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家庭だからこそできる発達支援がある~生活をアセスメントすることから始まる児童精神科訪問看護~
家庭だからこそできる発達支援がある~生活をアセスメントすることから始まる児童精神科訪問看護~
コラム
2026年10月6日
2026年10月6日

家庭だからこそできる発達支援がある~生活をアセスメントすることから始まる児童精神科訪問看護~

「発達支援」と聞くと、特別な教材や訓練の場面を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし子どもの困りごとは、生活の中で起きています。児童精神科訪問看護の現場から、家庭をアセスメントし、環境を少し整えることで進める発達支援の実践をお伝えします。 生活そのものが発達支援の場になる 「発達支援」と聞くと、机に向かって課題に取り組む姿や、専門的な教材を使ってトレーニングを行う場面を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。 もちろん、そのような支援も子どもの発達を促す大切な方法の1つです。しかし、私たちショートケーキ訪問看護ステーションでは、「生活そのものが発達支援の場である」と考えています。 ショートケーキ訪問看護ステーションは、東京都豊島区、板橋区、北区を中心に、発達障害や不登校などにより、生きづらさを抱える子どもとその家族を対象とした児童精神科訪問看護を提供しています。 私たちは、子どもの生活の場である家庭を訪問し、医療だけでなく教育や福祉とも連携しながら支援を行っています。その中で強く感じるのは、子どもの困りごとは生活の中で起きており、その背景も生活の中にあるということです。 そのため、家庭でしか見えない情報を丁寧にアセスメントすることが、発達支援の第一歩だと考えています。 「切り替えができない」の正体を探る 保護者から「うちの子は切り替えができません」という相談を受けることがあります。 この言葉だけを聞くと、「切り替える練習をしましょう」と考えてしまいがちです。しかし、私たちはすぐに支援方法を考えるのではなく、まず「どんな場面で困っているのか」を一緒に整理することから始めます。 例えば、朝、学校へ行く準備が始められない、ゲームを終えられない、お風呂に入れない、お風呂から出られない、宿題を始められないなど、1日の生活を振り返りながら具体的な場面を確認していきます。 すると、「切り替えが苦手」という1つの困りごとの中にも、さまざまな状況があることが見えてきます。 さらに、「なぜその場面で切り替えられないのだろう」と考えていきます。 時間が分かりにくいのかもしれない。 次に何をするのか見通しが立っていないのかもしれない。 急に活動を終えることが苦手なのかもしれない。 時計が読みにくい環境なのかもしれない。 時間そのものの概念がまだ十分に育っていないのかもしれない。 このように生活を細かくアセスメントしていくことで、「切り替えができない」という困りごとは、子どもの努力不足ではなく、生活環境や発達特性が影響している可能性が見えてきます。 家庭だからこそできる環境調整 児童精神科訪問看護の強みは、生活の場を実際に見ることができる点にあります。 例えば、時間を意識して行動することが難しい子どもの場合、家庭環境を確認すると、子どもにとって時間を把握しにくい時計が設置されていたり、時計そのものが目に入りにくい場所にあったりすることがあります。 そのような場合には、子どもが時間を確認しやすい環境を整えることを保護者に提案します。デジタル時計を設置したり、タイマーを活用したりすることで、「あと何分」「今は何時」という時間の感覚を身につけやすくなります。 訪問時にはホワイトボードを使い、その日の予定や活動時間を書き出しています。 「今日は何をするのか」「あと何分で次の活動に移るのか」を一緒に確認しながら、「今は何時かな」と時計を見る習慣が身につくよう、繰り返し働きかけていきます 。 また、ホームプログラムとして毎日「起きた時間」と「寝た時間」を記録してもらうこともあります。 これは睡眠状況を把握するだけではなく、自分で時計を見て時間を意識する習慣を身につけることも目的の1つです。 このような支援は、特別な教材を使うわけではありません。 子どもの生活を丁寧に観察し、少しだけ環境を整えることで、「できた」という経験を生活の中で積み重ねていくことを大切にしています。 発達支援は生活の中にある 同じように、「忘れ物が多い」という相談に対しても、「もっと気を付けよう」と伝えるだけでは根本的な解決にはなりません。 持ち物を1か所にまとめる場所を作る。 持ち物リストを見える場所へ貼る。 翌日の準備を行う時間を決める。 このように環境を調整することで、子ども自身が準備しやすいしくみを作ることができます。 また、「体育が苦手」という子どもに対しても、単に「運動が嫌いなのだ」と捉えるのではなく、その背景に不器用さや模倣の難しさがある可能性も考えます。 そのような場合には、自宅で取り組める簡単な運動を一緒に行い、安心できる環境で成功体験を積み重ねることで、自信につなげていきます。 発達支援とは、子どもを変えることではありません。 子どもが力を発揮しやすい環境を整え、生活の中で成功体験を積み重ねていくことだと私たちは考えています。 家族も発達支援のパートナー 家庭で発達支援を行うことのもう1つの大きな特徴は、保護者も支援に参加できることです。 訪問の最後には、保護者とその日の様子を振り返り、家庭で困っていることや変化について話し合います。 「この声かけでうまくいきました」「タイマーを使ったら準備がスムーズでした」「ここは少し難しかったですね」 そんな小さな成功や課題を共有しながら、家庭でも無理なく続けられる方法を一緒に考えていきます。 子どもが訪問時の週に1時間だけ頑張るのではなく、生活の大半を過ごす家庭の環境が少しずつ変わることで、子どもの生活も変わっていきます。 だからこそ、保護者は支援を受ける存在であると同時に、子どもの成長を支える大切なパートナーでもあります。 おわりに 私たちが家庭で行っている発達支援は、特別なプログラムではありません。 生活を丁寧にアセスメントし、「なぜ困っているのだろう」と考えながら、その子どもに合った環境を一緒に整えていくことです。 家庭だからこそ見える困りごとがあり、家庭だからこそ実践できる支援があります。 発達支援とは、生活から切り離された特別な時間ではなく、毎日の暮らしの中で育まれていくものです。 これからも私たちは、子ども一人ひとりの生活に寄り添いながら、「その子らしく育つこと」を支える児童精神科訪問看護を実践していきたいと考えています。 ※本稿は日々の実践をもとに執筆していますが、事例は複数のケースをもとに再構成し、個人が特定されないよう十分に配慮しています。 執筆:齋藤 透ケアプロ株式会社ショートケーキ訪問看護ステーション リーダー日本赤十字看護大学大学院 地域看護学領域 専門看護師コース修了 児童精神・発達支援・不登校支援を中心に活動。「学校に行かせること」だけをゴールにせず、家庭という生活の場から、親子関係や安心感、人とのつながりを支えることを大切にしている。ゲームや好きな話題を通した関係形成、親子間の感情整理、学校連携などを得意としている。 編集:NsPace 編集部 【参考文献】〇こども家庭庁 「児童発達支援ガイドライン(令和6年7月)」https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/7692b729-5944-45ee-bbd8-f0283126b7db/863f5ecf/20241101_policies_shougaijishien_shisaku_guideline_tebiki_02.pdf2026/8/26閲覧 「発達支援」と聞くと、特別な教材や訓練の場面を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし子どもの困りごとは、生活の中で起きています。児童精神科訪問看護の現場から、家庭をアセスメントし、環境を少し整えることで進める発達支援の実践をお伝えします。 生活そのものが発達支援の場になる 「発達支援」と聞くと、机に向かって課題に取り組む姿や、専門的な教材を使ってトレーニングを行う場面を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。 もちろん、そのような支援も子どもの発達を促す大切な方法の1つです。しかし、私たちショートケーキ訪問看護ステーションでは、「生活そのものが発達支援の場である」と考えています。 ショートケーキ訪問看護ステーションは、東京都豊島区、板橋区、北区を中心に、発達障害や不登校などにより、生きづらさを抱える子どもとその家族を対象とした児童精神科訪問看護を提供しています。 私たちは、子どもの生活の場である家庭を訪問し、医療だけでなく教育や福祉とも連携しながら支援を行っています。その中で強く感じるのは、子どもの困りごとは生活の中で起きており、その背景も生活の中にあるということです。 そのため、家庭でしか見えない情報を丁寧にアセスメントすることが、発達支援の第一歩だと考えています。 「切り替えができない」の正体を探る 保護者から「うちの子は切り替えができません」という相談を受けることがあります。 この言葉だけを聞くと、「切り替える練習をしましょう」と考えてしまいがちです。しかし、私たちはすぐに支援方法を考えるのではなく、まず「どんな場面で困っているのか」を一緒に整理することから始めます。 例えば、朝、学校へ行く準備が始められない、ゲームを終えられない、お風呂に入れない、お風呂から出られない、宿題を始められないなど、1日の生活を振り返りながら具体的な場面を確認していきます。 すると、「切り替えが苦手」という1つの困りごとの中にも、さまざまな状況があることが見えてきます。 さらに、「なぜその場面で切り替えられないのだろう」と考えていきます。 時間が分かりにくいのかもしれない。 次に何をするのか見通しが立っていないのかもしれない。 急に活動を終えることが苦手なのかもしれない。 時計が読みにくい環境なのかもしれない。 時間そのものの概念がまだ十分に育っていないのかもしれない。 このように生活を細かくアセスメントしていくことで、「切り替えができない」という困りごとは、子どもの努力不足ではなく、生活環境や発達特性が影響している可能性が見えてきます。 家庭だからこそできる環境調整 児童精神科訪問看護の強みは、生活の場を実際に見ることができる点にあります。 例えば、時間を意識して行動することが難しい子どもの場合、家庭環境を確認すると、子どもにとって時間を把握しにくい時計が設置されていたり、時計そのものが目に入りにくい場所にあったりすることがあります。 そのような場合には、子どもが時間を確認しやすい環境を整えることを保護者に提案します。デジタル時計を設置したり、タイマーを活用したりすることで、「あと何分」「今は何時」という時間の感覚を身につけやすくなります。 訪問時にはホワイトボードを使い、その日の予定や活動時間を書き出しています。 「今日は何をするのか」「あと何分で次の活動に移るのか」を一緒に確認しながら、「今は何時かな」と時計を見る習慣が身につくよう、繰り返し働きかけていきます 。 また、ホームプログラムとして毎日「起きた時間」と「寝た時間」を記録してもらうこともあります。 これは睡眠状況を把握するだけではなく、自分で時計を見て時間を意識する習慣を身につけることも目的の1つです。 このような支援は、特別な教材を使うわけではありません。 子どもの生活を丁寧に観察し、少しだけ環境を整えることで、「できた」という経験を生活の中で積み重ねていくことを大切にしています。 発達支援は生活の中にある 同じように、「忘れ物が多い」という相談に対しても、「もっと気を付けよう」と伝えるだけでは根本的な解決にはなりません。 持ち物を1か所にまとめる場所を作る。 持ち物リストを見える場所へ貼る。 翌日の準備を行う時間を決める。 このように環境を調整することで、子ども自身が準備しやすいしくみを作ることができます。 また、「体育が苦手」という子どもに対しても、単に「運動が嫌いなのだ」と捉えるのではなく、その背景に不器用さや模倣の難しさがある可能性も考えます。 そのような場合には、自宅で取り組める簡単な運動を一緒に行い、安心できる環境で成功体験を積み重ねることで、自信につなげていきます。 発達支援とは、子どもを変えることではありません。 子どもが力を発揮しやすい環境を整え、生活の中で成功体験を積み重ねていくことだと私たちは考えています。 家族も発達支援のパートナー 家庭で発達支援を行うことのもう1つの大きな特徴は、保護者も支援に参加できることです。 訪問の最後には、保護者とその日の様子を振り返り、家庭で困っていることや変化について話し合います。 「この声かけでうまくいきました」「タイマーを使ったら準備がスムーズでした」「ここは少し難しかったですね」 そんな小さな成功や課題を共有しながら、家庭でも無理なく続けられる方法を一緒に考えていきます。 子どもが訪問時の週に1時間だけ頑張るのではなく、生活の大半を過ごす家庭の環境が少しずつ変わることで、子どもの生活も変わっていきます。 だからこそ、保護者は支援を受ける存在であると同時に、子どもの成長を支える大切なパートナーでもあります。 おわりに 私たちが家庭で行っている発達支援は、特別なプログラムではありません。 生活を丁寧にアセスメントし、「なぜ困っているのだろう」と考えながら、その子どもに合った環境を一緒に整えていくことです。 家庭だからこそ見える困りごとがあり、家庭だからこそ実践できる支援があります。 発達支援とは、生活から切り離された特別な時間ではなく、毎日の暮らしの中で育まれていくものです。 これからも私たちは、子ども一人ひとりの生活に寄り添いながら、「その子らしく育つこと」を支える児童精神科訪問看護を実践していきたいと考えています。 ※本稿は日々の実践をもとに執筆していますが、事例は複数のケースをもとに再構成し、個人が特定されないよう十分に配慮しています。 執筆:齋藤 透ケアプロ株式会社ショートケーキ訪問看護ステーション リーダー日本赤十字看護大学大学院 地域看護学領域 専門看護師コース修了 児童精神・発達支援・不登校支援を中心に活動。「学校に行かせること」だけをゴールにせず、家庭という生活の場から、親子関係や安心感、人とのつながりを支えることを大切にしている。ゲームや好きな話題を通した関係形成、親子間の感情整理、学校連携などを得意としている。 編集:NsPace 編集部 【参考文献】〇こども家庭庁 「児童発達支援ガイドライン(令和6年7月)」https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/7692b729-5944-45ee-bbd8-f0283126b7db/863f5ecf/20241101_policies_shougaijishien_shisaku_guideline_tebiki_02.pdf2026/10/1閲覧

