初めての訪問看護に関する記事

若手看護師への想い まちのかたすみ。サムネイル
若手看護師への想い まちのかたすみ。サムネイル
インタビュー
2023年10月31日
2023年10月31日

まちで働く若手看護師への想い【「まちのかたすみ。」共同代表 特別インタビュー】

全国の就業している看護師が約128万人いるのに対し、訪問看護ステーションに勤務する訪問看護師は約6.2万人と、看護師全体の5%程度しかいません*。近年その数は増加傾向ではあるものの、特に若手看護師や看護学生からは「訪問看護師になるハードルの高さを感じる」という声も聞かれます。新卒で訪問看護師になり、コミュニティ「まちのかたすみ。」を運営している河村詩穂さん、関口優樹さんにお話を伺いました。*厚生労働省「令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」より 〇「まちのかたすみ。」について2020年1月に河村詩穂さん、関口優樹さんたちが立ち上げたコミュニティ(2024年7月に現名称に変更)。コミュニティ名には『人と人がふらっと出会い、ゆるく語り合うことで繋がっていく。まるで「まちのかたすみ。」のような場にしていきたい。』という想いが込められています。オフラインやオンラインでさまざまなテーマのイベントを行い、これまでには「デイサービスを語る会」や「新卒訪問看護カフェ」などを実施しており、自分の想いや悩みを話せる場、地域で活動する方々と繋がれる場になっています。 〇「まちのかたすみ。」代表 プロフィール河村 詩穂(かわむら しほ)さん看護師。2015年に慶應義塾大学看護医療学部を卒業。新卒でケアプロ訪問看護ステーションに就職し、訪問看護師として勤務。2023年に慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科公衆衛生学専攻を修了。2023年4月からは株式会社でぃぐいてぃに勤務。 関口 優樹(せきぐち ゆうき)さん看護師。2018年に東京医療保健大学看護学部を卒業。新卒でウィル訪問看護ステーションに就職し、訪問看護師として3年勤務。現在は岐阜県の医療法人かがやき総合在宅医療クリニックで訪問診療および訪問看護を行う。 ※文中敬称略 実習やNPO法人での経験から新卒で訪問看護へ ―お二方とも新卒で訪問看護師になられたそうですが、訪問看護師の道を選んだきっかけや、訪問看護にまつわる思い出深いエピソードを教えてください。 私が訪問看護師になったきっかけは、大学での実習です。精神看護の実習で訪問看護ステーションに行く機会があり、1日だけの同行実習でしたが、自宅に訪問することで見える「利用者さんの生活」をとらえることに面白さを感じ、訪問看護への就職を決めました。訪問看護師として働く中でさまざまな経験をしましたが、一番印象に残っているのは初めてのお看取りです。先輩に同行してもらいながら、がん末期の利用者さんを担当させていただきました。利用者さんご自身の「ゴルフがしたい」というご希望や、息子さんの「父が死ぬまで仕事を休み続けると、まるで死ぬのを待っているみたいで嫌だ」といった葛藤を伺う中で、ご本人・ご家族が納得のいく落とし所を見つける難しさを感じました。 いよいよ最期を迎えるとき、私はオンコールの担当ではなかったのですが、「万が一のときは連絡してください」と担当者にお願いしておき、ご家族と一緒にお看取りをさせていただきました。利用者さんの奥様が泣いて私に抱きついてこられたため、私も思わず泣いてしまいました。ご家族と一緒に利用者さんを見送り、エンゼルケアもさせていただいたこの日のことは、強く印象に残っていますし、「これこそが訪問看護の魅力なんだ」と思いました。先輩に「がんばったね」とジュースをおごってもらい、また泣いてしまったことを今でも覚えています。 私が新卒で訪問看護師になろうと思ったのは、学生時代に参加したNPO法人がきっかけでした。そのNPOは「社会的マイノリティの可能性に焦点をあてる」という理念で活動するメディアで、そこでの人や価値観との出会いが私の根底になっている気がします。学生時代の経験から「治らない病気や障害がある中で、どのように折り合いをつけながら幸せに生きることができるか、その伴走をしたい」と思うようになりました。その中で、訪問看護という選択肢が自分のやりたいことに近いと思い、志しました。