管理者インタビューに関する記事

「一人の人を、まるごとチームで支える」~訪問看護ステーションはる 田中さん・山崎さんにインタビュー~
「一人の人を、まるごとチームで支える」~訪問看護ステーションはる 田中さん・山崎さんにインタビュー~
インタビュー
2026年5月26日
2026年5月26日

「一人の人を、まるごとチームで支える」~訪問看護ステーションはる 田中さん・山崎さんにインタビュー~

精神科に特化した訪問看護を行う「訪問看護ステーションはる」。ハードルが高いと思われがちな精神科分野で、利用者にもスタッフにも“全肯定”の姿勢で寄り添う温かなチームがここにあります。未経験でも安心して飛び込めるその理由と、地域と共に歩む看護の実際を、管理者・田中さんと事務・山崎さんのお話から紐解きます。 【※本記事はナスキャリが事業所向けに提供している「特集記事掲載サービス」によるものです。取材・撮影・編集はナスキャリが担当しました。】 「親切で明るい」から始まった訪問看護 大阪市内にある「訪問看護ステーションはる」は、精神科に特化した訪問看護ステーションです。その成り立ちには、同法人の高山診療所が長く地域で培ってきた信頼関係と、スタッフ一人ひとりの「誰かの力になりたい」という想いがありました。 事務の山崎さんは、診療所のバックオフィスに長く携わるなかで、地域医療の最前線を見てきました。 【山崎さん】「診療所では、医師もスタッフもデイケアや外来だけじゃ足りないと感じていたんです。ご自宅でどう過ごしておられるかが分からないまま、診察だけで終わってしまう。だからこそ、実際に“家に行く”訪問看護の必要性を強く感じていました」 2017年、そんな想いから「訪問看護ステーションはる」が立ち上がりました。最初は診療所の看護師がカバーしながら、徐々に現在の体制へと育ってきました。利用者さんはもともと診療所に通っていた方が多く、自然な形で訪問看護への移行がなされました。 【山崎さん】「最初から“顔見知り”の看護師が来てくれることって、ものすごく安心感があるんですよ。『あなたが来てくれるなら』って言ってくださることが多いですね」 法人全体としても、「親切で明るい」という理念が浸透しており、スタッフにとっても働きやすい環境が整っています。 【田中さん】「“これはダメだ”って言われたこと、ないんです。『それいいね』『やってみよう』って言ってもらえる。だから、利用者さんのために本当に必要だと思ったことを、素直に提案できるんです」 と、管理者である田中さんは話します。 そんな風土が、訪問看護という柔軟な支援のかたちを支えているのです。 優しい笑顔で利用者さんの相談に対して親身な姿勢で対応しています。 精神科訪問看護のリアルとやりがい 精神科の訪問看護は、医療だけでなく“生活全体”を支える支援です。ときに金銭管理の問題に関わったり、家族関係に介入したり、社会資源の調整を担ったりと、多面的な支援が求められます。 “存在そのものを肯定する” 利用者さんに何か起こったとき、問題としてとらえるのではなく一つの過程ととらえる。解決策もその人が持っている、少し支えるだけでその人がもともと持っている力が引き出されると考えています。 【田中さん】「先生がよく“全肯定でいこう”って言うんです。その人をそのまま受け止めることから、すべてが始まる。私たちもそうやって関わってもらっているから、自然と利用者さんにもそうできるのかもしれませんね」 訪問を重ねるなかで、表情が変わっていく。そんな変化に立ち会えることが、精神科訪問看護の一番のやりがいだといいます。 【山崎さん】「電話が減ったな、落ち着いてきたな、って感じる瞬間があるんです。訪問を始めてから、明らかに“日常”が整っていく。そんなふうに“生活の中で支える”のが、私たちの役割だと思っています」 “その人らしく”を支えるチームケア 訪問看護ステーションはるでは、訪問看護師だけでなく、作業療法士(OT)がいます。また、クリニックの医師、看護師、精神保健福祉士(PSW)、薬局の薬剤師、保健師など、地域に根ざした多職種との連携が当たり前のように行われています。 【山崎さん】「精神疾患を抱える方って、運動の習慣がなかったり、お部屋の片づけに困っていたりするんですね。そこにOTさんが入ってくれると、“一緒に片づけようか”とか、“今日はここだけ整えようか”って寄り添ってくれる。それだけで、暮らしが少しずつ整っていくんです」 【田中さん】「作業療法って、“生活そのもの”を見てくれるんですよね。料理、洗濯、会話…全部が作業。だから、私たちの看護とすごく相性がいい。利用者さんの表情が明るくなるのを見ると、やっぱり“つながってよかった”って思います」 精神科の利用者さんのなかには、生活保護を受けている方も多く、ケースワーカーや就労支援、保健師、時には教育機関ともつながることがあります。ある女性のケースでは、学びたいという意欲があり、先生や相談員と連携しながら、学業に専念できる環境を整えた支援が印象に残っているといいます。 【田中さん】「“無理かな…”って思っていたことが、チームで関わることで“できるかもしれない”に変わっていく。そんな瞬間に立ち会えるのが、この仕事の魅力です」 未経験でも安心できる風土と学び 精神科の訪問看護は、未経験者にとってハードルが高く感じられるかもしれません。しかし、訪問看護ステーションはるには、それをやさしく受け止めてくれる空気があります。 【山崎さん】「“精神って難しいんじゃないか”って思われがちですけど、新人スタッフには、いきなり一人で訪問を任せることはなく、経験豊富な先輩が同行し、毎回の訪問を丁寧に振り返ります。利用者さんもスタッフも、ほんとにやさしい人ばかりなんですよ。」 【田中さん】「“今日はこんな対応したけど、どう思った?”って聞いたり、“ここはうまくいったね”って一緒に振り返るんです。声かけ一つでも、共有し合える文化があります」 加えて、月に一度の高山診療所との連絡会議では、医師やOT、PSWなどと共にケース検討を行うほか、外部研修への参加も推奨されています。スタッフ一人ひとりの「もっと学びたい」という気持ちを支える風土が根づいています。 【山崎さん】「“こんなこと聞いていいのかな?”っていうことこそ、気軽に聞ける雰囲気なんです。“わからない”って言える安心感が、結局はケアの質にもつながると思います」 地域に根づくケアと、未来への一歩 訪問看護ステーションはるでは、今後の展望として、より広い地域での訪問を見据えたサテライトステーションの開設も構想されています。 【山崎さん】「利用者さんがいるけど、今の場所からだと毎回行くのが大変なエリアがあるんです。そういう場所にも“はるの看護”を届けたい。だから、サテライトを作っていきたいって考えています」 “生活に伴走する”という想いは、これからも広がっていく予定です。 【田中さん】「精神科の訪問看護って、やってみないとわからない魅力があるんですよね。毎日が同じじゃないし、利用者さんの“その日”に合わせて寄り添っていく。その中で、自分の看護観も育っていく気がします」 「訪問を待ってくれている」「今日も来てくれてよかった」──そんな言葉を励みに、訪問看護ステーションはるのスタッフたちは、今日も地域へと足を運びます。 マンションの中にある訪問看護ステーションはるは、アットホームな環境を用意しています。 インタビュアーより 「精神科の訪問看護って、難しそう」。そう感じていた自分のイメージが、訪問看護ステーションはるの取材でがらりと変わりました。むしろ、こんなに温かく、優しさに満ちた現場があることに、胸がいっぱいになりました。 田中さんの言葉の一つひとつには、利用者さんを“ひとりの人”として見つめるまなざしと、看護師としての確かな自信がありました。そして山崎さんからは、組織として支えることの大切さを感じました。 “未経験だから不安”という方にこそ、ぜひ知ってほしい職場です。ここには、“ともに歩む”看護が確かにありました。 事業所概要 事業所名:訪問看護ステーションはる所在地:大阪府大阪市天王寺区上汐3-8-2ノバカネイチ谷九301号室スタッフ構成:看護師、准看護師、作業療法士など特徴:診療所との連携/新人育成の受け入れ体制/多職種連携による地域支援事業所ページ:https://ns-pace-career.com/facilities/15612 この記事を読んで「訪問看護、自分にもできるかも」と感じた方へ 「もっと患者さんと関わりたい」「自分らしい看護を実現したい」そう感じている看護師の方は少なくありません。 NsPace Careerナビでは、訪問看護の現場で働く看護師のリアルな声を多数掲載しています。 精神科訪問看護で活躍する看護師の声 未経験から訪問看護を始めた体験談 育児と両立しながら働く現場の実例 各ステーションの教育体制・チーム文化 さらに、キャリアの悩みやモチベーション維持のコツなど看護師として働くうえで役立つ記事も充実。 「自分に合う訪問看護の職場って、どんなところだろう?」そのヒントが、きっと見つかります。 ▶ 他の訪問看護師インタビューを読むhttps://ns-pace-career.com/media/ 記事提供:NsPace Careerナビ編集部

【5月12日UP】「かゆいところに手が届く」看護を目指して~ハウオリ訪問看護ステーション 亀田さんにインタビュー~
【5月12日UP】「かゆいところに手が届く」看護を目指して~ハウオリ訪問看護ステーション 亀田さんにインタビュー~
インタビュー
2026年5月12日
2026年5月12日