おむつかぶれとは?原因・ケアと成人・高齢者の注意点
おむつかぶれとは?原因・ケアと成人・高齢者の注意点
コラム
2026年10月6日
2026年10月6日

おむつかぶれとは?原因・ケアと成人・高齢者の注意点

おむつかぶれとは、乳幼児だけでなく、紙おむつや尿取りパッドを使用する成人・高齢者にもみられる皮膚障害です。発赤や疼痛、掻痒感などがみられ、進行するとびらんを伴うこともあります。 成人・高齢者では、尿失禁や便失禁に関連する失禁関連皮膚炎(IAD)としてみられる場合があり、褥瘡や感染症などとの鑑別も重要です。この記事では、おむつかぶれの症状や原因、IADの特徴、在宅で行うスキンケア、観察・報告のポイントについて解説します。 おむつかぶれとは おむつかぶれは、おむつが接触する部位に生じる皮膚炎・皮疹を広く指す言葉です。なかでも、尿や便への曝露、過剰な湿潤、摩擦などが関与する刺激性接触皮膚炎が一般的です。一方、おむつ接触部位には、皮膚カンジダ症などの感染症や、そのほかの皮膚疾患が生じることもあります。 乳幼児では、臀部、陰部周囲、鼠径部などにみられます。成人・高齢者では、尿や便への曝露によって生じる皮膚炎は、失禁関連皮膚炎(IAD:Incontinence-Associated Dermatitis)として評価することが重要です。 おむつかぶれの症状 おむつかぶれでは、おむつや尿取りパッドが接触する部位に発赤や皮疹がみられ、掻痒感や疼痛、ひりつきを伴うことがあります。 皮膚障害が進行すると、びらんや表皮剥離、滲出液がみられることもあります。成人のIADでは、重症度によって水疱・大疱、丘疹、膿疱などを伴うこともあります。 主な症状には、以下があります。 発赤・色調変化  皮疹  掻痒感  疼痛・灼熱感・ひりつき  びらん・表皮剥離  滲出液 水疱・膿疱 疼痛や掻痒感を十分に訴えられない利用者さんでは、表情の変化、体動時や清拭時の反応、ケアへの拒否などもあわせて観察することが重要です。 おむつかぶれの原因 おむつかぶれやIADでは、尿や便への曝露に、過剰な湿潤や摩擦などが加わることで皮膚のバリア機能が障害され、炎症が生じます。 皮膚が湿潤した状態が続くと角層が浸軟し、摩擦や排泄物による刺激を受けやすくなります。 発症・悪化につながりやすい要因には、以下があります。 尿や便が皮膚に接触する時間が長い 排泄後のケアやおむつ交換が遅れる 下痢や軟便が続いている 便失禁・尿失禁がある おむつや尿取りパッドのサイズ・吸収量が排泄状況に合っていない 発汗などにより皮膚の湿潤が持続している 清拭や洗浄時に強くこすっている 過度な洗浄や刺激性の高い洗浄剤を使用している 移動や体位変換などに伴う摩擦・ずれがある また、高齢、低栄養、皮膚の乾燥、活動性の低下、基礎疾患などは、皮膚の脆弱性やIADの発症リスクに関係する場合があります。 通常のケアを行っても改善しない場合や、特徴的な皮疹がみられる場合は、感染症やそのほかの皮膚疾患も考慮します。 成人・高齢者の失禁関連皮膚炎(IAD) 成人・高齢者では、尿や便への曝露によって生じる失禁関連皮膚炎(IAD)が問題となることがあります。乳幼児のおむつ皮膚炎と共通するケアもありますが、皮膚状態や使用する失禁ケア用品に応じた対応が必要です。皮膚が弱くなっている方では、軽い摩擦でも発赤やびらんにつながることがあります。 高齢者では、加齢に伴って皮膚が脆弱になっている場合があり、清拭や体位変換時の摩擦にも注意が必要です。 また、IADと褥瘡は病態が異なりますが、同一部位または近接した部位に併存することがあります。在宅療養中の利用者さんでは、排泄物への曝露状況だけでなく、骨突出部との位置関係、圧迫・ずれの有無、皮膚の色調、硬さ、熱感、疼痛、経時的変化なども確認します。 おむつかぶれ・IADのケア おむつかぶれやIADのケアでは、尿や便への曝露をできるだけ減らし、摩擦を抑えながら皮膚を洗浄・保護することが基本です。 ケアの流れは、以下のように整理できます。 排泄物をやさしく除去する 摩擦を避けて洗浄する 皮膚に残った水分をやさしく除去する 皮膚状態に応じて皮膚保護剤を使用する 排泄量や体型に合ったおむつ・尿取りパッドを使用する 清拭時は皮膚を強くこすらず、失禁ケア用の低刺激性洗浄剤などを用いてやさしく洗浄します。過度な洗浄や強くこするような清拭は皮膚バリアを障害する可能性があるため避けます。 洗浄後はタオルなどで押さえるように水分を除去します。 皮膚保護剤は、尿や便による刺激から皮膚を保護する目的で使用します。ワセリン系製剤や亜鉛華製剤などがありますが、製剤によって閉塞性、除去のしやすさ、皮膚観察への影響、失禁ケア用品との適合性が異なります。製品の用法や皮膚状態を確認し、適量を使用します。乾燥がみられる場合は、皮膚の状態を評価したうえで保湿を検討します。 主治医への報告・受診を検討する所見 おむつかぶれやIADは、排泄物への曝露を減らし、適切なスキンケアを行うことで改善する場合があります。一方、皮膚障害が悪化している場合や、感染症、褥瘡、そのほかの皮膚疾患が疑われる場合は、主治医への報告・相談が必要です。 以下のような所見がみられる場合は、報告・受診を検討します。 適切なケアを行っても改善傾向がみられない、または悪化している 発赤やびらんの範囲が拡大している 表皮剥離や滲出液が増加している 水疱・大疱や膿疱がみられる 膿性分泌物や出血がみられる 疼痛が強い、または増強している 発熱や食欲低下など全身状態の変化がみられる 骨突出部を中心に暗赤色・紫色などの変色がみられる 同じ部位の皮膚障害を繰り返している また、骨突出部に持続する暗赤色・紫色の変色や水疱などがみられる場合は、褥瘡や深部損傷褥瘡(DTI)との鑑別が必要になることがあります。排泄物への曝露状況だけでなく、発生部位、圧迫・ずれの有無、皮膚の色調や硬さ、熱感、疼痛、経時的変化などを確認します。IADと褥瘡の鑑別が難しい場合は、主治医へ報告・相談します。 在宅での観察ポイント 訪問看護では、皮膚所見だけでなく、排泄状況、圧迫・ずれ、スキンケア方法、使用している失禁ケア用品などをあわせて評価します。前回訪問時からの経時的変化も確認し、悪化の有無を把握することが重要です。 主な観察ポイントは、以下のとおりです。 皮膚所見 発生部位、範囲、左右差、境界 発赤・色調変化、びらん、表皮剥離、水疱、膿疱の有無  滲出液、膿性分泌物、出血の有無  熱感、腫脹、硬さ、疼痛、灼熱感、掻痒感 褥瘡との鑑別に関する所見 骨突出部との位置関係 圧迫・ずれが生じる状況 暗赤色・紫色などの変色や、その経時的変化 排泄・失禁の状況 排尿・排便回数、便性状、下痢の有無 尿失禁・便失禁の頻度 おむつ・尿取りパッドの種類、サイズ、交換頻度 ケア・全身状態 洗浄方法、使用している洗浄剤 皮膚保護剤の種類、使用量、使用頻度 発熱、食欲低下など全身状態の変化 記録では、「皮膚所見」「排泄状況」「ケア内容」「前回からの変化」をセットで残すと、主治医や多職種と情報共有しやすくなります。 記録例: 「臀裂周囲から両臀部にかけて境界不明瞭な発赤あり。びらん・滲出液なし。便失禁2回/日。清拭時に疼痛訴えあり。洗浄後、皮膚保護剤を使用。前回訪問時と比較し発赤範囲に著変なし。」 「仙骨部の骨突出部周囲に限局した暗赤色の変色あり。圧迫・ずれの関与も否定できず、IADと褥瘡の鑑別を要すると判断。皮膚所見および排泄状況を主治医へ報告。」 予防のポイント おむつかぶれやIADの予防では、尿や便への曝露時間をできるだけ短くし、過剰な湿潤や摩擦を減らしながら皮膚のバリア機能を保つことが重要です。 便失禁後はできるだけ速やかに排泄物を除去する 排泄量や吸収量に応じておむつ・尿取りパッドを交換する 清拭・洗浄時は皮膚を強くこすらない 過度な洗浄や刺激性の高い洗浄剤を避ける 洗浄後は摩擦を避けて水分を除去する 皮膚状態に応じて皮膚保護剤を使用する 体型や排泄量に合った失禁ケア用品を選択する 尿取りパッドの不必要な重ね使いを避ける 下痢や便失禁が増えた場合は皮膚観察の頻度を見直す 発赤やびらんなどの変化を早期に把握する 予防では「汚れをしっかり落とす」ことよりも、排泄物をやさしく除去し、皮膚への摩擦を最小限にすることを意識します。 まとめ おむつかぶれは、おむつが接触する部位に生じる皮膚炎・皮疹を広く指し、代表的な病型に刺激性接触皮膚炎があります。成人・高齢者では、尿や便への曝露によって生じる失禁関連皮膚炎(IAD)にも注意が必要です。 ケアでは、尿や便への曝露を減らし、摩擦を避けながら洗浄し、皮膚状態に応じて皮膚保護剤を使用します。 訪問看護では、皮膚所見だけでなく、排泄状況、使用している失禁ケア用品、圧迫・ずれの有無、前回からの経時的変化をあわせて評価することが重要です。皮膚障害が拡大・悪化している場合、感染症や褥瘡との鑑別が難しい場合などは、主治医への報告・相談を検討します。 監修:飛鳥馬 沙耶(あすま さや)/訪問看護ステーション 管理者HCU・高度急性期病棟にて約6年間、循環器・心臓外科・脳外科領域を中心とした急性期看護に従事。2023年より訪問看護ステーションの管理者として、在宅医療の現場に携わる。専門領域は、訪問看護・在宅医療、急性期看護。 【参考文献】 ● 日本大腸肛門病学会編:「便失禁診療ガイドライン2024年版(改訂第2版)」.南江堂,2024.https://www.coloproctology.gr.jp/uploads/files/journal/benshikkin_guideline2024.pdf2026/9/29閲覧 ● Graham T, Beeckman D, Kottner J, et al.:Skin cleansers and leave-on product interventions for preventing incontinence-associated dermatitis in adults. Cochrane Database Syst Rev. 2025;7(7):CD011627. doi:10.1002/14651858.CD011627.pub3.https://www.cochrane.org/evidence/CD011627_what-are-best-methods-preventing-skin-irritation-caused-prolonged-contact-urine-or-stool-adults2026/9/29閲覧 ● 日本皮膚科学会・日本医真菌学会合同皮膚真菌症診療ガイドライン策定委員会:「皮膚真菌症診療ガイドライン2025」.日本皮膚科学会,2025.https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/2013/08/19e2ae577a696f81acf51fdcc0173e2c.pdf2026/9/29閲覧 ● 一般社団法人日本褥瘡学会編:「改定DESIGN-R®2020 コンセンサス・ドキュメント」.照林社,2020.https://jspu.org/medical/books/docs/design-r2020_doc.pdf2026/9/29閲覧 ● Fölster-Holst R.:Differential diagnoses of diaper dermatitis. Pediatr Dermatol. 2018;35 Suppl 1:S10-S18. doi:10.1111/pde.13484.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29596730/2026/9/29閲覧 ● Cohen B.:Differential Diagnosis of Diaper Dermatitis. Clin Pediatr (Phila). 2017;56(5 Suppl):16S-22S. doi:10.1177/0009922817706982.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28420251/2026/9/29閲覧

