みんなの訪問看護アワード2023

希望が叶ったエピソード【つたえたい訪問看護の話】
希望が叶ったエピソード【つたえたい訪問看護の話】
特集
2023年12月12日
2023年12月12日

希望が叶ったエピソード【つたえたい訪問看護の話】

訪問看護では利用者さんの希望に沿い目標を設定していきますが、実現するまでにたくさんの課題が待ち受けていることも。今回は、「みんなの訪問看護アワード2023」に投稿されたエピソードから、利用者さんとともに課題を克服し、希望を実現できたエピソードを4つご紹介します。 「時間をかけても良い。カニューレも胃瘻も要らないようになりたい」 希望の実現に向け、発声練習を行い努力し続けた利用者さんの姿と、それを支援し続けた訪問看護師の姿が目に浮かぶようです。 心筋梗塞で心肺停止から復帰後、呼吸管理のための気管カニューレ、嚥下機能低下による胃瘻造設の状態が安定したため自宅へ退院。スピーチカニューレでの発声練習を行いながらの生活。肺炎を2回起こしたがその後は肺炎となることはなくなった。エンジョイゼリーでの嚥下訓練を行い、お正月には好きだったお酒を少しずつ飲めるようになる。すり下ろしたリンゴやヨーグルトなどを摂れるようになる。このころには呼吸の状態が安定しほぼ丸一日スピーチカニューレで過ごすことができるようになる。ある日、咳き込んだ時にカニューレが抜けてしまいそれがきっかけでカニューレ抜去、気管孔も自然に閉鎖する。それから2年。食事も水分も経口摂取できるようになり胃瘻も抜去となった。カニューレも胃瘻も時間がかかってもいいから抜けるといいと希望していた事が4年かけて実現する事ができた。 2023年1月投稿 「気分に左右されず淡々と」 行動療法により結果を得たひとつの事例です。卒業に至る9年の間、たくさん話し合い向き合ってきた二人の様子が想像できます。 長い鬱病で自分を追い詰め、精神科病院入院中の自殺企図により後遺症が残った30代女性。「精神科訪問看護って何をしてくれるんですか」。病院から退院し、初めての一人暮らしをするにあたり、主治医からのすすめで渋々訪問看護を受け入れた。生きる気力を失い、退院時に決めた日中活動も休むことが多かった。自分の感情がわからず、何を聞いても「わからない」を繰り返すため、私は思わず「感情が死んでいるね」と言ってしまったが、それにも無反応な状態であった。しかし今は一般企業で常勤勤務している。転機は、金銭面での不安から。頼りにしていた両親が相次いで亡くなったのだ。就労支援事業所通所から始めたが、最初は休みがちだった。理由は「やる気が起きない」から。やる気は必要ない、とにかく行くこと、続けることと話すと徐々に継続できるようになり就職につながった。訪問看護を開始して9年、最近になって卒業したいと話あり、嬉しい終了となった。 2023年2月投稿 「嬉しいお別れ」 元気に回復をして訪問看護卒業という喜ばしいエピソードです。 珍しい染色体異常の女の子。突然死のリスク、今後の情報が乏しい中ではあったが状態も落ち着き、生後約1年の入院を経て退院となった。退院前カンファレンスでは、不安故に質問攻めの母、何を聞いて良いか分からず手を膝に置く父、必死にメモをとる祖母。身体の状態に加え心身の成長発達と支援が多岐に渡るため、関係者はひとクラスの人数になる程。私にとっては初めての小児の受け持ち児でもあり、不安な表情を見せまいと思いつつも何ができるだろうかと戸惑いながらのスタートだった。あれから約1年。2歳になった彼女の体調は安定し家族で旅行へ、なんと保育園に通えるようにもなった。お友達と公園でお砂場遊びやブランコをして満面の笑みを見せているらしい。そして、ついに訪問看護は卒業となった。 2023年2月投稿 「まだやってないからわからないよねえ」 まさに「為せば成る」の事例ではないでしょうか。周囲から「難しい」といわれても、やってみようという前向きな姿勢の利用者さんと、実現に向け支援に尽力する投稿者さんの姿が印象的です。 公務員への復職を目指す脳卒中患者のAさん、リハビリ病院を退院する際に「失語症があり電話は難しい。外は歩けないので通勤には車いすが必要」と告げられた。右片麻痺と高次脳機能障害があり、退院直後は外で歩くのは50mが限界。なのに、通勤はバスと歩きで1時間。周りが難色を示す中、穏やかな性格の本人が優しく「まだやってみてないからわからないよねえ」と。その一言に、支援者が諦めてはいけないと思い、訪問看護(リハ)では、脳卒中でもできている事例の動画をかき集めて真似をして練習を重ねた。人事部の職員や産業医と話し合いを重ね、復職に向けたスケジュールを調整し、まずは「会社の同僚と食事に行けるように」など、笑いや息抜き、繋がりを大切にしながら努力を重ねた。結果、資料作成や研修など、もともと行っていた仕事を再開する形で復職。「やってみたからできたのかもねえ」と。次は同僚とスキー旅行に行く方法を、動画サイトで検索していた。 2023年2月投稿 できることの積み重ねが実を結ぶ 人生の中では疾患や不慮の事故により、「今までできていたこと」ができなくなることもあります。それにより、悲しみや不安に駆られる利用者さんは多いでしょう。今回のエピソードは、できることを少しずつ重ねていくことで希望や目標を実現できたお話ばかり。目標を諦めず行動していくことの重要性を改めて実感しますね。 編集: 合同会社ヘルメース イラスト: 藤井 昌子 第2回「みんなの訪問看護アワード」エピソードの募集は終了いたしました。たくさんのご応募ありがとうございました。>>イベント詳細はこちらから第2回「みんなの訪問看護アワード つたえたい訪問看護の話」 特設ページ

