インタビュー

「一人の人を、まるごとチームで支える」~訪問看護ステーションはる 田中さん・山崎さんにインタビュー~

「一人の人を、まるごとチームで支える」~訪問看護ステーションはる 田中さん・山崎さんにインタビュー~

精神科に特化した訪問看護を行う「訪問看護ステーションはる」。ハードルが高いと思われがちな精神科分野で、利用者にもスタッフにも“全肯定”の姿勢で寄り添う温かなチームがここにあります。未経験でも安心して飛び込めるその理由と、地域と共に歩む看護の実際を、管理者・田中さんと事務・山崎さんのお話から紐解きます。

【※本記事はナスキャリが事業所向けに提供している「特集記事掲載サービス」によるものです。取材・撮影・編集はナスキャリが担当しました。】

「親切で明るい」から始まった訪問看護

大阪市内にある「訪問看護ステーションはる」は、精神科に特化した訪問看護ステーションです。その成り立ちには、同法人の高山診療所が長く地域で培ってきた信頼関係と、スタッフ一人ひとりの「誰かの力になりたい」という想いがありました。

事務の山崎さんは、診療所のバックオフィスに長く携わるなかで、地域医療の最前線を見てきました。

【山崎さん】
「診療所では、医師もスタッフもデイケアや外来だけじゃ足りないと感じていたんです。ご自宅でどう過ごしておられるかが分からないまま、診察だけで終わってしまう。だからこそ、実際に“家に行く”訪問看護の必要性を強く感じていました」

2017年、そんな想いから「訪問看護ステーションはる」が立ち上がりました。最初は診療所の看護師がカバーしながら、徐々に現在の体制へと育ってきました。利用者さんはもともと診療所に通っていた方が多く、自然な形で訪問看護への移行がなされました。

【山崎さん】
「最初から“顔見知り”の看護師が来てくれることって、ものすごく安心感があるんですよ。『あなたが来てくれるなら』って言ってくださることが多いですね」

法人全体としても、「親切で明るい」という理念が浸透しており、スタッフにとっても働きやすい環境が整っています。

【田中さん】
「“これはダメだ”って言われたこと、ないんです。『それいいね』『やってみよう』って言ってもらえる。だから、利用者さんのために本当に必要だと思ったことを、素直に提案できるんです」

と、管理者である田中さんは話します。

そんな風土が、訪問看護という柔軟な支援のかたちを支えているのです。

事務所で作業する山崎さん
優しい笑顔で利用者さんの相談に対して親身な姿勢で対応しています。

精神科訪問看護のリアルとやりがい

精神科の訪問看護は、医療だけでなく“生活全体”を支える支援です。ときに金銭管理の問題に関わったり、家族関係に介入したり、社会資源の調整を担ったりと、多面的な支援が求められます。

“存在そのものを肯定する”

利用者さんに何か起こったとき、問題としてとらえるのではなく一つの過程ととらえる。解決策もその人が持っている、少し支えるだけでその人がもともと持っている力が引き出されると考えています。

【田中さん】
「先生がよく“全肯定でいこう”って言うんです。その人をそのまま受け止めることから、すべてが始まる。私たちもそうやって関わってもらっているから、自然と利用者さんにもそうできるのかもしれませんね」

訪問を重ねるなかで、表情が変わっていく。そんな変化に立ち会えることが、精神科訪問看護の一番のやりがいだといいます。

【山崎さん】
「電話が減ったな、落ち着いてきたな、って感じる瞬間があるんです。訪問を始めてから、明らかに“日常”が整っていく。そんなふうに“生活の中で支える”のが、私たちの役割だと思っています」

“その人らしく”を支えるチームケア

訪問看護ステーションはるでは、訪問看護師だけでなく、作業療法士(OT)がいます。また、クリニックの医師、看護師、精神保健福祉士(PSW)、薬局の薬剤師、保健師など、地域に根ざした多職種との連携が当たり前のように行われています。

【山崎さん】
「精神疾患を抱える方って、運動の習慣がなかったり、お部屋の片づけに困っていたりするんですね。そこにOTさんが入ってくれると、“一緒に片づけようか”とか、“今日はここだけ整えようか”って寄り添ってくれる。それだけで、暮らしが少しずつ整っていくんです」