ニャースペースのつぶやき
ニャースペースのつぶやき
特集
2026年10月6日
2026年10月6日

気づけばこんな距離に!?…ニャースペースのつぶやき【訪問看護あるある】

1日の走行距離にびっくりすることも 緊急訪問や代わりの訪問が重なった日は、いつものルートがバラバラに…。1日の終わりにメーターを見て、びっくりすることがあるにゃ! 訪問看護では、利用者さんのお宅をできるだけ効率よく回れるように訪問ルートを組んでいますよね。ところが、緊急訪問が入ったり、スタッフのお休みで代わりに訪問したりすると、いつものルートはたちまち崩れてしまうもの。訪問看護師さんからは、「緊急訪問や欠員による代行訪問があると、気づいたらすごく長い走行距離になっていることがある」「自転車の場合は、電動自転車のバッテリーが切れて、ただの重い自転車になってしまうことも…」といった声が聞かれました。移動が多くなりそうな日は、車の燃料や自転車の充電をいつも以上にチェックしておきたいですね。 ニャースペース病棟経験5年、訪問看護猫3年目。好きな言葉は「猫にまたたび」「わかる!」「こんな『あるある』も聞いて!」など、みなさんの感想やつぶやき、いつでも投稿受付中にゃ!>>投稿フォーム

【9月29日up】蜂窩織炎とは?訪問看護で押さえたい症状・観察ポイントと対応
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コラム
2026年9月29日
2026年9月29日

蜂窩織炎とは?訪問看護で押さえたい症状・観察ポイントと対応

蜂窩織炎とは、皮下脂肪組織に細菌が入り込んで起こる感染症です。足や顔、腕などに発赤、腫脹、熱感、疼痛が現れることが多く、発熱や悪寒を伴う場合もあります。 「虫刺されだと思っていた」「少し腫れているだけだと思った」といった皮膚の変化から、蜂窩織炎が疑われるケースに出会うことがあります。特に糖尿病や浮腫がある方、免疫機能が低下している方では注意が必要です。 この記事では、蜂窩織炎の基礎知識を押さえながら、訪問時に確認したい症状、医師への報告、療養中の観察、再発予防のポイントを解説します。 蜂窩織炎とは?原因菌と起こる部位 蜂窩織炎は、皮下脂肪組織へ侵入した細菌による感染症です。国立長寿医療研究センターは、レンサ球菌やブドウ球菌が創傷や足白癬の部位から侵入して起こると説明しています。 NHSによると、蜂窩織炎は下肢に起こることが多いものの、体のどの部分にも生じる可能性があります。発赤や腫脹に加えて、疼痛や熱感を伴うことがあります。 蜂窩織炎そのものは、人から人へうつる病気ではないとされています。ただし、皮膚の創傷は細菌の侵入口となるため、訪問時には患部だけでなく、周囲の皮膚状態や清潔保持の状況も確認します。 蜂窩織炎の主な症状と発赤の特徴 蜂窩織炎では、皮膚の一部に発赤や腫脹が現れ、患部は熱感や疼痛を伴うことがあります。 主な症状は以下のとおりです。 発赤・腫脹 熱感 疼痛・圧痛 発熱・悪寒・倦怠感 リンパ節の腫脹 水疱や膿などの皮膚症状 蜂窩織炎の発赤は、境界がはっきりしないことがあり、また最初は小さな発赤でも、時間とともに広がる場合があります。そのため訪問看護では、発赤の範囲がどう変化しているかを見ることが重要です。 蜂窩織炎の原因とリスクが高い人 蜂窩織炎は、細菌が皮膚のバリアを越えて侵入することで起こります。明らかな傷が見つからない場合もありますが、訪問時には感染の侵入口となり得る皮膚トラブルがないかを確認します。 感染のきっかけとなりやすいものには、外傷、潰瘍、真菌感染症、その他既存の皮膚疾患による皮膚バリアの障害などとされています。 また、リンパ浮腫などの浮腫、糖尿病、免疫機能の低下などがある利用者さんでは注意が必要です。 下肢に症状がある場合は、患部だけでなく足趾間を含めて足部を観察し、足白癬や創傷、皮膚の亀裂などがないか確認します。特に糖尿病性神経障害がある利用者さんでは、感覚低下によって外傷や皮膚トラブルの発見が遅れることがあるため、痛みの訴えがない場合も注意が必要です。 蜂窩織炎を疑うときの受診の目安 蜂窩織炎を疑う皮膚症状を認めた場合は、局所症状と全身状態を確認し、必要に応じて主治医へ報告して受診の要否を相談します。特に、次のような変化がある場合は、速やかな報告や受診調整を検討します。 発赤や腫脹が短時間で広がっている 強い疼痛がある 発熱や悪寒など全身症状がある 水疱や膿がみられる 顔や目の周囲に症状がある 腫脹や疼痛で歩行が難しい 糖尿病や免疫機能の低下があり、皮膚症状がみられる 活動性低下、食事・水分摂取量低下など、普段と異なる全身状態の変化がある 「蜂窩織炎かどうか」だけに目を向けるのではなく、症状がどの程度の速さで変化しているのか、全身状態に影響しているのかを捉えることが大切です。 蜂窩織炎の治療と療養中の注意点 蜂窩織炎の治療では、原因となる細菌に対して抗菌薬が使われます。MSDマニュアル家庭版によると、症状が軽い場合は内服薬で治療することがありますが、症状が強い場合や全身状態が悪い場合は、入院や点滴治療が必要になることもあるとされています。      在宅療養中は、処方された抗菌薬が指示どおり内服できているかを確認します。高齢者や服薬管理が難しい利用者さんでは、「薬が処方されている」ことと「実際に服用できている」ことを分けて確認することが重要です。 また、患部が下肢の場合は、可能な範囲で安静にし、患肢挙上が行われることがあります。訪問看護では、医師の指示や利用者さんの状態を踏まえ、在宅で安静や患肢挙上を実施できているかを確認します。あわせて、疼痛や腫脹によって歩行や日常生活への影響も観察します。 蜂窩織炎と間違えやすい病気 発赤、腫脹、熱感があるからといって、必ずしも蜂窩織炎とは限りません。 接触皮膚炎、うっ滞性皮膚炎、湿疹、丹毒などでも類似した皮膚症状がみられます。また、片側の下肢が急に腫れて疼痛がある場合には、深部静脈血栓症なども鑑別に挙がります。 訪問看護では、診断につながる情報を整理して医師へ共有することが重要です。 「いつから始まったか」「どこからどこまで症状があるか」「どのくらいの速さで変化しているか」に加えて、発熱、疼痛、創傷の有無、既往歴、服薬状況、浮腫、歩行状態などを確認します。 普段から浮腫がある利用者さんであれば、「いつものむくみと何が違うのか」という視点も重要です。 訪問看護での観察・記録ポイント 蜂窩織炎が疑われる場合や治療中の場合は、一時点の状態だけでなく、経時的な変化を追える記録を意識します。 観察したいポイントは、以下のとおりです。 発赤の部位・範囲・広がり 腫脹・熱感 疼痛・圧痛の部位と程度 水疱・膿・創傷・足白癬など皮膚の状態 体温・悪寒・倦怠感などの全身状態 食事量や水分摂取量 歩行やADLへの影響 浮腫の程度と普段との違い 抗菌薬の内服状況 治療開始後の症状の変化 糖尿病がある方では、血糖管理の状況に加えて、足部の皮膚状態も確認します。 発赤の広がりを経時的に確認するため、医師や看護師の判断で発赤の外側をペンでマーキングすることがあります。写真で経過を記録する場合は、事業所のルールに従い、利用目的を説明したうえで、利用者さんの同意を得るなど、個人情報の取り扱いに十分配慮します。 記録では、「発赤あり」だけで終わらせず、部位、範囲、経時的変化、随伴症状まで具体的に記載すると、多職種と共有しやすくなります。 たとえば、次のように記録します。 「右下腿前面に手のひら大の発赤あり。熱感・圧痛あり。昨日より発赤範囲が外側へ拡大。体温37.8℃。歩行時に疼痛あり。足趾間に白癬様の皮むけを認める。」 治療開始後であれば、 「左足背に発赤と腫脹あり。水疱なし。発熱なし。抗菌薬内服2日目。発赤範囲は昨日より縮小傾向。疼痛は軽減している。」 など、治療前後の変化がわかるように記載します。 医師へ報告するときの内容 医師へ報告する際は、前項で観察した情報を「現在の状態」「経時的な変化」「全身状態」「治療状況」に整理すると伝わりやすくなります。特に、前回訪問時から何が変わったのかを明確にします。     報告例としては、以下のように整理できます。 「昨日から右下腿に発赤あり。本日、発赤範囲が足首から膝下まで拡大。熱感と圧痛あり。体温38.2℃、悪寒の訴えあり。歩行時の疼痛が強く、普段より移動が困難。糖尿病あり。蜂窩織炎を疑う所見があり、症状が拡大しているため、受診について相談したいです。」 「蜂窩織炎です」と診断的に伝えるのではなく、観察した事実と経過を具体的に伝えたうえで、何について相談したいのかを明確にすることがポイントです。 再発を防ぐためのケア 蜂窩織炎は再発することがあります。症状が改善したあとも、細菌の侵入口となる皮膚トラブルや、再発につながる背景を確認していきます。 日々の訪問では、皮膚の清潔保持と保湿、小さな創傷やかき壊しの有無、足白癬、皮膚のひび割れ、浮腫、靴ずれなどを確認します。 特に下肢の蜂窩織炎を繰り返す利用者さんでは、足白癬や皮膚の亀裂など、感染の侵入口となり得る皮膚トラブルがないか継続して確認します。 また、セルフケアが可能な利用者さんには、「赤みが広がる」「熱を持つ」「痛みが強くなる」「発熱する」といった変化があれば早めに訪問看護師や医療機関へ連絡するよう説明します。 本人だけで皮膚の観察が難しい場合には、家族や介護職とも観察ポイントを共有しておくと、訪問日以外の変化を捉えやすくなります。 まとめ 蜂窩織炎は、発赤、腫脹、熱感、疼痛などの局所症状に加え、発熱や悪寒などの全身症状を伴うことがある細菌感染症です。 訪問看護では、蜂窩織炎かどうかを診断することではなく、「普段と何が違うのか」「どのくらいの速さで変化しているのか」「全身状態に影響しているのか」を捉えることが重要です。局所の皮膚所見だけでなく、全身状態やADL、治療後の変化も経時的に観察します。 異常を認めた際には、観察した事実と経過を具体的に医師へ共有し、必要な受診や治療につなげます。また、症状が改善したあとも、足白癬や創傷、皮膚の乾燥、浮腫などを継続して観察し、再発予防につなげることも訪問看護師の重要な役割です。 監修:飛鳥馬 沙耶(あすま さや)/訪問看護ステーション 管理者HCU・高度急性期病棟にて約6年間、循環器・心臓外科・脳外科領域を中心とした急性期看護に従事。2023年より訪問看護ステーションの管理者として、在宅医療の現場に携わる。専門領域は、訪問看護・在宅医療、急性期看護。 【参考文献】 国立長寿医療研究センター:「蜂窩織炎(ほうかしきえん)って何?」https://www.ncgg.go.jp/hospital/navi/45.html2026/9/14閲覧 MSDマニュアル家庭版:「蜂窩織炎」https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/17-皮膚の病気/皮膚細菌感染症/蜂窩織炎2026/9/14閲覧 MSDマニュアル プロフェッショナル版:「蜂窩織炎」https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/14-皮膚疾患/皮膚細菌感染症/蜂窩織炎2026/9/14閲覧 NHS:「Cellulitis」https://www.nhs.uk/conditions/cellulitis2026/9/14閲覧 日本糖尿病学会 編著:「糖尿病診療ガイドライン2024」第11章 糖尿病性足病変https://www.jds.or.jp/uploads/files/publications/gl2024/11_1.pdf2026/9/14閲覧 日本皮膚科学会:「皮脂欠乏症診療の手引き2021」https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/131_2255.pdf2026/9/14閲覧 個人情報保護委員会・厚生労働省:「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/iryoukaigo_guidance/2026/9/14閲覧

