用語集
摘便
摘便(てきべん)は、直腸内に溜まった便を指先で丁寧に取り除き、排便を促す方法です。腸を物理的に刺激し、排便反射を引き起こすことができます。緩下剤を内服しても自然排泄が得られない方、高齢・衰弱等により腹圧がかけられない方、直腸機能障害がある方に実施します。摘便時の直腸穿孔や大量の排便後の血圧低下といったリスクがあるため、バイタルサインに注意してケアをする必要があります。肛門周囲に病変がある方、炎症生疾患や出血傾向の患者は禁忌です。
処置の際は、患者を左向きに寝かせ、お尻の下にオムツを敷いて準備します。介助者は、リラックスを促すために患者に深呼吸をさせ、人差し指にオリーブオイルやベビーオイルを塗布して滑りを良くします。その後、ゆっくりと肛門に指を挿入し、指の爪側に便を乗せるようにして、少しずつ手前に掻き出します。無理に多くの便を一度に取り除こうとすると、肛門粘膜を傷つけたり、血圧が低下したりする危険があるため注意が必要です。
監修: とよだクリニック院長 豊田 早苗