インタビュー

商店街を拠点に住民の近くで声を拾う

大阪の商店街の中にある訪問看護ステーションほがらかナース。管理者である岩吹さんは在宅看護専門看護師として活動しています。ほがらかナースの立ち上げまでの経緯と、今後のビジョンについて伺いました。

地域の中での専門看護師の役割

―訪問看護ステーションほがらかナースの立ち上げの経緯について教えてください。
岩吹:
専門看護師は卓越した看護の提供だけではなく、コンサルテーションやコーディネーションの役割もあると教わっていたので、地域に出る必要があると思いました。病院でもできないわけではないですが、管理者でなければ自分のやりたいことはなかなかできないと思い、地域の声を拾うためにより住民に近いところに居たほうがいいと考えたんです。ちょうど近くに商店街があり、専門看護師としてここで地域包括システムの体制を作っていこうと決めて、開設しました。
―どのような商店街なのでしょうか。また、商店街の中でどのような思いで活動をされているのでしょうか。
岩吹:
大阪の九条に、キララ九条商店街という通りがあり、そこの空き地にステーションを開設しました。この商店街には薬局が2~3つ、相談支援事業所が3つ、クリニックが4つ、歯医者が2つ、ヘルパー事業所が3つあります。介護事業所はたくさんありますけど、医療がクリニックだけでは、医療ニーズが高い患者さんが地域で生活できるのかという懸念がありました。商店街は買い物に来るところですが、そこで健康に関する健康教室のような場所を作りました。少しでも住み慣れた地域で、病気や障がいを持ちながらも生活できるように、社会資源のひとつとして、専門看護師である自分を使ってもらいたいと思っています。

街の中の保健室として

―コロナが落ち着いてきたら『街の保健室』として、どんな形で商店街の方たちと関わっていきたいですか。
岩吹:
勉強会を開催したいと思っています。ただし、こちらが提供するというよりも、学びたいこと、知りたいことを地域の方々から出してもらい、患者さんや地域の方々が中心となって開催していくようなイメージをしています。私たちは場所の提供やサポートをして、交流の場として、住民主導でやっていきたいです。夢は大きく、思い立ったらすぐ行動するタイプなので、待ち遠しいです。
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訪問看護ステーションほがらかナース管理者
岩吹隆子
血液内科病棟で5年、脳外科病棟で5年経験後、訪問看護師として働く。結婚や出産などで看護師の仕事を一度離れるも、復職。訪問看護認定看護師取得後、2018年に在宅看護専門看護師の資格を取得。2020年に訪問看護ステーションほがらかナース開設。

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