【田中さん】
「作業療法って、“生活そのもの”を見てくれるんですよね。料理、洗濯、会話…全部が作業。だから、私たちの看護とすごく相性がいい。利用者さんの表情が明るくなるのを見ると、やっぱり“つながってよかった”って思います」

精神科の利用者さんのなかには、生活保護を受けている方も多く、ケースワーカーや就労支援、保健師、時には教育機関ともつながることがあります。ある女性のケースでは、学びたいという意欲があり、先生や相談員と連携しながら、学業に専念できる環境を整えた支援が印象に残っているといいます。

【田中さん】
「“無理かな…”って思っていたことが、チームで関わることで“できるかもしれない”に変わっていく。そんな瞬間に立ち会えるのが、この仕事の魅力です」

看護師の職種別働き方

未経験でも安心できる風土と学び

精神科の訪問看護は、未経験者にとってハードルが高く感じられるかもしれません。しかし、訪問看護ステーションはるには、それをやさしく受け止めてくれる空気があります。

【山崎さん】
「“精神って難しいんじゃないか”って思われがちですけど、新人スタッフには、いきなり一人で訪問を任せることはなく、経験豊富な先輩が同行し、毎回の訪問を丁寧に振り返ります。利用者さんもスタッフも、ほんとにやさしい人ばかりなんですよ。」

【田中さん】
「“今日はこんな対応したけど、どう思った?”って聞いたり、“ここはうまくいったね”って一緒に振り返るんです。声かけ一つでも、共有し合える文化があります」

加えて、月に一度の高山診療所との連絡会議では、医師やOT、PSWなどと共にケース検討を行うほか、外部研修への参加も推奨されています。スタッフ一人ひとりの「もっと学びたい」という気持ちを支える風土が根づいています。

【山崎さん】
「“こんなこと聞いていいのかな?”っていうことこそ、気軽に聞ける雰囲気なんです。“わからない”って言える安心感が、結局はケアの質にもつながると思います」

地域に根づくケアと、未来への一歩

訪問看護ステーションはるでは、今後の展望として、より広い地域での訪問を見据えたサテライトステーションの開設も構想されています。

【山崎さん】
「利用者さんがいるけど、今の場所からだと毎回行くのが大変なエリアがあるんです。そういう場所にも“はるの看護”を届けたい。だから、サテライトを作っていきたいって考えています」

“生活に伴走する”という想いは、これからも広がっていく予定です。

【田中さん】
「精神科の訪問看護って、やってみないとわからない魅力があるんですよね。毎日が同じじゃないし、利用者さんの“その日”に合わせて寄り添っていく。その中で、自分の看護観も育っていく気がします」

「訪問を待ってくれている」「今日も来てくれてよかった」──そんな言葉を励みに、訪問看護ステーションはるのスタッフたちは、今日も地域へと足を運びます。

マンションの中にある訪問看護ステーションはるは、アットホームな環境を用意しています。

インタビュアーより

「精神科の訪問看護って、難しそう」。そう感じていた自分のイメージが、訪問看護ステーションはるの取材でがらりと変わりました。むしろ、こんなに温かく、優しさに満ちた現場があることに、胸がいっぱいになりました。

田中さんの言葉の一つひとつには、利用者さんを“ひとりの人”として見つめるまなざしと、看護師としての確かな自信がありました。そして山崎さんからは、組織として支えることの大切さを感じました。

“未経験だから不安”という方にこそ、ぜひ知ってほしい職場です。ここには、“ともに歩む”看護が確かにありました。

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事業所概要

事業所名:訪問看護ステーションはる
所在地:大阪府大阪市天王寺区上汐3-8-2ノバカネイチ谷九301号室
スタッフ構成:看護師、准看護師、作業療法士など
特徴:診療所との連携/新人育成の受け入れ体制/多職種連携による地域支援
事業所ページhttps://ns-pace-career.com/facilities/15612

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記事提供:NsPace Careerナビ編集部

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