最近の訪問看護で心に残っている方は、老衰の過程でご家族と相談しながら点滴等を行い、自宅で最期まで過ごされた利用者さんです。認知症の影響もあり清潔ケアや排便ケアを嫌がることも多々ありました。しかし、丁寧に声掛けや関わりをしていく中で穏やかな様子もみられるようになり、帰りにはいつも「ありがとうね」と手を握ってくれました。その利用者さんは、偶然私がオンコール担当の際にお看取りをすることとなりました。親戚の方々が大勢集まり、みんなで利用者さんの思い出を語りながら涙あり、笑いありの和やかな時間が流れていて、とても愛されていた利用者さんの「人柄」が垣間見えた時間でした。帰り際にご家族の方から「関口さんがきてくれて、いい最期をむかえることができました」とおっしゃっていただき、一看護師としてだけでなく、一個人としても関われたのかなと嬉しく思い、印象に残っています。 地域で活躍する若手看護師とつながりたい ―コミュニティ運営を始めたきっかけと想いについて教えてください。 もともと新卒で訪問看護師になる時に、「新卒訪問看護師の会」というコミュニティに参加していました。大学には1学年100人ほど看護学生がいましたが、訪問看護師に興味を持つ人や新卒で訪問看護師を目指す人がおらず、外のコミュニティに参加していたんです。そこで全国に散らばる訪問看護師の同期と知り合うことができました。しかし、次第に訪問看護師だけでなく、「地域でその土地に根差して活躍する若手看護師と、幅広いつながりを作りたい」と思うようになり、2020年にコミュニティを立ち上げたという経緯があります。 ―これまでの活動の中で、一番思い出深い活動について教えてください。 立ち上げて初めて行った第1回座談会キックオフ会が印象に残っています。初めてのイベントということもあり、人が集まるかは不安がありました。しかし、最終的にはデイケアやマッサージサロン、看護小規模多機能型居宅介護(かんたき)など、地域のさまざまな場で働く看護師の皆さんが集まってくださいました。私たちがコミュニティを立ち上げた当初から抱いていた想いに沿ったイベントができて、感慨深かったですね。 さまざまな場で働く看護師さんたちとイベントを開催していますが、「新卒訪問看護カフェ」が一番印象的です。最近、新卒訪問看護師の採用は増えつつあるものの、私たちが訪問看護師になった時と困りごとはそこまで変わっていません。自分自身も教育のことやキャリアのことなど悩みが多かったので、少しでも同じような想いを持つ人の力になれればと思っています。「新卒訪問看護カフェ」は今年から始めて5回ほど実施しており、ニーズも感じているので引き続きやっていきたいと思います。 共感も、異なる視点からの気づきもある ―コミュニティ活動から得られたことについて教えてください。 コミュニティ自体を自分たちのプラットフォームとして利用でき、職場以外の人の意見を伺えることは非常にありがたいです。異なる職場や地域の方の話を伺い、共感できる話もあればまったく異なる視点で新しいことに気付ける話もあり、毎回勉強になります。実際に自分が知りたい内容で「デイサービスを語る会」や「島の看護師さんに聞く会」、「遺体感染管理士から学ぶ看取りケア」などを企画しましたが、どれも非常に有意義なイベントとなりました。自分の興味あることを企画できるので、楽しくやっています。 ―これからの活動について教えてください。 やっぱり継続することが大事だと思います。運営側も仕事をしながら行っているため、こういった活動はなかなか続けていくことが難しく、実際不定期にもなってしまっています。しかし、実際にイベントをすると周りの話から気づきや癒やしを得ることができ、明日からの仕事を頑張ろうと思えることが多いです。参加してくださる皆さんのためにも、少しずつでも活動を継続したいと思っています。 自分にフィットする仕事を見つけてほしい ―看護学生や若手看護師に対して、メッセージをください。 看護師は命を預かる責任があり、自分を制御しなければいけない時が多いかと思います。その中で自分の好きなことややりたいことに蓋をしすぎずに、自分の感覚とフィットする仕事と出会える人が増えるといいなと思っています。「まちのかたすみ。」でいろんな企画をゆるりとしているので、自分が「いいな」と思える働き方や生き方と出会えるお手伝いが少しでも出来ると嬉しいです。 >>後編はこちらまちのかたすみ。「新卒訪問看護師カフェ」イベントレポート【8/26&9/9開催】 執筆・編集: NsPace編集部

