みんなの訪問看護アワードに関する記事

特集
2024年7月10日
2024年7月10日

受賞作品漫画「遠く離れていても<後編>」【つたえたい訪問看護の話】

NsPaceの特別イベント「第2回 みんなの訪問看護アワード」で募集した「つたえたい訪問看護の話」。今回は、鳥居 香織さん(医療法人社団亮仁会 さくら訪問看護ステーション/栃木県)の審査員特別賞エピソード「遠く離れていても」をもとにした漫画の後編をお届けします。 ※エピソードに登場する人物名等は一部仮名です。 「遠く離れていても」前回までのあらすじ医療サービスへの拒否感があった利用者の山田優一さんは、鳥居さんの看護によって心を開き、笑顔を見せてくれるようになりました。奥様との思い出話や「娘に迷惑をかけず、自分のことは自分でしたい」というご自身の思いを教えてくれ、大事にしている百合の葉書も見せてくれました。そんな中、突然東日本大震災が起きたのです。>>前編はこちら受賞作品漫画「遠く離れていても<前編>」【つたえたい訪問看護の話】 遠く離れていても<後編> 漫画:さじろう山形県在住のイラストレーター/グラフィックデザイナー/漫画家。都内デザイン会社を経て現在フリーランスで活動中。『ダ・ヴィンチ』『東京カレンダー』『Men’s NONNO』『SUUMO』など多数の雑誌のほか、釣り具メーカー『DAIWA』『LIFE LABEL』などのWebやYouTube、CMでもイラスト・漫画制作を手掛ける。エピソード投稿:鳥居 香織(とりい かおる)医療法人社団亮仁会 さくら訪問看護ステーション(栃木県)この度は、審査員特別賞をいただきありがとうございます。勤め先でも職種に関わらずみんな受賞を喜んでくれて、漫画化も楽しみにしてくれました。いまだに「訪問看護って何?」と聞かれることもあり、このように訪問看護の事例を紹介いただける機会があることをとてもありがたく思っています。今回エピソードを投稿しようと思ったとき、まっさきに優一さん(仮名)のお顔が浮かびました。優一さんに葉書をいただいてから10年以上経ちましたが、今でも月を見ると「あのとき優一さんが言ってくれたような私でいられているかな」と自分を振り返っています。亡くなった後も優一さんが私を支えてくれていると感じます。これからも「お家で過ごしたい」と願う方に精一杯の手助けをしていきたいと思います。 * * * 次回、「第3回 みんなの訪問看護アワード」の「つたえたい訪問看護の話」エピソードは、2024年秋から応募開始予定です。 [no_toc]

特集
2024年7月9日
2024年7月9日

受賞作品漫画「遠く離れていても<前編>」【つたえたい訪問看護の話】

NsPaceの特別イベント「第2回 みんなの訪問看護アワード」で募集した「つたえたい訪問看護の話」。今回は、鳥居 香織さん(医療法人社団亮仁会 さくら訪問看護ステーション/栃木県)の審査員特別賞エピソード「遠く離れていても」をもとにした漫画をお届けします。 >>全受賞エピソードはこちらつたえたい訪問看護の話 受賞エピソード発表!大賞・審査員特別賞・ホープ賞・協賛企業賞つたえたい訪問看護の話 受賞エピソード発表!入賞 ※エピソードに登場する人物名等は一部仮名です。 遠く離れていても<前編> >>後編はこちら受賞作品漫画「遠く離れていても<後編>」【つたえたい訪問看護の話】 漫画:さじろう山形県在住のイラストレーター/グラフィックデザイナー/漫画家。都内デザイン会社を経て現在フリーランスで活動中。『ダ・ヴィンチ』『東京カレンダー』『Men’s NONNO』『SUUMO』など多数の雑誌のほか、釣り具メーカー『DAIWA』『LIFE LABEL』などのWebやYouTube、CMでもイラスト・漫画制作を手掛ける。エピソード投稿:鳥居 香織(とりい かおる)医療法人社団亮仁会 さくら訪問看護ステーション(栃木県) [no_toc]

