C07訪問看護あるある座談会

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2022年3月22日
2022年3月22日

訪問看護あるある座談会 vol.11 オンコール編

訪問看護では付き物のオンコール。いつ電話が鳴るかドキドキ…という体験があるのではないでしょうか。今回は訪問看護師さん3名にお集まりいただき、訪問看護でのオンコールのあるあるトークをしていただきました。 ■座談会に参加してくれた看護師さんプロフィール かずもともとヘルパーとして働いていたが、訪問介護先で出会った訪問看護師の仕事に魅力を感じて看護師になる。現在は訪問看護師2年目。 けん家族の在宅看取りの経験から訪問看護師を志す。急性期病院で2年働いたのち、地方の訪問看護ステーションに就職。訪問看護師4年目。 みほ訪問看護の実習で暮らしが見える面白さを感じ、新卒から訪問看護師になる。オンコールやプリセプターもしている中堅ナース。訪問看護師6年目。 ドキドキだけどやりがいもあるオンコール担当 空耳だけど聞こえてくる着信音 かず:オンコールは3ヶ月くらい前から始めたばかりです。 みほ:オンコールは初めての経験かと思うのですが、電話持っていてドキドキしませんか? かず:いや、もうそれはドキドキしますよ。夜はいつかかってくるか分からないので、お風呂もいつ入ろうかタイミングが分からなくて。 けん:あるある! かず:やっぱりあるあるなんですね。(笑)持って最初に鳴った電話が、なんと間違い電話だったんですよ。訪問している方やよく電話が来る方ならまだいいのですが、あまり知らない利用者さんからの電話が来たらどうしようと思いますね。 みほ:何の疾患で何のお薬飲んでいるかとかの基本情報から確認が必要なこと、あるあるですね。 けん:ちなみに、夜中に起きては携帯をパカパカ開いちゃうんですけど、ありますか? かず:それはもちろんあります。中途覚醒がすごくて…。 けん:そうそう。寝落ちした時に「やばい!」って起きてパッと電話開いて、着信来てないとホッとします。病院の心電図モニターみたいに「あれ、電話鳴ってる?」ってなります。 かず:僕はまだ大丈夫なんですけど、他の先輩はよく空耳があるって言っていますね。 けん:僕は始めたばかりのころは週2〜3回くらいオンコールを持っていたので慣れるのも早かったんですけど、週1回だと慣れるのが大変そうですね。 かず:まだ慣れないですね。新規の利用者さんも来ますし、ある程度は情報収集しているんですけど、1週間で状態も変わりますし。先輩の緊急訪問の記録を見て、これが自分だったらどんな対応ができていたかな、って考えることもありますね。 みほ:救急搬送とかも最初は焦りますよね。 かず:そうですね。私はまだ1人で決めることはないのですが、でも緊急性が高くて迅速な対応をしなくてはならない場合に、もちろん先輩や医師に相談するし、でも現場に向かわなきゃならないし、一人前になるのは本当に大変です。それはもう繰り返しやるしかないんだろうな、と思います。 けん:一人前ってよく言われますけど、僕もまだわからないこともあるし、その時は所長に電話して聞いちゃいますし、訪問の独り立ちって定義が難しいなと思いますね。 みほ:独り立ちとは言われているけれど、私も全然聞いていますね。相談できる環境があるのがベストだと思っていて、一人で訪問はするけど、一人で抱え込まなくていいのかなと。 ドラマよりドラマティックな体験も けん:かずさんはオンコール持ち始めて、緊急訪問はしましたか? かず:今まで3回は訪問しましたね。1回は「もう息をしてない」って連絡があって、着いたらもう心音も停止していて、息もしていなくて。それが最初の緊急訪問でしたね。 けん:最初からお看取りだったんですね。 かず:そうなんです。その方はがんのターミナル期だったんですが、あと1週間とか1ヶ月とかそういう状況ではなくて、ゆくゆくは自宅でお看取りという話だったんです。私が担当していた利用者さんで、その前の週も訪問して「また来週も来ますね」って話していたところだったんです。奥様が起きたら亡くなっていたそうで、急変した、というか、安らかに息を引き取られましたね。 みほ:かずさんが担当していた利用者さんだったからこそ、かずさんのオンコールのタイミングのご逝去だったのかもしれないですね。 かず:同行した先輩も同じようにおっしゃっていました。先輩も契約の時に一緒に訪問してくれていたので、そういうタイミングだったのかもしれません。奥様が後悔はなくやり切ったとおっしゃっていて、そのときに自分が看護師になって本当によかったなって思いました。緊急電話を持たないとできない体験だったかもしれません。 みほ:突然のご逝去ってオンコールを持っていないと立ち会えない場合が多くて、運命的な何かがあるのではないかと思います。けんさんは同じような経験とかありますか? けん:そうですね。僕が訪問していた利用者さんで、結構お元気な方だったんですけど、週末に「最近寝ている時間が増えた」って奥さんからコールがあったんです。大きく体調は変わりなかったので経過観察になっていたんです。週明けに僕が訪問して挨拶したら、「ああ」って言って手を挙げてくれたんですが、そのタイミングで息が止まっちゃって。僕もびっくりして「〇〇さん!」って大きい声で呼んだり、奥さんにも「急なことだけど大丈夫ですか」って声かけたりして。何度もご逝去時の訪問はしていたので慣れているつもりだったんですけど、呼吸が止まる瞬間に立ち会うのはその時が初めてで、今思うと相当テンパっていましたね。自宅にいたいと話していたので、最後まで家で過ごせたのは良かったんじゃないかと思います。それが最近あった、びっくりしたお看取りでしたね。 みほ:待っていたんですかね。 けん:みんなにそう言われます。長く担当していた利用者さんで、今は奥さんのところに訪問させてもらっています。ドラマよりドラマティックですよね。人生の少しだけしか関わってないけど、人生を見せていただくありがたみとか、やりがいや幸せを分けてもらっているところもありますよね。記事編集:NsPace