ニャースペースのつぶやき【訪問看護あるある】
ニャースペースのつぶやき【訪問看護あるある】
特集
2023年10月24日
2023年10月24日

4コマ漫画「小児の卒業」 ニャースペースのつぶやき【訪問看護あるある】

小児の利用者さんの卒業にじんわり… 今回の「訪問看護あるある」は4コマ漫画でお届け!小児の利用者さんの場合、訪問看護が不要になって「卒業」されることもあるにゃ。これまでのご本人・ご家族のお悩みやがんばりを知っているだけに、とってもうれしいにゃ ニャースペース病棟看護経験5年、訪問看護猫3年目。好きな言葉は「猫にまたたび」「わかる!」「こんな『あるある』も聞いて!」など、みなさんの感想やつぶやき、いつでも投稿受付中にゃ!>>投稿フォーム

ニャースペース【訪問看護あるある】
ニャースペース【訪問看護あるある】
特集
2023年10月10日
2023年10月10日

利用者さんのご近所さんと…ニャースペースのつぶやき【訪問看護あるある】

ご近所さんとの何気ない会話でほんわか 利用者さんのご近所さんとばったり。何気ない会話から、ご近所さんとの関係性や利用者さんの素のお姿が垣間見えて、ほんわかするにゃ 訪問看護をしていると、ふとしたときに利用者さんとご近所さんとの会話を見聞きすることもあります。訪問看護師さんからは、「特に認知症の方の場合、ケア中のご様子とご近所さんとお話されているときの様子が大きく異なり、ご近所さんとはしっかり場に適したコミュニケーションをとっていらっしゃるケースも目にする」といった声や、「ご近所さんとの会話から、過去の利用者さんのふるまいや生き様が垣間見えることがあり、その方らしさを知れて嬉しい。在宅だからこそ『当たり前の日常』を送れているのかな、とも思える」といった声も。 ニャースペース病棟看護経験5年、訪問看護猫3年目。好きな言葉は「猫にまたたび」「わかる!」「こんな『あるある』も聞いて!」など、みなさんの感想やつぶやき、いつでも投稿受付中にゃ!>>投稿フォーム