受賞作品漫画「最期のキッス」【つたえたい訪問看護の話】
受賞作品漫画「最期のキッス」【つたえたい訪問看護の話】
特集
2024年6月26日
2024年6月26日

受賞作品漫画「最期のキッス<後編>」【つたえたい訪問看護の話】

NsPaceの特別イベント「第2回 みんなの訪問看護アワード」で募集した「つたえたい訪問看護の話」。今回は、大矢根 尚子さん(社会医療法人 三宝会 南港病院訪問看護ステーション/大阪府)のホープ賞エピソード「最期のキッス」をもとにした漫画の後編をお届けします。 ※エピソードに登場する人物名等は一部仮名です。  「最期のキッス」前回までのあらすじがん終末期の利用者 大野ゆみさんと夫のだいすけさんは、訪問看護に行っても「二人でできるから大丈夫」と言い、あまりケアができない状態でした。ユマニチュードを徹底することで少しずつ距離が近づき、思い出話も伺えるようになり、ゆみさんが好きな曲を流しながらケアするようにもなりました。しかし、だいすけさんはなかなか奥様の死を受け入れられないご様子で…。>>前編はこちら受賞作品漫画「最期のキッス<前編>」【つたえたい訪問看護の話】 最期のキッス<後編> 漫画:さじろう山形県在住のイラストレーター/グラフィックデザイナー/漫画家。都内デザイン会社を経て現在フリーランスで活動中。『ダ・ヴィンチ』『東京カレンダー』『Men’s NONNO』『SUUMO』など多数の雑誌のほか、釣り具メーカー『DAIWA』『LIFE LABEL』などのWebやYouTube、CMでもイラスト・漫画制作を手掛ける。エピソード投稿:大矢根 尚子(おおやね なおこ)社会医療法人 三宝会 南港病院訪問看護ステーション(大阪府)元々は訪問看護を続けられるかどうか不安を抱いていた私が、大野さんご夫婦(仮名)の訪問に入らせていただいたことで、「どう支えるのがベストか」を常に考えながらお仕事をするようになりました。ご自宅という利用者さんの生活の中に入らせていただき、その方の「人生の一部」にさせていただける訪問看護は本当に魅力的です。最初は紙袋を使っていた私も、お二方との関わりを機に、ちゃんと布バッグを新調しました(笑)。また、所属先の訪問看護ステーションの反応もすごく、受賞がわかったときはみんなで大盛り上がりだったので、建物が揺れたかと思うくらいでした(笑)。法人内にも受賞したことが共有され、「訪問看護の仕事が魅力的だということがよくわかり、勉強になった」「法人としても嬉しい」といった言葉ももらえました。本当にありがとうございました。 * * * 次回、「第3回 みんなの訪問看護アワード」の「つたえたい訪問看護の話」エピソードは、2024年秋から応募開始予定です。 [no_toc]