「かゆいところに手が届く」看護を目指して~ハウオリ訪問看護ステーション 亀田さんにインタビュー~

目黒区を拠点に「生活リハビリ」に力を入れるハウオリ訪問看護ステーション。今回は管理者の亀田さんに、訪問看護の魅力、働きやすさの工夫、そして地域に根ざした活動について伺いました。 【※本記事はNsPace Careerが事業所向けに提供している「特集記事掲載サービス」によるものです。取材・撮影・編集はNsPace Careerが担当しました。】 大学病院から訪問看護へ――再スタートのきっかけ ― 看護師としてのキャリアはどのように始まりましたか? 「大学病院では耳鼻科や頭頸部外科に勤務し、永久気管孔の手術など長時間のオペに立ち会うことも多くありました。その後は総合内科でも勤務し、大学病院ならではの高度な医療現場で幅広い症例を経験しました。結婚・出産を機に一度臨床から離れ、子育ての合間には近所のクリニックでパート勤務をしていました。本格的に復職したのは下の子が小学生になったタイミングです。」 ― 訪問看護との出会いは? 「自宅から近かったこともあり、こちらの訪問看護ステーションに就職しました。訪問看護は初めてでしたが、気づけばもう7〜8年になり、現在は管理者として日々の訪問業務だけでなくチーム全体の運営にも携わっています。」 「家庭と両立しやすい職場です」と穏やかに話される亀田さん 家庭と仕事を両立できる安心の訪問体制 ― 訪問看護を選んだ理由は何ですか? 「家庭や子どもに負担をかけず、無理なく働ける環境を探していました。以前のクリニック勤務では午後の診察が長引き、学校から帰ってくる子どもを見る時間が取れないこともあったため、訪問看護の働き方は自分に合っていると感じました。」 ― どのようなスケジュールで訪問していますか? 「午前は3件、午後は2〜3件の訪問を行い、12時半には午前分を終えます。午後は13時半から再開し、最終訪問は16〜17時で終了。訪問の間には必ず15分の移動時間を確保し、効率的なルートで回るため、17時には業務を終えて帰宅できます。 うちは、利用者さんへ特定の担当をつけず、複数の視点で看ています。特定の看護師に依存せず、誰が訪問しても同じケアができるため、スタッフも利用者さんも安心できるんです。」 新人への丁寧な育成とフォローアップ ― 新人教育はどのように行っていますか? 「まずは同行から始め、1回目は見学、2回目はバイタル測定や声かけ、3回目は一緒にケア、4回目にはだいぶ自信がつき、5回目あたりで独り立ちします。経験を重ねる中で自然と訪問の流れや対応が身についていきますね。」 ― 日常的なフォローはありますか? 「最初のうちは丁寧にやりすぎて訪問時間が押してしまうこともあります。訪問時間を守るため、情報収集やケアの配分を意識してもらうと『体内時計』が身についてくるんですよね。1〜2ヶ月で自然とリズムが整ってくるので安心してくださいね。新人さんが訪問から事務所に戻ったら、私に報告をしてもらって、一緒にアセスメントを整理する時間を持っています。また、事務所がワンフロアになってからは昼食中の会話から利用者さんの変化やケアのヒントが得られることも増えました。」 利用者さんからの連絡に優しく対応される亀田さん 地域とつながる活動と理念の継承 ― 地域との関わりについて教えてください。 「代表取締役は『地域の方に貢献したい』とハウオリ訪問看護ステーションを設立しました。目黒区の訪問看護連絡会で代表を務めた経験もあり、訪問看護と病院とのつながりを強化してきました。顔が見える関係があると退院支援や情報共有がスムーズになります。利用者さんも病院との繋がりに安心していただけます。」 ― 災害や緊急時の備えは? 「他事業所と『スタッフが動けない場合にお互いにカバーする』という相互支援の取り決めをしています。訓練や情報共有も行い、有事の際にもご利用者さんの安心につながる体制を整えていますね。」 ― 事業所名に込められた意味は? 「『ハウオリ』はハワイ語の“幸せ”と“時が来る”を組み合わせたもので、『幸せな時をご本人・ご家族と共に歩んでいきたい』という思いが込められています。その名のとおり、かゆいところに手が届くケアを目指しています。」 求職者へのメッセージ ― 訪問看護を始めたい方へメッセージをください 「一人で利用者さんのもとへ行くため、最初は不安だと思います。でも、必ず丁寧な同行研修から始まり、困ったときはすぐに相談できる環境があるので、経験の有無にかかわらず安心して働けます。子育て中の方や家庭と両立しながら働きたい方には、17時までの勤務は大きな魅力です。人との関わりを大切にできる方、そして高齢者と関わることが好きな方と一緒に働きたいですね。ぜひお待ちしています!」 インタビュアーより 亀田さんの穏やかで優しい語り口の中に、「地域の方に貢献する」という強い思いがありました。ハウオリ訪問看護ステーションは、訪問看護未経験でも安心して一歩を踏み出せる場所であり、家庭と仕事の両立を大切にしながら地域で看護を深めたい方にとって、心強い仲間が見つかる場所だと感じました。 事業所概要 事業所名:ハウオリ訪問看護ステーション所在地:東京都目黒区中央町2-30-11 学芸大KYハイツ302号室 事業所紹介ページ:https://ns-pace-career.com/facilities/14537 この記事を読んで「訪問看護、自分にもできるかも」と感じた方へ 「もっと患者さんと関わりたい」「自分らしい看護を実現したい」そう感じている看護師の方は少なくありません。 NsPace Careerナビでは、訪問看護の現場で働く看護師のリアルな声を多数掲載しています。 精神科訪問看護で活躍する看護師の声 未経験から訪問看護を始めた体験談 育児と両立しながら働く現場の実例 各ステーションの教育体制・チーム文化 さらに、キャリアの悩みやモチベーション維持のコツなど看護師として働くうえで役立つ記事も充実。 「自分に合う訪問看護の職場って、どんなところだろう?」そのヒントが、きっと見つかります。 ▶ 他の訪問看護師インタビューを読むhttps://ns-pace-career.com/media/ 記事提供:NsPace Careerナビ編集部

想いがつながる場所~シームレスケア訪問看護ステーションの挑戦・宮崎さん・梶さんにインタビュー~
想いがつながる場所~シームレスケア訪問看護ステーションの挑戦・宮崎さん・梶さんにインタビュー~
インタビュー
2026年4月14日
2026年4月14日

想いがつながる場所~シームレスケア訪問看護ステーションの挑戦・宮崎さん・梶さんにインタビュー~

【※本記事はNsPace Careerが事業所向けに提供している「特集記事掲載サービス」によるものです。取材・撮影・編集はNsPace Careerが担当しました。】 人生と向き合うきっかけ――「在宅ケア」への転機 「せっかくやるなら、社会的に意味のあることをしたいと思いました」 そう語るのは、株式会社シームレスケア代表の宮崎さんです。急性期の総合病院で約5年間勤務されたのち、ご自身の家族の介護を通じて在宅ケアの世界に入りました。 「母が難病になり、自宅でケアを受けるようになったのです。そのとき、訪問看護のありがたさを肌で感じたのがきっかけでした。加えて、私自身、三つ子を育てていた時期でもあり、時間的な柔軟性が必要でした」 訪問看護の現場で経験を積み重ねていく中で、次第に「もっと栄養面まで踏み込んだ支援がしたい」と考えるようになりました。そこで、病院勤務時代の仲間である管理栄養士に声をかけ、北海道から転居してもらい、共に2018年に「シームレスケア訪問看護ステーション」を立ち上げました。 設立当初は、事業の方向性や現場での運営体制も手探りの状態でした。制度も整っていない中での立ち上げでしたが、仲間との対話や利用者さまとの信頼関係の積み重ねにより、少しずつ地域に根ざしたステーションとして成長していきました。 「切れ目のないケアを届けたい」という理念は、今もなお組織の核となっています。医療・介護・生活支援が途切れることなく繋がること。それが、利用者さまの安心感や生活の質の向上に直結すると信じているからです。 シームレスケアの歩みには、「誠実さ」が常に根底に流れています。宮崎さん自身、「人として誠実であること」が、すべての行動や判断の原点だと語ります。 「うちの仲間たちは、誰かのために動ける人ばかりです。利用者さまに対してだけでなく、職員同士に対しても、互いに思いやりを持って接しています。そうした誠実な姿勢が、組織としての信頼につながっているのだと思います」 この信念は、単に理念として掲げるだけでなく、日々の実践の中で自然と表れています。困っているスタッフがいれば手を差し伸べ、困難なケースに直面してもチームで話し合いながら乗り越えていく――そんな姿勢が、職場全体に息づいているのです。 その積み重ねが、地域からの信頼にもつながり、今では多くのケアマネジャーや医療機関からも頼りにされる存在となっています。事業所としての規模が大きくなる中でも、「目の前の一人に誠実に向き合う」という姿勢を忘れずに、地域に根ざしたケアを続けています。 働きやすさを支える柔軟な制度と人のあたたかさ 看護部主任の梶さんは、神奈川県で急性期病院やクリニックに勤務された後、転居をきっかけに訪問看護の道を選ばれました。 「直接ケアに関わり、アセスメントの力をもっと磨きたい。訪問看護って、子育てと両立しやすいと聞いたのです。ちょうど新しい環境を探していたので、『やってみよう』と思いました」 最初は未経験で不安もありましたが、「紹介会社の方から“ここ、人がとてもいいよ”と勧められて。それが後押しになりました」と話していました。 実際に入職してみると、その言葉通りだったそうです。子育て中のスタッフが多く、病児保育を兼ねたこどもとの同伴出勤を許可するサポートもあり、安心して働けると感じたそうです。 「子どもが熱を出したときでも、“お互いさま”の精神で理解してくれる環境があるのです。それって、本当にありがたいことだと思います」 子育てしているスタッフがいるからこそ、お互いに信頼して支えながら仕事ができることは、キャリアプランが途切れないために重要な要素です。 同行訪問や段階的なオンコール指導により、無理なくステップを踏むことができます。 「最初から一人で行ってと言われていたら、絶対に無理でした。でも、先輩が同行してくれたり、少しずつ任せてくれたりしたので、不安なく始めることができました」 訪問看護が未経験だった梶さんも、安心してキャリアを積むことができたようです。 制度面も充実しており、子どもの同伴出勤、1時間単位の有給など、スタッフの生活を支える工夫が随所に見られます。また、定期的な面談を通じて、キャリアやライフスタイルに合った働き方を共に考える体制も整えられています。 「自分らしく、そして安心して働ける場所です」 明るくはきはきとお話しされる梶さん。 職種の垣根を越えた連携が生む“シームレスな支援” シームレスケアでは、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士など、幅広い専門職が連携し、利用者さまを多角的に支えています。この連携の要は、専門性を尊重し合い、対等な立場で意見を交わす風土にあります。 「腰痛がある方に、“どうすれば負担なく介助できるか”をセラピストに相談できるのです。足の置き方ひとつで、本当に変わるのですよ」 このような現場のやりとりは日常的に行われています。実際に、清拭しかできなかった方がシャワー浴を希望された際にも、リハビリ職と相談しながら動線や移乗方法を見直すことで、安心・安全に希望を実現させたというエピソードもありました。 また、リハ職が看護師の動作を観察しながら「その介助方法、腰に負担がかかりませんか?」とフィードバックを行うこともあれば、逆に看護師が「この方の体調面からすると、今日の訓練はこう調整したほうが良いかもしれません」と助言することもあります。 「どこに足を置けば腰への負担が減るか」「この体位での介助は安心か」といった現場での細やかな工夫は、表には出にくいながらも、利用者さまの生活の質を大きく左右する重要な要素です。 こうした“気軽に相談できる関係性”は、日々の積み重ねによって築かれています。「なるべくみんなでランチをしたり、対面で会ったりする時間を大切にしています。顔を合わせると、信頼感が育まれるのですよね」 日常的にコミュニケーションを取ることで、単なる情報共有を超えた「相互理解」が生まれ、それが連携の質を一層高めています。チームの中で、誰かがひとりで抱え込むことなく、「困ったらすぐ相談できる」関係性が、職種を問わず築かれているのです。 そして、この“シームレス”な関係性は、単に職務を円滑にするだけでなく、ケアの質そのものを底上げしています。利用者さまの「その人らしさ」を引き出すためには、身体的なケアだけでなく、心理的な安心感や信頼関係の構築が欠かせません。 シームレスケアでは、職種の違いを超えて“ひとつのチーム”として、常に「この人にとって、いま何が最善か」をともに考え続けています。このような文化が、“切れ目のない支援”の根幹となっているのです。 地域に根ざす「誠実な会社」であり続けるために 宮崎さんが掲げる目標の一つは、「地域で最も誠実な会社」であることです。 「地域の皆さまにとって、安心して頼れる存在でありたいです。そして職員にとっても、“ここで働けて良かった”と思える職場を目指しています」 その思いの背景には、ご自身の在宅介護経験を通して実感した、地域に根差した包括的な支援体制の重要性があります。訪問看護の現場では、看護だけで解決できない課題も多く存在し、そのたびに「チームでどう補い合えるか」が問われます。 そのため、宮崎さんは今後のチャレンジとして、地域に診療所を開設し、訪問看護・訪問リハビリ・居宅介護支援といった多職種サービスを一体化させる構想を描いています。 「在宅医療って、診療、看護、リハビリが一体となってはじめて機能するのですよね。それを地域の中で完結できるようにしたいのです」 このような地域連携の強化は、利用者さまの安心・安全な暮らしを支える基盤となり、同時に、働くスタッフにとっても専門性を発揮しやすい環境につながります。 また、会社としての持続的な成長にも目を向けています。事業を安定的に発展させることにより、職員への給与や教育面での還元を進め、モチベーションや働きがいを高めていくことを目指しています。 「職員一人ひとりの“やってみたい”という想いを大切にしています。そのチャレンジが、結果的に地域への貢献にもつながる。そんな循環を大切にしています」 こうした理念のもと、現場では日々「自分ごと」として物事に向き合う姿勢が根づいています。小さな気づきを見逃さず、丁寧に形にしていく。その積み重ねが、地域社会の中で確かな信頼となって花開いているのです。 「安心して頼れる存在でありたい」と地域全体にも目を向けられている宮崎さん。 これからの仲間へ――挑戦と成長を支える土壌 シームレスケアでは、未経験から訪問看護に飛び込むスタッフも多く、支援体制がしっかり整えられています。同行訪問を重ね、段階的にオンコールを持ちます。緊急訪問の際は先輩とペアで行うなど、安心してスキルを積み重ねていける環境です。訪問看護が未経験の場合、「一人で訪問するのが心配」と不安に感じる方も少なくありません。シームレスケア訪問看護ステーションでは、少しずつ成功体験を得ながら、チャレンジしていけるような支援を用意しています。 「最初から一人でやってと言われていたら、不安でいっぱいだったと思います。でも、先輩がずっとフォローしてくれて、本当にありがたかったです」 また、勉強会や外部研修も無理のない頻度で行われており、日々の業務を圧迫しないような工夫もなされています。加えて、ライフワークバランスを支援する制度として、育休復帰時の面談やコーチング支援なども充実しています。 「最初に産休を取ったスタッフがいたとき、制度がまだ整っていなかったのです。でもそのときに“ライフワークバランスサポーター”という新たな役割が生まれて、一人ひとりの働き方をより丁寧に考えるようになりました」 このように、スタッフの声を起点に制度がつくられていく文化が、組織の中に根づいています。より良い組織を作っていく中で、オープンな風土があることが働きやすさや、看護ケアの向上にもつながっています。 「ここでは、“看護師である私”と“母親である私”、どちらも大切にできるのです」 梶さんの言葉は、多くのスタッフの想いを代弁しているように感じられます。 インタビュアーより 取材を通して何度も耳にしたのは、「人がいい」という言葉でした。それは、単なる仲の良さではなく、専門職同士がお互いの強みを活かし合い、信頼でつながっている証だと感じました。 「切れ目のない支援」とは、制度や技術だけではなく、一人ひとりが目の前の人に丁寧に向き合い続ける“姿勢”から生まれるものなのかもしれません。 また、特に印象に残ったのは、制度づくりにおける柔軟さとスピード感でした。初めての産休取得者が出た際に「ライフワークバランスサポーター」という新たな仕組みを立ち上げたという話は、まさに現場の声が制度を形づくる好例だと感じました。 一人ひとりの「こうして働きたい」という思いが、決して置き去りにされない。そうした空気の中でスタッフがのびのびと働いている姿は、まさに「人を大切にする組織」そのものでした。 看護の専門性と人間性、そのどちらも大切にしながら成長していける場所。そんな職場で働くことの意義と希望を、今回の取材で強く実感しました。 誰一人置き去りにしない、そんな想いが、この場所には確かに息づいていました。 事業所概要 株式会社シームレスケアシームレスケア訪問看護ステーション ■稲毛ステーション住所:千葉市稲毛区穴川4-13-28-201 ■検見川ステーション住所:千葉市花見川区検見川町3-326-1 平助ビル201 ■習志野ステーション住所:習志野市鷺沼台3-12-18-101 開設日:2018年8月1日 訪問エリア:千葉市稲毛区、美浜区、花見川区、習志野市が主なエリア 経営理念 ミッション○在宅医療・介護が変わる流れをつくる○在宅療養者様が、体験したことのない感動と安心を提供する ビジョン○チームによる集合知により、最良で最適なサービスを提供する○利益追求とともに、顧客・職員の幸せを追求する○地域でNo.1の誠実な在宅医療チームを目指す 事業所紹介ページhttps://ns-pace-career.com/facilities/14546 この記事を読んで「訪問看護、自分にもできるかも」と感じた方へ 「もっと患者さんと関わりたい」「自分らしい看護を実現したい」そう感じている看護師の方は少なくありません。 NsPace Careerナビでは、訪問看護の現場で働く看護師のリアルな声を多数掲載しています。 精神科訪問看護で活躍する看護師の声 未経験から訪問看護を始めた体験談 育児と両立しながら働く現場の実例 各ステーションの教育体制・チーム文化 さらに、キャリアの悩みやモチベーション維持のコツなど看護師として働くうえで役立つ記事も充実。 「自分に合う訪問看護の職場って、どんなところだろう?」そのヒントが、きっと見つかります。 ▶ 他の訪問看護師インタビューを読むhttps://ns-pace-career.com/media/ 記事提供:NsPace Careerナビ編集部 NsPace Career