受賞作品漫画「104歳の日常」
受賞作品漫画「104歳の日常」
特集
2023年10月4日
2023年10月4日

受賞作品漫画「104歳の日常<後編>」【つたえたい訪問看護の話】

NsPaceの特別イベント「みんなの訪問看護アワード」で募集した「つたえたい訪問看護の話」。今回は、長尾 弥生さん(白川訪問看護ステーションこだま/岐阜県)の入賞エピソード「104歳の日常」をもとにした漫画の後編をお届けします。 「104歳の日常」前回までのあらすじ白川訪問看護ステーションと同じ敷地内にある高齢者住宅に住む利用者の石井さん。御年104歳にも関わらず、シニアカーでおでかけしたり、自室でお料理をしたり、朝からお酒を飲んだりと、元気にマイペースに暮らしています。しかし、高齢で心不全もあるため、緊急呼び出しがあり「苦しい」「もう死ぬのかな」とおっしゃることも…。 >>前編はこちら受賞作品漫画「104歳の日常<前編>」【つたえたい訪問看護の話】 104歳の日常<後編> 漫画:広田 奈都美(ひろた なつみ)漫画家/看護師/訪問看護ステーション管理者。静岡県出身。1990年にデビューし、『私は戦う女。そして詩人そして伝道師』(集英社)、『ナースのチカラ ~私たちにできること 訪問看護物語~』『おうちで死にたい~自然で穏やかな最後の日々~』(秋田書店)など作品多数。>>『ナースのチカラ』の試し読みはこちら【漫画試し読み】『ナースのチカラ』第1巻1話(その1) エピソード投稿:長尾 弥生(ながお やよい)白川訪問看護ステーションこだま(岐阜県)「私たちのステーションに、こんなに元気な104歳の方がいらっしゃいますよ」ということを皆さんに知っていただきたくて、このエピソードを投稿しました。私たちが看護しているというよりも、私たちのほうが石井さん(仮名)から毎回パワーをいただき、癒されています。以前から、石井さんのお話を漫画にしたいね、と同僚と話していたので、実際に漫画にしていただき、大変うれしく思っております。訪問看護について、中には「看取り」「長期間の闘病」など、つらくて暗いイメージをお持ちの方もいるかもしれません。でも、実際の訪問看護には、こんなにほっこりとした楽しい日常もたくさんあります。今回漫画にしていただいたことで、より多くの方に訪問看護の楽しさを知っていただけたら、とても嬉しいです。 [no_toc]

受賞作品漫画「104歳の日常」
受賞作品漫画「104歳の日常」
特集
2023年10月3日
2023年10月3日

受賞作品漫画「104歳の日常<前編>」【つたえたい訪問看護の話】

NsPaceの特別イベント「みんなの訪問看護アワード」で募集した「つたえたい訪問看護の話」。今回は、長尾 弥生さん(白川訪問看護ステーションこだま/岐阜県)の入賞エピソード「104歳の日常」の漫画をお届けします。 >>全受賞エピソードはこちらつたえたい訪問看護の話 受賞エピソード発表!【みんなの訪問看護アワード】 104歳の日常<前編> >>後編はこちら受賞作品漫画「104歳の日常<後編>」【つたえたい訪問看護の話】 漫画:広田 奈都美(ひろた なつみ)漫画家/看護師/訪問看護ステーション管理者。静岡県出身。1990年にデビューし、『私は戦う女。そして詩人そして伝道師』(集英社)、『ナースのチカラ ~私たちにできること 訪問看護物語~』『おうちで死にたい~自然で穏やかな最後の日々~』(秋田書店)など作品多数。>>『ナースのチカラ』の試し読みはこちら【漫画試し読み】『ナースのチカラ』第1巻1話(その1) エピソード投稿:長尾 弥生(ながお やよい)白川訪問看護ステーションこだま(岐阜県) [no_toc]