受賞作品漫画「最期のキッス」【つたえたい訪問看護の話】
受賞作品漫画「最期のキッス」【つたえたい訪問看護の話】
特集
2024年6月25日
2024年6月25日

受賞作品漫画「最期のキッス<前編>」【つたえたい訪問看護の話】

NsPaceの特別イベント「第2回 みんなの訪問看護アワード」で募集した「つたえたい訪問看護の話」。今回は、大矢根 尚子さん(社会医療法人 三宝会 南港病院訪問看護ステーション/大阪府)のホープ賞エピソード「最期のキッス」をもとにした漫画をお届けします。>>全受賞エピソードはこちらつたえたい訪問看護の話 受賞エピソード発表!大賞・審査員特別賞・ホープ賞・協賛企業賞つたえたい訪問看護の話 受賞エピソード発表!入賞 ※エピソードに登場する人物名等は一部仮名です。 最期のキッス<前編> >>後編はこちら受賞作品漫画「最期のキッス<後編>」【つたえたい訪問看護の話】 漫画:さじろう山形県在住のイラストレーター/グラフィックデザイナー/漫画家。都内デザイン会社を経て現在フリーランスで活動中。『ダ・ヴィンチ』『東京カレンダー』『Men’s NONNO』『SUUMO』など多数の雑誌のほか、釣り具メーカー『DAIWA』『LIFE LABEL』などのWebやYouTube、CMでもイラスト・漫画制作を手掛ける。エピソード投稿:大矢根 尚子(おおやね なおこ)社会医療法人 三宝会 南港病院訪問看護ステーション(大阪府) [no_toc]

受賞作品漫画「100年ぶりに入浴したU子さん」【つたえたい訪問看護の話】
受賞作品漫画「100年ぶりに入浴したU子さん」【つたえたい訪問看護の話】
特集
2024年6月5日
2024年6月5日

受賞作品漫画「100年ぶりに入浴したU子さん<後編>」【つたえたい訪問看護の話】

NsPaceの特別イベント「第2回 みんなの訪問看護アワード」で募集した「つたえたい訪問看護の話」。今回は、新田 光里さん(@(あっと)訪問看護ステーション/東京都)の審査員特別賞エピソード「100年ぶりに入浴したU子さん」をもとにした漫画の後編をお届けします。 「100年ぶりに入浴したU子さん」前回までのあらすじ認知症があり、人嫌いなところもある利用者のU子さん。長らくお風呂に入っていない様子で、清拭や更衣もできない状況…。悩んだ新田さんが所長に相談すると、「まずはあなたがU子さんを好きにならなくちゃ」と言われました。新田さんは、もっとU子さんの気持ちを受けとめようと考えて…。 >>前編はこちら受賞作品漫画「100年ぶりに入浴したU子さん<前編>」【つたえたい訪問看護の話】 100年ぶりに入浴したU子さん<後編> 漫画:広田 奈都美(ひろた なつみ)漫画家/看護師。静岡県出身。1990年にデビューし、『私は戦う女。そして詩人そして伝道師』(集英社)、『ナースのチカラ ~私たちにできること 訪問看護物語~』『おうちで死にたい~自然で穏やかな最後の日々~』(秋田書店)など作品多数。>>『ナースのチカラ』の試し読みはこちら【漫画試し読み】『ナースのチカラ』第1巻1話(その1)エピソード投稿:新田 光里(にった あかり)@(あっと)訪問看護ステーション(東京都)審査員特別賞をいただき、U子さんと関係者の皆様に心から感謝しております。訪問看護師になって14年経ちますが、受賞によりこれまで携わってきたことが報われたように感じています。利用者さんにじっくりと関われることも訪問看護の醍醐味だと思いますが、中には「これは看護なのだろうか?」と迷うこともあります。「100年ぶりに入浴したU子さん」はそうした訪問看護の「リアルで泥臭い」部分をエピソードに記しました。審査員の方に共感していただけて、とても嬉しく思います。自分の看護に不安を感じることもありますが、利用者さんやご家族にとってひとつでもプラスになれるような心構えで関わるようにしています。残念ながらU子さんは2021年に99歳で亡くなりました。「私のおかげで受賞したのよ!」と天国で笑ってくださっていると思います。U子さんは私に訪問看護の奥深さを教えてくださいました。今後も利用者さんお一人お一人との出会いを大切に、感謝し、学んだことを次に活かしながら訪問看護師を続けていきたいと思います。多くの方に訪問看護の魅力が伝わりますように! * * * 次回、「第3回 みんなの訪問看護アワード」の「つたえたい訪問看護の話」エピソードは、2024年秋から応募開始予定です。 [no_toc]

受賞作品漫画「100年ぶりに入浴したU子さん」【つたえたい訪問看護の話】
受賞作品漫画「100年ぶりに入浴したU子さん」【つたえたい訪問看護の話】
特集
2024年6月4日
2024年6月4日