ケアマネと管理者、二つの視点で紡ぐ訪問看護〜衣病訪問看護ステーション 安田さんにインタビュー〜
ケアマネと管理者、二つの視点で紡ぐ訪問看護〜衣病訪問看護ステーション 安田さんにインタビュー〜
インタビュー
2026年3月10日
2026年3月10日

ケアマネと管理者、二つの視点で紡ぐ訪問看護〜衣病訪問看護ステーション 安田さんにインタビュー〜

ケアマネージャーと管理者の二つの役割を担いながら、日々利用者に寄り添う安田真琴さん。子育ても両立しつつ、仲間と「楽しい看護」をつくりあげてきました。その背景には、安田さん自身の経験から生まれた視点と、仲間と築いたチームの力がありました。 【※本記事はNsPace Career が事業所向けに提供している「特集記事掲載サービス」によるものです。取材・撮影・編集はNsPace Career が担当しました。】 安田さんのキャリアと訪問看護との出会い 安田さんが看護師として歩み始めたのは、内科外来のクリニックでした。その後、外科と整形外科の混合病棟、内科病棟、外来や手術室など、さまざまな領域での経験を重ねてこられました。 そんな折、ある患者さんとの出会いが安田さんの心に深く残ります。 「病院では食事がなかなか食べられず、主治医と一緒にさまざまな工夫をしていた患者さんがいました。その方が『妻と一緒にいたい』と退院され、訪問看護で様子を見に行ったら…驚くほどモリモリ食べていたんです。環境がこんなにも人に影響するのかと、強く感じた瞬間でした」 「あの笑顔がまた見たい」と、訪問看護師への想いが強まった安田さん。 訪問看護を始めるにあたり「ケアマネージャーの資格が役に立つ」とアドバイスを受けた安田さんは、在宅分野への移動を見据えて資格を取得。こうして訪問看護の世界に足を踏み入れました。 爽やかな笑顔で訪問にむかう安田さん 子育てと両立しながら、変化する働き方 訪問看護師として常勤勤務を始めて間もなく第一子を出産。夜間オンコールが難しいため非常勤へ切り替えました。 「ありがたかったのは、非常勤でも産休・育休が取れたことです。子育て中も無理せず働き続けられる環境でした」 第二子出産後はしばらくケアマネ業務に専念。ライフステージに応じて柔軟に働き方を選べる職場の風土が、安田さんを長く支え続けています。 そしてコロナ禍による看護師不足をきっかけに、再び訪問看護の現場へ。現場への想いとこれまでの経験を買われ、管理者の役割を任されることになりました。 「訪問看護ステーションだけの視点ではなく、“誰に相談すれば利用者さんにとって最適か”を常に考えられるようになりました」 ケアマネージャーとして培った俯瞰力が、管理者としての判断や多職種連携にも大きく活きています。 コロナ禍で見えた、チームで守る連携体制 安田さんが管理者として働き始めたころは、コロナ禍による人手不足や利用者さんへのサービス提供の制限が続く厳しい時期でした。 「コロナ禍は本当に大変だったんですけど、その時からいてくれるメンバーも新しく入ったメンバーも、みんな頑張ってくれました」 こうした経験が、チームとしての結束力をあげているそうです。また、安田さんはステーションで働くスタッフの良さをこう語ります。 「うちは“利用者さんのために納得できるまで”を大切にしています。便秘ひとつでも根本から考えようとするスタッフばかりです」 毎朝のカンファレンスで疑問や不安を共有し、議論が長引けば夕方に再度集まることもあります。 「利用者さんのことを考えて、“あれがいいんじゃない”“いや、こっちの方がいいんじゃない”と熱く話し合える方が看護の質を高める上でおもしろいんじゃないかなと思うんで」と、スタッフの成長やモチベーションの高さを温かく見守る安田さんの姿があります。 また、訪問中に感じたことや悩みも、素直に吐き出せる風通しの良さもあります。 「愚痴でも感想でも、何でも話せる環境だからこそ、長く続けられると思います」 辛いこともある中で、安田さんは「楽しい看護ができる職場にしていきたい」と話します。 利用者さんについて熱心に話し合うステーションの皆さん 新人看護師への教育とキャリアアップ体制 新しく加わった看護師には、まず1週間の同行見学期間を設け、その後も3回程度の同行訪問で徐々に慣れてもらいます。独り立ち後もプリセプターが付き、成長に合わせて支援します。 「訪問中に少しでも不安があれば、すぐ電話してほしいと伝えています」 実際に訪問の際に慌てて連絡してきたスタッフにも、丁寧に対応しているそうです。 「例えば、訪問中に『この排泄量は利用者さんにとって問題ないことなのかな』と不安になったスタッフが、電話をかけてきたことがありました。利用者さんに長く訪問している先輩看護師であれば、誰でも答えられるようにしています。」 法人全体としても、看護師の成長支援に力を入れており、クリニカルラダーを導入し、段階的にスキルアップを図る体制が整っています。 「認定看護師や専門看護師、特定行為研修に関しても、学費の補助制度があります。学びたい気持ちを応援してくれる仕組みがあるのも、心強いですよね」 利用者・地域とつながる日常の積み重ね 衣病訪問看護ステーションでは、利用者さんのために多職種を巻き込んだカンファレンスが日常的に行われています。 「必要があれば、病院や訪問診療の先生、ケアマネにも声をかけて、カンファレンスで丁寧に整えていくんです」 こうした場を実現できるのは、多職種それぞれが「利用者さんのためなら必要な時間」と理解しているからこそ。 「衣笠病院の先生も、ケアマネージャーも、訪問診療の先生も、みんな“巻き込まれてくれる”ので、本当にありがたい環境だなと思っています」 また、地域とのつながりづくりにも積極的です。町内会を巻き込んだ会議や地域連携会議への参加、横須賀の拠点ブロックで行われる看護師同士のグループ研修など、顔の見える関係を大切にしています。 「“ひと”が相手の仕事だからこそ、関係性を大事に。職場の内外を問わず、自然につながり続けていけたらと思っています」 こうした姿勢が、利用者や地域の人々に「ここに相談すれば安心」と思ってもらえる信頼の土台となっています。 インタビュアーより 穏やかな語り口で、時に笑いも交えてお話しくださった安田さん。利用者にもスタッフにも誠実に向き合い、笑顔で働ける職場を目指す姿が印象的でした。ケアマネージャーと管理者、二つの視点を持つ安田さんだからこそ描ける訪問看護の形が、ここにはあります。 事業所概要 事業所名:衣病訪問看護ステーション 開設:1996年10月1日 法人名:社会福祉法人日本医療伝道会(衣笠病院グループ) 所在地:神奈川県横須賀市小矢部2-23-1(衣笠病院内) 管理者:安田 真琴 最寄駅:JR横須賀線「衣笠駅」徒歩5分 電話:046-852-1471 FAX:046-852-1485 メール:health@kinugasa.or.jp / soumuka@kinugasa.or.jp Webサイト:http://www.kinugasa.or.jp 介護保険事業所番号:1461990043 事業所紹介ページ:https://ns-pace-career.com/facilities/16744  ステーション紹介:地域密着の衣笠病院グループが運営する訪問看護ステーション。自宅での療養生活を支えるため、ご利用者のQOLを大切にした看護を提供。教育体制や福利厚生も充実し、子育て中の方や訪問看護未経験者も安心して働ける環境です。 この記事を読んで「訪問看護、自分にもできるかも」と感じた方へ 「もっと患者さんと関わりたい」「自分らしい看護を実現したい」そう感じている看護師の方は少なくありません。 NsPace Careerナビでは、訪問看護の現場で働く看護師のリアルな声を多数掲載しています。 精神科訪問看護で活躍する看護師の声 未経験から訪問看護を始めた体験談 育児と両立しながら働く現場の実例 各ステーションの教育体制・チーム文化 さらに、キャリアの悩みやモチベーション維持のコツなど看護師として働くうえで役立つ記事も充実。 「自分に合う訪問看護の職場って、どんなところだろう?」そのヒントが、きっと見つかります。 ▶ 他の訪問看護師インタビューを読むhttps://ns-pace-career.com/media/ 記事提供:NsPace Careerナビ編集部