不思議&驚きエピソード
不思議&驚きエピソード
特集
2023年9月26日
2023年9月26日

不思議&驚きエピソード【つたえたい訪問看護の話】

仕事をしていると、感情的には嫌でも割り切ってやらないといけないことが出てきたり、時に自分の考えが及ばない場面や不思議な場面に遭遇したりすることもあります。「みんなの訪問看護アワード2023」に寄せられた投稿から、理解がしがたい不思議な出来事やぎょっとする驚きの体験エピソードを4つご紹介します。 「虫の知らせ」 不思議な出来事の中にも、故人への想いが感じられるエピソードです。 これは90代の男性療養者A氏の話である。A氏は呼吸不全状態であり、主に入浴介助のために訪問していた。A氏は非常に知的で厳しい方であった。ケアではA氏のルールがあった。状態の悪化に伴いA氏は入院となり、その後病院で亡くなった。しばらくして、奥さんは「遊びに来てください」と手紙をくださった。快晴の日、私は訪問してお線香をあげさせていただいた。そしてふと窓をみるとブロック塀の上にカマキリがいた。カマキリはじっと私と奥さんのほうをみている。カマキリの凛々しい目つきはA氏の姿を思い出させた。何よりどうやってここまで来たのか、非常に不思議で奥さんも驚いた。「虫の知らせ」という言葉がある。これは親しい人の死を予感する意味で使われることが多い。しかし死の予感だけでなく、虫が故人の魂としてやってくるとも言われる。A氏の魂がカマキリとなり来てくれたのだなと思い、私は「ありがとうございました」とカマキリに挨拶をした。 2023年1月投稿 「初めての訪問看護の現場での緊急事態」 緊急事態に遭遇しても対応できるのは自分一人ということも。冷静に対応できる平常心の大切さを感じるエピソードです。 初めて訪問看護に異動になり、引継ぎのために2名で訪問。前日に退院したばかりの60代男性宅に訪問したが、声をかけても出てこられずうめき声のようなものが聞こえる。近所に住む男性の兄に助けを求め、玄関の鍵を開けてもらい室内へ。男性は下半身裸のまま倒れ失禁している状態。初めての対面だったが何とかしなくてはと思い、助け起こし状況を確認した。どうやら就寝前薬を2回分誤って服用したようで、意識はあるが体が動かせない状態になっていたようだった。病院に連絡をして再度入院となった。訪問看護が何かも分かっていない時であり、もし1名で訪問していたらどうなっていただろうかと考えるとひやっとした出来事だった。 2023年2月投稿 「夏の日の出来事」 不思議な電話は利用者さんからの心のメッセージだったのでしょうか。 晴れた夏の正午一本の電話があった。「もしもし?」何度言っても無言。「お名前言えますか?」と何度か問うと電話の向こうで「ううう…」と長い唸り声が聞こえた。「大丈夫ですか?お名前言えますか?」「うう…」と言った後電話が切れた。急いで携帯番号を確認すると、入院中の利用者様からだ。事務の私は看護師に伝え、折り返し電話を掛けてもらうが繋がらなかった。二日後、その利用者様のご主人が利用料を支払いに来られた。「奥様のご容態はその後どうですか?」と聞くと、先週亡くなりましたと。珍しくどこからも情報が来なかった為、私達は亡くなられた事を知らなかったのです。奥様の携帯から電話が掛かってきた事を伝えると、ご主人は電話をかけていないとの事。あの電話は一体…看護師たちに厳しかったご主人が帰り際に「私もいつか宜しくお願いします」と言った姿が印象的で何だか奥様の温かい言葉の様にも聞こえました。今でもふと思い出す夏の日の出来事です。 2023年2月投稿 「黒光りする同居人」 訪問看護をしていると自宅の環境に驚愕することも。まさにこの出来事はその一例と言えるでしょう。ちょっと衝撃的なエピソードです。 Sさんはアルツハイマー型認知症の利用者で身寄りがなく、1人暮らしです。近隣住民とのトラブルが頻発するため介入しました。訪問すると、カサカサッと黒い影が横切りました。もしやと思い、目を凝らすと廊下・リビング・水回り、家中にゴキブリがうごめいており、「キャッ」と悲鳴を上げました。いつ行っても、ゴキブリがお出迎えしてくれます。私はゴキブリが気になりケアをおえるとすぐに家を出ていく日々が続きました。カンファレンスで、Sさんの不衛生な自宅環境の改善が必要と考え、殺虫剤でゴキブリを退治した後、自宅の片づけをしようと判断しました。そして決行日、くん煙タイプの殺虫剤を使用した後、扉を開けると、仰向けになったゴキブリが散乱しており声も出ず扉を閉めました。今でもあの光景は忘れません。その後、悲鳴を上げることを我慢し、片付けを行い自宅環境が改善し、Sさんの家でゴキブリを見ることはありません。今では耐性がつき、動じなくなりました。 2023年2月投稿 どんな出来事も冷静に受け止める平常心 今回は人の死にまつわる不思議な出来事やリアルにぎょっとしたエピソードをご紹介しました。稀有なエピソードを聞くと一見他人事のように感じるかもしれませんが、こうした出来事は自分自身にもふいに訪れることがあります。予期せぬ出来事や想像を超える出来事があったとしても、混乱せず冷静に受け止めること、また平常心を保ち対応することが大切だと教訓になりますね。 編集: 合同会社ヘルメースイラスト: 藤井 昌子

