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インタビュー

感染管理認定看護師に聞く、新型コロナの感染対策

テンハート訪問看護ステーション管理者の佐渡本さんは「感染管理認定看護師」の資格をお持ちです。訪問看護ステーションでも参考になる、新型コロナウイルス感染症をはじめとした感染症予防で気をつけるべきことについて伺いました。

在宅でも気をつけたい、個人防護服の管理


ー新型コロナの疑いの利用者さんがいる時はどうしていますか?
佐渡本:
まずは、訪問に行くか行かないかは主治医と相談して決めています。以前、利用者さんで新型コロナ感染疑いの方がいたのですが、その時は主治医と相談してサービスを一旦停止しました。
熱がある患者さんを訪問する時は、しっかり個人防護具を着て、マスクやフェイスシールドをつけて対応しています。ここでひとつ見落としがちなのが、個人防護具を外す時の感染リスクです。
ー「個人防護具を外す時」ですか。
佐渡本:  
例えば、手袋を外す時やマスクを外す時に、不潔な部分に触れて手などにウイルスが付着してしまうことがあります。ですので、個人防護具を「つけているから大丈夫」ではなく「外して、破棄して、手洗いする」ところまでやって、はじめてきちんした感染症対策になると思います。
個人防護具を扱う際の注意点など、詳しく聞かせてください。
佐渡本:
個人防護具を外すタイミングは、利用者さんと2メートル以上離れた、部屋の出口や玄関先でいいと思います。その際も、脱いだエプロンで手や周囲を汚染しないように注意してもらえればと思います。
もうひとつ可能であれば実践してもらいたいのが、新型コロナに感染した疑いの利用者さん自身にもマスクを着用していただくことです。言わないとマスクをしてくれない利用者さんも多いかと思いますが、お互いにマスクをしていれば感染のリスクは下がります。

訪問看護師の持ち物も清潔に

ー新型コロナ感染症に限らず、普段の感染症対策で大切にしていることを教えてください。
佐渡本:
スタンダードプリコーション(標準予防策)は徹底しています。手洗いとか咳エチケットですね。
あとは物品の取り扱いですね。体温計とか血圧計など、利用者さんごとに消毒して綺麗にリセットすることを徹底しています。
ーこれは見落としがち、というものはありますか?
佐渡本:
在宅ではあまり問題視されていないのですが、気を付けないといけないと思うのが、多剤耐性菌です。
多剤耐性菌は健康な私たちには悪さをしませんが、高齢の方にはリスクになる菌です。
処置後の手洗いはもちろんですが、菌を次の家に持ち運ばないように気をつけるよう、いつもスタッフに指導しています。
また、訪問バッグの中の物を清潔に管理するのも訪問看護師として大事なことだと思います。
訪問バッグ自体も、もし床面に置いた場合は拭くなどして綺麗にしておいた方がいいと思います。

ステーションが全滅しない感染対策を


ー最後に、感染管理認定看護師として他のステーションへのアドバイスなどあればお願いします。
佐渡本:
ステーション運営の上で重要だと思っているのは、仮にスタッフに新型コロナウイルス感染症の陽性者が出たとしても、ステーションが全滅しない対策を取ることです。
例えば陽性者が1人出た時、保健所から「スタッフ全員が濃厚接触者です」と言われてしまったら、2週間休業になってしまいます。もし陽性者が出ても、濃厚接触者には当たりません、と言ってもらえるような対策を常に取っておくことが大事だと思います。
あとは、プライベートでも気を抜かずにスタッフみんなが予防を意識することも必要です。
ー万が一感染してしまった場合はどうしたらいいでしょうか?
佐渡本:
どれだけ細心の注意を払っていても、感染してしまうことはあると思います。
実際に自分やスタッフが感染しても慌てないように、あらかじめ起こりうることを想定して、対策を具体的に考えておきましょう。これは災害対策も一緒ですね。
例えば、利用者さんとスタッフの体温をチェック表に毎日書いて管理するなども有効だと思います。見える化されていることで、早期に異常を発見できることもあると思います。
合同会社Beplace代表 / テンハート訪問看護ステーション管理者 / 感染管理認定看護師・臨床検査技師
佐渡本琢也
臨床検査技師として勤務する中で、患者と接する仕事に魅力を感じ、看護師の道へ。病院では脳神経外科、消化器外科を経験し、感染管理認定看護師の資格を取得。母を癌でなくした経験から「在宅で看護師ができることが、まだあるのではないか」という思いを持ち、同僚からの誘いをきっかけに愛知県名古屋市にテンハート訪問看護ステーションを立ち上げた。  
新型コロナ感染症対策についてもっと知りたい方は、こちらの特集記事をご覧ください。

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