受賞作品漫画「100年ぶりに入浴したU子さん<前編>」【つたえたい訪問看護の話】

NsPaceの特別イベント「第2回 みんなの訪問看護アワード」で募集した「つたえたい訪問看護の話」。今回は、新田 光里さん(@(あっと)訪問看護ステーション/東京都)の審査員特別賞エピソード「100年ぶりに入浴したU子さん」をもとにした漫画をお届けします。 >>全受賞エピソードはこちらつたえたい訪問看護の話 受賞エピソード発表!大賞・審査員特別賞・ホープ賞・協賛企業賞つたえたい訪問看護の話 受賞エピソード発表!入賞 100年ぶりに入浴したU子さん<前編> >>後編はこちら受賞作品漫画「100年ぶりに入浴したU子さん<後編>」【つたえたい訪問看護の話】 漫画:広田 奈都美(ひろた なつみ)漫画家/看護師。静岡県出身。1990年にデビューし、『私は戦う女。そして詩人そして伝道師』(集英社)、『ナースのチカラ ~私たちにできること 訪問看護物語~』『おうちで死にたい~自然で穏やかな最後の日々~』(秋田書店)など作品多数。>>『ナースのチカラ』の試し読みはこちら【漫画試し読み】『ナースのチカラ』第1巻1話(その1)エピソード投稿:新田 光里(にった あかり)@(あっと)訪問看護ステーション(東京都) [no_toc]

受賞作品漫画「幸せとは」【つたえたい訪問看護の話】
受賞作品漫画「幸せとは」【つたえたい訪問看護の話】
特集
2024年5月29日
2024年5月29日

受賞作品漫画「幸せとは<後編>」【つたえたい訪問看護の話】

NsPaceの特別イベント「第2回 みんなの訪問看護アワード」で募集した「つたえたい訪問看護の話」。今回は、川上 加奈子さん(よつば訪問看護リハビリステーション/神奈川県)の審査員特別賞エピソード「幸せとは」をもとにした漫画の後編をお届けします。 「幸せとは」前回までのあらすじ嚥下機能の低下に伴い、肺炎を繰り返していた利用者のともみさん。長男の圭介さんと次男の裕介さんは、医師から胃ろうの造設と施設の検討を提案されましたが、ともみさんの「うちに帰りたい」という言葉を受けて悩んでいました。長男の圭介さんから電話で相談を受けた川上さんは…。 >>前編はこちら受賞作品漫画「幸せとは<前編>」【つたえたい訪問看護の話】 幸せとは<後編> 漫画:さじろう山形県在住のイラストレーター/グラフィックデザイナー/漫画家。都内デザイン会社を経て現在フリーランスで活動中。『ダ・ヴィンチ』『東京カレンダー』『Men’s NONNO』『SUUMO』など多数の雑誌のほか、釣り具メーカー『DAIWA』『LIFE LABEL』などのWebやYouTube、CMでもイラスト・漫画制作を手掛ける。 エピソード投稿:川上 加奈子(かわかみ かなこ) よつば訪問看護リハビリステーション(神奈川県)ともみさんの「だってずっと幸せだから」の言葉を聞いた瞬間に、「やられた!胸が突き抜かれた!」と思いながら、「みんなの訪問看護アワード」が頭をよぎり、この感動をエピソードにして、また銀座に行かなければ!と思っていました(笑)。願いが叶って審査員特別賞に選んでいただいたとわかった時には、一番にともみさんと息子さんたちに報告しました。圭介さんは「本当にあのエピソードが受賞したんですか!すごいなぁ。ねえ!あなた(ともみさん)の話が選ばれたんだってさ」とおっしゃり、皆さん喜んでくださいました。最近はケーキもつぶして食べられるようになってきていたため、表彰式の翌日にはケーキを3種類持っていき、「喧嘩しないで食べてね」とご報告に行きました。その後訪問に行った際には、「全部のケーキを少しずつ食べさせてもらったの。チョコレートは苦かった。チーズケーキは久しぶりに食べておいしかったけど、やっぱりショートケーキが好き。でも一番あんこが好き」と素敵な笑顔を見せてくださいました。 * * * 次回、「第3回 みんなの訪問看護アワード」の「つたえたい訪問看護の話」エピソードは、2024年秋から応募開始予定です。 [no_toc]