流行性角結膜炎(はやり目)とは?症状・原因・予防・治療法を解説
流行性角結膜炎(はやり目)とは?症状・原因・予防・治療法を解説
特集
2026年9月29日
2026年9月29日

流行性角結膜炎(はやり目)とは?症状・原因・予防・治療法を解説

流行性角結膜炎(はやり目)は感染力が強い結膜炎で、医療・介護の現場では特に注意が必要な疾患です。訪問看護の現場では、利用者さんやご家族の間で感染が広がることを防ぐため、早期発見と適切な対応が求められます。 本記事では、流行性角結膜炎の症状や原因、予防策、治療法について解説します。利用者さんのアセスメントやケアに役立ててください。 流行性角結膜炎とは 流行性角結膜炎(Epidemic keratoconjunctivitis:EKC)は、感染力の強い結膜炎の一種で、「はやり目」とも呼ばれます。発症までの潜伏期間は8~14日と比較的長く、突然症状が現れることが特徴です。 主な症状は、まぶたの腫れ(眼瞼浮腫)や涙が多く出る(流涙)などで、強い充血を伴います。通常、片目から始まることが多いですが、感染力が非常に強いため、短期間で両目に広がることがよくあります。 特徴的な症状は、耳の前にあるリンパ節(耳前リンパ節)の腫れです。ほかの種類の結膜炎ではあまりみられないため、診断の際の手がかりとなります。また、角膜にも炎症が及び、透明度が低下して混濁が生じることがあります。数年間続くこともあり、視力に影響を与える可能性があるため、早期の対処が重要です。 流行性角結膜炎の原因 流行性角結膜炎の原因は、アデノウイルスの感染です。アデノウイルスは非常に多くの種類があり、51の血清型と52~67型の遺伝的型が確認されています。 その中でも、流行性角結膜炎の発症に関与するのは下記のとおりです。 D種:8型、19型、37型、53型、54型、56型 B群:3型、7型、11型 E群:4型 特にD種の8型、19型、37型、53型、54型および56型が流行性角結膜炎の原因になると考えられています。 流行性角結膜炎の予防方法 流行性角結膜炎は、主に接触感染で、涙や目やに(眼脂)が付着したタオルやティッシュペーパー、洗面器、枕カバーなどを介して感染します。 感染を防ぐには手洗いを徹底することが基本です。特に、目をこすったり、目薬をさしたりした後は、石鹸を使って丁寧に手を洗い、清潔なタオルやペーパータオルで拭きましょう。また、使用したティッシュペーパーや目薬をさした後のゴミは、ウイルスの拡散を防ぐために、密閉できるビニール袋に入れて廃棄します。涙や目やにが付着しやすい枕カバーやタオルはこまめに洗濯しましょう。 ドアノブやパソコンのキーボード、眼鏡、机、椅子など、手が頻繁に触れる場所は、ウイルスが付着しやすいため、塩素系漂白剤でこまめに消毒することが望ましいでしょう。 流行性角結膜炎にかかりやすい年齢 流行性角結膜炎は、幅広い年齢層で発症する感染症ですが、特に1~5歳の小児に多くみられます。小児がかかりやすい理由として、免疫機能が十分に発達していない、日常的に手で目をこすりやすい、集団生活の中で感染しやすい環境にあるなどが挙げられます。 また、流行性角結膜炎は大人にもみられる疾患です。家族内や職場での感染が多く、医療従事者や介護職員、教育関係者など、多くの人と接する機会がある職種の方は、特に注意が必要です。 流行性角結膜炎の治療法 現在(2025年時点)、アデノウイルスに効果がある抗ウイルス薬は存在しません。流行性角結膜炎は、発症から2週間ほどでウイルスに対する抗体が体内で作られ、自然に回復していくため、治療の目的は炎症を抑えながら症状を和らげることです。 炎症を抑えるために、抗炎症成分を含む点眼薬を使用します。また、角膜に炎症や混濁が生じている場合はステロイドの点眼薬を使用します。細菌感染も伴っている可能性がある場合には、抗菌剤の点眼薬を併用することがあります。 流行性角結膜炎で医療機関を受診する目安 流行性角結膜炎は感染力が非常に強いため、症状が現れた際には早めに医療機関を受診しましょう。また、流行性角結膜炎は、感染症法における第3種感染症に分類されており、医師から「感染の恐れがない」と認められるまで登校や出勤を控えなければなりません。 流行性角結膜炎と似た病気 流行性角結膜炎と症状がよく似た病気はいくつか存在し、鑑別が必要です。流行性角結膜炎と混同されやすい代表的な病気として、プール熱と急性出血性結膜炎があります。 プール熱 プール熱は正しくは咽頭結膜熱といい、アデノウイルス(主に3型、そのほか2型,4型、7型など)の感染によって引き起こされる疾患です。 潜伏期間は5~7日程度で、発熱、のどの痛みや腫れ、目の充血や目やにの増加などの症状が現れます。流行性角結膜炎と同じく、リンパ節の腫れがみられる場合があります。そのほか、腹痛や下痢などの消化器症状を伴うこともあるなど、流行性角結膜炎と症状が少し異なります。通常、症状は1~2週間ほどで自然に治まりますが、まれに肺炎を合併し、重症化するケースも報告されています。 >>関連記事プール熱の症状・原因・治療法を解説 大人がかかるとどうなるの? 急性出血性結膜炎 急性出血性結膜炎は、エンテロウイルス70(EV70)やコクサッキーウイルスA24変異株(CA24v)によって引き起こされる結膜炎です。 突然の強い目の痛みや異物感、光がまぶしく感じるなどの症状から始まります。その後、結膜の充血が現れ、特に結膜下出血が顕著にみられます。また、まぶたの腫れや目やに、結膜の濾胞形成、角膜表層のびまん性混濁といった症状も伴うことがあります。 さらに、全身症状として頭痛や発熱、呼吸器症状がみられることがあり、単なる目の病気ではなく、全身に影響を及ぼす可能性もあるため注意が必要です。 * * * 流行性角結膜炎は、アデノウイルスによる強い感染力を持つ疾患で、適切な感染対策を講じることが重要です。特に訪問看護の現場では、利用者さんだけでなくそのご家族やスタッフ間での感染拡大を防ぐため、標準予防策の徹底が求められます。利用者さんの状態を的確に見極め、医療機関につなげるとともに、日頃からの衛生管理と適切な対応を心がけましょう。 編集・執筆:加藤 良大監修:内野 美樹ケイシン五反田アイクリニック院長・慶應義塾医学部眼科学特任講師2001 年山梨医科大学卒業、慶應義塾大学医学部眼科学教室入局2012 年慶應医学博士号取得、ハーバード大学医学部スケベンス眼研究所留学2015 年ハーバード大学公衆衛生大学院にて修士号取得2016 年慶應義塾大学医学部特任講師、2020 年ケイシン五反田アイクリニック院長現在は公衆衛生学の視点より予防医学に重点を置いたアイケアグッズを多く監修しており、数多くのメディアで活躍中である。 【参考】〇国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト「流行性角結膜炎」(2014年04月01日)https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/epidemic-keratoconjunctivitis/index.html2025/9/14閲覧〇国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト「急性出血性結膜炎」(2012年7月)https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ka/ahc/010/ahc-intro.html2025/9/14閲覧

初回訪問から始まる臨死期の意思決定支援 訪問看護師の役割とは
初回訪問から始まる臨死期の意思決定支援 訪問看護師の役割とは
特集
2026年9月15日
2026年9月15日