訪問看護に医療保険が適用される条件は?介護保険との違いも解説
訪問看護に医療保険が適用される条件は?介護保険との違いも解説
特集
2023年9月19日
2023年9月19日

訪問看護に医療保険が適用される条件は?介護保険との違いも解説

訪問看護で適用される保険は、医療保険と介護保険です。医療保険は、病気やけがをしたときにかかる治療費の一部をカバーしてくれる保険で、介護保険は介護の費用負担を軽減してくれる保険です。 訪問看護の場合、利用者さんの年齢や状態などによって適用される保険が変わってきます。改めて医療保険と介護保険との違いや、それぞれの保険が適用される際の条件を確認しましょう。 医療保険と介護保険の適用条件 医療保険と介護保険の適用条件の違いをまとめると、以下のようになります。 それぞれ、もう少し詳しく見ていきましょう。 医療保険の場合 医療保険では、以下の年齢や条件で区分を設けています。 40歳未満(0~39歳)の方40歳以上~65歳未満で16特定疾病(※1)以外の方40歳以上~65歳未満で介護保険第2号被保険者(※2)ではない方65歳以上で要支援・要介護の認定を受けていない方 ※1 厚生労働省「特定疾病の選定基準の考え方」※2 介護保険第2号被保険者…40歳以上65歳未満の健保組合、全国健康保険協会、市町村国保などの医療保険加入者 医師によって訪問看護の必要があると判断された40歳未満の方や、16特定疾病以外の40歳以上65歳未満の方、要支援・要介護の認定を受けていない65歳以上の方が、基本的に医療保険の適用となります。ただし、要支援・要介護の認定を受けていても、「厚生労働大臣が定める疾患等」(19の疾病と1つの状態)に該当する場合は、医療保険の適用です。また、特別訪問看護指示書が出た場合も医療保険を利用できます。 介護保険の場合 介護保険の年齢区分も、医療保険と同様に40歳以上65歳未満、65歳以上となっていますが、介護保険の適用条件は次のとおりです。 40歳以上~65歳未満の第2号被保険者で16特定疾病の方65歳以上の第1号被保険者で要支援・要介護認定を受けている方(第1号被保険者) 原則として、医療保険と介護保険を併用することはできません。厚生労働大臣が定める「厚生労働大臣が定める疾患等」に当てはまる場合や、特別訪問看護指示書が出た場合は医療保険になります。 訪問看護で医療保険が優先されるケースは? 先述したように、厚生労働大臣が定める19の疾病と1つの状態に当てはまった場合や、特別訪問看護指示書が出た場合は医療保険が優先されます。仮に要支援や要介護の認定を受けている場合でも、医療保険が優先になるため注意しましょう。 「厚生労働大臣が定める19の疾病と1つの状態」 末期の悪性腫瘍多発性硬化症重症筋無力症スモン筋萎縮性側索硬化症脊髄小脳変性症ハンチントン病進行性筋ジストロフィー症パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ三以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る。))多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症及びシャイ・ドレーガー症候群)プリオン病亜急性硬化性全脳炎ライソゾーム病副腎白質ジストロフィー脊髄性筋萎縮症球脊髄性筋萎縮症慢性炎症性脱髄性多発神経炎後天性免疫不全症候群頸髄損傷人工呼吸器を使用している状態 医療保険と介護保険の利用条件と保険料 利用条件の違い 医療保険と介護保険では、以下のとおり利用条件の違いがあります。 ■医療保険と介護保険の利用条件の違い  医療保険介護保険支給限度額上限なし上限あり利用回数週3回まで制限なし利用時間1回30~90分20分未満、30分未満、30分以上60分未満、60分以上90分未満の中から選べる 大きな違いは、「月の支給限度額」の有無でしょう。医療保険には限度額が設定されていませんが、利用し放題にならないよう、次の条件で利用する決まりになっています。 医師に必要性を認められれば、1日1回30~90分、週3回まで利用可能厚生労働大臣が定める19の疾病と1つの状態に該当した場合や、特別訪問看護指示書が出た場合は、1日2~3回、かつ週4日以上利用可能 介護保険で訪問看護を利用する場合は、利用回数に制限はありません。ただし、支給限度額に上限があるため、限度額の範囲内で収まるように訪問看護を利用する必要があるのです。訪問看護以外にも介護保険を使ったサービスを利用するケースが多いため、結果的に訪問看護の利用は週1~2回に抑えられることが多いでしょう。 保険料の算出方法の違い また、保険料の算出方法も異なります。 医療保険の場合、以下の合計により報酬単位を算出します。1単位当たりの料金は、全国一律で10円です。 訪問看護基本療養費(週当たりの訪問日数に応じて変動)訪問看護管理療養費(月の初日と2日目以降で金額が異なる)各種加算(緊急訪問看護加算、難病等複数回訪問看護加算、長時間訪問加算 など) 介護保険の場合、介護度や訪問時間、各種加算(退院時共同指導加算、夜間・早朝加算、サービス提供体制強化加算など)により報酬単位数を算出します。1単位当たりの料金は、地域区分によって変動します。 訪問に入るまでの流れの違い 医療保険の場合、主治医や近くの訪問看護ステーションに相談し、必要性が認められれば訪問看護の利用が可能です。しかし、介護保険の場合はまず要介護の認定を受ける必要があるため、要介護認定の申請をしなければなりません。すでに要介護の認定を受けている場合は、担当のケアマネジャーに相談します。 その後は、医療保険・介護保険のどちらも主治医から訪問看護指示書により指示を受けます。医療保険の場合は、訪問看護ステーションやかかりつけ医などに相談するケースが多く、介護保険の場合は担当のケアマネジャーがコーディネートするケースが多いです。 * * * 訪問看護の利用において、医療保険と介護保険のどちらが適用されるかは、利用者さんの状況によって異なります。改めてそれぞれの基本的な適用条件を確認しましょう。 また、利用者さんの病状や状況、年齢は変化するため、変化に応じて保険の見直しが必要になります。質問されることもあるので、きちんと理解しておくことが大切です。 執筆:柿野 俊弥監修:川島 峻監修者プロフィール:医師、医学博士。横浜市立大学医学部、東京大学大学院医学系研究科卒業。虎の門病院、東大病院心臓呼吸器外科などで勤務ののち、Harvard Medical School, Brigham and Women’s Hospital留学。帰国後、新宿アイランド内科クリニック院長として幅広い世代に対して内科疾患、予防医療を中心に診療している。呼吸器専門医、胸部外科専門医会員、呼吸器外科専門医、外科専門医、がん治療認定医。編集:株式会社パンタグラフ 【参考】○厚生労働省「訪問看護のしくみ」https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000123638.pdf(2023/6/20閲覧)〇公益財団法人 日本訪問看護財団「厚生労働大臣が定める疾病等について」https://www.jvnf.or.jp/shippei100420.pdf(2023/6/20閲覧)