受賞作品漫画「幸せとは」【つたえたい訪問看護の話】
受賞作品漫画「幸せとは」【つたえたい訪問看護の話】
特集
2024年5月28日
2024年5月28日

受賞作品漫画「幸せとは<前編>」【つたえたい訪問看護の話】

NsPaceの特別イベント「第2回 みんなの訪問看護アワード」で募集した「つたえたい訪問看護の話」。今回は、川上 加奈子さん(よつば訪問看護リハビリステーション/神奈川県)の審査員特別賞エピソード「幸せとは」をもとにした漫画をお届けします。 >>全受賞エピソードはこちらつたえたい訪問看護の話 受賞エピソード発表!大賞・審査員特別賞・ホープ賞・協賛企業賞つたえたい訪問看護の話 受賞エピソード発表!入賞 ※エピソードに登場する人物名等は一部仮名です。 幸せとは<前編> >>後編はこちら受賞作品漫画「幸せとは<後編>」【つたえたい訪問看護の話】 漫画:さじろう山形県在住のイラストレーター/グラフィックデザイナー/漫画家。都内デザイン会社を経て現在フリーランスで活動中。『ダ・ヴィンチ』『東京カレンダー』『Men’s NONNO』『SUUMO』など多数の雑誌のほか、釣り具メーカー『DAIWA』『LIFE LABEL』などのWebやYouTube、CMでもイラスト・漫画制作を手掛ける。 エピソード投稿:川上 加奈子(かわかみ かなこ) よつば訪問看護リハビリステーション(神奈川県) [no_toc]

第2回みんなの訪問看護アワード 訪問看護の魅力
第2回みんなの訪問看護アワード 訪問看護の魅力
インタビュー 会員限定
2024年5月14日
2024年5月14日