初回訪問から始まる臨死期の意思決定支援 訪問看護師の役割とは

在宅医療の第一線で活躍されている、すぎもと在宅医療クリニックの杉本由佳先生に解説していただき、臨死期における訪問看護師の役割を深く掘り下げていきます。今回は、信頼関係構築の起点となる初回訪問での状態把握のポイント、そして利用者さん・ご家族の意思決定支援に求められる実践的なかかわりについてお届けします。 「自宅で最期まで」を支えるために すべての人はいつか死を迎えます。その場所は病院、自宅、施設、ホスピスなどさまざまです。近年では、在宅医や訪問看護師、ケアマネジャー、ヘルパーなど多職種や社会資源を活用することで、自宅で最期を迎えることも可能になってきました。 しかし一方で、在宅療養には課題も多くあります。独居や老々介護、認知症の増加に加え、経済的困窮者の増加により、在宅療養が困難になるケースも少なくありません。 これらの課題を克服し、自宅で利用者さんを最期まで支えるためには、各職種の密な連携が不可欠です。また、それぞれのメンバーに、病態を正しく判断する能力と対応力、そして継続的なスキルアップが求められます。特に訪問看護師には多くの役割が期待されているといえるでしょう。 その役割を具体的に考える上で、まず注目したいのが初回訪問です。訪問看護師の皆さんに意識していただきたい視点とかかわりについて解説していきます。 初回訪問は状態把握と信頼関係構築の起点 病院からの事前情報を基に訪問する場合や、在宅医・利用者さん本人からの直接依頼で訪問する場合などがあります。いずれにおいても、初回訪問時は「初めまして」と挨拶をし、利用者さんとの最初の会話に注意を払いましょう。 この初対面の印象は重要です。「予想より元気そうな様子」「かなり厳しい状況かもしれない」といった直感的な判断材料となります。まずは意識状態、表情、体形、栄養状態、脱水の有無、浮腫・黄疸・貧血の兆候、皮膚の衛生状態、呼吸状態などの確認を行い、利用者さんの状態を大まかに把握しましょう。その後、腹水・胸水・腫瘤の触知、バイタルサインの測定、排尿・排便などの確認を通じて、病状をより詳しく推測していきます。(図1) 図1 初回訪問時に確認すること これらの項目を確認し、利用者さんの状態を慎重に見きわめる。 そして、どのような治療やケアを施しても生命的に厳しい状況なのか、あるいは痛み・呼吸困難・栄養状態などに対応することで改善の可能性があるのかを慎重かつ敏速に判断する必要があります。また、病院からの情報よりも病状が悪化しているのかも見きわめます。 特に病状が急速に悪化していると感じた場合は、初回訪問時に十分な時間をかけて本人やご家族と密にコミュニケーションを取り、信頼関係を速やかに構築し、意思決定支援を行うことが重要です。 意思決定支援をするために 1)本人やご家族の病状認識の確認 特に厳しい状況にある利用者さんの場合、初回訪問時には在宅医と訪問看護師が同席することが望ましいです。病院で病気の進行や予後についてどの程度説明がされているかを確認し、同時に利用者さん本人やご家族がそれをどのように受け止めているかを推測します。 例えば、家族やご本人が以下のようにおっしゃる場面にしばしば遭遇します。「先生は『まだまだ大丈夫』と言っていたけれど、食事量が減ってきていて、元気がなくなってきているので心配だ」「先生は『厳しい状態で、週単位です』と言われたけれど、私はどこも悪くなく健康そのものだと感じている」 医師の診断と利用者さんやご家族の認識にズレがある場合、または病院と在宅の医師の見立てに相違がある場合には、速やかに調整を行わないと、自宅での治療に遅れが生じてしまうことがあります。さらに、理解や心の準備が不完全であった場合には、「なぜこんなに急に亡くなってしまったのか?」と死亡後のご家族の喪失感が深まってしまう可能性もあります。 正確な情報を共有し、利用者さんとご家族の気持ちを尊重しながら、適切な意思決定を支援することが大切です。 2)性格や家庭環境を把握 以下の要素を確認し、現在の状況に応じて安全に行える治療・ケアを選択して提案します。 ・ 独居の有無、ご家族間の関係性(親密度・距離感)・ 本人および介護者(キーパーソン)の認知機能や体力レベル・嗜好や衛生環境(生活環境、介護スペース、ライフラインなど)・食生活、経済状況(医療・介護保険の負担割合など) 利用者さんの理解力が低い場合や病識がない、または否認している場合や認知症の独居などでは在宅療養が困難となることがあります。そのようなケースでは、経済状況や医療依存度に見合った施設の検討も必要です。 3)病状の説明、理解の確認 在宅医の説明を念頭に置きながら、利用者さんの環境や能力、体調を考慮し、理解しやすいように分かりやすく説明をしましょう。落ち着いた雰囲気で、ゆっくりと伝えることが重要です。 例えば、「もともとは〇〇癌ですが、現在は肺への転移が主な症状の悪化要因となっています。さらに、肝臓にも腫瘍がありますが、これによる痛みは今後もほとんどないと思われます」といった説明です。 在宅医の説明が利用者さんやご家族に十分に伝わっていないと判断した場合は、訪問看護師がより分かりやすい言葉で補足説明を行うとよいでしょう。理解の確認は何度か繰り返し行い、不明な点を気軽に質問できる環境を整えることが大切です。 4)予後予測に基づく症状や対応・治療方法の説明 病状の変化を理解した上で、自宅で可能な治療・ケアを提案しましょう。治療方針を決めるのは在宅医になりますが、利用者さん・ご家族の思いや、看護師の意見も重要です。在宅医に対し、看護師の気持ちや意見をしっかり伝え、議論できるような信頼関係を築くことが理想です。 予測される症状に対して、環境に見合った、適切な対応を伝えることで本人やご家族の不安を軽くすることができます。以下に、症状別・利用者さんへの安心につながる説明の例をご紹介します。ただし、「大丈夫です。治ります」といった過度な期待を持たせる表現は避けるべきでしょう。 表1 症状別・利用者さんへの安心につながる説明の例 痛みの管理「痛みが出た場合は、適切な痛み止めを使用するので安心してください。近年は改良された薬が多数開発されており、利用者さんに合ったものを選びやすくなっています」 呼吸困難への対応「呼吸が苦しくなった際は、自宅でも酸素を吸うことができます。必要になった場合、すぐに手配できるので心配ありません」 栄養補助「食事が口から摂れなくなる前に、高カロリーの点滴を行うことで、体の負担を軽減できます。また、口から摂取が可能であれば、今はいろいろな病状に対応した補助食品がたくさんあるので、経口補助食品のサンプルをお持ちします。少量でも栄養価が高く、おいしく摂取できます」 浮腫・腫れの対応「むくみや腫れが出た場合は、ステロイドを使用すると症状が軽減することがあります。例えば、顔にできた赤みの強いニキビがステロイド軟膏で改善されるのと同じような効果が期待できます。先生に相談してみましょう」 5)ご家族の受け入れ、心の準備を促すかかわり 病状が進行すると、治療を行っても近い将来に死を迎えることは避けられません。QOL(生活の質)やADL(日常生活動作)をできる限り維持することは可能ですが、永遠の命を保証することはできません。 そのため、死が近づいた際の話をする場合には、自宅での生活を意識した伝え方が望ましいでしょう。例を以下に示します。 「せっかく自宅で療養しているのだから、痛みをなくし、やりたいことをできる限り支援します」「多少不自由な点があるかもしれませんが、楽しく快適に過ごせるようお手伝いします」「ギリギリまで自力でトイレに行けるよう福祉用具も駆使しながら支援します」 利用者さんが「今日は一日楽だった」と思える時間を作るために、「私たち医療者が全力で支える」という姿勢が重要です。ていねいな言い回し以上に、気持ちを込めた言葉や態度こそが利用者さんにとって必要なものであるといえます。 しかし、病状の進行や介護の負担により、「家で最期まで過ごす」と決意していた利用者さんやご家族の気持ちが揺れることもあります。病状の変化やご家族の表情に曇りが見えたときには、必ず声をかけ、心の負担を和らげながら治療・ケアの方針を随時見直していくことが大切です。そして、「必ず家で看取らないといけないわけではないですよ。納得できる形を一緒に考えていきましょう」と、柔軟な選択肢があることを伝えることも必要です。 利用者さんとご家族が愛情に満ちた濃密な時間を過ごせるよう支援し、利用者さんとご家族、そして医療者との間に信頼関係を築けるようにすることが何より大切です。どこで誰とどのように生活し、最期を迎えたいのかを何度も話し合い、調整を重ねる過程こそが大切な思い出となるでしょう。 執筆:杉本 由佳すぎもと在宅医療クリニック 院長 1995年名古屋市千種区にすぎもと在宅医療クリニック開業。在宅栄養管理、緩和医療が専門分野。 所属学会日本在宅医療連合学会(専門医・指導医・評議員・特任理事)日本緩和医療学会(認定研修施設 認定医)日本栄養治療学会(認定医) その他、活動実績● 日本在宅医療連合学会「がん疾患の在宅医療人材育成講座」執筆● 原著論文「在宅静脈栄養における脂肪乳剤の使用状況と問題点 」Medical Nutritionist of PEN Leaders Vol.2 No.1 2018 に掲載 編集:株式会社照林社