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2022年3月1日
2022年3月1日

訪問看護あるある座談会 vol.10 アレルギー・花粉症対策編

ようやくお日様の暖かさを感じられるようになった3月。花粉が本格化するこの時期はティッシュが手放せない・・という看護師さんも多いのではないでしょうか。今回は「花粉症とアレルギー」について、苦労した経験を持つ訪問看護師さん2名にお集まりいただき、あるあるトークをしていただきました。 ■座談会に参加してくれた看護師さんプロフィール みほ訪問看護の実習で暮らしが見える面白さを感じ、新卒から訪問看護師になる。オンコールやプリセプターもしている中堅ナース。訪問看護師6年目。 ゆりやりたいことを支えられる看護に魅力を感じて訪問看護に転職。訪問看護ステーションの管理者経験もあるママナース。訪問看護師7年目。 この時期はとっても大変・・いつもより早い今年の花粉 みほ:今年は早くないですか?なんだか1月下旬くらいからムズムズしていて、いまは眼がとても辛くて・・。 ゆり:私も重度の花粉症なのでこの時期は本当につらいですよね。鼻の下や肌が荒れてしまったり、目元もガサガサしてきちゃう。 みほ:新型コロナもあって、周りの方に心配されるストレスもありますね。 ゆり:鼻詰まってグズグズしていると、利用者さんやご家族が不安に思うかもしれませんね。新しく担当させて頂いた方には、ご訪問したときに早めに花粉症であることをお伝えするようにしていますね。ご挨拶の中で「わたし、今年も花粉症にやられているんです。」とお話すると場が和んだりもして、少しほっとします。 みほ:周りに心配されるからこそ余計に日々の体調チェックには気を使いますよね。 ゆり:実は私、ピークの時は鼻にティッシュを詰めながら入浴介助とかしていました。ずっとマスクだからまあいいかと思って。(笑) みほ:(笑) ご利用者さん宅のペットやハウスダスト問題 ゆり:ちょっとお掃除が行き届いていないご自宅とか、ペットを飼われているご自宅は完全防備です。 みほ:ペットを飼われているご自宅、コロナもあってなのか最近増えている気がしますね。ゆりさんは花粉症以外にもアレルギーありますか? ゆり:私、重度のネコアレルギーがあって、事前にネコちゃんがいることが分かっている時は担当から外してもらっています。そのほかにもハウスダストや食べ物もあったりして、普段から気を付けていて。 みほ:自分たちでアレルギーを回避するのは大事なことですよね。管理者さんが調整してくれると本当に助かりますね。 ゆり:私もステーションの採用面接のタイミングで、アレルギーがあることを伝えて配慮頂けないか相談していました。オンコールの時はしかたがない部分もあるので、極力毛が付きにくい服で出るようにしています。外に出てご自宅から少し離れたら粘着テープで取ったり、すぐに手を洗うようにしていますね。意外と盲点なのが物品を入れているバッグです。 みほ:お部屋の床に置くから付いちゃいますよね。 ゆり:そうなの。だからバッグもしっかり確認しています。 みほ:動物は私も好きなんだけど、ベッドに上がって来ちゃったり懐いてくれちゃったり、困ってしまうことも多いです。(笑)利用者さんも動物アレルギーだと分かってくれていて、私がおうかがいする時だけケージに入れてくれたり、別室に移動させてくれたり、そうした配慮が本当に嬉しいし助かっていますね。 ゆり:元々ハウスダストアレルギーがあるので担当をはずしてもらっていた方のお宅へオンコールで訪問したことがあったんです。訪問開始当初はお掃除が行き届いてなかったのに、ものすごく綺麗になっていて。ケアマネージャーさんやヘルパーさんにすごく感謝しました。 みほ:サービスが入って生活環境が整うのは利用者さんの心理的にも良いことですよね。 訪問看護師の花粉症・アレルギー対策とは? みほ:私の先輩は、花粉症対策用のメガネをして出勤されていました。ゆりさんはアレルギー対策グッズを何か使われていますか? ゆり:私は鼻の通りが良くなるようにと思って、スッとするアロマをマスクに数滴垂らしたりするのが最近のお気に入り!グッズじゃないけど、公園やコンビニのトイレのついでに目元も少し流したり、タオルを濡らして優しく拭くようにしたりとかもしていますね。さっぱりするし、少し落ち着く感じがするから。 みほ:いい香りだと気持ちもリフレッシュできそうで良いですね。私は花粉が来ているなと感じたら、早めに抗アレルギー薬をかかりつけ医に処方してもらっていますね。普段、車の運転はしていないんですけど、自転車の運転はあるので眠くなりにくい成分の薬でお願いしています。 ゆり:私もアレルギーのお薬もらっているけど、仕事でバタバタしているとつい飲み忘れがち。必ず持ち歩くバッグやポーチに予備を入れて気を付けているの。 みほ:ストレスも溜まるから対策は大事ですね。最近はいろいろなグッズもあるみたいだけど、あまり使ってこなかったです。何か効果あるグッズがあったら知りたいですね。 ゆり:いろいろ出てるよね。花粉対策でいいものがあったら知りたいなあ。 みほ:みんなで情報共有したいですね。対策だけじゃなくて、利用者さんのご自宅のことだったり、ペットがいるかどうかをステーションで共有できているとありがたいです!記事編集:NsPace