第2回みんなの訪問看護アワード 訪問看護の魅力 特別トークセッション 後編

2024年3月9日(金)に、銀座 伊東屋 HandShake Lounge(東京都中央区)にて開催した「第2回 みんなの訪問看護アワード」。エピソードを投稿された3人の受賞者のみなさんと、東京医科歯科大学 国際健康推進医学 非常勤講師 長嶺由衣子さんによるトークセッションの前半では、投稿してくださったエピソードの背景を深掘りしました。後半では、訪問看護の領域で働くことを選んだ経緯や、この仕事の魅力、それを周囲に広める方法などについてお話しいただいた内容をお送りします。 >>前編はこちら第2回みんなの訪問看護アワード 投稿のきっかけは? 特別トークセッション 前編 【ファシリテーター】長嶺 由衣子(ながみね ゆいこ)さん東京医科歯科大学国際健康推進医学 非常勤講師【登壇者】白﨑 翔平(しらさき しょうへい)さんいま訪問看護リハビリステーション(大阪府)「みんなの訪問看護アワード2024」入賞投稿エピソード「秋ひまわりプロジェクト:外出のきっかけづくり」新田 光里(にった あかり)さん@(あっと)訪問看護ステーション(東京都)「みんなの訪問看護アワード2024」入賞投稿エピソード「100年ぶりに入浴したU子さん」小野寺 志乃(おのでら しの)さん公益財団法人 宮城厚生協会 ケアステーション郡山「みんなの訪問看護アワード2024」入賞投稿エピソード「余命を伝えないということ。」 ※以下、本文中敬称略※本記事は、2024年3月時点の情報をもとに構成しています。 「次のチャレンジ」を提供したい 長嶺:ここからは、訪問看護の領域で働くことを選んだ経緯などを伺おうと思います。白﨑さんは作業療法士として、なぜ訪問看護の領域で働いていらっしゃるのでしょうか。 白﨑: 僕は、社会人1年目から救命救急センターの重症の患者さんが多くいらっしゃる現場で働きました。そこでは、患者さん本人が将来に希望を持てず、リハビリをやめてしまい、何かを諦めてしまう現状を度々目にしてきたんです。 働き始めて3年ほど経ったある日、バイクの事故に遭った少年の、次の病院に移るまでのリハビリを担当することになりました。ある日病室に行ったら、毎週彼が読んでいた少年漫画雑誌が置いてなかったんです。聞けば、「今後、治療費がかかるし、自分で買いに行けないからやめた」と。思わず「それはダメだ」と言いました。「これからリハビリが待っているのに、毎週読んでいた漫画を読むことすら諦めちゃだめだよ」と。それから僕は、毎週自分が買っていた漫画雑誌を届けるようにしました。彼はどう思ったか分かりませんが、その時に「諦めない」というか、「次のチャレンジを提供できる」セラピストになろうと思ったんです。 病院を退職した今から8年ほど前に、無謀なチャレンジをしてみました。新大阪から東京まで新幹線で行き、東京駅で車椅子を借りて、今私たちがいる銀座まで車椅子に乗って来てみたんです。休日だったので歩行者天国でしたが、エレベーターから降りる時や、道中を進んでいるときに、うまく車椅子を操作できず、くるりと回ってしまったり、歩行者の靴やバッグに車椅子が当たりそうになったりしました。そんなチャレンジにワクワク、ゾクゾクしている自分がいて、こんな気持ちを患者さんたちに提供できるセラピストになりたいと再確認しました。 その後、外出介助のボランティア団体を発足し、花見や町歩きツアーなどを開催し、色んな状況の方を外出につなげることにチャレンジしました。そのころから地域と密着した職場で働きたいなと思い、訪問看護ステーションに転職しました。 長嶺: 今までもさまざまなことにチャレンジしていらっしゃるんですね。白﨑さんの思いとやりたいことがつながって、今に至るのだということがよくわかりました。新田さんはいかがでしょうか。  新田: 子どものころ、病弱で入退院を繰り返していた影響で、看護師に憧れていました。高校生のときに家で救急車を呼んだことがあり、救急隊員の方が活躍されている姿を見て、救急救命士になろうと思いました。でも、当時私が住んでいた岩手県盛岡市には救命救急士の養成機関がなく、まずは看護師になってから先の事を考えようと思ったんです。 その後、看護師資格を取得して大学病院で働き、結婚し、満を持して救命士の夜間学校に行きました。仕事と勉強を両立させるために、知人が紹介してくれた夜勤がない訪問看護で働くことに。救急要請先は自宅が多く、超高齢社会では高齢者が運ばれることも多いだろうと思ったので、高齢者の日常を見てみたいという思いもありました。その後、救命士の資格を取得し、救急病棟で働いたんです。 長嶺: なぜ訪問看護師に戻られたのですか? 新田: ICUに慢性心不全の80代のおばあさまが運ばれてきたことがきっかけです。先輩が「この人は入退院を繰り返しているんだよ、困っちゃうよね」と言った時、「患者さんがどういう生活をしているのかを聞き取りし、生活改善の指導をすれば、救急車で運ばれることがなくなるのでは」と思いました。そこで在宅看護の目線で聞き取りをすることに。しかし、思った以上に時間がかかってしまって…。案の定、先輩に叱られてしまいました。 反省する一方で、救急病棟の「ミッションを次々にクリアしていく」働き方に違和感を覚えるとともに、在宅目線を持っている自分に気づきました。