嬉しかった瞬間エピソード
嬉しかった瞬間エピソード
特集
2023年11月28日
2023年11月28日

嬉しかった瞬間エピソード【つたえたい訪問看護の話】

訪問看護の現場では、訪問先の利用者さんやご家族と接するなかでさまざまなエピソードやドラマが生まれています。「みんなの訪問看護アワード2023」に投稿されたエピソードから、利用者さんやご家族から感謝や信頼を得ることができ、「嬉しい!」と感じたエピソードを5つご紹介します。 「その人の本当が見えた時」 利用者さんと距離を縮めることができた時の喜びは大きいものですよね。利用者さんからの信頼は何よりも大切な宝にもなることがわかるエピソードです。 訪問看護を始めて3ヵ月の時の利用者様の話。初めての担当者会議では、その方は厳格な方であった。自宅療養で看護師が来ることは理解され介入となったが、初回介入時は30分間相手にしてもらえず。その方の奥様は毎回、私達スタッフが帰るのを見送って下さる。「主人がいつも酷いことを言ってすいません。」と毎回頭を下げられる。私は訪問が終わると、どうしたら分かってもらえるのか涙がでて、先輩方に相談の日々であった。何が原因なのか考えた時に、まずは自分の関わり方を振り返った。そう思ったのも、自分自身で身に覚えがあるからだった。3ヵ月が経ったある日の訪問日から、表情が柔らかくなったのが分かった。体調のこと以外にも、プライベートな事まで話され、時には私の事にまで質問をされることも。そこで「やっと訪問看護師として認めてもらえた!」とすごく嬉しかったのを覚えている。そこで私は、病棟看護師と訪問看護師のケアが違う事に気づかされた。この利用者様のおかげで看護師としてだけではなく、人として成長できた。今ではご家族とともにお手紙もいただき、私は感謝でいっぱいだ。 2023年1月投稿 「実感を取り戻す看護」 利用者さんの心身を安らげることができた嬉しさと、看護の意味を改めて感じさせられるエピソードです。 複数の既往が増悪し、入院していた方が自宅退院を果たした。体調が悪くなってから入浴はできなかった様だが、元々は三度の飯より入浴を好まれる方で無類の長風呂好きだったそうだ。本人はかなり消耗しており、ソファに腰掛けているだけでも眉間には皺が寄り、肌は冷たく青ざめている。衣服からのぞく痩せ細った腕と紫斑が入院生活の壮絶さを物語る。大好きな入浴をさせてあげたかったが、本人にとってあまりにも負担が大きいため足湯を提案した。久々の暖かいお湯に足をくぐらせると「ああ」と声が漏れた。眉間からは皺が消え、常に全身に取り巻いていた強張りが自然とほぐれていくようだった。声は掠れた声で「いいですね」と静かに笑ってくれた。足湯を終えると血の巡りが戻り、青ざめた肌は薄いピンク色になった。熱と潤いを閉じ込めるように保湿クリームを塗り衣類を整える。「本当にありがとう」小さな声ではあったが、ぼくにしっかりと届いた。 2023年1月投稿 「家族の一員の様なお付き合い」 利用者さんやご家族からこうしたお誘いをいただけると、「人としても信頼されている」と嬉しく感じるとともに励みになるエピソードです。 訪問看護を行う中で、軽症な方から重症な方、在宅での看取りも考えなければならない方など、さまざまな方にお会いします。訪問の介入を長く行っていると、お客様やご家族様から「一緒に旅行に行きたいですね」、「食事に行けたらいいですね」と言っていただけることがあります。こういう風に、私たちと一緒に過ごしたいと思っていただけていることに、とても嬉しく思います。 2023年2月投稿 「本人・家族の希望を叶える~『あきらめない』チームの行動力~」 多職種で支援する在宅医療の強みを活かし、連携して利用者さんの希望を叶えることができた事例です。 余命数ヵ月の癌終末期にあるA氏が「ドライブしたい」と発した言葉から外出支援が行なえた事例です。A氏の家族は夫と高校生、中学生の子供2人でした。訪問看護師は今を逃すと外出支援ができなくなると考え、主治医に外出許可を得ました。しかし自宅は集合住宅の2階にあり、移動が困難な状況。ケアマネジャーに相談し福祉用具業者と階段スロープを設置し車いす移動を試みましたが急坂になってしまい断念。そこで訪問リハビリと相談し、介護用担架が提案され移動のシミュレーションを実施しました。外出当日は家族が担架での移動をし、スタッフは介助に回りました。2時間の外出にて桜を見たり、ドライブすることができました。「最高の先生とスタッフさんです」とベッドに戻った際には思わず全員で拍手をして喜びあいました。「A氏の希望を叶えたい。家族と良い時間を過ごしてほしい」というスタッフ間の共通した思いと行動力が実現に至ったと感じています。 2023年2月投稿 「多職種とともに」 病識がなかなか持てない利用者さんへ根気よく向き合い続けることで、多職種での支援にもつながりうまくいった事例です。 精神障害をもつ40代男性。病名に納得がいかず、病院を転々とし治療継続には繋がらなかった。就労意欲はあるが、数週間で辞めることを繰り返していた。精神科訪問看護導入後、定期的な治療含め生活面について一緒に確認、承認していったことで、1年程就労継続できたこともあった。しかし、強い責任感や不安、対人面でのストレス、金銭管理の乱れなどが影響し、就職しては辞めることを繰り返していた。仕事をしたい気持ちは強く、自分は精神障害者じゃないという思いがあったが、看護師が勧めた障害者職業センターへの相談を受け入れることとなった。センター職員とは情報共有を重ね、ジョブコーチによる仕事量・人間関係などの職場調整が入ったことで、「辞めたい」「新しい仕事を探しました」と言いながらも辞める前に相談してくれるようになってきている。違う職種の人たちと一緒に支援することで、自分の考えも人脈も幅が広がったと思う。 2023年2月投稿 利用者さんの望むケアを提供する喜び 利用者さんの生活空間に入っていく訪問看護では、多職種と協力しながら、利用者さんやご家族と信頼関係を築くことが大切です。しかし、信頼を得ることや利用者さんが望む支援を実現するのは簡単なことではありません。 「どうすれば信頼してもらえるのか?」「どうすればよりよい支援を実現できるのか?」 難しいからこそ、それらを達成できたときに喜びを分かち合えるのも訪問看護の醍醐味なのかもしれません。 編集: 合同会社ヘルメース イラスト: 藤井 昌子 