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2022年2月22日
2022年2月22日

訪問看護あるある座談会 vol.9 男性看護師編

いろんな場面でついつい頼りにしてしまう男性看護師さん。今回は男性の訪問看護師さん2名をゲストに迎え、訪問看護での男性看護師あるあるトークをしていただきました。 ■座談会に参加してくれた看護師さんプロフィール かずもともとヘルパーとして働いていたが、訪問介護先で出会った訪問看護師の仕事に魅力を感じて看護師になる。現在は訪問看護師2年目。 けん家族の在宅看取りの経験から訪問看護師を志す。急性期病院で2年働いたのち、地方の訪問看護ステーションに就職。訪問看護師4年目。 みほ訪問看護の実習で暮らしが見える面白さを感じ、新卒から訪問看護師になる。オンコールやプリセプターもしている中堅ナース。訪問看護師6年目。 訪問看護でも頼りがいのあるメンズナースたち ケアマネジャーや利用者さんからも愛される男性訪問看護師 けん:男性看護師がうちのステーションに2人いるんですが、今働いている地域に男性看護師が少ないみたいで、体格が大きい人とか介助量が多い利用者さんの依頼は多いですね。あとは女性の体に触れてしまう利用者さんとか、手が出てしまう利用者さんの対応をお願いされることもありますね。ケアマネさんは「かずさん体格いいからね」って言ってくれるんですけど、筋肉じゃなくて脂肪なんですよ。あはは。東京都内は男性の訪問看護師さんが多そうですが、地方は男性が少ないのかなって思います。 みほ:なるほど。たしかに都内は男性の訪問看護師さんも多い印象です。 かず:けんさんの話と近いですが、よく力仕事を任されますね。訪問でもそうですけど、事務所でも重いもの運んだりするのをお願いされます。 けん:めちゃくちゃわかります。事務所内では高いところのものを率先して取ったりしていますね。事務所の引っ越しがあったときも、冷蔵庫とか洗濯機を運びました。 みほ:男性陣、パワー的にも頼れる存在です。私の体験談ですが、男性看護師が来ることで良い刺激になる女性の利用者さんもいます。 けん:ありがたいことに、そういう利用者さんは何人かいますね。若い男性が来てくれるなんて嬉しいって言ってもらうこともあります。誕生日の時に一緒に写真撮ろうねって約束したら、ばっちりお化粧して、服も新調して待っていてくれたんです。 みほ:利用者さんもイキイキして、素敵な看護ですね。かずさんはどうですか。 かず:そういう利用者さんはいらっしゃいますね。逆もしかり、女性が来てくれて嬉しいという男性の利用者さんもいますよね。 みほ:そうですね。かっこいいところを見せようとリハビリを頑張ってくださる男性の方もいます。ただ、張り切りすぎて疲れ過ぎないようには気にかけていますね。笑 男性NGについて、ぶっちゃけどう思う? みほ:男性の利用者さんでは、同性の男性看護師にケアをしてもらう方が羞恥心が少なく安心だという人もいますよね。反対に男性NGという利用者さんもいると思うんですが、それで落ち込んだりされたことはありますか? かず:ヘルパー時代は同性介護と決まっていたので、男性の利用者さんには必ず男性ヘルパーが入っていたんです。看護師になってからは男性女性関係なく訪問していますが、今のところ男だから嫌だって言われたことはないです。契約のタイミングで事前に聞いてくれていて、例えばトイレ介助は同性がいいという場合は女性スタッフに訪問を任せています。 みほ:たしかに、契約の時に聞いておくのは大事ですね。 けん:僕もそうですけど、どんな年代でも異性に体を見られるのは恥ずかしい、というのはあるじゃないですか。だから、「男性はちょっと…」と言われても傷つくことはあまりないですね。ただオンコールの時に、若い女性の利用者さんからのコールで「女性の看護師さんいないんですか。じゃあ家族でなんとかします!」って言われてしまったことがあって、そこはどう対応したらよかったんだろうと思いますね。 みほ:ありますよね。夜間のオンコールで「どうしても男性看護師じゃないと」と言われて、近所に住んでいる男性スタッフになんとか都合つけて行ってもらったことがあります。オンコールじゃない日に呼び出して申し訳ないと思いつつ、利用者さんの希望に沿いきれないもどかしさもあり、悩みどころですね。 女性コミュニティ内で活躍するメンズナース けん:あと、病棟とかステーション内の仲介役になることが多いですね。 かず:仲介役でいうと、学生時代に実習でそういう役割をしていたのを思い出しますね。女性が多い中で、自分が間に入って教員と学生を繋ぐとか、なぜか自然と僕がやるようになっていましたね。 けん:わかります。実習で気持ちが沈んでいる子がいて、先生が話しかけるとすぐ泣いちゃうので、先生から「けんくんから声かけてもらっていい?」って言われて「ええ、僕で大丈夫ですか?」ってしどろもどろになったりしました。 かず:性格やキャラクターもあるのかもしれないですけど、気づいたらそのポジションになりますよね。それはそれでいいのかなと思っています。 みほ:実習グループに看護男子が1人いると、雰囲気を柔らかくする良い要素になっている気がします。お二人とも柔らかい雰囲気なので、パイプ役でつらい時もあれば、目をかけてもらうなど良い点もありそうだと思うのですが、どうですか? けん:今働いている訪問看護ステーションのほかの男性スタッフも僕と同じようにホワッとした雰囲気なので、うちの男性勢はホワホワしているねって目をかけてもらっていますね。 かず:私のいるステーションでは男性看護師が3人いて、リハビリ職も合わせるともう少しいるんですけど、男性スタッフ同士は仲良くなりやすいですね。打ち解けられるので看護とか利用者さんのことも相談しやすくてありがたいです。 けん:病院でもそうでしたけど、男性看護師の団結力ってありますね。 みほ:昔、男性看護師が主役のドラマがありましたよね。看護婦から看護師に呼び方も変わって男性看護師も認知され始めて、変化の時期だったと思うんです。増えてきてはいてもまだ少数派の中であえて看護師になると選ぶことは素敵ですし、志を持っていてアツい人が多いですよね。 けん:ありがとうございます。訪問看護は病院とはまた違う面白さがあるので、ぜひ、もっと男性看護師が増えてほしいです。 記事編集:NsPace

