温活で体質改善? 自律神経とホルモンバランスを整える方法

温活は、体を温めることで自律神経のバランスを整えたり、血流を促進することで体の不調を緩和したりする効果が期待できるシンプルな健康習慣です。日常生活の中で簡単に取り入れられるため、訪問看護の現場でも活用しやすく、利用者さんの健康維持や生活の質向上につながります。
本記事では、温活の基本からメリット、実践方法まで解説します。ご自身の健康管理はもちろん、利用者さんやご家族への健康アドバイスの際にも役立ててください。
目次
温活とは
温活は、体温の低下に伴うさまざまな不調を改善する取り組みです。体温が低下すると血流が滞り、免疫力の低下や代謝の悪化を招きます。特に現代人は冷暖房の影響やストレス、偏った食生活などによって体が冷えやすいため、意識的に温活を行うとよいでしょう。
温活では、体を外側と内側の両方から温めます。また、一時的に行うものではなく、日々の生活に根付かせる必要があります。
温活のメリット
温活には、次のメリットがあります。
自律神経が整うことでストレスが軽減する
温活を行うことで自律神経のバランスが整い、ストレスの軽減につながります。自律神経には、活動時に優位になる交感神経と、リラックス時に働く副交感神経があります。
冷えによって交感神経が過剰に働くと、体は常に緊張状態になり、ストレスを感じやすくなります。反対に、体を温めることで副交感神経が優位になり、心身ともにリラックスできるため、不安やイライラを軽減する効果が期待できます。
女性の健康維持に役立つ
女性は男性に比べて筋肉量が少なく、ホルモンバランスの変化によって冷えやすい体質の方が多く見られます。冷えが原因で生理痛や月経不順が悪化することもあります。
温活によって血行が促進されると、女性ホルモンバランスが整い、月経痛の緩和やホルモンバランスの乱れによる冷えの緩和が期待できます。
血行促進による冷え性・むくみの改善
体が冷えて血流が滞ると、手足の先まで十分な酸素や栄養が行き渡らず、冷え性やむくみを引き起こします。特に長時間同じ姿勢を続けると、下半身の血流が悪くなりやすく、足がむくみやすくなるでしょう。体を温めることで血管が広がり、血液の流れがスムーズになるため、冷え性やむくみの改善に役立ちます。
基礎代謝アップで、脂肪が蓄積しにくい体に
冷えは、体の基礎代謝を低下させ、エネルギー消費量が低下するため、余ったエネルギーが脂肪として蓄積されやすくなります。
体を温めて血流が良くなると、基礎代謝が上がり、脂肪がエネルギーとして消費されやすくなります。
肌のターンオーバー促進による美肌効果
冷えによって血流が悪くなると、肌のターンオーバー(新陳代謝)が滞り、老廃物が排出されにくくなります。その結果、肌がくすんだり、ニキビや肌荒れの原因となったりすることがあります。
温活により、自律神経のバランスが整うと、新陳代謝が良くなり、肌トラブルの緩和が期待できます。
温活の方法
温活は、日常生活の中で簡単に取り入れることができる健康習慣です。運動や食事、生活環境の工夫などは、高齢者でも無理なく続けることができます。温活の方法について詳しく見ていきましょう。
運動で筋肉量を増やして体温を上げる
筋肉は、体内の熱を生み出す役割を担っています。高齢者は加齢により筋肉量が減少しやすく、基礎代謝が低下することで冷えを感じやすくなります。そのため、日常生活の中で適度な運動を取り入れ、筋肉を維持・増強することが大切です。
激しい運動をする必要はなく、散歩や階段の上り下り、簡単なストレッチなど、無理なく続けられるものを選ぶとよいでしょう。
食生活を見直す
食べ物によって体を温める効果が期待できるものと、逆に冷やしてしまうものがあります。温活を意識するなら、体を温める食材を積極的に取り入れることが大切です。
たとえば、加熱した生姜やニンニク、根菜類などは体の内側から温める作用があります。一方で、夏野菜や南国の果物、冷たい飲み物は体を冷やすため、食べすぎに注意が必要です。
基本は、1日3食、規則正しく栄養バランスに優れた食事をとることです。一汁三菜を基本とし、炭水化物やビタミン、ミネラル、食物繊維などをバランスよくとりましょう。
エアコンの使い方を工夫する
現代の住環境では、エアコンが欠かせません。しかし、冷房の使い方によっては体を冷やしすぎてしまうことがあります。特に夏場の冷房は、室温と外気温の差が大きいと自律神経が乱れ、冷えやだるさの原因になります。
また、風が直接当たることも冷やしすぎや温めすぎにつながるため、スイングで風が体に当たらないようにしましょう。
冷えない衣服選び
衣服の選び方によっても、体の温まり方は変わります。特に「首」「手首」「足首」の3つの首を温めることで、血流をスムーズにし、全身を温める効果が期待できます。
締め付けが強すぎる衣類は、血流を悪化させるため避けるのがポイントです。また、就寝時も靴下や腹巻きを活用することで、寝冷えを防ぎ、快適な睡眠につながります。ただし、足の裏に熱がこもると良質な睡眠を妨げてしまうため、就寝時に靴下を着用する際は、着脱が楽なゆるめのものがおすすめです。
良質な睡眠をとる
就寝前にぬるめのお湯(38~40℃)に浸かることで体全体が温まり血行が促進されるだけでなく、寝つきが良くなり、深い眠りにつながるとされています。これは、入浴によって手足の末梢血管からの放熱が進み、深部体温が低下することで、自然な眠気が訪れるためです。また、上述したように副交感神経が優位になることで、心身の緊張がほぐれリラックスしやすくなります。こうした体の変化により、主観的な睡眠の質が向上し、より快適な睡眠が得られると考えられています。
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訪問看護の現場では、利用者さんの生活環境や体調に合わせた温活のアドバイスを行い、適切なケアを提供することが求められます。食事や運動、衣類の工夫など、無理なく続けられる温活についてアドバイスし、利用者さんとご家族の健康をサポートしましょう。
| 編集・執筆:加藤 良大 監修:豊田 早苗 とよだクリニック院長 鳥取大学卒業後、JA厚生連に勤務し、総合診療医として医療機関の少ない過疎地等にくらす住民の健康をサポート。 2005年とよだクリニックを開業し院長に。患者さんに寄り添い、じっくりと話を聞きながら、患者さん一人ひとりに合わせた診療を行っている。 |
【参考】
〇厚労省.健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会.「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」(令和6年2月)
https://www.dietitian.or.jp/trends/upload/data/342_Guide.pdf
2026/2/24閲覧