訪問看護のやりがいエピソード
訪問看護のやりがいエピソード
特集
2023年11月14日
2023年11月14日

訪問看護のやりがいエピソード【つたえたい訪問看護の話】

仕事は生活するお金を稼ぐために必要な手段のひとつですが、人生のうちの多くの時間を占めます。充実感・自己肯定感を得るためにも、仕事のやりがいは大切です。今回は、「みんなの訪問看護アワード2023」に投稿されたエピソードから、やりがいをテーマとしたエピソードを5つご紹介します。 「訪問看護を、私の一生の仕事に、後押ししてくれたO氏」 この人のために何ができるか?看護師を職業として選んだ理由や看護師としての初心を思い返すエピソードです。 「外の景色見てもらおうよ」「外に出て風を感じてもらおう」私たち、訪問看護を始めてまもないナース3人は、ALSで数年間寝たきり、人工呼吸器つけた70代のO氏を、外に連れ出す計画を立てました。呼吸維持のため、アンビューバッグ。万が一のため、足踏み式吸引機。移動の為のストレッチャーを、準備して、近くの神社へ。紅葉の綺麗な時期でした。数年ぶりに外に出たO氏は、後日パソコンの指先の操作で、「楽しかった」「気持ちよかった」と感想を述べてくれました。別日には、公園にも出かけました。またクリスマスには、3人で持ち寄った楽器でミニコンサートを、ベッドサイドで開催しました。もう亡くなってしまいましたが、その時撮った写真は、今でも私を初心に帰してくれます。これは、私の20年以上も前の大切な思い出です。今では、スタッフも10人以上の大きなステーションに成長しました。あの時の原動力は、今と違って時間にもゆとりがあったからうまれたのかも知れません。しかしながら、若いスタッフにあの情熱は確実に受け継がれていると感じています。嬉しいことに、この街にも、訪問看護が着実に根付いてきたようです。 2023年2月投稿 「『最期まで面倒見る』って言われたけれど…」 利用者さんの選んだ最期の過ごし方とその日常に、訪問看護として関われる喜びを感じるエピソードです。 100歳を超える女性が退院。主介護者は息子さん。脳梗塞での入院で、病院からは療養型をすすめられ「うちで最期まで面倒みますよ」と言われたが、息子さんは自宅退院を希望。経口摂取も難しく、年齢的にもいつ何があってもおかしくないといわれたものの、そろそろ3ヵ月が過ぎる。表情が穏やかになり、訪問入浴で笑顔もみられ、訪問リハで拘縮も緩和してくる。息子さんは看護師からのケアの指導に「我流だったけど、プロはやっぱり違う」と大満足。「お母さん、お家はいいねぇ。退院できて、年も越せて本当に良かったねぇ」と優しく語り掛ける息子さん。母は言葉では返事できないが、温かい笑顔で返す、そんな日々に訪問看護とリハで関わっている。 2023年2月投稿 「日常を支えること」 人の生は有限であり、何気ない日々の尊さと時間の大切さを実感させられるとともに、その生を支援できる訪問看護のやりがいを感じるエピソードです。 「誕生日おめでとう」「ありがとう」か細い声ではあるが、Aさんが笑みを浮かべ、そう返した。年の瀬に末期がんを宣告され、ひと月半が経つ。徐々に口数が減り表情が乏しくなり行く状況で、少し先の目標を掲げながら伴走を続けてきた。クリスマスを迎える。新年を迎える。そして、誕生日のお祝いをする。それは決して特別ではない当たり前の日常。私たちはそんな日々を積み重ねながら人生を歩んでいるのだと思う。