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2021年11月30日
2021年11月30日

訪問看護あるある座談会 vol.8 女性のお悩み編

生理痛、PMS(月経前症候群)、妊娠、出産…女性ならではのさまざまな体調変化に悩まされ、仕事に影響が出るという方も多いのではないでしょうか。今回は3人の訪問看護師さんにお集まりいただき、女性のお悩みをテーマに、訪問看護の「あるある」についてぶっちゃけトークをしてもらいました。 ■座談会に参加してくれた看護師さんプロフィール みほ訪問看護の実習で暮らしが見える面白さを感じ、新卒から訪問看護師に。オンコールやプリセプターもしている中堅ナース。訪問看護師6年目。 あい病棟、介護施設を経て、家族が訪問看護を受けていた経験から訪問看護ステーションに転職。訪問看護師2年目で現在妊娠中。 さき大学病院に勤務していたが、退院支援から在宅に興味を持ち訪問看護の道へ。訪問看護師は6年目。1児の母。 ライフイベントやホルモンに左右される体でも健康的に働きたい! 訪問看護に行けない…焦りや申し訳なさの妊娠期 あい:実は妊娠していて、安定期に入ったんです。みほ:おめでとうございます。体調は大丈夫ですか?あい:今は大丈夫なんですけど、つわりがつらくて仕事はお休みしてたんです。みんなどうやって耐えてるんだろう?って思いました。さき:私は妊娠中も訪問看護をしていたんですが、ハンドクリームとかボディーソープの香りで「ウッ」としちゃって。匂いに敏感になって排泄ケアもできなかったんです。そういう訪問は他のスタッフさんに替わってもらいました。あい:私も一緒でした。匂い、つらいですよね…。さき:ただ、途中で切迫早産になってしまって、仕事を休むことになったんです。急遽他の看護師さんに訪問を代わってもらって。急な調整も対応してもらえて、やっぱり職場環境って大事だなって思いました。 みほ:調整してくれる職場、ありがたいですね。 さき:でも、調整してもらうことへの罪悪感もあったんです。他の看護師さんは訪問が増えて大変だろうなって思うと、申し訳なくて。自分を追い詰めちゃうタイプだったので、体調だけではなくて精神的にもつらかったですね。 あい:わかります。「迷惑かけてるんじゃないか」って思いますよね。 みほ:私の訪問看護ステーションにも妊娠中に体調が安定しない看護師さんがいたのですが、それでも何かできる仕事がないかって言ってくれて。計画書や報告書を書いてもらうとか、デスクワークのフォローに回ってもらっていました。事務さんじゃ難しいけど看護師ならできるような、手が回っていなかった調整業務などをやってもらえたりもして、ありがたかったです。 さき:私もデスクワークはお手伝いさせてもらってました。軽めでも仕事振ってもらってると、気持ちが楽ですね。ずっと自宅待機だと、現場はどうなってるのかなって焦ったり、取り残されている感じがして「仕事がしたい!」って思っていました。 あい:うちのステーションでは代わりにできるようなデスクワークが少なくて、居場所がない感じがして葛藤しています。もともと不妊治療をしていたので、妊娠前から勤務調整をしてもらうことが多かったんです。不妊治療のこと、上司には話していたんですが、それ以外のスタッフには伝えていなくて。体調不良とか受診で急に休んだりしていたので、周りも「どうしたんだろう」って思っていたみたいです。コミュニケーション不足でギクシャクしてしまった時期もあって、とても悩みましたね。 さき:うーん。不妊治療も大変ですよね。 あい:でも職場の協力のおかげで、妊娠に繋がったので感謝しています。家とかステーションの中でできる業務があると、少しでも貢献できている気がして救われますよね。社会との繋がりも感じられそうです。 子育てと仕事の両立は? みほ:もし自分が子供を産むとなった時、育児と仕事の両立で悩みそうです。近所に親がいるから仕事復帰できたという話を先輩から聞いて、近所に親がいない場合とかはどうしてるのかなと思って。 さき:うちは0歳クラスから保育園に入れたので、早い段階で職場復帰ができました。小さい時はよく体調崩していて、迎えに来てほしいと言われることがあったんですが、職場がすぐ調整してくれてお迎えに行ってました、夫はすぐに帰って来れるような仕事じゃなかったので、本当に職場に助けてもらいましたね。あとは自治体の産前産後ヘルパーを利用したりしてました。3時間おきの授乳は大変だったけど、保育園も助けてくれるし、意外とできるんだなって思いました。私も構えてたんですけど、そんなに構えすぎずでも大丈夫かもしれませんよ。 みほ:そう言ってもらえると、ちょっと安心します。 さき:ズボラでも大丈夫です。笑 あい:未知の世界すぎてイメージつかないですよね。妊娠してみて、こんな大変なんだっていうことばかりで。みんな乗り越えてきたんだと思うと、本当にすごいです。 みほ:さきさんはお子さん産んでから体の変化とかありましたか? さき:産後3年くらいは風邪引きやすくなりましたね。何十年かぶりにインフルエンザにかかりました。体質が変わるんでしょうかね。産後は慣れない育児とか睡眠不足もあってか、1人で戦っている気持ちになっちゃって夫にもイライラしたりしちゃいました。産後の体の変化とか育児のことを男性も理解して、サポートしてくれると嬉しいんですけどね。 あい:電車の中や職場でも気を遣うので、家庭のストレスはなるべく少なくしたいですね。パートナーが気に掛けてくれたり、家事を手伝ったりしてもらえるだけでもとっても助かります。 生理痛やPMSのあるある みほ:女性のお悩みといえば、PMSや生理痛もありますよね。私はPMSがひどくて、頭痛やイライラがくると、これは生理が来るかも、ってなります。生理痛で布団から起きられなくて仕事を休んでしまうことも何度かあって、上司から受診をすすめられたりしました。婦人科に行ったら低容量ピルをすすめられて、飲み始めたらだいぶ楽になったんです。 あい:私もピルを飲んでいたことがあるんですけど、副作用で肌が荒れて、ニキビができちゃったんです。やめようか悩んだんですけど、先生に「3ヶ月頑張ってみて」って言われて、しばらくしたら落ち着いてきたのでよかったです。副作用にはびっくりしましたけど、生理の出血量も減って、今までの量が普通じゃなかったって分かりました。 みほ:普通の量がわからないですもんね。ピルを飲んだ方が体調的には楽なんですけど、受診に行くのが億劫で。今通っている婦人科が混んでいて、待ち時間が読めないし、新型コロナもあるしで足が遠のいてしまって、結局今は飲んでいないんですよ。 さき:定期的に病院いかなきゃですもんね。最近はオンラインでも相談できたりもするらしいですよ。 みほ:オンラインは便利ですね。あとピルを飲み忘れることもあって、結局内服リズムがずれちゃったりして。自分の内服コンプライアンスが悪くて、毎日ちゃんと定期内服できている利用者さんがスゴいと思います。 さき:生理痛とかPMSって個人差があったり、仕事が忙しいとつい我慢しちゃうこともありますけど、自分に合った方法を見つけてうまく付き合っていきたいですよね。最近話題のフェムテックの商品やサービスも増えているみたいなので、活用していきたいですね! 記事編集:NsPace

