インタビュー

異業種参入 第一の壁:採用

近年、異業種から訪問看護に参入する企業が増えています。
そんな中、参入した経営者が口をそろえて言うのが、「採用の難しさ」です。
看護師を中心に800人以上の専門職が在籍しているセントケア・グループの訪問看護事業では、どのように人材を確保しているのでしょうか。訪問看護部門統括次長の藤原祐子さんにお話を伺いました。

人材紹介会社に頼らない大規模採用

―採用の方法について、教えていただけますか?
藤原:
基本的には、ホームページ、YouTube、Twitter、Instagramの活用と、社員紹介制度を利用した採用を行っています。今までは使っていた人材紹介会社も、今年からは積極的には頼らない方針にしました。
採用は「誰に伝えるか」「何を伝えるか」を考えながら行っています。
例えば、病院などで働いている若い方向けにはSNSやアニメーションなどを活用する、中堅ベテラン層向けにはハローワークで企業としての安定性や研修制度を売りにしてもらうなどです。
またハローワークや紹介会社には情報を出すだけではなく、窓口や担当の方がセントケアを紹介したくなるような関係づくりも意識しています。
SNS関連の採用事例の成果については検証中ではありますが、ホームページをみて入社する人は増えてきている実感はあります。全体的に見ると40代の方が多いですね。
これまでは自社アピールを全面に出し過ぎるのは良くないかなと思っていたのですが、ダイレクトに伝えないとわからない部分もあることがわかってきました。
今はオンラインセミナーなどで、「セントケア・グループでは看護師を積極的に募集しています」「セミナーや勉強会も開催しています」と言うようにしています。
社員紹介制度に関しては、紹介してくれた方と入社してくださった方に、入社お祝い金として3~5万円(キャンペーンなどによって変動あり)のお支払いをしています。地域会社によっては、社内紹介がすごく盛んなところもありますね。
将来的にはオンラインサロンのような、コミュニティ運営もやっていきたいです。

ステーション安定が私のミッション

―セントケア・グループとしての、採用基準はありますか?
藤原:
採用基準はステーションの状況に合わせてもらっているので、こちらから条件は特に出していません。
ただ、新規開設の場合には、正社員3人以上で始めること、24時間365日対応のためにオンコール対応ができることなどは決めています。
―藤原さんご自身はどのようにしてセントケア・グループに入職されたんですか?
藤原:
私の入職には、ちょっと変わった経緯があります。
私が訪問看護師になったのが32歳の時だったのですが、当時に勤めていたステーションが人員割れで閉鎖することになりました。
行き場のないお客様やスタッフを受け入れてくれてもらうため、同じエリア内のいくつかのステーションに連絡をしたところ、すぐに連絡をくれて、その日に会いに来てくれたのが、セントケアでした。
当時のセントケアはそのエリアでは訪問介護事業所しか運営していなかったのですが、訪問看護ステーションも立ち上げるということで、私が所長として入職することになりました。
その後、係長職や課長職を経て、現在は本社の訪問看護部門で統括次長をやっています。
―本社の統括次長としてのミッションを教えてください。
藤原:
事業全体の中長期計画を立て基盤をつくるのが、本社の管理・企画部門の主な役割ですが、私自身は自社の訪問看護ステーションが安定できるようにサポートすることがミッションだと思っています。
特に魅力的な看護師にセントケアに来てもらって、長く働き続けていただくためにできることをやっていきたいですね。
ちなみに本社はとりまとめる役割なので、実際に事業を運営するのは各都道府県の子会社です。
本社の出した全体計画を各社が地域に合わせた形に落とし込んで、実行しています。介護や医療は地域ごとに状況が異なるので、それに沿って運営できた方がいいですからね。

セントケア・ホールディング株式会社 訪問看護部門 統括次長
藤原祐子
病院勤務で、在宅に受け皿がないために、帰りたくても家に帰れない高齢者が多くいる現実を見て、世の中の制度に疑問を感じるようになる。その後、結婚・出産を経て、2000年に介護保険制度がスタートするタイミングで、介護保険や訪問看護について勉強し、訪問看護師へ転身。管理者としてセントケア・グループに入職し、現在はセントケア・ホールディングの訪問看護部門統括次長として、訪問看護ステーションの安定運営をサポートする基盤づくりに注力している。
セントケア・グループ
1999年、株式会社として初となる訪問看護ステーションを開設。現在では97か所の訪問看護ステーションを全国に展開し、訪問入浴や訪問介護、デイサービス、有料老人ホームなどの幅広い事業にも取り組んでいる。(2020年11月時点)
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