利用者の日常と希望を支える看護を~スタッフの働きやすさを追求~訪問看護ステーションちるな 石高さんにインタビュー
利用者の日常と希望を支える看護を~スタッフの働きやすさを追求~訪問看護ステーションちるな 石高さんにインタビュー
インタビュー
2026年2月10日
2026年2月10日

利用者の日常と希望を支える看護を~スタッフの働きやすさを追求~訪問看護ステーションちるな 石高さんにインタビュー

訪問看護ステーションちるなの管理者である石高様は、多忙な医療現場や、患者様の「家に帰りたい」という願いに触れるなかで、予防医療と看護師の働き方改革の必要性を痛感されたそうです。そんな石高様に、訪問看護ステーション設立のきっかけや思い、そして今後のビジョンについてうかがいました。 【※本記事はNsPace Career が事業所向けに提供している「特集記事掲載サービス」によるものです。取材・撮影・編集はNsPace Careerが担当しました。】 自身のやりたい看護を追い求めて。訪問看護ステーション設立への道のり 私は2010年に看護師の免許を取得し、地元である北海道の急性期病院に勤めました。その後、救急医療を学ぶために上京し、大学病院の救命センターやICUで働き、経験を積みました。緩和ケアや退院支援を行う病棟に異動した際には、患者さんとの関わりを大切にした看護ができるようになりました。 しかし、ICUなどクリティカル領域へ再び異動することになり、自分のやりたい看護とのギャップに悩みを感じるようになりました。 そのなかで、新人看護師の離職の多さや、医療者と一般の人々との知識の格差といった看護業界の課題に気づき「なんとかできないか」と考えるようになりました。 ちょうどコロナ禍の時期でもあり、個人事業主としてSNSやYouTubeで看護業界の課題に関する情報発信を開始。 1年ほど活動を続けるなかで、訪問看護に出会いました。「入院や急変の前段階で関わり、適切なアセスメントを行うことで不必要な入院が減り、結果として患者さんも医療者も救われる社会を作れるのではないか?」という思いが芽生え、訪問看護事業を通して看護業界の課題解決ができるのではないかと思いました。 訪問看護の経験はなかったものの、北海道の知人のステーションで研修を受け、その後「訪問看護ステーションちるな」を設立しました。SNSでの発信を通じて、思いに共感してくれた看護師さんたちに声をかけ、初期メンバーとして集まってくれたんです。 「『看護師が働きやすい場所』を作ることを目指している」とお話しされる石高さん 働きがいを追求するために。評価制度や柔軟に働ける体制を整える 現在、ステーションは設立から4年目を迎え、おかげさまで経営も順調です。私が目指しているのは『看護師が働きやすい場所』を作ることなので、スタッフと対話を重ね、どんな環境なら安心して働けるかを一緒に考えながら制度を整えています。 今年度から、スタッフの声を取り入れた新しい評価制度を導入しました。『グッジョブカード』は利用者さんからの声やちるな文化に沿った行動をスタッフ同士で評価し合い、『グッドケア』は良いケアの事例を共有し、ポイント制で賞与に反映する仕組みです。日々の良い実践を可視化し、正しく評価されることでモチベーション向上につながっているとの声があがっています。 また、柔軟で公平な働き方も導入しており、小さなお子さんがいるスタッフには、月に8時間までの急な休みをカウントしない制度を設けています。また、独身のスタッフにはフレックス制度を導入し、お互いが助け合える仕組みを試行錯誤しています。オンコール対応のためのタクシー利用も認めており、スタッフが長く楽しく働いてくれるような環境を、少しずつ整えています。 訪問看護未経験も安心のサポート体制 在籍する看護師の多くは病院勤務の経験者であり、訪問看護は未経験というケースがほとんどです。急変を未然に防ぎ、異常の早期発見を行うためには病院での経験や知識が必要不可欠なため、訪問看護が未経験でも病院経験者を積極的に採用しています。朝のカンファレンスで全員が集まり、看護計画やケア内容を話し合う時間を設けています。日常の情報共有にはチャットツールを使い、困ったことがあればすぐに相談できる体制を整えているので「リモート同行」しているような感覚でサポートし合っています。オンコール対応に不安を感じているスタッフもいるので、私自身も連絡がつくようにしていますよ。 訪問看護では、病院とは異なり医師のカルテを見ることができないのが一般的ですが、弊社では、連携しているクリニックの医師のカルテや検査結果、指示書をリアルタイムに確認できる電子カルテシステムを導入しています。これにより、医療者間の連携がスムーズになり、質の高いアセスメントやケアが可能になり、業務効率化にも繋がっています。 教育面では、外部研修の費用は会社が負担。社内ではリーダー層や管理者層が勉強会や症例検討会を企画・実施し、その活動も評価制度に反映されています。リハビリスタッフからは、看護師向けにリハビリの知識や認知機能に合わせた脳トレを共有してもらっているんですよ。 「訪問看護ステーションちるな」のスタッフさん。とても明るい雰囲気です。 訪問看護で実現する“予防的ケア”と地域との連携 私にとって訪問看護の魅力は、「利用者さんに何かが起こる前に関われる」ことです。救急搬送される前に自宅での生活を支え、異常に気付き、適切なタイミングで介入することで、不必要な入院や急変を防ぐ。この視点は、救命のひとつだと考えています。 また、入院中の患者さんが「お家に帰りたい」という最大の希望を叶えるサポートができるのは、本当に素敵なことです。 今後は、医師やケアマネジャーとの連携を強化し、地域全体で在宅医療の理解を深めるため、定期的な勉強会を開催予定です。特に「この状態ではお家は無理」と判断されがちなケースでも、実は在宅で過ごせる利用者さんが多くいます。そうした誤解を解消し、より多くの方の「お家に帰りたい」という希望を叶えるとともに、急性期病院の負担軽減に繋がる活動をしていきたいと考えています。 訪問看護師の新しい働き方への挑戦 そして、株式会社chillnaとしての長期的なビジョンとしては、看護師の新しい働き方を作ることです。現場のみではなく、リモートワークと現場を組み合わせた「ハイブリッド型」の働き方を構築したいと考えています。たとえば、書類作成を含めた事務作業をリモートで行うことで、体力的に厳しい時期でも年収を落とさずに働き続けられるような環境を作りたいという思いがあります。これは5年から10年かけて取り組む長期的なプロジェクトですが、必ず実現したい夢です。 スタッフとともに挑戦したい。求職者へのメッセージ スタッフ採用にあたり、まずは私たちのミッションやビジョン、行動指針に共感してくれることを重視しています。現場では不要なルールは作らず、ある程度の自由を尊重したいと思っています。 当ステーションには、病院での働き方に疑問を感じながらも「もっと患者さんのために頑張りたい」と、熱意と向上心を持った素直な看護師が多いのが自慢です。とても風通しが良く、楽しい雰囲気の職場だと感じています。 私の目指す『看護師の働き方を変える』というビジョンや、病院で看てきた患者さんたちの『日常』を支える訪問看護の魅力に共感し「病院ではできなかったことを叶えたい」「一緒に未来を創っていきたい」と思ってくれる方がいれば、ぜひ私たちの仲間になってほしいです。私たちは、訪問看護未経験の方でも安心して働けるよう、教育やフォロー体制を整えています。皆さんと一緒に、この新しい挑戦ができることを楽しみにしています。 インタビュアーより 利用者様の生活を支えることはもちろん、看護師の働きやすさを追求し、さまざまな取り組みをされている石高様。スタッフ全体が利用者様への看護を熱心に考え、エネルギッシュな雰囲気が魅力的なステーション様です。訪問看護に興味のある方、看護師の新しい働き方に挑戦してみたい方は、ぜひお問い合わせください! 事業所概要 訪問看護ステーションちるな 住所:東京都台東区松が谷3-6-8 maison momo 2階  理念・文化:医療者を守り、医療が継続される社会の創造  運営方針:医療者の働き方改革を行い、医療者が笑顔でケアを提供できる環境を整えます。そして、利用者さんが安心して「生活の場」を選択できる世の中を目指します。 事業所紹介ページ: https://ns-pace-career.com/facilities/15599 この記事を読んで「訪問看護、自分にもできるかも」と感じた方へ 「もっと患者さんと関わりたい」「自分らしい看護を実現したい」そう感じている看護師の方は少なくありません。 NsPace Careerナビでは、訪問看護の現場で働く看護師のリアルな声を多数掲載しています。 精神科訪問看護で活躍する看護師の声 未経験から訪問看護を始めた体験談 育児と両立しながら働く現場の実例 各ステーションの教育体制・チーム文化 さらに、キャリアの悩みやモチベーション維持のコツなど看護師として働くうえで役立つ記事も充実。 「自分に合う訪問看護の職場って、どんなところだろう?」そのヒントが、きっと見つかります。 ▶ 他の訪問看護師インタビューを読むhttps://ns-pace-career.com/media/ 記事提供:NsPace Careerナビ編集部

“すぐに動く”を支えるしくみ――待たせないケアと、信頼でつながるチームの力~訪問看護ステーションれんげの花 野老さん・富田さんにインタビュー~
“すぐに動く”を支えるしくみ――待たせないケアと、信頼でつながるチームの力~訪問看護ステーションれんげの花 野老さん・富田さんにインタビュー~
インタビュー
2026年1月27日
2026年1月27日