膀胱炎とは?症状・原因・治し方と受診の目安を解説
膀胱炎とは?症状・原因・治し方と受診の目安を解説
コラム
2026年9月15日
2026年9月15日

膀胱炎とは?症状・原因・治し方と受診の目安を解説

膀胱炎とは、膀胱に炎症が起こる状態です。細菌感染によるものが代表的ですが、感染以外の原因で起こる場合もあります。排尿時の痛み、頻尿、残尿感、下腹部の違和感、血尿などの症状がみられることがあります。 特に女性は尿道が短く、細菌が膀胱に入りやすいため、膀胱炎になりやすいとされています。細菌性膀胱炎では、感染が腎臓まで広がって腎盂腎炎を起こすことがあるため、症状が続く場合などは注意が必要です。この記事では、膀胱炎の症状や原因、治療、受診の目安について解説するとともに、訪問看護など在宅ケアの現場で確認したい観察ポイントを紹介します。 膀胱炎とはどんな病気?種類と特徴 膀胱炎とは、尿をためる臓器である膀胱に炎症が起こる状態です。細菌感染によって起こるものが多く、尿道から入った細菌が膀胱内で増えることで発症します。細菌性膀胱炎は尿路感染症のひとつで、尿道、膀胱、腎臓など、尿の通り道に起こる感染症の中でも、膀胱に炎症が起きたものを指します。 膀胱炎には、細菌感染によって起こるもののほか、間質性膀胱炎や、薬剤・放射線治療などに関連して起こる非感染性の膀胱炎もあります。この記事では、在宅の現場でよくみられる細菌感染による膀胱炎(細菌性膀胱炎)を中心に解説します。 日本泌尿器科学会によると、女性の膀胱炎では排尿時の痛み、頻尿、残尿感などが出ることがあり、適切な抗菌薬による治療で数日以内に症状が改善することがあると説明しています。 膀胱炎の主な症状と気づき方 膀胱炎の症状は、排尿に関する違和感として現れることが多いです。代表的な症状には、以下があります。 排尿時の痛みや、しみるような感覚 頻尿 残尿感 尿意切迫感 下腹部の違和感 下腹部痛 尿の混濁 血尿 膀胱炎では、排尿の終わりに痛みを感じることがあります。また、尿を出したばかりなのにまだ残っているように感じる「残尿感」が出ることもあります。残尿感は、実際に尿が残っている場合だけでなく、膀胱や尿道の炎症による知覚異常で起こることもあります。 膀胱炎の原因とかかりやすい人 膀胱炎の主な原因は、細菌感染です。多くの場合、腸内にいる細菌などが尿道口から入り、膀胱内で増えることで炎症を起こします。 膀胱炎が起こりやすくなる要因には、以下があります。 水分摂取量が少ない 尿を我慢することが多い 免疫機能が低下している 性交渉の機会がある 陰部を清潔に保ちにくい 閉経後である 糖尿病がある 尿道カテーテルを使用している 排尿障害がある 尿路結石や前立腺肥大などの泌尿器疾患がある 女性は男性より尿道が短く、尿道口と肛門の距離も近いため、細菌が膀胱に入りやすい構造です。急性膀胱炎は女性に多く、頻尿、排尿時の痛み、血尿などがみられることがあります。 ただし、すべての排尿トラブルが膀胱炎とは限りません。性感染症、尿路結石、過活動膀胱、腟炎、前立腺の病気などでも、排尿時の痛みや頻尿がみられることがあります。 症状が続く場合は、自己判断で様子を見続けず、医療機関への相談を検討することが大切です。在宅療養中の利用者さんにこうした症状がみられる場合は、症状の経過や全身状態も確認し、必要に応じて主治医へ相談します。 膀胱炎は何科を受診する? 膀胱炎が疑われる場合は、泌尿器科で相談できます。女性の場合は、婦人科や内科で相談できることもあります。排尿時の痛み、頻尿、血尿、下腹部痛などがある場合は、医療機関への受診を検討します。在宅療養中の利用者さんの場合は、症状の程度や経過、発熱などの全身症状も確認し、必要に応じて主治医へ相談します。 受診時には、尿検査を行うことが一般的です。尿検査では、白血球や細菌、血尿の有無などを確認し、症状などとあわせて診断します。必要に応じて尿培養検査が行われることもあります。 採尿方法などについて受診先から指示がある場合は、それに従います。症状が強い場合は無理に排尿を我慢する必要はありません。 膀胱炎の治療と抗菌薬 細菌性膀胱炎では、医師の判断により抗菌薬が使われることが一般的です。一方、細菌感染以外が原因の膀胱炎では、原因に応じて治療が異なります。 抗菌薬が処方されている場合は、症状が軽くなっても自己判断で中止せず、医師の指示どおりに服用することが大切です。訪問時には、利用者さんが処方どおりに服用できているか、服薬後の症状や体調に変化がないかも確認します。 処方どおり服用していても症状が改善しない、再発を繰り返す、発熱や背中の痛みがある場合は、再度相談が必要です。 治療中は脱水を避けるため、適切な水分摂取を促すことも大切です。ただし、心不全や腎機能低下などで水分制限がある利用者さんの場合は、自己判断で水分量を増やさず、必要に応じて主治医に確認します。 早めに受診したい症状 急性細菌性膀胱炎は、適切な治療によって比較的短期間で改善することが多い病気です。一方で、症状によっては腎盂腎炎など、より上部の尿路感染症が疑われることがあります。 以下の症状がみられる場合や、次の状態にあてはまる場合は、早めの医療機関への相談が必要になることがあります。訪問看護では、膀胱炎の症状だけでなく、発熱や腰背部痛、食事・水分摂取量、意識状態などもあわせて確認します。 発熱がある 寒気や悪寒がある 背中や腰の痛みがある 吐き気や嘔吐がある 血尿が濃くなっている 尿が出にくい 強い下腹部痛がある 排尿時痛や頻尿などの症状が続く、または悪化している 膀胱炎を繰り返している 妊娠中である 高齢者で、いつもと様子が違う 糖尿病や免疫低下がある 尿道カテーテルを使用している 腎臓まで感染が広がると、背中やわき腹の痛み、高熱、悪寒、吐き気、嘔吐などがみられることがあります。 高齢者では典型的な尿路症状がはっきりしないこともあります。ただし、急な意識変化や普段と異なる様子は、脱水、薬剤の影響、尿路感染症以外の感染症などでも起こります。尿路感染症と決めつけず、バイタルサインや全身状態なども含めて評価し、必要に応じて主治医へ相談します。 在宅での観察ポイント 訪問看護では、利用者さん本人からの訴えだけでなく、普段の排尿状態との違いや、発熱・食事量・水分摂取量などの全身状態をあわせて確認することが大切です。 観察したいポイントは、以下のとおりです。 排尿回数 排尿時痛の有無 残尿感の有無 尿の色 尿の混濁 血尿の有無と程度 下腹部痛の有無 発熱の有無 腰や背中の痛み 水分摂取量 尿量 食事量 意識状態 尿道カテーテルの有無 服薬状況 記録する場合は、以下のように具体的に書くと共有しやすくなります。 「昨日20時ごろから排尿時痛あり。排尿回数は日中10回程度。残尿感あり。尿にやや混濁あり。発熱なし。水分摂取は普段より少なめ。」 「本日7時ごろから頻尿と血尿あり。下腹部痛あり。体温37.8℃。腰背部痛なし。食事摂取は半量。排尿症状と微熱がみられるため、主治医へ報告。」 このように、「いつから」「どの症状が」「どの程度あるか」を整理すると、主治医や多職種に状態を伝えやすくなります。 膀胱炎を予防するには 膀胱炎の予防では、水分摂取や排尿習慣など、日常生活上の工夫が勧められることがあります。訪問看護では、利用者さんの生活状況や既往歴、水分制限の有無などを確認しながら、次のような点について無理なく取り入れられる方法を一緒に考えます。 水分不足にならないようにする 尿を長時間我慢しない 排便後は前から後ろへ拭く 陰部を必要以上に洗いすぎない 性交渉後は排尿を長時間我慢しない 「清潔にしなければ」と考えて、強く洗いすぎたり、洗浄剤を使いすぎたりすると、皮膚や粘膜のバリア機能に影響することがあります。必要以上に洗いすぎず、やさしく清潔を保つことが大切です。 在宅療養中の方では、水分制限、排尿障害、カテーテル管理、便秘、活動量の低下などが膀胱炎のリスクに関わることがあります。利用者さんの状態に合わせて、無理のない予防策を考えましょう。 まとめ 膀胱炎では、排尿時痛や頻尿、残尿感、血尿などの症状がみられます。訪問看護では、こうした排尿症状に加えて、発熱、腰背部痛、食事・水分摂取量、意識状態など、普段との違いを確認することが大切です。 特に、発熱や悪寒、腰背部痛、吐き気などがみられる場合は、腎盂腎炎なども念頭に置き、必要に応じて速やかに主治医へ相談します。また、利用者さんが抗菌薬を処方されている場合は、服薬状況や症状の変化も確認しましょう。 利用者さんの訴えだけでなく、日頃の状態との変化を具体的に捉え、適切な受診や主治医への報告につなげることが、在宅での重要なポイントです。 監修:飛鳥馬 沙耶(あすま さや)/訪問看護ステーション 管理者HCU・高度急性期病棟にて約6年間、循環器・心臓外科・脳外科領域を中心とした急性期看護に従事。2023年より訪問看護ステーションの管理者として、在宅医療の現場に携わる。専門領域は、訪問看護・在宅医療、急性期看護。 【参考文献】 日本泌尿器科学会:「尿が残っている感じがある ~残尿感~」https://www.urol.or.jp/public/symptom/07.html2026/9/11閲覧 日本泌尿器科学会:「排尿痛がある、排尿時に痛い」https://www.urol.or.jp/public/symptom/21.html2026年9月11日閲覧 MSDマニュアル プロフェッショナル版:「細菌性尿路感染症」https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/03-泌尿器疾患/尿路感染症-uti/細菌性尿路感染症2026年9月11日閲覧 MSDマニュアル プロフェッショナル版:「間質性膀胱炎」. https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/03-泌尿器疾患/排尿障害/間質性膀胱炎2026年9月11日閲覧 European Association of Urology(EAU)「EAU Guidelines on Urological Infections」https://uroweb.org/guidelines/urological-infections2026年9月11日閲覧 Payne H, Adamson A, Bahl A, et al.:Chemical- and radiation-induced haemorrhagic cystitis: current treatments and challenges. BJU International.https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4155867/2026年9月11日閲覧

夏インフルエンザとは?症状・見分け方と訪問看護での観察ポイント
夏インフルエンザとは?症状・見分け方と訪問看護での観察ポイント
コラム
2026年9月8日
2026年9月8日