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2021年10月19日
2021年10月19日

訪問看護あるある座談会 vol.7 認知症看護編

2025年には日本の65歳以上の高齢者のうち約5人に1人が認知症になると言われています。(引用元:厚生労働省 認知症の人の将来推計について https://www.mhlw.go.jp/content/000524702.pdf  )また、介護や支援が必要になる原因の第1位が認知症で、介護保険を利用した訪問看護おいて関わる機会も多いかと思います。今回は3人の訪問看護師さんにお集まりいただき、在宅での認知症看護の「あるある」についてトークをしてもらいました。 ■座談会に参加してくれた看護師さんプロフィール ゆりやりたいことを支えられる看護に魅力を感じて訪問看護に転職。訪問看護ステーションの管理者経験もあるママナース。訪問看護師7年目。 あい病棟、介護施設を経て、家族が訪問看護を利用していた経験から訪問看護ステーションに転職。訪問看護師2年目。 みほ訪問看護の実習で暮らしが見える面白さを感じ、新卒から訪問看護師に。オンコールやプリセプターもこなす中堅ナース。訪問看護師6年目。 本人に告げずに施設入居することのモヤモヤ あい:最近訪問している利用者さんに徘徊のトラブルがあったんです。認知症の方への対応って悩みますね。 みほ:徘徊ですか…。印象に残ってる利用者さんがいて、一人暮らしで認知症がある方でした。足腰は元気で、近所の食堂にご飯を食べに行くんだけど、お金を払い忘れてしまって。その度に遠方に住んでる息子さんがわざわざ謝罪に来ていました。いろいろ工夫はしたのですが、トラブル続きで息子さんが限界になってしまって、最終的に施設に入ることになったんです。ちょっと徘徊とは違うかもしれませんが。 あい:ご家族もお辛い時期がありますよね…。 みほ:でもご本人に「施設」という言葉を出すと怒るので、最終的には遊びに行くという名目で息子さんが施設まで連れて行ったんです。本人に告げずに施設に入ることにはモヤモヤしましたね…。ご家族の心配とか疲れとの兼ね合いもあるけど、あまり会えないご家族のフォローは難しいですね。 ゆり:あのときご家族にこうフォローしておけばよかった、とか思い返すこともありますよね。コロナ禍になって、直接話せる機会が減って余計に難しくなってる。 みほ:ご本人も一人で暮らすことのつらさを時々話したりはしてたんですけど、それでもやっぱり家にいたいって言っていて。 あい:自分でも忘れちゃうことに葛藤していて、不安だけど家にいたいっていう時期だったんですね。 ゆり:モヤッとしますよね。もともとの家族関係もさまざまだと思うんだけど、なんとなくのニュアンスで伝わるような関係もあれば、はっきり言うことでうまくいく関係のご家族もいたりするし。もしかしたら、何も言わなくても施設に連れて行くときの雰囲気で察せるような家族関係の人もいるかもしれない。そのご家族にどのパターンが合っているのかを探るのも、看護師の大切な役割かもね。 みほ:たしかに。当時はまだ新人で「認知症の方にも正しいことを正しく伝えるべき」って思っていたんですけど、正しい情報を伝えるとか、本人の意思をすべて汲むのが、必ずしも正解ではないなと。ふんわりケアする方向に誘導して、利用者さんの命とか体調を守ることも必要だと最近は思うようになりましたね。 ゆり:そうねー。命に関わるようなお薬を飲むのを見届けなきゃいけないんだけど、利用者さんが他のことに集中して飲んでくれない時とか、お話して気をそらして薬を飲んでもらうとかも必要なことだし。興奮してバイタルサイン測れない時には、お話だけ聞いて帰ってくるときもあるしね。 みほ:バイタルサイン測定できない時は、そっと手首に指当てて、脈は大丈夫、皮膚も熱くないので熱もなさそう、って確認したりします。基本的な視診や触診、会話などから得られるものもありますね。 チームでケアを繋ぐ!奥が深い認知症看護 あい:毎回のケアの順序って大体決まってるじゃないですか。でも認知症の方の訪問は特に毎回違っていて「今日はどこからやろう」ってなります。今日は入浴介助の日だったけど、利用者さんの気分が乗らなくて、じゃあ代わりにこれをしよう、みたいな。決まった流れができるだけではなくて、応用力必要だなって思います。 みほ:めっちゃわかります。訪問時間に収まるようにケアを組み立ててイメトレして行ったけど、おうちに着いてみたら「入れ歯がないのよ」ってずっと探し物をしていて。結局入れ歯を探して訪問時間が終わったこともありました。でも入れ歯も見つかったし、これで食事も食べられるし、利用者さんの心配事も解消されたしオッケーかなと。 あい:そうそう、ポジティブに捉えて置き換えますね。その日のケアができなくても、1人でどうにかするのは難しくても、1週間でチームでケアを繋いでいけば生活を保てるなって。次に行く看護師に「今日はこれができなかったので、次行ってできそうであれば、このケアをお願い」って引き継いでやってもらうとか。 ゆり:ヘルパーさんと連絡ノートを作って、これできましたってリレーしていくのもいいよね。連絡ノート書くの、時間かかるけど。 あい:連携は何かと時間かかりますよね。お薬とか排泄のこととか…。 ゆり:ケア内容を変えるだけでも、試行錯誤して数ヶ月とかかったりしますよね。でもピタッとケアがハマった時って、嬉しいよね。 あい:嬉しいですね。利用者さんで薬の飲み忘れが増えた方がいて、看護師管理で内服カレンダーを使い始めたんですけど、いざ導入してみたら混乱してしまって。色々試していたら「薬は自分でセットできるよ」って仰るのでやってもらったら、自分でセットできたんです。思ったより自分でできるね!ってみんなびっくりして。落ち着くまでに2〜3ヶ月かかりましたけど、利用者さんも慣れればちゃんと自分でできたりするんですよね。 ゆり:こっちができることを奪っている場合もあるから、利用者さんに合う方法を考えるとか、その人がやりやすいような置き場所にするとかも大切。医療的なケアが少ないからか、認知症看護って楽でしょ?って言う人もいるけど、すごく奥が深いんだよね。 記事編集:NsPace

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2021年9月21日
2021年9月21日

訪問看護あるある座談会 vol.6 移動中編

訪問看護の移動手段は何をご利用されていますか?暑い日も寒い日も雨の日も、自転車移動で訪問されている方も多いのではないでしょうか。今回も3人の訪問看護師さんにお集まりいただき、移動をテーマに訪問看護の「あるある」についてぶっちゃけトークをしてもらいました。 どう過ごす?訪問看護中の微妙な空き時間 みほ:このメンバーは3人とも自転車移動なんですよね。最近入った新人さんから「訪問移動中の5〜10分の微妙な空き時間、どうしてるんですか?」って聞かれて。 あい:私もそれ気になります。みんなどうしてるのかなって。 みほ:車移動だと車の中で待機できるじゃないですか。自転車だと、暑さをしのぐのにコンビニのイートインが便利なんですけど… ゆり:コロナでイートイン閉鎖してるところ、多いよね…  みほ:そうなんですよ。ここのコンビニにイートインコーナーがあるよって案内したら、新型コロナのせいでイートイン休止中でした… ゆり:外にいるのも暑いよね。イートインない時は、夏場だとアイス買ってコンビニの外の日陰見つけて食べたりしますね。最近はフラッペも売ってるから、熱中症にならないように顔とか首とか冷やして、溶かしながら飲んでいます。熱中症対策だと、干し梅も持ち歩いてますね。 あい:熱中症対策、大事ですよね。 ゆり:前の座談会(※夏対策編)でも話したけど、熱中症にかかるとつらいんですよね。暑くない時期だと、公園のベンチに座ってたり、自転車のサドルにタブレット置いて記録したりしてるかな。 あい:私もジュースとか買って、木陰や公園で休憩しながら記録してます。コンビニに寄って何か食べるほどの移動時間はあまりないので、ステーションの訪問の組み方とかにもよるのかもしれないですね。 ゆり:ステーションによっては移動時間を短く設定して、タイムロスないようにしているところもあるもんね。また食べ物の話になっちゃうけど、冬だとコーンスープとか肉まんとかで暖をとってるよ。 みほ:温まりますよね。隙間時間あると何かつまんじゃうので、病院から転職してきた看護師さんが、自転車移動だから痩せそうと思っていたけど結局合間で食べちゃって痩せない、って言ってました。 あい:私も痩なかったですね。夏の暑さで水分が出ていく感じはありますが。 ゆり:水飲むとトイレが心配になっちゃわない? あい:トイレのことも考えますね。次の訪問までの移動で「どこにトイレあったっけ」とか考えますね。 ゆり:そうそう。女性専用トイレがあるコンビニとか把握するようにしてます。 みほ:わかります。新人さんと同行しながら「ここのコンビニはトイレがきれいなのでおすすめ」とか教えますね。 あい:すごく詳しくなりますよね。笑 ササっと済ませる移動中の外ランチ みほ:外でランチすることとかありますか? ゆり:移動で事務所戻れない時は外で食べますね。食べるの早いほうなので、途中ラーメン屋さん入って、オーダーして3分くらいでラーメン出てきて、5分で食べて、出る、みたいな。すぐ出てくるところなら15分くらいで食べますね。 あい:すごい、私食べるの遅いのでできない…! ゆり:男性スタッフとか、牛丼屋でサッと食べる人とか結構いる気がする。 あい:たしかに、うちのところもそういう男性看護師さんいます。 みほ:ファーストフード店はすぐ出てくるので、よく寄りますね。時間もないしササッと食べちゃうんですが、早食いは体に良くないとは思ってます。 あい:みなさん早く食べて移動しているの、すごいですね。 みほ:しっかり休めればいいんですけど、移動時間がギリギリとか、緊急訪問が入ってバタついたりとかもあって。ゆっくり食べられる日はありがたいですね。 ゆり:忙しいときこそ、食べないと倒れちゃうからね。 移動中の急な雨、自転車移動どうしてる? みほ:突然の雨が多くて、かっぱも持ち歩いてるから、荷物多くなるんですよね。 ゆり:荷物が気になるんだったら、かっぱ以外に小さいポンチョをリュックに忍ばせるとか、雨よけのビニールの靴カバーを持ち歩くとかはおすすめ。ふくらはぎくらいまでの長さで、コンパクトにまとめられるんですよ。 あい:なるほど。いいですね。降りそうで降らない時に、何を履いていくか迷うんです。雨予報だけどまだ降ってないときに「なんとか大丈夫だろう」ってスニーカーで訪問行ったら、途中から降ってきて「ああ、長靴にしとけばよかった…」ってなります。 ゆり:しかも雨の日はマンホールとか点字ブロックで滑りますよね。 あい:みんな通る道ですよね。かっぱ着てレインバイザーするから、視界も悪くなって怖くないですか? みほ:わかります。怖いですよね。 ゆり:傘差し運転してる自転車とすれ違うのも怖い…。 あい:急な雨の日とか多いですよね。 ゆり:電動自転車、重いから避けるのが大変なんですよ。 あい:電動自転車、訪問看護で初めて乗ったんですけど、「えっ、重い!」ってびっくりしました。車道と歩道の溝の段差にハマって転びそうになったこともあって。訪問中に自転車で転ぶのも、みなさん1回はやってる気がします。 みほ:安全運転が一番ですね。 記事編集:NsPace