“すぐに動く”を支えるしくみ――待たせないケアと、信頼でつながるチームの力~訪問看護ステーションれんげの花 野老さん・富田さんにインタビュー~

「すぐに動ける」訪問看護――それは決して一人の行動力だけで成り立つものではありません。 今回お話を伺ったのは、「訪問看護ステーション れんげの花」で日々利用者さんに寄り添う野老さんと、ケアマネジャーとして現場を支える富田さん。職種の垣根を越えて支え合う関係性や、日々のちょっとした声かけの積み重ねが、利用者さんの“いま”を守る力になっているといいます。チームの温かな信頼の中で育まれる、「待たせないケア」の真髄とは――その現場をのぞいてみました。 【※本記事はNsPace Career が事業所向けに提供している「特集記事掲載サービス」によるものです。取材・撮影・編集はNsPace Careerが担当しました。】 「待たせないケア」は、チームでつくる 「基本的に、“何とかする”って思ってます」 インタビューの冒頭、野老さんはそう静かに話してくださいました。訪問看護の現場において、“待たせない”ということは、時に大きな意味を持ちます。急な症状の悪化、ご家族の不安、予期せぬ環境の変化――どれも、「すぐに誰かが動く」ことで救われる瞬間があるからです。 「訪問看護は定期的な訪問がベースですが、“今、ちょっとおかしいかも”って連絡が入ったら、まずは“今から行きます”って動ける体制をとってます」 それを支えているのは、野老さん個人の意志だけではありません。管理者という立場にありながら、日々の訪問を自ら担い、チーム全体の動きを把握しているからこそ、瞬時の判断ができる。そして何より、「それを分かって動いてくれる仲間」がいるからこそ可能なのだといいます。 また、こうした体制を維持するために、日頃からスタッフ間での情報共有やケース検討の場も大切にしているとのこと。日常のちょっとした会話の中にも、「あの方、最近どうですか?」といった気づきや声かけが行き交う現場だそうです。 「何かあったときに動けるのは、日頃の関係性があるから。信頼できる人が周りにいると、自分も安心して判断できますし、相談もしやすいんです」 笑顔でスタッフと話し合うケアマネージャー富田さん。併設している居宅介護支援事業所で一緒に働いている。 気軽に相談できる距離の近さ 野老さんは、訪問看護歴10年であり、たくさんの経験や知識を今まで得てきています。そんな野老さんだからこそ、自分で訪問看護を運営する難しさや喜びを実感しています。 「前の訪問看護ステーションを退職して、少し休もうかなと思っていたんです。でも、家族や知人に“訪問看護、立ち上げてみたら?”と背中を押されて。書類や準備など開設の時は大変でしたが、ステキな仲間とのご縁もあって。楽しく続けてこられました」 自身もプレーヤーとして日々、利用者さんの訪問看護を提供する毎日。忙しさの中で、改めて多職種での連携の良さを感じたと話します。 「今まで、ケアマネージャーさんがそばにいる訪問看護ステーションで働いてきたのですが、最初、れんげの花を立ち上げたときは、居宅介護支援事業所を併設していなくて。その時に“いかにケアマネージャーがいたことがありがたかったか”と痛感したんです。富田さんが来てくれて本当によかった!」 改めて、多職種との距離が近いことで気軽に相談し合える良さを感じたと話す、野老さん。その姿に富田さんも笑顔ではにかんでいました。 背景にあるのは、人と人との信頼関係 チームワークの良さ、少数気鋭だからこそ、日々の人間関係が丁寧に築かれていることが伝わってきます。 「私は、“困ったときの富田さん”って勝手に呼んでるんですけど。本当に、何かあるとすぐに相談できる存在なんです」 野老さんがそう語ると、富田さんもまた、「私は“野老さんが行ってくれるなら安心”って思ってますよ」と笑顔で応じました。 職種が違っても、同じ目的で動ける関係性。それは一朝一夕で築けるものではなく、日々の小さな積み重ねによるものだといいます。 こうした連携のしやすさは、単なる業務効率では語れない「人と人の信頼」によって支えられています。 働く人が支えあえる現場づくり 「相談しやすさって、本当に大事なんですよね」 これは富田さんの言葉です。長年ケアマネとして働いてきた中で、職種間の“壁”を感じる場面もあったといいます。 「昔は、“ここからは医療だから看護師さんに”“これは介護の仕事”って線を引く風潮もありました。でも今は、“とにかく目の前の方のために”という軸で動いてくれる人がいると、本当に働きやすくて」 一方の野老さんも、「スタッフにも同じように、“声をかけやすい”って思ってもらいたい」と日頃から意識しているそうです。 「私は管理者ではありますけど、偉そうにしたいわけじゃなくて。“この人に相談しても大丈夫”って思ってもらえるように、毎日の声かけや雑談も大事にしてます」 さらに、業務以外の会話やちょっとした雑談が、チーム全体の関係性を柔らかくしているのだそうです。例えば朝の申し送りのときや訪問から戻ったタイミングで交わす、「今日はどうだった?」「ちょっと大変だったね」などの何気ない会話。その積み重ねが、「困ったときに助け合える」空気を育んでいるのです。 野老さんは、今後地域での活動にも目を向けています。 「精神疾患を抱える人が過ごせる居場所づくりにもチャレンジしていきたいです。今は、保険外の自費訪問看護のサービスも力を入れていて。受診同行や、日中にご家族がお仕事で見守りの支援とか、傾聴相談とか!地域で待っている人にいち早くケアをお届けしたい気持ちは持ちながら、広い視点で活動していきたいです」 スタッフを信頼し、のびのびと支え合いながら育っていくことができる、訪問看護ステーション れんげの花。 まさに、れんげの花の花言葉「あなたがいれば、私の苦痛は和らぐ」のように優しいあたたかな場所です。 てきぱきと業務をこなし、頼れる存在の野老さん。 インタビュアーより “すぐに動ける訪問看護”を実現するには、ただの行動力だけでは成り立ちません。そこには「信頼して任せられる関係性」「相談できる職場の安心感」「柔軟に判断する視点」といった、数えきれないほどの“人の力”が積み重なっています。 今回のインタビューを通して、「人に寄り添うケア」は、「人に支えられながら働ける職場」から生まれるのだと深く感じました。 “何とかする”という想いを、チームみんなで実現できる場所。そんな現場で働く喜びを、少しでも感じていただけたら嬉しいです。 事業所紹介 訪問看護ステーション れんげの花 住所:〒264-0032 千葉県千葉市若葉区みつわ台4-16-2斎木事務所1階102号 訪問エリア:千葉市若葉区、稲毛区、中央区、美浜区、花見川区 スタッフ:20~50代と幅広い。男性看護師も大歓迎。 特徴:タブレット貸与、ユニフォームや靴は会社にて補助している。シフト制、直行直帰も可能。保険外の自費訪問看護のサービスも提供している。 事業所紹介ページ:https://ns-pace-career.com/facilities/14664 この記事を読んで「訪問看護、自分にもできるかも」と感じた方へ 「もっと患者さんと関わりたい」「自分らしい看護を実現したい」そう感じている看護師の方は少なくありません。 NsPace Careerナビでは、訪問看護の現場で働く看護師のリアルな声を多数掲載しています。 精神科訪問看護で活躍する看護師の声 未経験から訪問看護を始めた体験談 育児と両立しながら働く現場の実例 各ステーションの教育体制・チーム文化 さらに、キャリアの悩みやモチベーション維持のコツなど看護師として働くうえで役立つ記事も充実。 「自分に合う訪問看護の職場って、どんなところだろう?」そのヒントが、きっと見つかります。 ▶ 他の訪問看護師インタビューを読むhttps://ns-pace-career.com/media/ 記事提供:NsPace Careerナビ編集部

誰かの人生に、まっすぐ寄り添いたい──病院から在宅へ転じた看護師の決断~YC町田訪問看護リハビリステーション・吉満さんにインタビュー~
誰かの人生に、まっすぐ寄り添いたい──病院から在宅へ転じた看護師の決断~YC町田訪問看護リハビリステーション・吉満さんにインタビュー~
インタビュー
2026年1月6日
2026年1月6日