在宅で丁寧に利用者さんと関わっていく働き方のほうが、自分の性格には合っているし、コミュニケーション力も発揮できそうだと思ったんです。それ以降、尊敬する所長のもとで、14年間訪問看護を続けています。 長嶺: ありがとうございます。「自分が」この仕事をやりたいという思いから、「利用者さんのために」やりたいという気持ちに変化していったのですね。このような内面の変化が医療職の成長の大切な部分だと思っています。小野寺さんはいかがでしょうか。 小野寺: 看護学生時代から急性期の現場に苦手意識がありまして。バリバリ働いている上に人間関係のストレスもあるという話を聞くと、なおさら希望しようと思えませんでした。 訪問看護に興味を持ったきっかけは、看護学生のときの終末期の実習で、胃ろう、認知症、末期がんのおじいさんを担当したことです。その際、リハビリが組み込まれていることに疑問を感じました。なぜ末期なのにリハビリが必要なんだろうと。でも、理学療法士が患者さんのリハビリを担当する様子を見学したとき、歩けなかったおじいさんが歩いていたことにびっくりしたんです。 そこで初めて、患者さんが今持てる力を最大限活かすことがリハビリなんだと気づき、リハビリ科に就職しました。職場でも車椅子だった人が歩けたり、寝たきりの人が車椅子になったりなどリハビリで患者さんが力を発揮した姿を見ていると、自宅に帰った後の生活はどうなんだろうと、ふとその先が気になったんです。そこで、23歳で訪問看護の現場に飛び込んでみました。 長嶺: 飛び込んでみて、どうですか。 小野寺: 訪問看護の領域で働く看護師さんは、「病院でバリバリ働いた経験がある人」というイメージがあったので、経験が浅い私はとても不安でした。所長や主任からも、「こんな若い看護師が来ると思っていなかったので、どのように指導していいのか、最初は怖かったんだよね」と言われました。でも、何度も何度も同行訪問をしてサポート・指導してもらい、今では看護学生の指導を任せてもらうようになりました。 訪問看護はさまざまな疾患を学ぶ必要がありますが、赤ちゃんから100歳までの幅広い年齢層の方と関わることができる今の職場は、とても楽しいです。自分よりも若い看護師がこの職場に飛び込んできたときに、しっかり指導できるようになりたいと思っています。 命の教育が訪問看護の理解につながる 長嶺: 素敵なお話をありがとうございます。訪問看護のやりがいや魅力を一言でいうと、どんな言葉が出てくるでしょうか。 白﨑: 「ホスピタリティを発揮できる」ことですね。 新田: 「看護師の資格を最大限活かせる」ことでしょうか。 小野寺: 単純に、利用者さんやご家族から「ありがとう」と言われることが何よりのやりがいに感じます。 長嶺: ありがとうございます。訪問看護師は看護師全体の5%ぐらいですが、この仕事の魅力をどうすれば広めることができ、訪問看護の現場で働きたいと思う人が増えるでしょうか。 白﨑: こうしたイベントをたくさん開催していただけると、表に出てこない訪問看護の仕事の魅力が広まるのではないかと思います。今回参加させていただいて、僕自身とてもモチベーションが上がりました。そのモチベーションを持って、さらに新たなことにチャレンジすれば、もっとこの仕事が注目されるかなと思いました。 新田: 子どものころから看取りも含めた「人が亡くなる過程」を通じて命の大切さの教育をしていくと、知識が増え、思考が広がり、訪問看護の仕事が広まって、訪問看護師に対する捉え方も少し変わってくるのではないかなと思っています。看取りについて公に話すことをタブー視される風潮がありますが、子どものころからの教育でそれも変わってくると思います。 小野寺: 看護学校の同級生の中で訪問看護師として働いているのは、把握している限り私だけです。医療従事者ではない友人からは、「どういう仕事?」と聞かれることもあります。訪問看護師のインタビューをSNSやネットで発信し続けると、目に留まりやすく、認知度も上がるのではないかなと思いました。 長嶺: ありがとうございます。小野寺さんの事例を伺っていると、訪問看護師は若いころからチャレンジできる仕事であることがわかりますし、新田さんのお話からは、訪問看護の現場で働いてから救命救急士になるキャリアチェンジもあるとわかりました。どんなキャリアからスタートしてもいいですよね。そのキャリアの一つとして、訪問看護という仕事がもっと選ばれればいいなと思います。最後に、今後の抱負を一言ずつ教えていただいてもよろしいでしょうか。 白﨑: 1年にひとつ、新しいことにチャレンジしようと考えています。チャレンジすることを見つけるのが大変ですが、見つけることを諦めないように続けていきたいです。 新田: 目の前の仕事に一つひとつしっかりと取り組み、継続していきたいと思っています。 小野寺: 私も、日々の訪問を一つひとつ大切にして、利用者さんから「あなたが来てくれてよかった」と思ってもらえるような訪問看護師になりたいと思います。 長嶺: ありがとうございました。色々と考えさせられたり、ほっこりしたりといったお話が盛りだくさんで、素敵な時間でした。会場にいる皆さんも、それぞれのステーションに戻って、同僚たちの話を聞き合うようなセッションをやってみてもいいかもしれませんね。今日は本当にありがとうございました。 取材・執筆:高島 三幸編集:NsPace編集部