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2021年6月29日
2021年6月29日

訪問看護あるある座談会 vol.5 夏対策編

夏場の訪問看護は、汗だくになり、日焼けも気になりませんか?暑い環境の中でのケアはもちろん、自転車の場合は移動中も強い日差しにさらされます。熱中症になった経験のある方もいるのではないでしょうか。 今回も3人の訪問看護師さんにお集まりいただき、夏の暑さ、日焼け対策をテーマに訪問看護の「あるある」についてぶっちゃけトークをしてもらいました。 訪問看護の日焼け対策 ゆり:自転車移動は、とにかく日焼けがイヤだよね。シミにもなるし。汗もかいちゃうから、夏場はスッピンなんですよ。日焼け止め塗るくらいで。 みほ:たしかに、夏真っ盛りのときは化粧してもしかたないって思っちゃいます。 ゆり:1件訪問終わるともう顔なくなりません?笑 みほ:なくなります。笑 スッピンの方が日焼け止めもすぐ塗れていいかなって、スッピンで出勤することもザラです。 あい:うちのステーションも自転車移動で、移動はもちろんなんですけど、入浴介助も汗だくです。みんな化粧どうしてるんだろうって思っていました。休み時間にちゃんと化粧を直しているスタッフもいましたね。 ゆり:ウォータープルーフを使っている人もいますよね。カラーコントロールをしてくれる日焼け止めはおすすめです。スッピンでも安心。 みほ:マスクで蒸れて肌荒れしていた時期は、SPF50のフェイスパウダーがよかったです。日焼け対策効果もあるし、肌に優しくて。 ゆり:服装は、100円ショップの日除け手袋を付けて、冷感素材のパーカーを着る。それが一番焼けないですね。 あい:100円ショップにあるんですね、日除け手袋。 ゆり:薄手でメッシュのものがあるんですよ。 あい:へえ、いいですね! ゆり:アームカバーも使っていたんですけど、指先が日焼けしちゃって。皆さんはアームカバーしていますか? みほ:アームカバー使っていますね。でも移動に余裕がなくて「やばい、時間がない」ってなる時は結局しないんですよ。 あい:わかります!しかも汗かくと付けにくいんですよね。それがイヤで、今はパーカーだけですね。 訪問看護の熱中症対策 ゆり:仕事中に熱中症を経験すると、もうなりたくないなって思います。つらくて。 みほ:私も熱中症でダウンしてお休みもらったことがあって、申し訳なくて、同じ過ちを繰り返さないぞってなりました。 ゆり:そうそう、訪問にも穴を開けちゃうし、自分しか行ってないお家の訪問とか、日程変更しなきゃならなくて。利用者さんにも迷惑かけちゃうこともあるよね。 みほ:目から入ってくる日差しにやられたのもあって、サングラスを買ったら結構よかったです。疲労感が全然違いました。 あい:去年初めて訪問看護の夏を経験して、サングラスは使ってなかったんです。だけど、日差しが強くて前が見えなかったりして、あったほうがいいなとは思いました。 ゆり:サングラス、全然似合わないのが悩みです。でも背に腹はかえられぬという…。サングラスして、帽子かぶって、冷感素材のパーカー着て、マスクもして。不審者みたいになりますよね。笑 みほ:もうオシャレは関係ないですね…。 保冷剤や冷感グッズで暑さ対策 ゆり:お弁当用の保冷バックに、保冷剤を入れて持ち歩いています。大きい保冷剤と、小さい保冷剤5個くらい。タオルに巻いて首に当てたりして。溶けた保冷剤は大きい保冷剤にくっ付けておくと、また冷たくなるの。 あい:すごい!工夫ですね。 ゆり:暑すぎる時は、瞬間冷却材に救われたこともありますね。コンビニに売っていて、カシャンって割るとすぐ冷えるやつ。 みほ:カイロの逆番ですね。 ゆり:自転車の振動で割れちゃうことがあるから、必要な時にコンビニで買うのがいいよ。洋服のひんやりスプレーもよく使います。経口補水液も持ち歩きたいけど、これ以上訪問の荷物は増やしたくないな。 みほ:わかります。何を取るかですね。 ゆり:私は日焼け止めスプレー、パーカー、保冷剤は欠かせないかな。 あい:なるほど。夏にどんな対策をしていいか分からなかったので、そんな方法もあるんだって学びになりました。 みほ:私も入職した時に他のステーションの人はどうしているんだろうって思ったので、今回お話しできて良かったです! 記事編集:NsPace