夏インフルエンザとは?症状・見分け方と訪問看護での観察ポイント

夏インフルエンザとは、夏にインフルエンザウイルスへ感染し、発熱、咳、のどの痛み、倦怠感などがみられる状態を指して使われる言葉です。正式な病名として「夏インフルエンザ」があるわけではなく、夏に発症するインフルエンザを分かりやすく表した呼び方です。 インフルエンザは冬に流行するイメージが強いですが、夏でも感染することがあります。夏風邪や熱中症、新型コロナウイルス感染症などと症状が似ていることもあるため、体調の変化を具体的に観察することが大切です。この記事では、夏インフルエンザの症状、原因、見分け方、受診の目安、在宅での観察ポイントを解説します。 夏インフルエンザとは 夏インフルエンザとは、夏に発症するインフルエンザのことです。厚生労働省によると、日本では例年12月〜3月がインフルエンザの流行シーズンですが、ウイルスは世界中で流行しており、地域によっては年間を通して感染がみられることがあります。温帯地域では冬に流行しやすく、熱帯地域では年間を通じて発生することがあります。 夏にインフルエンザがみられる背景の一つに、南半球での流行があります。東京都健康安全研究センターによると、日本を含む北半球が夏の季節のとき、南半球は冬にあたり、インフルエンザが流行する季節を迎えています。 「夏だからインフルエンザではない」とは言い切れません。高熱、強い倦怠感、関節痛、咳などがある場合は、季節に関係なくインフルエンザを含む急性呼吸器感染症を考える必要があります。 夏インフルエンザの症状 夏インフルエンザの症状は、冬にみられるインフルエンザと大きく変わりません。突然の発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、関節痛、倦怠感に加え、咳、のどの痛み、鼻水などの呼吸器症状がみられることがあります。 主な症状には、以下があります。 発熱 悪寒 頭痛 関節痛 筋肉痛 強い倦怠感 咳 のどの痛み 鼻水 なお、悪心・嘔気や下痢などの消化器症状は、成人でみられることもありますが、特に小児で多いとされています。 多くの場合、症状は3〜7日で軽快に向かいますが、特に高齢者や慢性肺疾患の方では、咳やだるさが2週間以上続くこともあります。また、高齢者では発熱がはっきりしないことや、意識・行動の変化、食欲低下といった典型的でない形で現れることもあります。合併症として肺炎などが起こる場合もあるため、高齢者、乳幼児、妊婦、基礎疾患のある方は特に注意が必要です。 夏風邪や熱中症との違い 夏インフルエンザは、夏風邪や熱中症と症状が似ていることがあります。発熱、だるさ、頭痛などは共通してみられるため、症状だけで見分けるのは難しい場合があります。 夏風邪では、のどの痛み、咳、鼻水、下痢、口の中の水疱、発疹などがみられることがあります。一方、インフルエンザでは、急な高熱、強い倦怠感、関節痛、筋肉痛が目立つことがあります。 熱中症では、暑い環境にいた後に、めまい、頭痛、吐き気、筋肉のけいれん、体温上昇、意識の変化などが起こることがあります。咳やのどの痛みがある場合は、感染症の可能性もあわせて考えます。 ただし、家庭や訪問看護の現場で病名を断定することはできません。発熱の経過、呼吸器症状、周囲の流行状況、水分摂取量、尿量、意識状態をあわせて確認し、必要に応じて医療機関へ相談しましょう。 うつる期間と感染対策 インフルエンザは、咳やくしゃみのしぶき、ウイルスがついた手を介して広がることがあります。厚生労働省によると、発症前日から発症後3〜7日間は鼻やのどからウイルスを排出するといわれています。発症前後から周囲へ感染を広げる可能性があるため、症状があるときは無理に出勤や登校をしないことが大切です。感染対策では、以下を意識します。 手洗いを行う 咳エチケットを守る 不織布製マスクを適切に使う 室内を換気する タオルの共有を避ける 体調不良時は人との接触を控える 十分な休養を取る 咳や痰などの症状がある場合は、周囲への感染を防ぐため、マスクの着用を含む咳エチケットが重要です。また、手のひらで咳やくしゃみを受け止めたときは、すぐに手を洗いましょう。 治療の基本と抗ウイルス薬 インフルエンザの治療では、症状や重症化リスクに応じて抗インフルエンザ薬が使われることがあります。発症から48時間以内に服用を開始すると、発熱期間は通常1〜2日短縮されるとされ、重い合併症を防ぐことにつながる場合もあります。 一方で、軽症で重症化リスクが低い場合は、安静、水分補給、解熱鎮痛薬などによる対症療法で経過をみることもあります。自己判断で以前に処方された薬を使ったり、薬を途中で中止したりせず、医師や薬剤師の指示に従いましょう。 発熱時は汗で水分が失われやすく、夏は暑さによる脱水も重なりやすい時期です。水分が取れているか、尿量が減っていないかを確認します。心不全や腎機能低下などで水分制限がある方は、自己判断で水分量を増やさず、医師や看護師に確認しましょう。 何科を受診する?受診の目安 夏インフルエンザが疑われる場合は、内科、小児科、呼吸器内科などで相談できます。かかりつけの病院があれば、主治医に相談すると日頃の状況と合わせて診察してもらうことができます。受診前には、発熱や咳があることを医療機関へ伝え、受診方法を確認すると安心です。以下のような場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。 高熱が続く 呼吸が苦しい 咳が止まらない 胸の痛みがある 水分が取れない 尿量が少ない ぐったりしている 意識がぼんやりしている けいれんがある 乳幼児、高齢者、妊婦、基礎疾患のある方に症状がある 厚生労働省も、高熱が続く、呼吸が苦しい、意識状態がおかしいなど具合が悪い場合は、早めに医療機関を受診するよう呼びかけています。 訪問看護での観察ポイント 訪問看護や介護の現場では、発熱の有無だけでなく、呼吸状態や脱水のサイン、普段との違いを確認します。 観察したいポイントは、以下のとおりです。 発熱の有無と出現時期 最高体温 咳や痰の有無 のどの痛みの有無 息苦しさの有無 呼吸数 SpO2 食事量 水分摂取量 尿量や尿の回数 倦怠感の程度 意識状態 周囲の感染症の流行状況 服薬状況 基礎疾患の有無 記録する場合は、以下のように具体的に書くと共有しやすくなります。「昨日18時ごろから発熱あり。最高体温38.9℃。咳とのどの痛みあり。水分は少量ずつ摂取可能。尿は朝から1回。家族にインフルエンザ陽性者あり。」「発熱2日目。体温39.0℃。倦怠感が強く、食事摂取は数口程度。SpO2 94%。呼吸苦の訴えはないが、普段より声掛けに対して反応が遅い。主治医へ報告。」このように、「いつから」「どの症状が」「普段と比べてどう違うか」を整理すると、医師に状態を伝えやすくなります。 訪問看護でできる予防のポイント 夏インフルエンザの予防でも、基本は冬のインフルエンザ対策と同じです。手洗い、咳エチケット、換気、十分な休養、栄養摂取、人混みを避けることなどが有効と考えられています。 予防のポイントは、以下のとおりです。 外出後や食事前に手を洗う 咳やくしゃみがあるときは口と鼻を覆う 室内をこまめに換気する 睡眠不足を避ける 体調不良時は無理をしない 人混みでは感染対策を意識する 流行状況に応じてワクチン接種を検討する ワクチンは、発症を完全に防ぐものではありませんが、重症化予防につながることがあります。特に高齢者や基礎疾患のある方は、接種時期や対象について、かかりつけ医に相談するとよいでしょう。 まとめ 夏インフルエンザは正式な病名ではなく、夏に発症するインフルエンザを指す言い方です。インフルエンザの流行の中心は冬ですが、季節を問わず感染することがあります。主な症状は、発熱、悪寒、頭痛、関節痛、筋肉痛、強い倦怠感、咳、のどの痛みなどです。ほかの夏の体調不良と区別しにくいため、症状だけで判断せず、経過や周囲の流行状況もあわせて確認しましょう。訪問看護では、発熱、呼吸状態、SpO2、水分摂取量、尿量、意識状態、普段との違いを観察することが大切です。高熱が続く、息苦しい、水分が取れない、ぐったりしている、意識がはっきりしない場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。 監修:飛鳥馬 沙耶(あすま さや)/訪問看護ステーション 管理者HCU・高度急性期病棟にて約6年間、循環器・心臓外科・脳外科領域を中心とした急性期看護に従事。2023年より訪問看護ステーションの管理者として、在宅医療の現場に携わる。専門領域は、訪問看護・在宅医療、急性期看護。 【参考文献】● WHO:「Influenza (seasonal)」.https://www.who.int/health-topics/influenza-seasonal,2026/9/7閲覧 ● 厚生労働省:「令和7年度 急性呼吸器感染症(ARI)総合対策に関するQ&A」.https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/QA2025.html,2026/9/7閲覧 ● 厚生労働省:「令和6年度インフルエンザQ&A」.https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/QA2024.html,2026/9/7閲覧 ● 厚生労働省:「インフルエンザ(総合ページ)」.https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/index.html,2026/9/7閲覧 ● CDC:「Clinical Signs and Symptoms of Influenza」.https://www.cdc.gov/flu/hcp/clinical-signs/index.html,2026/9/7閲覧 ● CDC:「Treatment of Flu」.https://www.cdc.gov/flu/treatment/index.html,2026/9/7閲覧 ● CDC:「Preventing Seasonal Flu」.https://www.cdc.gov/flu/prevention/index.html,2026/9/7閲覧 ● 東京都健康安全研究センター:「世界でのインフルエンザの発生状況」.https://www.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/lb_virus/influenza_world/,2026/9/7閲覧● 東京都多摩小平保健所:「【医療機関・学校・社会福祉施設等の皆様へ】平常時対策について」.https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shisetsu/jigyosyo/hokenjyo/tamakodaira/kansen/heijojitaisaku,2026/9/7閲覧● 厚生労働省:「夏の感染症対策」.https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/kansentaisaku_summer.html,2026/9/7閲覧● 厚生労働省:「職場でおこる熱中症」.https://neccyusho.mhlw.go.jp/heatstroke/,2026/9/7閲覧

耳が痛い原因は?緊急対応が必要なケースと様子を見てもいいケースを解説
耳が痛い原因は?緊急対応が必要なケースと様子を見てもいいケースを解説
特集
2026年9月8日
2026年9月8日

耳が痛い原因は?緊急対応が必要なケースと様子を見てもいいケースを解説

耳の痛みは、子どもから高齢者まで幅広い世代に見られることがあり、その原因もさまざまです。耳そのものに異常がある場合もあれば、顎や鼻、喉の炎症が関係していることもあります。本記事では、耳の痛みを引き起こす病気や、緊急対応が必要なケースについて解説します。利用者さんが耳の痛みを訴えられた際のアセスメントに活用してください。 耳の痛みを引き起こす「耳の病気」 まずは、耳が原因で痛みを引き起こしている場合についてみていきましょう。 中耳炎 中耳炎には大きく分けて「急性中耳炎」「滲出性中耳炎」「慢性中耳炎」「真珠腫性中耳炎」の4種類があり、その中でも急性中耳炎は強い痛みを伴うことが特徴です。急性中耳炎は、風邪や上気道感染症の後に発症することが多く、鼻詰まりや鼻水、喉の痛み、咳などの症状に続いて耳の痛みが現れます。進行すると中耳に膿が溜まり、圧力によって鼓膜が膨張して痛みが増します。 外耳炎 外耳炎は、耳の穴から鼓膜までの通路である外耳道に炎症が起こる疾患です。外耳道の皮膚は非常に薄く、刺激に対して敏感なため、何らかの要因で傷ついたり、過度な刺激を受けたりすると、細菌が繁殖し炎症を引き起こすことがあります。初期症状は、軽いかゆみや違和感です。炎症が進行すると、耳の痛みが生じ、耳を引っ張ったり、口を開閉したりするだけで痛みが増すことがあります。 鼓膜炎 鼓膜炎は、外耳と中耳の間に位置する鼓膜に炎症が生じる疾患で、急性と慢性に分類されます。片側の耳に発症することが多く、両耳に同時に発生することは稀です。 急性鼓膜炎は、鼓膜の表面に黄色い水疱が現れます。激しい痛みが生じることが多く、耳鳴りや耳の閉塞感を伴うこともあります。一方、慢性鼓膜炎は、外耳道の繰り返される炎症や感染が原因となり、長期的に持続する疾患です。鼓膜の表面に肉芽やびらん(ただれ)が形成されますが、痛みはそれほど強くはありません。 耳の痛みを引き起こす「耳以外の病気」 耳の痛みが、耳以外の病気によって引き起こされる場合があります。代表的な疾患は次のとおりです。 顎関節症 顎関節症は、顎の関節やその周囲の筋肉に異常が生じることで、口の開閉時に痛みを感じたり、スムーズに口を開けられなくなったりする疾患です。顎関節症の中でも、II型に分類されるタイプは関節の靭帯に異常が起こります。顎関節は耳のすぐ近くに位置しているため、顎関節痛を耳の痛みと感じる場合があります。 副鼻腔炎 副鼻腔炎は、鼻の奥にある副鼻腔という空洞に炎症が生じる疾患です。鼻は耳管とつながっているため、耳の痛みや違和感など、耳の症状を併発することがあります。 急性副鼻腔炎では、鼻づまりや粘り気のある黄色・緑色の鼻水、頭痛、顔面痛(頬や目の奥、鼻周囲の痛み)・顔面腫脹、発熱などが主な特徴です。慢性副鼻腔炎は、急性副鼻腔炎が完治せずに慢性化してしまったもので、鼻づまりが長引き、嗅覚の低下が見られることがあります。 歯のトラブル(虫歯・親知らずなど) 虫歯や親知らずの炎症が進行すると、歯茎が腫れ、周囲の組織にまで炎症が広がることで、神経を通じて耳の痛みを感じることがあります。これは、歯やあご、舌の下などとつながる神経が耳にも分布しているためです。 扁桃周囲膿瘍 扁桃炎が悪化すると、扁桃の周囲に膿がたまり、「扁桃周囲膿瘍」を引き起こすことがあります。のどの痛みが非常に強くなり、唾を飲み込む際にも激痛を伴います。そして、耳にまで痛みが広がることもあります。 ラムゼイ・ハント症候群 ラムゼイ・ハント症候群は、水痘・帯状疱疹ウイルスが原因で発症する疾患です。顔面神経麻痺に加え、耳の周囲や口の中に痛みを伴う発疹が現れることが特徴です。 医療機関を受診した方がよいケース 耳の痛みは、軽い違和感から強い痛みまでさまざまです。痛みの程度や持続時間によっては、すぐに医療機関を受診した方がよいケースも。医療機関を受診した方がよいケースは次のとおりです。 強い痛みがある 強い痛みがある場合は、急性中耳炎の可能性があります。子どもの場合、頻繁に耳を触ったり泣いたりしている場合は強い痛みが起きていることもあり、早めの受診が必要です。 耳の中から出血がある 耳の中から出血がある場合は、外耳炎が悪化している可能性があります。進行すると強い痛みが生じるため、早めの受診が必要です。 顔面麻痺を伴う場合 耳の痛みに顔面麻痺を伴う場合は、ラムゼイ・ハント症候群の可能性があります。放置すると後遺症が残るリスクが高まるため、顔の動きに違和感を覚えたらすぐに診察を受けることが重要です。 高熱が続く場合 急性中耳炎や扁桃周囲膿瘍などの感染症は高熱を伴うことが多く、長引く場合は合併症を防ぐためにも受診が必要です。特に小さな子どもや高齢者は重症化しやすい点に注意が必要です。 耳の痛みで様子を見てもよいケース 耳の痛みが軽度で、短時間で自然におさまる場合は、必ずしも受診する必要はありません。気圧の変化や耳垢の詰まりが原因であれば、数時間以内に症状が軽減することが多いとされています。 ただし、痛みが繰り返し起こる、または徐々に強くなる場合は、慢性的な炎症や病気が隠れている可能性があるため、早めの受診を検討しましょう。 * * * 耳の痛みは、軽度のものから重篤な疾患のサインであるものまでさまざまです。適切な判断を行うために、耳の痛みに関する正しい知識を持つことが重要です。今回、解説した内容を利用者さんのアセスメントにぜひお役立てください。 編集・執筆:加藤 良大監修:瀬尾 達(せお わたる)医療法人瀬尾記念会瀬尾クリニック理事長。耳鼻咽喉科専門医。クリニックでの診療の他、京都大学医学部講師や大阪歯科大学講師を兼任。祖父から代々の耳鼻科医の家系。兄は、聖マリアンナ医科大学耳鼻科教授。テレビやマスコミ出演多数。 【参考】〇日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「口腔・咽頭の病気」(2026年9月7日)https://www.jibika.or.jp/modules/disease/index.php?content_id=222026/9/7閲覧