漫画「爪切りを通して」
漫画「爪切りを通して」
特集
2023年9月13日
2023年9月13日

受賞作品漫画「爪切りを通して<後編>」【つたえたい訪問看護の話】

NsPaceの特別イベント「みんなの訪問看護アワード」で募集した「つたえたい訪問看護の話」。今回は、古橋 笑生さん(ひだかK&F訪問看護ステーション/埼玉県)の入賞エピソード「爪切りを通して」をもとにした漫画の後編をお届けします。 「爪切りを通して」前回までのあらすじなかなかお風呂の介助以外のサポートができず、利用者の田中さんとの間に高い壁を感じていた古橋さん。どうコミュニケーションをとるべきか、悩んでいました。ある日、田中さんの爪が伸びていることに気付き、「切りましょうか」と提案。すると、田中さんは「そんなことお願いできるの?」と言いながら、何かを取り出して…。 >>前編はこちら受賞作品漫画「爪切りを通して<前編>」【つたえたい訪問看護の話】 爪切りを通して<後編> 漫画:さじろう山形県在住のイラストレーター兼グラフィックデザイナー。デザイン会社を経て独立。『ダ・ヴィンチ』『東京カレンダー』『Men’s NONNO』『R25.jp』等、多数の雑誌・Web媒体にてイラスト・漫画制作を手掛ける。 エピソード投稿:古橋 笑生(ふるはし えみ)ひだかK&F訪問看護ステーション(埼玉県)まさか入賞するとは思っておらず、ご連絡いただいた際には本当に驚きました。ステーションの所長や同僚もみんな祝福してくれました。漫画化は少し恥ずかしい気持ちもありましたが、「またお会いしたい」と思っていた利用者さんが漫画の中にいらっしゃって、またお会いできたような気持ちになり、嬉しくて笑みが溢れました。本当にありがとうございました。 [no_toc]

漫画「爪切りを通して」
漫画「爪切りを通して」
特集
2023年9月12日
2023年9月12日

受賞作品漫画「爪切りを通して<前編>」【つたえたい訪問看護の話】

NsPaceの特別イベント「みんなの訪問看護アワード」で募集した「つたえたい訪問看護の話」。今回は、古橋 笑生さん(ひだかK&F訪問看護ステーション/埼玉県)の入賞エピソード「爪切りを通して」の漫画をお届けします。 >>全受賞エピソードはこちらつたえたい訪問看護の話 受賞エピソード発表!【みんなの訪問看護アワード】 爪切りを通して<前編> >>後編はこちら受賞作品漫画「爪切りを通して<後編>」【つたえたい訪問看護の話】 漫画:さじろう山形県在住のイラストレーター兼グラフィックデザイナー。デザイン会社を経て独立。『ダ・ヴィンチ』『東京カレンダー』『Men’s NONNO』『R25.jp』等、多数の雑誌・Web媒体にてイラスト・漫画制作を手掛ける。 エピソード投稿:古橋 笑生(ふるはし えみ)ひだかK&F訪問看護ステーション(埼玉県) [no_toc]

ニャースペースのつぶやき 夏
ニャースペースのつぶやき 夏
特集
2023年9月5日
2023年9月5日

夏になると出現率アップ…ニャースペースのつぶやき【訪問看護あるある】

虫と遭遇すると、ついビクっとなってしまう 夏になると、訪問先で虫さんとの遭遇率アップ。平常心を保とうと思っても、時々つい「ビクッ」となってしまうにゃ… 訪問先で虫と遭遇するケースもありますよね。特に夏になると遭遇率が上がります。表情には出さずに平静を保とうと思っていても、ついビクっとなってしまうことも。訪問看護師さんからは、「清拭をしようとして積みあがっていたタオルに手をかけたら何かがササっと動いたのでゾッとしたが、何事もなかったようにケアを続けた」といった体験談も。 ニャースペース病棟看護経験5年、訪問看護猫3年目。好きな言葉は「猫にまたたび」「わかる!」「こんな『あるある』も聞いて!」など、みなさんの感想やつぶやき、いつでも投稿受付中にゃ!>>投稿フォーム

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