特集
2021年6月22日
2021年6月22日

訪問看護あるある座談会 vol.4 インシデント編

医療現場では付き物のインシデント。皆さんも大なり小なり一度は経験したことがあるのではないでしょうか。「ああ、やっちゃったな」と落ち込んでしまうこともありますよね。今回も3人の訪問看護師さんにお集まりいただき、インシデントをテーマに訪問看護の「あるある」についてぶっちゃけトークをしてもらいました。 気遣い合える環境が生む安心感、ステーション内でインシデントを共有するメリット あい:訪問看護は楽しいです。病院経験があると「できる」って思われるところがあって、半年くらいでもう一人前の扱いでしたね。 みほ:不安はあっても、訪問スケジュール的に1人で行くしかない!ってこともありますよね。 あい:そうですね。お休みの関係とか。 ゆり:不安を感じながら訪問する時に、私はミスをしちゃったことがあって。気管カニューレの利用者さんの移乗をした時に、カニューレが抜けかかっちゃって急いで入れ直したことがあったんです。すぐに対応が取れたけど、若手の子だったらどうしようってパニックになっちゃうんじゃないかなと。 あい:うん、頭ではわかっていても、ためらっちゃうかもしれません。 ゆり:大人の気管カニューレを入れたのは、実はその時が初めてで。経験年数を重ねていても初めてのことってあるし、緊張もする。インシデントやヒヤリハットが起きても、きちんとみんなで共有するのが大事だと思う。ステーションの信用問題にも関わるからね。 みほ:ヘルパーさんとかご家族のかたが見ていることもありますもんね。 ゆり:うん。落ち込んでステーション帰ってきてね。そしたら若いスタッフたちが「誰でもあり得る状況だったし、もし私がそのインシデントを起こしていたらすごく怒られていたと思う。おかげで移乗のときここに気を付けないといけないって気付けました。ありがとうございました。」って感謝されたの。大丈夫だった?とか声を掛けてくれる環境のほうが、報告しやすいし、救われるよね。 みほ:皆さん優しいですね! あい:こういうインシデントがあったんだ、って共有してもらえると、想像できて心構えができるので、安心感がありますね。在宅に慣れないうちは尚更。 ステーションの糧になる、インシデントの振り返り みほ:ステーションに「インシデント振り返りシート」ってありますか? あい:元々はなかったですね。私が同行した訪問でインシデントが起きた時に、書いて全体に共有したのが初めてでした。 みほ:すごい。自分からレポートを書いて出したんですか? あい:そうなんです。新人さんと同行訪問中のインシデントで。内服薬をお薬カレンダーにセットするときに2人で入れたんです。そのとき、たまたま新人さんが担当したところが複雑なセット方法で、そこにセットミスがあったんです。後日利用者さんから「内服セットが間違っているよ」って電話がきて発覚しました。ステーション設立して初めて、インシデントレポートを使ってカンファレンスをしましたね。 みほ:大事ですよね。こういう機会がないと、振り返る機会ってなかなかないですから。同行訪問中のインシデント、あるあるだなって思いました。 ゆり:同行訪問っていつもと違うことしちゃうよね。 みほ:そうそう、緊張なのか普段しないミスをやっちゃいますね…。 あい:そうなんですよ…。1人が内服セットして、もう1人がダブルチェックする方が良かったなって思うんですけど、同行の緊張もあってか、普段と違う判断をしてしまいました。 ゆり:時間が迫って焦ることもあるよね。 あい:まさにその日もほかのケアが延びて、2人でやった方が早いねって流れになったんです。新人さんもそれなりに看護師経験があったので「一緒にやろう」ってなって起きたミスでしたね。利用者さんもストレートに言う方だったので、新人さんも落ち込んじゃって。嫌な体験させちゃったなって反省して、しっかり振り返ろうってなったんです。 ゆり:あいさん、いい先輩。インシデントはいつやってもショックですよね。細心の注意を払っても、環境要因とかヒューマンエラーで起きる時は起きちゃう。だからこそ、起きたら共有して対応策を考えていかないと、看護の質もステーションの質も上がらないと思う。インシデントってクレームに直結するから。ステーション立ち上げを手伝った時に、インシデントマニュアルとクレーム報告対応書は準備しましたね。インシデントはステーションの糧になるから、レポートで溜めていったほうがいいと思う。 みほ:今まで溜まったレポートを見ると、こんなところに危険があるんだって気付けるので、教育にも繋がっている気がします。口頭の報告と振り返りだけで終わっちゃうと、もったいない気がしますね。 ゆり:振り返りシート書くの、めんどくさいって思うんだけど、書いて振り返りをしたからこそ安全にケアができる、利用者さんの生活も保持されると思うと、書いた方がいいですよね。 ** NsPaceではインシデント・アクシデント報告書など各種ツールのサンプルをご用意しております。各事業所様で編集してご利用ください。【ツール一覧を見る】 記事編集:NsPace

特集
2021年4月21日
2021年4月21日

訪問看護あるある座談会 vol.3 服装・持ち物編

前回のインタビューでも少し出てきた、訪問看護の冬の寒さ対策。それ以外にも、雨の日の服装や訪問看護バッグなど制服以外についても悩む訪問看護師さんも多いのではないでしょうか。前回に続き、3人の訪問看護師さんにお集まりいただき、服装・持ち物をテーマに訪問看護の「あるある」についてぶっちゃけトークをしてもらいました。 冬の雨が辛い!訪問看護の冬の服装どうしてる? ゆり:何が言いたいって、雨で一番つらいのって冬の雨だと思うんですけど、どう思います? りさ:本当にそう!手袋選びからですよね。毛糸の手袋とかは使えない…。 ゆり:ワークマンの手袋知ってます?内側にフリース素材入ってて暖かいんです。内側がもこもこのブーツもワークマンにあるんですよ。 みほ:うちのステーションでもワークマン流行ってて。あったかグッズが安く買えていいですよねー。 りさ:ワークマン人気ですよね。横浜のほうにワークマン女子のお店がありますね。 ゆり:まさに訪問看護師こそワークマン女子になるべきですよ! みほ・りさ:笑 ゆり:バイクで訪問してるときは防水防風のジャケット着てたけど、リーズナブルでしたよ。訪問看護師にはワークマンかファストファッションブランドがおすすめ! みほ:きっとみんなお世話になってるはず! りさ:暖かい靴下も欲しいですよねー。 ゆり:たしかそれもワークマンに売ってると思う。作業員さんが着るようなやつ。ほら、私たちも外出る仕事だからぴったりじゃない!? みほ:確かに! 悩める訪問看護バッグ。経費で落ちるのはどこまで? りさ:訪問カバンも良いのがあるといいですよね。 みほ:迷いますよね。訪問カバン。 ゆり:既製品で売ってる訪問バッグって小さいし、ポケットが多いのはいいけど、どのポケットに何入れたかわからなくなるんですよね。 りさ:そうなんですよね。小物がどこ入れたか分からなくなりますよね。 ゆり:小物整理は100円ショップのメッシュポーチを何個か持つようにしてて、マスク、処置材、不織布とか入れてますね。 りさ:私も同じようなポーチ使ってます!はさみとか手袋とか入れてます。 ゆり:こういうメッシュポーチ使いやすいですよね。あと、認知症の利用者さんなどにメモを残すのに、A4のメモも100円ショップで買って。 みほ:A4メモとふせんはマストですね。ヘルパーさんにもメモ書いたりしますし。 ゆり:経費で落ちるといいんですけど、結局自分で買っちゃってるんですよね。 みほ:私も自腹で買ってます…。細かいので経費で落とすのも面倒になっちゃうというか。 ゆり:事務所にあるものもあるけど、それ以外は割と持ち出し多いよね。訪問看護師。 りさ:たしかに。意外とそうですね。 みほ:ちなみに、アウターとか訪問バッグって経費で落ちますか?アウターが意外と高いから経費で落としてもらえないか交渉したんですが、ダメだったことがあって。バッグは補助出るんですけど、他のところはどうなんだろうと思って。 ゆり:うちはアウターは出ない。バッグは貸し出しがあるけど、直行直帰の人は自分で買うルールになってる。カッパも経費出ない。 りさ:カッパ、意外と高くないですか? ゆり:ちょっと高いよね。バイクの時は上下のカッパ着てたけど、今は自転車だからカゴまで覆えるポンチョを着てる。雨が強い時はその上にもう1枚ポンチョを重ねて、長靴履いてしのいでる。 みほ:なるほど!うちはカッパは支給があるんですけど、ボロボロになっちゃったので結局買いましたね。 りさ:うちはカッパはわりとしっかりしたやつを支給してもらいました。制服代として年間2万円まで支給するから自由に買っていいよっていうスタイルで、それを使ってスクラブとかヒートテックを買っていますけど、結局お金が回らないからアウターは自費ですね。 みほ:でも支給でるのはいいですね。 ゆり:税理士さんに聞いたことがあるんだけど、制度的に経費で落ちる物もあるはずなんですよ。お金関連のところ、看護師は疎いと思います。 みほ:たしかに。善意で持ち出しばかりするんじゃなくて、会社に負担してもらえる部分もあることを看護師側も知っておくことが大事ですね。 ゆり:これは必ずかかるから経費に計上してもらいたいとか。でもなかなか難しいですね。 りさ:お金の話は疎い自覚あるし、詳しい友達の方が少ないですね。その辺りをもっと知れるといいです。 ゆり:税理士さんとかから話聞けるといいよね。 ** NsPace編集部より本記事掲載にあたり、NsPace編集部がワークマン様に掲載許可をいただきました。ありがとうございました。 記事編集:NsPace

