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インタビュー

多機能複合型店舗「せわのわ」モデルとは?

株式会社キュアステーション24が運営するせわのわ訪問看護ステーションは、地域に開かれた医療と介護サービスを提供する「せわのわ」のサービスの一つです。第1回は多機能複合型店舗「せわのわ」について、事業支援部長の半田さん、せわのわ事業本部長の目井さんにお話を伺いました。

「せわのわ」モデル第1号店として

せわのわのような多機能展開しているところは珍しいと思いますが、実際にはどのような事業を行っているのでしょうか。
半田:
「せわのわ」は株式会社キュアステーション24が運営していて、TRホールディングスグループの傘下にあります。株式会社TRホールディングスは、医薬品・化粧品・医療機器等の販売や調剤薬局の運営、精密機器開発製造やシステム開発販売など、幅広く事業を行っていますが、基本理念は人々の健康な生活と笑顔にどれだけ医療面から貢献できるかで、医療を通して住民の方々に貢献するというのが一番のベースですね。
キュアステーション24は、調剤薬局・訪問看護・栄養ケアステーションの3業態の複合事業を新たに展開するために2019年4月に設立した法人です。
ここは、実験店でもあり基幹店でもあります。いわば我々が考えているせわのわの機能のフルバージョンで、飲食部門をつけたことが特に新たなチャレンジでもあります。
目井:
この構想自体は2014年頃から出ていて、代表取締役である田中といろいろ話をしていました。元々調剤薬局を抱えていたので、薬局が今後も生き残りをかけていくには、地域や在宅の分野もしっかりやらないといけないと…。調剤薬局と訪問看護としたのは、経営サイドからすると、収益性の面が一番大きいですね。
半田:
ただ、外来中心になっているような薬局だと、急に在宅に行けと言われてもなかなか動きづらい。でもこの先絶対、在宅をやっていかないと調剤薬局はもたない、下手をすると淘汰されてしまうと思っていたので、訪問看護とのペアリングを考えました。
目井:
そうした話を重ねるうち、2018年頃には地域に貢献するのであれば、カフェや薬膳料理などもどうか、という案があがりました。薬局と訪問看護だけではなく、飲食と栄養面からも地域支援ができないかというのが最初のアイデアで、要介護の人よりもフレイルの人をターゲットに考えていましたね。
実際には、調剤薬局と訪問看護ステーション、コミュニティサロンも兼ねた健康食堂、栄養ケア・ステーションを運営しています。

組織内でのミニ包括ケアチームを目指して

半田:
地域包括ケアシステム、チーム医療とはよく言われていますけれど、本当に多職種連携が機能しているのかというと、実際は難しいところもありますよね。所属している組織も職種も違う中では、サービス担当者会議などの集まりでも、お互いに遠慮して言いたいことが言えないことも多いです。
それだったら、我々の組織でミニ包括ケアチームを作ってしまえばいいのではないかと。それが多職種業態にしようと思ったねらいです。
うちでは主に薬剤師、看護師、管理栄養士、理学療法士、言語聴覚技師、調理師などがいます。一つの組織の中でケアにあたる専門職をチーム化すれば、他の機能していないところより機能的に動けると思いました。まだ道半ばではありますけどね。
目井:
看護師と薬剤師が働くことのメリットがどのようなところにあるのかは、仮説のもとでやりはじめましたが、実際、お互いに相談しやすい環境であり、親和性は高いということはわかりました。
事業性としてはいかがですか。
目井:
うちの特徴としては、住宅地のど真ん中にあります。ビジネスとして考えれば、調剤薬局はクリニックの横やショッピングモールなどに出店した方が集客もできてベストかもしれません。けれど、このモデルとしては地域に貢献するということを第一に考えていたので、その選択肢は外しました。この地域の半径500mをすべてカバーしようという考えではじめましたから…。
苦労も相当多いですが、「今のせわのわのモデルいいね」と言われることも多い。まだこうしたモデルは日本ではないと思うので、今は1号店として知見をためているところです。
半田:
調剤薬局にも訪問看護にも医療の専門家がいて、何かあれば相談できる。しかもみなさんが利用できるレストランもあって普段使いができるわけで、機能性の面だけでいえば便利に決まっています。
ただ、事業性をどう確保するかが最大の課題ですよね。ボランティアでやるわけにはいきませんし…。
このモデルの良さに加えて、きちんと事業性を証明していくことが、この先展開していく上での大きなキーになると思います。
目井:
いずれは横展開をしていくことも考えていますが、展開自体は、私どもが独自に出すことは考えていなくて、FCやボランタリーでなどいろいろな方法があると思います。このモデル自体、誰がやったら相性がいいのか、クリニックかもしれない、調剤薬局かもしれない。そうしたことも含めて可能性を探っていて、どこからでもせわのわモデルに入っていけるような仕組みにしていきたいと思っています。
まだ実験段階ではありますが、ある程度の方向性は見えてきていますね。
半田:
今は広大な実験場にいるという感じですね。いずれビジネスモデルが固まってきたら、社会に貢献できる形で広げて行きたいと思っています。
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株式会社キュアステーション24 せわのわ事業支援部 部長
半田 真澄
30年以上臨床検査領域で働いた後、2013年にTRホールディングスグループに入社。代表取締役の田中氏とは社会人1年目が同期という縁。せわのわでは主に業務全般のサポートを行っている。
株式会社キュアステーション24 取締役/せわのわ事業本部 本部長
目井 俊也
ゼネコンや外資系保険会社などを経て、まったく畑違いの介護業界に。訪問介護ステーションやデイサービス、サービス付き高齢者向け住宅などの開業・運営経験がある。
総合病院の脳外科や透析外来に勤務後、訪問看護ステーションの管理者になるための経験として看護師の人材紹介会社で働いた経験を持つ。代表の地域貢献に関するビジョンや、スタッフに対する思いなどに共感し、せわのわ訪問看護ステーションに入職。

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