任せることができていました。 不在時のステーションの状況報告や提案なども積極的にしてくれ、コニュニケーションも十分取れていると思っていたので、彼女にステーションのリーダー昇格を打診したら、引き受けてくれると思っていました。 しかし、実際にリーダー昇格の打診をしたところ「管理者不在の時は同じ職場で働く仲間としてサポートしただけであり、リーダーなどの管理業務には興味がない。私はこの先も看護師として学んでいきたい」と言われてしまいました。 リーダーの打診をする以前から、リーダーの役割を担ってくれていたので、私は勝手に「彼女はリーダーになりたいに違いない」と思い込み、断られる事は想定していませんでした。 「思いや価値観を聞く耳」をもって「1on1ミーティング」をしていたらこのような事態は防げたのではないかと思います。 仕事ができるからリーダーになって欲しいという思いは、管理者である私の一方的な思いであり、スタッフが仕事に対してどのように向き合っているかまで聞くことができていませんでした。 「その人の成長を願う耳」についても、思い出すエピソードがあります。あるスタッフが「みんなのように成長できる気がしません」と言って退職してしまったことがありました。 スタッフ全員が同じような手技を身につけていくことが当たり前ではなく、キャパシティを超えた努力をしているスタッフの状況を把握できなかったことに問題がありました。 「成長を願う耳」をもってスタッフの勤務状況やケアの内容、スタッフの成長過程について向き合っていれば、このスタッフは違った成長を遂げたのではないかと今でも後悔することがあります。 このコラムを読み、私は実際にすべてのスタッフに平等に「1on1」を実施するようになりました。するとステーションの人間関係も良好になり、業務に関するディスカッションも頻繁に行われるようになりました。 まだ聴き手として未熟な部分も多いですが、「1on1」の中で仕事や生活で大切にしていることを聴くことで、生活の大部分を占める「仕事」の場を、より過ごしやすい環境にできるのではないかと感じています。

コラム

なぜスタッフの心が離れてしまうのか?(ビジョンと成果)

訪問看護ステーションにおける大きな課題として、スタッフの離職率の高さがあります。スタッフが1人辞めると、採用・育成コストはもちろん、利用者さんとの信頼関係にも影響がでます。 本コラムでは、スタッフに安心して長く働いでもらうために、経営者や管理者が知っておくべきこと、やるべきことをお伝えします。 「ビジョン」と「成果」を明確にする 訪問看護ステーションの運営は、「ビジョン」と「成果」によって決まります。「ビジョン」とは実現したい将来像であり、「成果」とはビジョンを実現するための具体的な行動指針です。 ビジョンの設定 多くの訪問看護ステーションには経営者の理想の看護観や理念があると思います。利用者さんへのひとかたならぬ思いには私も常に感服する気持ちでいっぱいです。 ですが、せっかくの理念が、将来どのような姿となって実現されているか、はっきりと描かれており、明確にスタッフに伝わっているでしょうか? もし理念のみしか設定していないのであれば、まずご自身の事業の方向性と未来の事業の姿を融合させて、ビジョンを設定しましょう。 例えば「情報技術を活用し、多職種連携と連携して、2025年までに地域に欠かせない訪問看護ステーションとなる」などです。 想いの共有 次に、スタッフ自身には「何のためにここで働くのか」「何のためにこの仕事をするのか」を考えてもらいます。ビジョンを設定する段階から、スタッフと一緒に考えてもいいかもしれません。 組織の思いと個人の思いが重なるところが、スタッフたちの育成方針となっていきます。 逆に、自身の理想の看護を追求するあまりスタッフの思いに気づかないでいると、知らないうちにスタッフとの関係に溝ができることにもなるので、十分気を付けましょう。 成果の設定 「ビジョン」が明確になり、想いを共有できたら、次にビジョンを実現するためにはどんな「成果」が必要か考えます。 皆さんの事業所の「成果」とはなんでしょうか? 「成果」として最もわかりやすいのが売り上げです。売り上げとは数字だけでなく、例えばどんな思いで達成していくかもひとつの「成果」と言えます。 また当然ですが、成果を出していくことは経営者や管理者一人では成し得ないことで、スタッフたちにもその成果への理解を深めてもらう必要があります。 そのためにも自分たちにとっての成果とは何かについてスタッフとしっかりと話し合い、「成果の基準」を明確にすることが必要です。 成功循環モデル 「成果の基準」が明確になったら、その成果を得るために、どうすべきか考えます。ここではダニエル・キム「成功循環モデル」における、「結果の質」の上げ方をご紹介します。 このモデルでは、「結果の質」を上げるには、「行動の質」を高める必要があります。「行動の質」を上げるには、「思考の質」を高める必要があります。「思考の質」を上げるには、「関係の質」を高める必要があります。では「関係の質」を高めるとは、どういうことでしょうか? 関係の質を高める 訪問看護ステーションでは、集まってくるスタッフは皆、専門スキルを持った者同士。それぞれのキャリアや背景があります。そのために個々の考えや価値観が異なるのは当然でしょう。 一方、訪問看護は個別で利用者さんのところへ行く仕事ではありますが、事務所ではさまざまな連携やコミュニケーションが必要になっていきます。 では、もしスタッフ同士が相手への理解や信頼をしていない状態で事業が運営されていたら、何が起こるでしょうか? スタッフ同士の心理的な安全性を保てていないため、必要なことすら共有されず、仕事が行き違い、結果的には利用者さんへのサービスの質の低下にもつながるでしょう。また、サービスは提供できたとしても、非効率で、働き方としては無駄の多いやり方になってしまいかねません。 そのために、管理者としてはこのスタッフ同士の「関係性」に関わっていくことが必須となります。 次回はこの関係性を意図的に改善していくために、管理者として「コーチング」の視点を持つことで何ができるかについてお話します。 OfficeItself 代表 コーチ・ファシリテーター 山縣いつ子 2008年から企業や医療従事者向けにコーチングや研修を提供。クライアントは中間管理層を始め、女性管理者も多く、ベンチャーの執行役員、医療従事者、NPO組織の代表など幅広く担当している。 【コラムご意見番】 ~訪問看護ステーション管理者 ぴあの目~ 本コラムを読んで、スタッフがビジョンを理解することで、行動が変わったケースを思い出しました。私が新設の訪問看護ステーションで管理者をやっていた時のお話です。 当時は新設のため利用者が少なく、スタッフみんなで営業に行って新規の利用者を獲得しないと、ステーションの運営も困難な状況でした。 ですが、スタッフたちは「看護しに来ているのに、なんで営業なんか・・・」という思いが強くあり、なかなか営業に行ってくれませんでした。 しかし、私が言った一言で、スタッフたちが営業に行ってくれるようになりました。そして、このコラムを読んで、その言葉がビジョンにつながっていたんだと気づきました。 「看護を提供できる場を広げるために私たちのことを地域の人たちに知ってもらおう。依頼が来たら、みんなでいい看護を提供できるようをがんばろう」 当たり前の言葉に思えますが、お互いが「私たち看護をたくさんの人に届けたい」という想いを共有できたことが結果的に、「たくさんの方に利用してもらうために営業をがんばろう」と成果の設定へとつながったと思います。 その一方コラムを読んで、あの時、成果の基準を明確にして、スタッフみんなで成功循環モデル回せていたら、もっと地域に愛される訪問看護ステーションになれたかもしれないなという後悔も少しありました。

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