特集
2021年4月14日
2021年4月14日

訪問看護あるある座談会 vol.2 感染対策編

訪問看護のお悩みあるあるの中に、感染対策があるのではないでしょうか。病院では清潔・不潔をはっきり分けられる反面、在宅では病院ほど明確に清潔・不潔を区別することへの難しさもあります。前回に続き、3人の訪問看護師さんにお集まりいただき、感染症対策をテーマに訪問看護の「あるある」についてぶっちゃけトークをしてもらいました。 コロナ感染対策の悩み。手袋NG!?訪問看護の入浴介助 りさ:悩みあるあるは感染対策です。 ゆり:あるよね。エプロンしないとか「これも素手でやっちゃうの?」みたいな。 りさ:在宅の利用者さんは手袋すると嫌がるんだよって言われたことがあったんです。それで手袋付けずに入浴介助してるお家もあります。 ゆり:その家の清潔の具合によるかもしれないけど、自分の感染リスクもあるし、他の家に菌を持っていっちゃうリスクもあるよね。お風呂場で「こんなの裸足で入るのよ!」って入っていく看護師もいるけど。笑 りさ:えっ、むしろ裸足以外で入浴介助してるんですか? ゆり:うちでは長靴持っていったり、家によっては買ってもらったりしてます。ステーションごとに感染対策って違うんじゃないかな。 みほ:うちのステーションではご自宅で使ってるバスシューズを借りることもありますね。 りさ:へー、そうなんですね。イヤイヤ裸足で入ってました…。 ゆり:他のステーションではこうしているらしいから、感染対策の見直しをするのはどうですかって提案してみるのはどう?今はコロナもあるし。 りさ:そうですね。素手でストマを洗うのとか、粘膜だから抵抗あって悩んでたんです。 ゆり:だって便とか触れるからね。 りさ:信頼関係を大事にしすぎて、手袋をつけて嫌われるんじゃないかって思っている先輩もいて…。 ゆり:でも自分は守らないといけないもんね。最近は新型コロナで自宅に消毒液置いてくれてる家も多くなったし、看護師は働きやすきなったんじゃないかな。 みほ:そうですね。新型コロナを理由に何かと感染対策できるようになったのは、よかったのかもしれないですね。「新型コロナなので」って説明して、今まで抵抗あったお宅でもエプロンとか手袋を付けさせてもらえたり。 りさ:マスクもしてもらいやすくなりましたね。 みほ:今までそのまま咳されてましたからね…。 ゆり:唾飛んだよ!みたいな。気になってコンビニのトイレで顔洗ったこともありました。笑 みほ:帰り際に洗面所で手洗いできなかった時、コンビニのトイレとか公園で手洗ったりしますね。 ゆり:公園の子供たちに混ざって手洗いますよね。訪問先で「さようなら〜」って挨拶してそのまま手洗うタイミング逃しちゃったり。手指消毒で済ませるときもありますけどね。 看護師、膀胱炎になりがち。訪問看護のトイレ問題 ゆり:最近はコロナでトイレ使えなかったですよね。 みほ:めっちゃ不便でした。 ゆり:ですよね!私、膀胱炎になりました。 りさ:えー!わかります!私もなりかけましたもん。 みほ:ひえー。今年じゃないけど私も前なりました。 ゆり:病棟でもそうでしたけど、トイレ我慢しちゃうじゃないですか。在宅だとトイレにいつでも行ける環境じゃないので、尚更。 りさ:私も水飲むの控えちゃってました。去年の夏に突然38度くらいの熱が出て「コロナか!?」って思ったんですけど、実は脱水で。 ゆり:わかるー。私もおなかの調子が悪くて腸炎かと思ったら高熱出て。OS1を一気飲みしたらおいしくて。こんな美味しい飲み物だったかなっていう。笑 手足の痺れもあって、今思うと重度の熱中症でしたね。 みほ:やばいやばい。 ゆり:夏、高齢の方ってなかなか熱中症に気づかないじゃないですか。クーラー付けてないのも怖いですよね…。 りさ:クーラー自体無いおうちもありますね。必死でアイスノン当てたりしてました。 ゆり:看護師側も夏と冬は辛いですよね。冬は着込んで自転車乗るので、利用者さんの家に着く頃にじんわり汗かいてて。訪問中もケアして汗かいて、外出ると寒くて。風邪引きそうになっちゃいます。 みほ:分厚いダウンだけだと利用者さんの家出てすぐ着るには暑いこともあって。フリースの上に薄手のダウンの重ねてますね。 ゆり:うん、上着は重ねて調節できないと体調崩しますね。朝に子どもを保育園送るのが重労働で、出勤する頃には冬でも汗だくで。笑 着る物失敗すると、夏みたいに汗かきますね。 ー③に続きますー 記事編集:NsPace

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