誰かの人生に、まっすぐ寄り添いたい──病院から在宅へ転じた看護師の決断~YC町田訪問看護リハビリステーション・吉満さんにインタビュー~

「もっと一人ひとりに寄り添える看護がしたい」 急性期の現場で多くを学び、充実した日々を送っていた吉満さんが、ふと抱いた思いでした。その気づきがきっかけとなり、選んだのは“生活に深く関わる”訪問看護というフィールド。利用者さんとの関係性を丁寧に築きながら、自分らしい看護の形を見つけていったそうです。 今回は、吉満さんのこれまでの歩みと、訪問看護に込める想いを伺いました。 【※本記事はNsPace Careerが事業所向けに提供している「特集記事掲載サービス」によるものです。取材・撮影・編集はNsPace Careerが担当しました。】 准看から正看へ、そして訪問看護の世界へ──キャリアのスタート 吉満さんの看護師としての道は、准看護師としての一歩から始まりました。最初に勤務したのは慢性期病院で、丁寧なケアをじっくりと学ぶ日々。その中で「もっと広い視野で、さらに専門性を高めたい」と正看護師の資格を取得し、20代で急性期病院に転職されました。 「もっと知識や技術を学びたいと思ったんです。急性期の現場は目まぐるしくて、やりがいもありました。循環器が好きで長く勤めていましたが、その後ICUに異動して…ちょうど友人に起業する誘いを受けたんです。病院の外にも関心がありました」 病棟では一日に何人もの患者さんと関わる忙しさの中で、笑顔や感謝の言葉に励まされながらも、病院外で過ごす患者さんにも気持ちが向いていったと話されます。 「友人との起業は、結局流れてしまって。でも訪問看護はやってみたい気持ちがあったので、飛び込んでみたんです。ただ、その訪問看護ステーションの管理者さんがあまり誠実ではない方で…。信頼関係が築けず、離れました」 結婚を機に転居先の横浜で新たな働き方を探していた吉満さん。転職した訪問看護ステーションでは、管理者さんの言動や態度を信頼できず、離れる決心をされたそうです。 「約束が守られないことが続いて、“誰と働くか”って本当に大切だと感じました」 その後は自ら情報を集め、いくつかの訪問看護ステーションを比較。面接での雰囲気や、スタッフ同士の温かいやりとりに惹かれて選んだのが、YC町田訪問看護リハビリステーションでした。 訪問の現場で見つけた「看護師としての軸」 2024年1月、YC町田訪問看護リハビリステーションに管理者として入職。町田市内でも集合住宅が多く、独居の利用者さんが多い地域です。インフラとしても訪問看護がキーになっており、内服管理と状態観察をきっかけに訪問看護を利用し始める利用者さんもいるとか。 「“看護”だけで終わらない、“生きる”を支える仕事なんです」 病棟時代には味わえなかった“密度の濃い関わり”や“信頼関係の積み重ね”に、大きなやりがいを感じているといいます。 「循環器病棟が長かったので、緊急対応は自分の強みだと思っています。たとえば、頻脈が出ている利用者さんに対して、その人の生活背景や考えも考慮した上で、どうしていくか一緒に考えたり、相談したりしますね。ご家族やご本人の意向が大事だと思っていて」 今までのキャリアを存分に活かしながら、新しいスタートを切った吉満さん。訪問看護の世界は、思ったよりもすぐになじめたと話します。 「病院だと先生のレスポンスが早く、すぐに動ける良さがあったんですが、訪問看護だと病院ほど早く解決できないこともあって。あとは社会保険の制度の限界とか。でも、今まで多職種と連携して働いてきた経験もあるし、バランサーとしての役割もあったから、意外とギャップは大きくなかったですね」 笑顔でそう話す吉満さんは、まるで訪問看護師になるべくして、これまでの道のりを歩んできたかのようです。 親しみやすい雰囲気の吉満さん。地域から様々な利用者さんの依頼を受けるそうです。 チームで支える“ひとりじゃない訪問看護” 訪問看護は「一人で完結する仕事」と思われがちですが、YC町田訪問看護リハビリステーションでは、“ちいさな相談”をする機会があり、チームワークを大切にしています。 「週に一回はオンラインも含めて、みんなで顔を合わせる時間を作っています。やっぱり話し合うことは重要だし。それにスタッフと僕との1on1では、今思っていることや困っていること、いろんなことを吸い上げる時間にしています」 同行訪問や定期的なカンファレンス、日々の何気ないやりとりを通して、吉満さんは“ひとりじゃない看護”を実感しています。 「困っている人がいたら、自然にサポートする文化が根付いています。そんなチームだから、安心して利用者さんと向き合えるんだと思います」 未来への展望── 一歩踏み出す人の背中を押せる存在に 吉満さんが大切にしているのは、目の前の一人ひとりと丁寧に向き合う姿勢です。 「訪問看護では、より利用者さんやご家族が“選択する”ということを大切にしています。メニュー表みたいに『これと、これがありますがどうしていきましょうか?』という感じで、その人が自由に選択できることがポイントだなって。」 スタッフにも管理者として、「利用者さんを主に考える」という姿勢を伝えているといいます。 「極論、その人が望んだことならいいと思うんです。もし、ご自宅で亡くなる予定だったとしても土壇場でやっぱり病院に行きたいってなったとしても、それはそれでいいと思うんです。結局は正解なんてないんですから」 まっすぐな目で話してくださった吉満さん。今後は、地域でほかの訪問看護ステーションと連携を強化していきたいと考えているそう。そんな吉満さんに、今後どんな看護師さんと一緒に働いていきたいか伺ってみました。 「そうですね…。仕事はあとで覚えていけるので、それよりもお互いに尊敬の念が消えない関係っていうか、そういう人間関係を築いていける人がいいですね。僕は必ず人は成長すると思っているので、何回でも同行訪問してじっくりやっていけばいいと思います。自分の成長の立ち位置を確認しながらチャレンジしていけるといいかな」 技術や知識以上に“人間性”を重視した考えは、吉満さんだからこそ。 「子育て世代のスタッフも多いので、お子さんのお迎えに合わせて非常勤として働いている方もいます。基本的には9時から17時の勤務なので、プライベートや家庭を大事にしながら働けますよ」 また、YC町田訪問看護ステーションには、働き続けるための土台もあります。勤務時間が原則7時間なのは、子育て世代にとっては非常にありがたい勤務です。土日祝日はお休みで、もし訪問が必要な利用者さんがいる場合は半日勤務して、別の日で代休を取るようにしているそうです。移動時間もできるだけ負担にならないように、ルートを設定しています。 働く人が、働き続けることができるような仕組みを考え、実践しているのです。 スタッフは、日頃の会話から利用者さんの情報共有を大切にしています。 インタビュアーより 吉満さんのお話からは、「人との信頼関係」に対するまっすぐな想いと、訪問看護にじっくりと向きあう姿勢が丁寧に伝わってきました。訪問看護は、看護師としての原点に立ち戻れる場所なのかもしれません。もし今、転職や働き方に悩んでいる方がいたら──吉満さんの言葉が、きっと優しく背中を押してくれるはずです。 事業所概要 事業所名:YC町田訪問看護リハビリステーション 所在地:東京都町田市木曽東3-8-22 3階 アクセス:JR横浜線「町田駅」よりバス10分/「古淵駅」より徒歩15分 電話番号:042-709-3952 スタッフ数:看護師8名、理学療法士3名、作業療法士1名、事務1名 特徴:団地・集合住宅が多く、独居の利用者さんが中心。地域に密着した丁寧な訪問看護を実践している。 運営方針:私たちは、東京都町田市木曽東を拠点に地域に根ざした訪問看護リハビリサービスを提供しています。 私たち看護師・理学療法士・作業療法士は、医師・ケアマネージャーの皆様を始め様々な方々と連携し、24時間・365日、ご利用者様とそのご家族様に安心して日常生活を送って頂けるお手伝いをいたします。在宅医療を支えていらっしゃる皆様と共に地域で最も頼りがいのある事業所となるべく精進して参ります。 一人ひとりのニーズや生活スタイルを大切にし、日常の看護から専門リハビリまで、幅広いサービスをご提供します。温かい環境の中で、皆様と共に過ごしやすい生活を築いていきましょう。 事業所紹介ページ:https://ns-pace-career.com/facilities/16699 この記事を読んで「訪問看護、自分にもできるかも」と感じた方へ 「もっと患者さんと関わりたい」「自分らしい看護を実現したい」そう感じている看護師の方は少なくありません。 NsPace Careerナビでは、訪問看護の現場で働く看護師のリアルな声を多数掲載しています。 精神科訪問看護で活躍する看護師の声 未経験から訪問看護を始めた体験談 育児と両立しながら働く現場の実例 各ステーションの教育体制・チーム文化 さらに、キャリアの悩みやモチベーション維持のコツなど看護師として働くうえで役立つ記事も充実。 「自分に合う訪問看護の職場って、どんなところだろう?」そのヒントが、きっと見つかります。 ▶ 他の訪問看護師インタビューを読むhttps://ns-pace-career.com/media/ 記事提供:NsPace Careerナビ編集部

訪問が不安でも、大丈夫。寄り添う管理者と一緒に成長できる場所~訪問看護ステーションスイッチオン三田 坂倉さんにインタビュー~
訪問が不安でも、大丈夫。寄り添う管理者と一緒に成長できる場所~訪問看護ステーションスイッチオン三田 坂倉さんにインタビュー~
インタビュー
2025年12月16日
2025年12月16日

訪問が不安でも、大丈夫。寄り添う管理者と一緒に成長できる場所~訪問看護ステーションスイッチオン三田 坂倉さんにインタビュー~

「不安でも、大丈夫」。病院勤務から訪問看護へ転身し、訪問看護ステーションスイッチオン三田の立ち上げ期から管理者として成長してきた坂倉さん。利用者・家族・スタッフに寄り添いながら築いてきた信頼とチームワーク、その歩みを丁寧にたどります。訪問看護を始めたい方の背中をそっと押す一篇です。 【※本記事はNsPace Careerが事業所向けに提供している「特集記事掲載サービス」によるものです。取材・撮影・編集はNsPace Careerが担当しました。】 「訪問看護って、すごい」──1日の研修で見えた衝撃 看護師として長年、病院で働いてきた坂倉ちあきさん。整形外科や産婦人科、泌尿器、呼吸器といった幅広い診療科を経験し、地域包括支援センターでの勤務も経て、2017年に訪問看護の世界へと足を踏み入れました。 そのきっかけは、勤務していた病院での「1日の訪問看護研修」でした。 「病院と訪問の違いに、衝撃を受けたんです。病院って、何でも揃ってるじゃないですか。吸引機、ガーゼ……当たり前にあるものが、在宅にはない。そのなかで“どう工夫して、快適な生活を支えるか”っていう発想に、すごく惹かれたんです」 その体験から「いつか訪問看護に行きたい」という思いを抱き、数年後、その想いを形にしました。 「困ってることがあったら言える雰囲気」を作ることを大切にしている管理者の坂倉さん 廊下のすみにあった事業所、少人数で始めた日々 2021年、訪問看護ステーションスイッチオン三田の開設。坂倉さんは、いわば“創業メンバー”として、その立ち上げを見守る立場にありました。 「最初は本当に少人数。場所も、マンションの一角の、廊下の端っこみたいな場所からスタートしたんです。こじんまりと、“ここでやっていくんだな”って思いながら」 そこから数年、スタッフも利用者も少しずつ増え、マンション内の別の部屋へ、さらに広いスペースへと事業所は拡張していきました。 立ち上げ当初から関わる中で、坂倉さんが2022年に管理者となったことは、スタッフたちにとっても自然な流れだったのかもしれません。 「管理者になった時は、正直“何もわからない”という状態でした。でも、部長にいろいろ教わりながら、利用者さんやスタッフにも教えてもらいながら……。今でも“勉強しなきゃな”って思う毎日です」 その言葉には、決して奢らず、常に謙虚な学びの姿勢が滲んでいました。 利用者と家族に学ぶ、“人生の先生”としての在宅 訪問看護の現場では、利用者さんと向き合うだけでなく、その家族の姿に学ぶことが多いと坂倉さんは話します。 「ご家族がね、本当に一生懸命なんです。自分の時間を削ってでも、目の前の利用者さんを大事にしようとしている。その姿に、こっちが教えられることがたくさんあるんですよね」 “人生観を教えてもらっているような気がする”──そんな言葉を使って、坂倉さんは語ります。そして、ときにはこう声をかけることも。 「そこまで頑張らなくても大丈夫ですよ、って。無理しないでいいよって、伝えるようにしてるんです」 在宅ケアの現場では、支援制度の存在を知らず、ひとりで抱え込んでしまうご家族も少なくありません。だからこそ、使える制度や選択肢を伝える役割が訪問看護師にはあります。 「“こういう支援もありますよ”とお伝えすると、“そんなのあるんですか!”って驚かれることも多くて。ケアマネさんと一緒に、“どうしたらご本人もご家族も少しでも楽になるか”を考えるようにしています」 多職種連携にも、坂倉さんらしさがにじみます。 「うちは自社の居宅介護支援事業所もありますし、他社の居宅介護支援事業所のケアマネージャーさんからご紹介いただくことも多いんです。できるだけこまめに報告するようにしています。“言わないより、言った方がいい”って思ってるので」 ちょっとした変化も電話や訪問で共有する。それを続けることで、信頼関係が自然と築かれてきたのだそうです。 「“みんな、顔が穏やかですね”って言っていただくこともあるんです。顔を見ていただければ、安心してもらえるのかなって」 言葉だけではなく、表情や態度。そういった“顔を合わせるコミュニケーション”も、地域で信頼を得る上では大切にされていました。 不安に寄り添い、背中を押す「そっと聴く」リーダーシップ 「訪問看護って、一人で行くじゃないですか。だから、どんなに経験を積んだ人でも、やっぱり不安ってあると思うんですよね。私も、不安なこと、いまでもありますよ」 そう笑って語る坂倉さん。その言葉は、訪問看護に不安を抱くすべての人にとって、どれほど救いになるでしょうか。 「“不安だよね”って、まずはその気持ちに寄り添いたいんです。それから、“じゃあどうする?”をみんなで考えたい」 その姿勢は、教育の場面でも貫かれています。 「ラダー制で、その人の目標に合わせた支援をしています。でも、“独り立ち”のタイミングは、不安がなくなってから。そこまでは、私や経験のあるスタッフがしっかり同行します」 同行期間に明確なリミットを設けず、「大丈夫」と納得できるまで見守る。坂倉さんのそのやさしさは、同時に強さでもあります。 「一人で判断するのは、やっぱり怖い。でも、だからこそ、“みんなで話そう”“相談しよう”という文化を大事にしてるんです」 「困ってることがあったら言える雰囲気」を作ることが、何よりも大切なのだといいます。 「管理者って、前に出て“こうして”って指示するイメージがあるかもしれません。でも私は、みんなの考えを“引き出す”ことを大事にしたいんです」 「聞くこと」「信じること」「一緒に悩むこと」。坂倉さんのリーダーシップは、“そっと寄り添う力”に満ちていました。 和やかな雰囲気の訪問看護ステーションスイッチオン三田のみなさん 看護師・セラピストが支え合う職場で目指すもの 訪問看護ステーションスイッチオン三田には、看護師だけでなく、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が在籍しています。 「うちの強みは、看護もリハも全部揃っているところ。看護師じゃなくても見られるし、リハビリスタッフだけじゃなくても気づける。利用者さんを“チームで支える”っていう考え方が根づいているんです」 情報共有の場も、堅苦しいものではありません。 「事務所の中では、いつも誰かが“あの方どうだった?こういう変化あったよ”って話してます。会議じゃなくても、自然とカンファレンスみたいになってるんですよ」 まるで井戸端会議のように、和やかに飛び交う利用者さんの話題。その一方で、記録を打つときは皆真剣。メリハリを大切にしながら、チームの温かさが息づいています。 そんな職場で、坂倉さんが描く未来とは──。 「看護師でもリハでも、どっちからでも“助けてもらえる”ステーション。そう思ってもらえるように、もっと信頼される場所にしていきたいです」 そしてそのためには、スタッフの充実が欠かせない、とも。 「スタッフが増えれば、地域をもっと支えられるし、オンコール体制も整っていく。みんなでワイワイ、でもしっかり支え合える職場。そんなチームで、地域の“困った”に応えていけたらいいなって思っています」 「スイッチオン三田には、レストランがあり職員は500円で定食を食べることができます。美味しいご飯を安く食べられる、それは頑張った自分へのご褒美になるし、日々働く活力になります。ぜひ見学に来た時はレストランで食事も摂ってもらえたらと思います」 インタビュアーより 「私でも不安なこと、ありますよ」。そう語った坂倉さんのまなざしには、優しさと同時に、深い共感のまなざしがありました。訪問看護のやりがいを知っているからこそ、不安や悩みに寄り添える。そして、スタッフや利用者、家族への“尊敬の念”がにじむその言葉に、坂倉さんがいるからこの職場は温かいのだと感じました。ひとりで悩まず、みんなで考える。それがスイッチオン三田のスタイルです。 事業所概要(訪問看護ステーションスイッチオン三田) 事業所名:訪問看護ステーションスイッチオン三田 管理者:坂倉ちあきさん 所在地:兵庫県三田市南が丘2-6-12(神戸電鉄「横山駅」徒歩3分) 開設:2021年6月 提供サービス:訪問看護、訪問リハビリテーション 特徴: 高齢者マンション内で居宅・デイと連携 若手スタッフ中心 社内研修(月1回) 研修費補助あり 理念:住み慣れた家からその人らしくお出かけできるように 待遇:直行直帰・マイカー通勤可/ユニフォーム・社用車貸与/昼食費補助 求人:常勤看護師(オンコール対応可能な方)募集中 事業所紹介ページ:https://ns-pace-career.com/facilities/16498 この記事を読んで「訪問看護、自分にもできるかも」と感じた方へ 「もっと患者さんと関わりたい」「自分らしい看護を実現したい」そう感じている看護師の方は少なくありません。 NsPace Careerナビでは、訪問看護の現場で働く看護師のリアルな声を多数掲載しています。 精神科訪問看護で活躍する看護師の声 未経験から訪問看護を始めた体験談 育児と両立しながら働く現場の実例 各ステーションの教育体制・チーム文化 さらに、キャリアの悩みやモチベーション維持のコツなど看護師として働くうえで役立つ記事も充実。 「自分に合う訪問看護の職場って、どんなところだろう?」そのヒントが、きっと見つかります。 ▶ 他の訪問看護師インタビューを読むhttps://ns-pace-career.com/media/ 記事提供:NsPace Careerナビ編集部