しかし、高齢になり病気を患うと、それまで当たり前だった日常はそうではなくなってしまう。私が考える看護師の役割とは、その人にとって当たり前の日常を送れるよう手を差し伸べること。感情を表出したり、季節を感じたり。Aさんと接して、よりその大切さを感じた。今日もAさんの看護に向かう。いつものように挨拶を交わすとAさんの顔に笑みが浮かんだ。その傍らで誕生日プレゼントのガーベラが、色鮮やかに咲いていた。 2023年2月投稿 「生きる意欲を失いかけた方へ伴走する看護」 自分らしくできないならもう自分ではない…。病気は時に人の尊厳や生きる意欲をかき消してしまうこともあります。ただそうなってからも、病気に打ち勝つ努力をされた利用者さんやご家族と、それを支援し伴走し続けた投稿者さんには感動を覚えます。 妻のM様と二人暮らしの90歳代のE様。入浴前後には「行ってきます、行ってらっしゃい」「ただいま、おかえり」と声を掛け合ったりお二人のやり取りを見ているとお互いを大切にしていることがうかがえる素敵なご夫婦。E様は元国語教師、M様は父が大手デパートの役員で裕福な家庭のお嬢様。E様は末期膀胱がんで膀胱タンポナーデを繰り返し、膀胱留置カテーテルが挿入された。重度大動脈弁狭窄症による失神発作も頻回に認め介護を受けることが多くなり「死にたい」という発言も聞かれるようになった。訪問看護ではE様の意思決定に伴走し、E様はM様と自宅で暮らす選択をした。1日3回訪問をしてまずは身体的側面を整え、お二人の文化・社会的側面を意識した関わりを続けた結果、病状も以前より安定し入浴も再開。趣味の読書や晩酌もできるようになりE様らしさを取り戻した。現在もお二人は自宅で暮らし訪問看護はその暮らしに伴走している。 2023年2月投稿 「『看護はアート』と考えられた訪問看護」 訪問看護という仕事は、たくさんの色を重ね合わせて作り上げていくものなのかもしれません。そんな仕事へのやりがいや自己の成長を感じたエピソードです。 学生のころ、「看護はアート」とナイチンゲールが述べたと習った。病院で働いていたころはそう思えなかった。しかし訪問看護師として働き始め、その人らしさを守れるように、生活を多角的に看る看護を考え始めて、「看護はアート」であると理解できるようになった。認知症の独居の患者には、内服を確実にできる工夫を考えるほか、生活状況・火の元の管理や、訪問販売で不要な契約をしていないか等ケアマネと家族と連携して考えた。看取りのがん患者には医療提供はもちろん、ルート類でつまずかない室内配置を考えたり、本人や家族それぞれの思いを吐露できるよう介入したり、看取りの後悔をご家族が軽減できるようエンゼルケアを一緒に行ったり、自分なりに工夫した。訪問看護は患者と家族をつなぎ、介護・福祉を通して地域にも貢献できる仕事だ。ナイチンゲールの述べたことを理解するのに看護師になって何年もかかったが、訪問看護師になって成長できたと思う。 2023年1月投稿 なぜ訪問看護に携わるのか? 「なぜ今の仕事を選んだのですか?」「仕事のやりがいは?」 聞かれてはっきりと答えることができる人は実はそう多くないのかも知れません。今回それぞれのエピソードでやりがいや充実感も感じ取れますが、それは投稿者さんにとっての答えでしかありません。ではあなたが訪問看護をする理由は何ですか?エピソードを通じ、一度自分の中で振り返る機会になれば幸いです。 編集: 合同会社ヘルメースイラスト: 藤井 昌子