帯状疱疹とは?症状・原因・治療を解説
帯状疱疹とは?症状・原因・治療を解説
コラム
2026年9月8日
2026年9月8日

帯状疱疹とは?症状・原因・治療を解説

帯状疱疹とは、体の片側に痛みやピリピリした違和感が出たあと、赤い発疹や水疱が帯状に現れる病気です。原因は、水痘と同じ水痘・帯状疱疹ウイルス(以下varicella zoster virus;VZV)です。子どものころなどに水痘にかかったあと、体内に潜んでいたウイルスが再び活動することで発症します。帯状疱疹は、早めに治療を始めることで症状の長期化や合併症のリスクを減らせる可能性があります。この記事では、帯状疱疹の症状、原因、うつる可能性、治療、訪問看護での観察ポイントを解説します。 帯状疱疹とは 帯状疱疹は、VZVによって起こる皮膚疾患です。VZVは、初めて感染したときに水痘を発症します。その後、ウイルスは神経節に潜伏し、加齢や疲労、病気、免疫機能の低下などをきっかけに再活性化することがあります。帯状疱疹は、この再活性化によって起こります。帯状疱疹の特徴は、体の左右どちらか一方に、神経の走行に沿って痛みや発疹が出ることです。胸や背中、腹部に出ることが多いですが、顔や首、腕、足に出ることもあります。また、皮膚症状だけでなく、神経痛をともなう点が特徴です。 帯状疱疹の初期症状 帯状疱疹の初期症状では、発疹が出る前に痛みや違和感が現れることがあります。東京都感染症情報センターでは、通常、皮膚症状の出現2〜3日前から、かゆみや痛みが出現し、初期には皮膚が赤く腫れると説明しています。初期症状としては、以下のようなものがあります。 皮膚がピリピリする チクチクした痛みがある かゆみがある 触れると痛い 体の片側だけに違和感がある 発赤が出る 倦怠感の有無 軽い発熱がある 初期には発疹がまだ目立たないため、筋肉痛、肩こり、腰痛、虫刺され、かぶれなどと間違えられることがあります。特に、片側だけにピリピリした痛みが続く場合や、その後に赤い発疹や水疱が出てきた場合は、帯状疱疹の可能性があります。 帯状疱疹の症状 帯状疱疹では、痛みや違和感のあとに、赤い発疹や水疱が現れます。水疱は神経に沿って帯状に並ぶことが多く、数日かけて増える場合があります。 主な症状は以下のとおりです。 体の片側に出る痛み 赤い発疹 水疱 かゆみ 皮膚の灼熱感 触れるだけで痛い感覚 発熱 頭痛 倦怠感 多くの場合は適切な治療によって改善しますが、強い痛みを伴うことがあります。また、免疫機能が低下している方などでは重症化し、まれに重篤な合併症を起こすことがあります。最も一般的な合併症として帯状疱疹後神経痛が知られており、発疹が治った後も痛みが残ることがあります。 顔に帯状疱疹が出た場合は、目の症状に注意が必要です。目の周囲に発疹がある、目が痛い、見えにくい、まぶしいなどの症状がある場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。 帯状疱疹の原因 帯状疱疹の原因は、水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化です。子どものころなどに水痘にかかると、症状が治った後もウイルスは体内の神経節に潜んでいます。その後、免疫機能が低下したときに再び活動し、神経に沿って皮膚症状や痛みを起こします。 帯状疱疹のきっかけになりやすい要因には、以下があります。 加齢 過労や強いストレスなどによる免疫機能の低下 がんなど、免疫機能に影響する基礎疾患 免疫を抑える薬の使用 手術や放射線治療 高齢者や基礎疾患のある方では、症状が重くなることがあります。訪問看護や在宅ケアでは、皮膚の症状だけでなく、痛みの強さ、食欲、睡眠、発熱、活動量の変化もあわせて確認することが大切です。 帯状疱疹はうつる? 帯状疱疹そのものが人から人へうつるわけではありません。ただし、VZVへの免疫がない人にウイルスが感染すると、水痘を発症する可能性があります。主に水疱の内容液との接触などによって感染するため、水疱が痂皮化するまでは感染対策が必要です。感染を広げないためには、以下の点に注意します。 水疱をガーゼや衣類で覆う 発疹を触らない 触れたあとは手を洗う タオルを共有しない 水疱が痂皮化するまで接触に注意する 妊婦、乳幼児、免疫機能が低下している方との接触に注意する 訪問看護では、利用者さん本人が発疹を掻把してしまうこともあります。掻把による細菌感染を防ぐためにも、爪を短くし、患部を清潔に保つことが大切です。 帯状疱疹の治療 帯状疱疹の治療では、早期に抗ウイルス薬による治療を始めることで、皮膚症状の治癒を促し、急性期の痛みを軽減することが期待できます。 治療で使われることがある薬には、以下があります。 抗ウイルス薬 解熱鎮痛薬 神経痛に対する薬 外用薬 皮膚の二次感染に対する薬 帯状疱疹は、発症から早い段階で治療を始めることが重要です。片側だけの痛みや発疹、水疱が出た場合は、自己判断で様子を見続けず、早めに医療機関へ相談しましょう。 帯状疱疹後神経痛とは 帯状疱疹後神経痛(Postherpetic neuralgia:PHN)とは、帯状疱疹による皮疹が治った後も痛みが続き、一般に3か月以上持続する状態を指します。痛みの感じ方は人によって異なり、焼けるような痛み、刺すような痛み、衣類が触れるだけで痛い感覚などがみられることがあります。日本皮膚科学会によると、帯状疱疹後神経痛は、60歳以上の方、発疹が重かった方、初期の痛みが強かった方に起こりやすいとされています。痛みが長引くと、睡眠、食事、活動量、気分にも影響することがあります。訪問看護では、痛みの部位、強さ、持続時間、生活への影響を確認し、必要に応じて医師へ報告します。 帯状疱疹ワクチン 厚生労働省は、帯状疱疹ワクチンによって帯状疱疹やその合併症を予防できると説明しています。また、2025年度から、65歳の方などへの帯状疱疹ワクチンの予防接種が、予防接種法に基づく定期接種の対象になりました。なお、2025年度から2029年度までの5年間は経過措置として、その年度内に70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳になる方も対象です。また、60〜64歳で、HIVによる免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方も対象となります。日本で定期接種に使われる帯状疱疹ワクチンには、生ワクチンと組換えワクチンがあります。接種対象、接種回数、接種できない方、注意が必要な方はワクチンによって異なります。基礎疾患がある方や免疫抑制剤の投与を受けている方は、接種前に主治医へ相談しましょう。 訪問看護での観察ポイント 訪問看護や介護の現場では、帯状疱疹の症状を早く見つけ、痛みや感染対策、生活への影響を確認することが大切です。確認したいポイントは、以下のとおりです。 痛みがいつからあるか 痛みの部位 痛みの強さ 体の片側に出ているか 発赤や水疱の有無 発疹の広がり 発熱の有無 食事量や水分摂取量 睡眠や活動への影響 掻把の有無 目の周囲の症状 妊婦、乳幼児、免疫機能が低下している方との接触状況 記録する場合は、以下のように書くと共有しやすくなります。 「昨日から右胸部にピリピリした痛みあり。本日、同部位に赤い発疹と小水疱を確認。発熱なし。衣類が触れると痛みあり。食事摂取は普段どおり。」 「左額からまぶた周囲に発疹あり。目の痛みと違和感の訴えあり。主治医へ相談し、受診することになった。」 このように、痛みの部位、左右差、発疹の状態、目の症状の有無を具体的に伝えることが大切です。 受診を考えたい症状 帯状疱疹が疑われる場合は、できるだけ早めに医療機関へ相談しましょう。特に、以下のような場合は注意が必要です。 体の片側に強い痛みがある 赤い発疹や水疱が出てきた 顔や目の周りに発疹がある 目の痛みや見えにくさがある 発熱や強いだるさがある 痛みで眠れない 発疹が広範囲に広がっている 免疫機能が低下している 高齢者で症状が強い 妊婦や乳幼児と接触する機会がある 額・まぶた・鼻など目の周囲に帯状疱疹が疑われる発疹がある場合は、眼症状がなくても早めに医療機関へ相談しましょう。 まとめ 帯状疱疹は、水痘と同じVZVが再び活動することで起こる病気です。初期症状として、体の片側にピリピリした痛みや違和感が出ることがあり、その後、赤い発疹や水疱が帯状に現れます。帯状疱疹は、早期に治療を始めることで、症状の長期化や帯状疱疹後神経痛などの合併症を緩和できる可能性があります。片側だけの痛み、発疹、水疱がある場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。訪問看護では、痛みの部位、発疹の広がり、発熱、食事や睡眠への影響、目の症状の有無を観察することが大切です。ワクチンによる予防も選択肢のひとつであり、対象年齢の方や基礎疾患がある方は、主治医に相談して検討しましょう。 監修:飛鳥馬 沙耶(あすま さや)/訪問看護ステーション 管理者HCU・高度急性期病棟にて約6年間、循環器・心臓外科・脳外科領域を中心とした急性期看護に従事。2023年より訪問看護ステーションの管理者として、在宅医療の現場に携わる。専門領域は、訪問看護・在宅医療、急性期看護。 【参考文献】● 厚生労働省:「帯状疱疹ワクチン」.https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/vaccine/shingles/index.html,2026/9/7閲覧● 国立健康危機管理研究機構:「水痘・帯状疱疹の動向とワクチン」.https://id-info.jihs.go.jp/niid/ja/varicella-m/varicella-iasrtpc/8223-462t.html,2026/9/7閲覧● 東京都感染症情報センター:「帯状疱疹 Shingles(Herpes Zoster)」.https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/herpes_zoster/,2026/9/7閲覧● CDC:「Shingles(Herpes Zoster)」.https://www.cdc.gov/shingles/about/index.html,2026/9/7閲覧● CDC:「Shingles Vaccine Recommendations」.https://www.cdc.gov/shingles/hcp/vaccine-considerations/index.html,2026/9/7閲覧● 日本皮膚科学会:「Q11 帯状疱疹とは何ですか?」.https://qa.dermatol.or.jp/qa5/q11.html,2026/9/7閲覧● 日本皮膚科学会:「Q20 帯状疱疹後神経痛とはどういうものですか?」.https://qa.dermatol.or.jp/qa5/q20.html,2026/9/7閲覧

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