チームで支え合いながら、地域とつながる~エール訪問看護リハビリステーション谷島さん・久保さんにインタビュー~
チームで支え合いながら、地域とつながる~エール訪問看護リハビリステーション谷島さん・久保さんにインタビュー~
インタビュー
2025年11月4日
2025年11月4日

チームで支え合いながら、地域とつながる~エール訪問看護リハビリステーション谷島さん・久保さんにインタビュー~

【※本記事はNsPace Careerが事業所向けに提供している「特集記事掲載サービス」によるものです。取材・撮影・編集はNsPace Careerが担当しました。】 30年の病棟経験を経て選んだ「その後の暮らし」への看護 「訪問看護を始めたのは、患者さんが退院した“その後”の暮らしがどうなっているのか、気になったのがきっかけでした」 落ち着いた語り口で、そう話すのは「エール訪問看護リハビリステーション」管理者・谷島薫さん。看護師として30年以上、内科・外科・整形外科・混合病棟・緩和ケアなど、実に幅広い領域を経験してきています。 その中で谷島さんが強く感じたのが、「病院を出た後」の患者さんの姿を知りたいという思いでした。 「病院では、入院中のケアや急性期の対応が中心になります。でも、本当にその方らしく生きていけるのは、自宅に戻ってからの時間なんですよね。『その人の生活にどう関われるのか』という問いが、訪問看護に進むきっかけになったと思います」 エール訪問看護リハビリステーションに入職した当初、谷島さんは現場の看護師として日々の訪問にあたっていました。ですが、その実直な姿勢と確かな経験が買われ、やがて管理者に就任することになります。 「私にとって“管理者”とは、何よりスタッフの健康と安心を守る存在であることが第一です。利用者さんに寄り添ったケアを届けるためには、まずスタッフ自身が心身ともに健やかでなければなりませんから」 その言葉通り、エールではスタッフのスケジュール調整や健康管理にきめ細やかな配慮がなされています。緊急当番で夜間に対応が発生した際は、翌日の午後から勤務にする、もしくは午後は在宅勤務で記録業務に専念する——。そんな柔軟な体制を整えていると言います。 「看護の現場では“その日そのとき”に100%のパフォーマンスを求められます。エールのスタッフは、一人一人がプロとして120%、時には200%のパフォーマンスで利用者様に接しています。だからこそ、疲労や不安を溜め込まないように、できる限りの支援はしたいと考えています」 谷島さんの語る言葉の端々には、看護師という職業への深い理解と、仲間への信頼がにじみます。 支え合い、成長し合う——“誰も一人にしない”チームの力 訪問看護と聞くと、「一人で現場に出て孤独そう」「困ったときに相談できる相手がいないのでは」といった不安を感じる方も多いかもしれません。しかし、エール訪問看護リハビリステーションはその“孤立”とは無縁のチーム体制を築いています。 「確かに、訪問中は基本的に一人。でも、ステーションに戻れば、必ず誰かがいて話せる。『それで合っていたよ』『次はこうしたらいいかもね』と、自然と会話が生まれる場所なんです」 そうした文化を支えているのが、毎日の朝夕の申し送りと月2回の症例カンファレンス。看護師とリハビリスタッフが一体となり、情報共有と対話を通じてチーム全体でのケアの質を高めています。 「〇〇さんといえば、この対応だよね、と全員がわかる状態が理想。利用者さんの情報を“誰かだけ”が知っているということがないようにしています」 また、新人教育においても、チームの“支え合い文化”は徹底されている。プリセプター制度のもと、入職初期には経験者が同行訪問を行いながら実践的な学びをサポート。さらに、管理者・代表との定期面談によって不安や疑問を拾い上げ、フォローにつなげる仕組みがあります。 「訪問看護が初めての方も多いので、“できて当たり前”という前提では接しません。“玄関では靴を揃えてから入室しましょう”という在宅ならではの接遇から、丁寧に教えています」 新人の1日の訪問件数は最大でも4件までに設定されており、利用者との信頼関係を築くことと、記録業務にゆとりを持って取り組むことの両立を大切にしています。 「教える側も、自分が初めて訪問に出たときの緊張感や不安をちゃんと覚えています。だからこそ、“大丈夫だよ、みんなそうだったよ”と言ってあげられる人が多いんです」 エールのスタッフが互いを思いやりながら日々を過ごしている理由——それは単なる職場のルールではなく、“支え合う空気”がごく自然に根づいているからなのです。 和やかな雰囲気で申し送りをするスタッフの皆さん 地域とつながる訪問看護——寸劇も、顔の見える連携も 「ケアマネ役で舞台に立ちましたよ。セリフが長くて、練習も大変だったけど、楽しかったですね」 そう語る谷島さんの顔には、思わず笑みがこぼれていました。 これは、豊島区の東部医療介護事業所学習交流会における出来事。地域住民や他事業所との連携を目的としたイベントで、エール訪問看護は、訪問歯科のチームと一緒に寸劇を行ったそうです。 「“ああ、こういうシーンあるよね”って、見ていた方々が笑ってくださったんです。医療や介護をちょっと身近に感じていただけたら、それだけで十分価値があると思っています」 この寸劇への参加は単なる余興ではない。エールが大切にする「地域との顔の見える関係づくり」を、まさに体現した活動です。 谷島さんによると、医師会・訪問介護・ケアマネ・訪問入浴など、多職種との横のつながりは、地域包括支援センターを起点に日常的に行われています。 「例えば、Aさんに関する情報を、ケアマネ・リハ・ヘルパーと共有して、“何か変化あった?”って聞き合える関係性があるだけで、支援の精度がぐんと上がるんですよね」 そのために重要なのが、電話やメールだけに頼らない「顔を合わせたコミュニケーション」。エールでは可能な限り現地での会議や同行訪問を通じて、相手と直接話す機会を大切にしています。 そうした取り組みにより、地域の方々からの信頼が厚くなり、「最近では、新規の利用者さんからのご依頼も増えているんです」と実績に繋がっていることを話してくださいました。 また、こうした連携を支えているのが、現場スタッフだけでなく、代表取締役・久保愛子さんの存在。久保さんは代表取締役でありながら、スタッフと一緒に訪問を行い、何より現場の理解を重要視。医療者として何ができるかを経営の立場で考えています。 「私も学習交流会に顔を出して、地域の皆さんとの繋がりを大切にしているんです。谷島さんが長いセリフを頑張って演じてくださって大盛況でした。新人教育の定期面談も入るようにし、スタッフの生の声をしっかりと聞きたいと考えています。」 久保さんのその言葉には、経営者としての目線と、現場を支える“応援者”としての気持ちが重なっていました。 利用者さんのお宅へ向かう谷島さん 『無理なく、楽しく働ける場所』を目指して 谷島さんに「訪問看護のいちばんの魅力は何ですか?」と聞くと、少し考えてから、こう答えてくれた。 「“自分の看護”ができること、ですかね。利用者さんと30分なり1時間なり、途切れずに向き合えるんです。『ちょっと待っててくださいね』がない。あれって実は、すごく大きな違いなんですよ」 病棟では次々に来るコール、処置、時間との戦い——。それらがない空間で、自分のペースで、その人の暮らしや想いを汲みながら看護を組み立てる自由さと責任。その両方が訪問看護の醍醐味なのだと話されます。 とはいえ、「自由」は孤独を伴いやすい。だからこそ、エールでは「一人で悩ませない」体制が何よりも重視されています。 「“訪問先で、これでよかったのかな?”と感じたとき、ステーションに戻ってすぐに誰かに聞ける。『それで合ってたよ、大丈夫』って言ってもらえる。それだけで、すごく安心できるんですよね」 そして、エールが目指しているのは、「誰もが無理なく、楽しく働ける場所」であること。 「うちは、無理してがんばる人を増やすのではなく、その人らしく働ける形を一緒に探していくステーションです。職種の垣根もなくて、リハさんとも自然に相談し合えるんです」 “この職場でなら、長く働けそう”——  そう感じてもらえるような環境づくりを、スタッフ全員で少しずつ積み上げてきたのだそうです。 今後について尋ねると、谷島さんは「個々の看護師が自分の“武器”を持って、地域医療に貢献できるようになれたら」と語られました。 「得意なこと、関心のあることを深めて、それぞれの強みを活かす。そうして“この町の看護、すごくいいね”って言われるようになれたら嬉しいですね」 そして最後に、求職者の方へのメッセージをお願いすると、谷島さんは、少し照れながらこう語ってくれました。 「“訪問看護って、一人で全部こなさないといけないんじゃないか”って不安に思われる方もいるかもしれません。でも、うちには『一人じゃない』と実感できるチームがあります。ステーションに戻れば、誰かが『おかえり』って言ってくれる。そんな場所です」 すると、ここで久保代表が明るい声でひとこと—— 「ほんと、それがエールのいいところです!ツーショット写真、絶対載せてくださいね(笑)」 この職場には、経験の豊かさだけでなく、人と人との間にあるやさしい信頼が根づいていた。 インタビュアーより インタビュー中、谷島さんは一貫して穏やかで落ち着いた口調でした。しかし、ステーションの話、スタッフの話になると、言葉が自然と熱を帯びていくのが印象的でした。 「その後の生活に寄り添う」という訪問看護の本質に、30年の経験を経て真摯に向き合っておられる谷島さん。理念を「言葉」で語るだけでなく、「仕組み」や「日常のふるまい」として体現している姿が印象に残っています。 また、インタビューの途中から随所でコメントしてくださった久保代表の存在も大きく、ステーション全体に漂う温かい空気感の背景には、現場と経営がフラットに関わる関係性があるのだと感じました。 “自分が幸せであることが、良い看護につながる”——  この理念を、一過性のスローガンではなく、日々の行動に落とし込んでいる現場でした。 事業所概要 事業所名:エール訪問看護リハビリステーション 所在地:東京都豊島区南大塚2‐29‐9サンレックス203 運営法人:株式会社ダイシン 事業所紹介ページ: https://ns-pace-career.com/facilities/16374 NsPace Career 記事提供:NsPace Careerナビ編集部 NsPace Careerナビでは、今回の記事のほかにも多数の事業所情報や役立つコンテンツを掲載しています。ご興味のある方はぜひこちらもご覧ください。サイト: https://ns-pace-career.com/media/