受賞作品漫画「ちょっと早めの金婚式」
受賞作品漫画「ちょっと早めの金婚式」
特集
2023年10月18日
2023年10月18日

受賞作品漫画「ちょっと早めの金婚式<後編>」【つたえたい訪問看護の話】

NsPaceの特別イベント「みんなの訪問看護アワード」で募集した「つたえたい訪問看護の話」。今回は、村田 実稔さん(ウィル訪問看護ステーション江東サテライト/東京都)の入賞エピソード「ちょっと早めの金婚式」をもとにした漫画の後編をお届けします。 ※記事内に記載している所属先は、2023年3月の受賞当時のものです。 「ちょっと早めの金婚式」前回までのあらすじ 訪問看護師 新人の村田さんは、所長の櫛野さんとともに尿管癌末期の利用者 山本さんの訪問を担当しています。余命宣告をされていますが、ご家族の意向で山本さんご本人には伝えていません。「妻に迷惑をかけたくない」と歩行リハビリをがんばる山本さんでしたが、病状は進行していき、あと少しの時間しか残されていませんでした。 〇訪問看護師 新人 村田さん〇所長 櫛野さん >>前編はこちら受賞作品漫画「ちょっと早めの金婚式<前編>」【つたえたい訪問看護の話】 ちょっと早めの金婚式<後編> 漫画:さじろう山形県在住のイラストレーター兼グラフィックデザイナー。デザイン会社を経て独立。『ダ・ヴィンチ』『東京カレンダー』『Men’s NONNO』『R25.jp』等、多数の雑誌・Web媒体にてイラスト・漫画制作を手掛ける。 エピソード投稿:村田 実稔(むらた みのる)ウィル訪問看護ステーション江東サテライト(東京都)山本さん(仮名)は、私が初めて担当させていただいた末期がんの利用者さんです。このエピソードは私にとってとても印象深かったため、投稿させていただきました。素敵なお話なので、投稿時点から受賞するのではないかな、とも期待していました(笑)。最終的には金婚式を行い、ご本人も奥様も喜んでくださって、後悔が残らず本当によかったと思っています。ありがとうございました。 [no_toc]