漫画「役割を求めて」訪問看護アワード
漫画「役割を求めて」訪問看護アワード
特集
2024年4月23日
2024年4月23日

大賞エピソード漫画化!「役割を求めて」【つたえたい訪問看護の話】

NsPaceの特別イベント「第2回 みんなの訪問看護アワード」で募集した「つたえたい訪問看護の話」。大賞を受賞したのは、訪問看護ステーションかすたねっと(大阪府)の岡川 修士さんの投稿エピソード、「役割を求めて」です。 今回は、大賞エピソードを『ナースのチカラ ~私たちにできること 訪問看護物語~』著者の広田奈都美先生に、全11ページの漫画にしていただきました。ぜひご覧ください! >>全受賞エピソードはこちらつたえたい訪問看護の話 受賞エピソード発表!大賞・審査員特別賞・ホープ賞・協賛企業賞つたえたい訪問看護の話 受賞エピソード発表!入賞 漫画:広田 奈都美(ひろた なつみ)漫画家/看護師。静岡県出身。1990年にデビューし、『私は戦う女。そして詩人そして伝道師』(集英社)、『ナースのチカラ ~私たちにできること 訪問看護物語~』『おうちで死にたい~自然で穏やかな最後の日々~』(秋田書店)など作品多数。 >>『ナースのチカラ』の試し読みはこちら【漫画試し読み】『ナースのチカラ』第1巻1話(その1)投稿者:岡川 修士(おかがわ しゅうじ)訪問看護ステーションかすたねっと(大阪府)「役割を求めて」は、私一人でやったことではなく、加東さんの想いがあり、社長の井上の判断があり、ポジティブに受け入れてくれる仲間がいることで生まれたエピソードです。みんなでやってきたことを認めてもらったので、嬉しいの一言に尽きます。社長の井上からも「岡川さんがセンサーを働かせて相談してきてくれたことや、加東さんの雇用に関して反対するメンバーが一人もおらず、みんな心から喜んでくれたことでこのエピソードが生まれました。本当に会社をつくってよかったと思いましたし、人に恵まれて幸せです。そして、一つの結果としてこういった素晴らしい賞をいただけて、とても嬉しく思っています」というコメントをもらいました。ステーション一同、感謝の気持ちでいっぱいです。利用者さんの背景や状況は多岐にわたりますが、仲間と一生懸命頭をひねって知恵を出し合う時間は、とても尊いものだと思います。これからも頑張っていきたいと思います。 * * * 次回、「第3回 みんなの訪問看護アワード」の「つたえたい訪問看護の話」エピソードは、2024年秋から応募開始予定です。 [no_toc]

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