“みんなで育ち、みんなで看る”ステーション~知識をつなぎ、質を高める場所~訪問看護ステーションはまゆう 重岡さん・神谷さんにインタビュー~
“みんなで育ち、みんなで看る”ステーション~知識をつなぎ、質を高める場所~訪問看護ステーションはまゆう 重岡さん・神谷さんにインタビュー~
インタビュー
2025年10月28日
2025年10月28日

“みんなで育ち、みんなで看る”ステーション~知識をつなぎ、質を高める場所~訪問看護ステーションはまゆう 重岡さん・神谷さんにインタビュー~

【※本記事はNsPace Careerが事業所向けに提供している「特集記事掲載サービス」によるものです。取材・撮影・編集はNsPace Careerが担当しました。】 管理者ふたりのヒストリー 現場を導く看護師としての軌跡 訪問看護ステーションはまゆう管理者の重岡めぐみさんと、訪問看護ステーションはまゆう空桜音(あおと)の神谷裕美さん。ふたりは、それぞれ異なる経歴を経て、現在の訪問看護の現場を支えています。 重岡さんは18歳から病院での勤務をスタート。地域の中小病院やクリニックを経験した後、子育てと両立しながら内科、外科、産婦人科…と様々な領域で経験を積まれました。34歳のとき、友人の紹介で訪問看護の世界に足を踏み入れます。最初はパート勤務からのスタートでしたが、「一人ひとりにしっかり向き合える」そのやりがいに惹かれ、43歳で常勤に転向。現在は訪問看護ステーションはまゆうの管理者として、温かくも芯のあるマネジメントを実践しています。 「訪問看護って、利用者さんとの距離が本当に近いんですよね。『こんにちは』って玄関を開けたときから、その人の生活が見える。病院では得られなかった感覚でした」と重岡さん。 一方、神谷さんは、急性期から回復期、精神科病棟まで幅広い病院経験を持ちます。子育てと両立し、保育園看護師も経験しました。もともと在宅看護への興味があり、「どんな世界か分からなかったですが、魅力を感じていました。」との思いから在宅看護へ転身。現在は訪問看護ステーションはまゆう空桜音の管理者として、スタッフ育成や連携強化に力を注いでいます。 「病院で勤めているときに『忙しいがやりがいになっているな、この先が見えないな』と実感しました。病院と家では、看護のアプローチもまったく違うんですよね」と神谷さん。 異なるルートからたどり着いたふたりが共通して大切にしているのは、「利用者さん一人一人の生活を大事に、看護の質を高める」こと。 「研修や講義の内容が、訪問看護に活かせて、利用者さんの役に立てたと感じるときが何よりのやりがいですね。研修の内容をみんなに共有するので、みんなの知識になるんです。そういう体制があるから、安心して現場に出られるんです」(重岡さん) そんな姿勢が、はまゆうのチームケアの土台になっています。 子育てと両立、そして管理者へ。「無理なく働ける」チームづくり 「子どもが小さい頃は、やっぱり急な発熱や行事も多いですよね。そういう時に、理解し合える仲間がいる職場って、本当に大きいです」 重岡さんが管理者として大切にしているのは、「誰も無理をしすぎずに働ける」環境です。スタッフには20代から50代までの幅広い年代がそろい、互いのライフステージを尊重しながら支え合っています。 「『ごめん、明日保育園の発表会で…』って言える空気って、すごく大事ですよね。そんな時、誰かが『いいよ、代わるよ』って言ってくれる。うちはそういうやり取りが自然にあるんです」 「昔みたいに、“お局さん”が幅をきかせるような雰囲気は全然ないですよ」と笑う重岡さん。働く人の多様性を受け入れる懐の深さがにじみ出ていました。 神谷さんもこう付け加えます。「年齢とか経験とか関係なく、お互いに尊重し合う雰囲気がありますね。新人さんが『こうしてみたら?』って言っても、みんなで『それいいね』って受け入れる柔らかさがあるんです」 家庭を優先しながらも、責任ある役割にチャレンジできる風土。それが、「ここならずっと働けるかもしれない」と感じさせてくれる理由のひとつです。 “担当制を採らない”理由。みんなで看るからこそ見えるもの はまゆうの訪問看護では、あえて「担当制」を採っていません。 「担当制って、信頼関係が築きやすい一方で、どうしてもその人に依存しちゃう部分が出てくるんです。それに、視点が偏ることで、小さな変化を見落とすリスクもあります」 誰か一人ではなく、チーム全員で一人の利用者さんを支える。そのスタイルこそが、看護の質を高めると、重岡さんたちは考えています。 たとえば、複数のスタッフが入るからこそ、「この間の声かけ、良かったね」「ちょっと違う声かけに変えてみようか」と、互いにフィードバックし合えるのです。 「命に関わることはもちろん、日々のちょっとした導線や声かけまで、いろんな視点で見られるのは大きな強みです」 「誰かが気づいたことを、みんなで活かせる。それってすごく安心感につながりますし、看護の質にも直結しますよね」(神谷さん) 利用者さんだけでなく、看護師自身のメンタルも守るチーム体制。困ったときに頼れる、相談できる仲間がいることは、訪問看護を続ける上で欠かせない安心材料です。 情報共有とスキルアップの文化が、「看護の質」を高め続ける 「うちは“朝・昼・夕”と、まるで自然と会話が始まるようなタイミングで情報共有があるんです」 朝のミーティングでは、その日の訪問先と予定されているケア内容を一人ひとりが声に出して共有します。それによって、前回の訪問者が「そういえばあの薬のこと、気をつけて」など、必要な補足をすぐに伝えることができるのです。 「『あの方、最近ご家族の表情がちょっと曇ってたよ』とか、そういう小さな気づきもすぐ共有できます。そういうのって、案外大事なんです」と重岡さん。 また、月1回のリハミーティングや全体ミーティングでは、新規の利用者さんの情報共有や課題の整理なども行い、チーム全体でケアの質を維持・向上させています。 研修制度も充実しており、会社から年間1万円の補助が出るほか、スタッフ同士が協力して平日研修にも参加できる体制を整備。受けた研修は伝達講習という形で仲間にシェアする文化が根づいています。 「自分だけじゃなくて、みんなで知識をアップデートしていくっていう雰囲気があるんです。だから、学びが自然に日常にある感じがしますね」(神谷さん) 情報の共有が、気づきや成長を生み、成長がまた看護の質を高めていく──そんな“循環”が、この職場にはあります。 明るい雰囲気で情報共有をする訪問看護ステーションはまゆうのみなさん これからの訪問看護を担う人へ。「あなたも、仲間になってほしい」 「訪問看護って、“一人でやる仕事”って思われがちですけど、うちは違います」 「みんなで知恵を出し合いながら、悩みながら、支え合いながらやっていく。そのチーム感が魅力ですね」 20代から50代までのスタッフがバランスよく在籍するはまゆうでは、若手の育成にも力を入れています。試用期間中の3ヶ月間は、しっかり同行訪問を行い、4ヶ月目からの独り立ちを目指します。 「誰でも初めから独りでやるのは大変です。緊張もしていますし、利用者さんとコミュニケーションをとって、その看護師さんらしさを発揮するまでに時間もかかります。じっくり時間をかけて、その人のペースでできるようにサポートしています」 経験が浅くても、ブランクがあっても、誰かがしっかりと見守ってくれる環境があります。だからこそ、挑戦したいと思ったその気持ちを、安心して大切にしてほしいと重岡さんは語ります。 「『一緒にやってみようよ』って言える空気があるんです。だから、ぜひ一歩踏み出してみてほしいですね」 看護の質を守りながら、地域の暮らしに寄り添い続けるはまゆう。ここには、「誰か一人に任せない」訪問看護のかたちがあります。 インタビュアーより 「訪問看護は孤独な仕事」そんなイメージを、見事に覆してくれたのが、今回の取材でした。 重岡さんや神谷さんの言葉からは、一人で抱え込まず、互いに頼り合いながら看護の質をあげていく姿勢が伝わってきました。だからこそ、利用者さんも安心できる。そんな「チームで看る」訪問看護が、もっと多くの方に知られていくことを願っています。 事業所概要 事業所名: 訪問看護ステーションはまゆう、訪問看護ステーションはまゆう空桜音(あおと) 管理者: 重岡めぐみさん、神谷裕美さん スタッフ構成: 看護師(20〜50代)、リハビリ職、他 特徴: 担当制を採らないチーム型、情報共有の徹底、研修支援制度あり、子育てと両立しやすい雰囲気 事業所紹介ページ: https://ns-pace-career.com/facilities/16542 NsPaceCareer 記事提供:NsPace Careerナビ編集部 NsPace Careerナビでは、今回の記事のほかにも多数の事業所情報や役立つコンテンツを掲載しています。ご興味のある方はぜひこちらもご覧ください。サイト: https://ns-pace-career.com/media/

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