受賞作品漫画「ちょっと早めの金婚式」
受賞作品漫画「ちょっと早めの金婚式」
特集
2023年10月17日
2023年10月17日

受賞作品漫画「ちょっと早めの金婚式<前編>」【つたえたい訪問看護の話】

NsPaceの特別イベント「みんなの訪問看護アワード」で募集した「つたえたい訪問看護の話」。今回は、村田 実稔さん(ウィル訪問看護ステーション江東サテライト/東京都)の入賞エピソード「ちょっと早めの金婚式」の漫画をお届けします。 ※記事内に記載している所属先は、2023年3月の受賞当時のものです。 >>全受賞エピソードはこちらつたえたい訪問看護の話 受賞エピソード発表!【みんなの訪問看護アワード】 ちょっと早めの金婚式<前編> >>後編はこちら受賞作品漫画「ちょっと早めの金婚式<後編>」【つたえたい訪問看護の話】 漫画:さじろう山形県在住のイラストレーター兼グラフィックデザイナー。デザイン会社を経て独立。『ダ・ヴィンチ』『東京カレンダー』『Men’s NONNO』『R25.jp』等、多数の雑誌・Web媒体にてイラスト・漫画制作を手掛ける。 エピソード投稿:村田 実稔(むらた みのる)ウィル訪問看護ステーション江東サテライト(東京都) [no_toc]

受賞作品漫画「104歳の日常」
受賞作品漫画「104歳の日常」
特集
2023年10月4日
2023年10月4日

受賞作品漫画「104歳の日常<後編>」【つたえたい訪問看護の話】

NsPaceの特別イベント「みんなの訪問看護アワード」で募集した「つたえたい訪問看護の話」。今回は、長尾 弥生さん(白川訪問看護ステーションこだま/岐阜県)の入賞エピソード「104歳の日常」をもとにした漫画の後編をお届けします。 「104歳の日常」前回までのあらすじ白川訪問看護ステーションと同じ敷地内にある高齢者住宅に住む利用者の石井さん。御年104歳にも関わらず、シニアカーでおでかけしたり、自室でお料理をしたり、朝からお酒を飲んだりと、元気にマイペースに暮らしています。しかし、高齢で心不全もあるため、緊急呼び出しがあり「苦しい」「もう死ぬのかな」とおっしゃることも…。 >>前編はこちら受賞作品漫画「104歳の日常<前編>」【つたえたい訪問看護の話】 104歳の日常<後編> 漫画:広田 奈都美(ひろた なつみ)漫画家/看護師/訪問看護ステーション管理者。静岡県出身。1990年にデビューし、『私は戦う女。そして詩人そして伝道師』(集英社)、『ナースのチカラ ~私たちにできること 訪問看護物語~』『おうちで死にたい~自然で穏やかな最後の日々~』(秋田書店)など作品多数。>>『ナースのチカラ』の試し読みはこちら【漫画試し読み】『ナースのチカラ』第1巻1話(その1) エピソード投稿:長尾 弥生(ながお やよい)白川訪問看護ステーションこだま(岐阜県)「私たちのステーションに、こんなに元気な104歳の方がいらっしゃいますよ」ということを皆さんに知っていただきたくて、このエピソードを投稿しました。私たちが看護しているというよりも、私たちのほうが石井さん(仮名)から毎回パワーをいただき、癒されています。以前から、石井さんのお話を漫画にしたいね、と同僚と話していたので、実際に漫画にしていただき、大変うれしく思っております。訪問看護について、中には「看取り」「長期間の闘病」など、つらくて暗いイメージをお持ちの方もいるかもしれません。でも、実際の訪問看護には、こんなにほっこりとした楽しい日常もたくさんあります。今回漫画にしていただいたことで、より多くの方に訪問看護の楽しさを知っていただけたら、とても嬉しいです。 [no_toc]

受賞作品漫画「104歳の日常」
受賞作品漫画「104歳の日常」
特集
2023年10月3日
2023年10月3日

受賞作品漫画「104歳の日常<前編>」【つたえたい訪問看護の話】

NsPaceの特別イベント「みんなの訪問看護アワード」で募集した「つたえたい訪問看護の話」。今回は、長尾 弥生さん(白川訪問看護ステーションこだま/岐阜県)の入賞エピソード「104歳の日常」の漫画をお届けします。 >>全受賞エピソードはこちらつたえたい訪問看護の話 受賞エピソード発表!【みんなの訪問看護アワード】 104歳の日常<前編> >>後編はこちら受賞作品漫画「104歳の日常<後編>」【つたえたい訪問看護の話】 漫画:広田 奈都美(ひろた なつみ)漫画家/看護師/訪問看護ステーション管理者。静岡県出身。1990年にデビューし、『私は戦う女。そして詩人そして伝道師』(集英社)、『ナースのチカラ ~私たちにできること 訪問看護物語~』『おうちで死にたい~自然で穏やかな最後の日々~』(秋田書店)など作品多数。>>『ナースのチカラ』の試し読みはこちら【漫画試し読み】『ナースのチカラ』第1巻1話(その1) エピソード投稿:長尾 弥生(ながお やよい)白川訪問看護ステーションこだま(岐阜県) [no_toc]

不思議&驚きエピソード
不思議&驚きエピソード
特集
2023年9月26日
2023年9月26日

不思議&驚きエピソード【つたえたい訪問看護の話】

仕事をしていると、感情的には嫌でも割り切ってやらないといけないことが出てきたり、時に自分の考えが及ばない場面や不思議な場面に遭遇したりすることもあります。「みんなの訪問看護アワード2023」に寄せられた投稿から、理解がしがたい不思議な出来事やぎょっとする驚きの体験エピソードを4つご紹介します。 「虫の知らせ」 不思議な出来事の中にも、故人への想いが感じられるエピソードです。 これは90代の男性療養者A氏の話である。A氏は呼吸不全状態であり、主に入浴介助のために訪問していた。A氏は非常に知的で厳しい方であった。ケアではA氏のルールがあった。状態の悪化に伴いA氏は入院となり、その後病院で亡くなった。しばらくして、奥さんは「遊びに来てください」と手紙をくださった。快晴の日、私は訪問してお線香をあげさせていただいた。そしてふと窓をみるとブロック塀の上にカマキリがいた。カマキリはじっと私と奥さんのほうをみている。カマキリの凛々しい目つきはA氏の姿を思い出させた。何よりどうやってここまで来たのか、非常に不思議で奥さんも驚いた。「虫の知らせ」という言葉がある。これは親しい人の死を予感する意味で使われることが多い。しかし死の予感だけでなく、虫が故人の魂としてやってくるとも言われる。A氏の魂がカマキリとなり来てくれたのだなと思い、私は「ありがとうございました」とカマキリに挨拶をした。 2023年1月投稿 「初めての訪問看護の現場での緊急事態」 緊急事態に遭遇しても対応できるのは自分一人ということも。冷静に対応できる平常心の大切さを感じるエピソードです。 初めて訪問看護に異動になり、引継ぎのために2名で訪問。前日に退院したばかりの60代男性宅に訪問したが、声をかけても出てこられずうめき声のようなものが聞こえる。近所に住む男性の兄に助けを求め、玄関の鍵を開けてもらい室内へ。男性は下半身裸のまま倒れ失禁している状態。初めての対面だったが何とかしなくてはと思い、助け起こし状況を確認した。どうやら就寝前薬を2回分誤って服用したようで、意識はあるが体が動かせない状態になっていたようだった。病院に連絡をして再度入院となった。訪問看護が何かも分かっていない時であり、もし1名で訪問していたらどうなっていただろうかと考えるとひやっとした出来事だった。 2023年2月投稿 「夏の日の出来事」 不思議な電話は利用者さんからの心のメッセージだったのでしょうか。 晴れた夏の正午一本の電話があった。「もしもし?」何度言っても無言。「お名前言えますか?」と何度か問うと電話の向こうで「ううう…」と長い唸り声が聞こえた。「大丈夫ですか?お名前言えますか?」「うう…」と言った後電話が切れた。急いで携帯番号を確認すると、入院中の利用者様からだ。事務の私は看護師に伝え、折り返し電話を掛けてもらうが繋がらなかった。二日後、その利用者様のご主人が利用料を支払いに来られた。「奥様のご容態はその後どうですか?」と聞くと、先週亡くなりましたと。珍しくどこからも情報が来なかった為、私達は亡くなられた事を知らなかったのです。奥様の携帯から電話が掛かってきた事を伝えると、ご主人は電話をかけていないとの事。あの電話は一体…看護師たちに厳しかったご主人が帰り際に「私もいつか宜しくお願いします」と言った姿が印象的で何だか奥様の温かい言葉の様にも聞こえました。今でもふと思い出す夏の日の出来事です。 2023年2月投稿 「黒光りする同居人」 訪問看護をしていると自宅の環境に驚愕することも。まさにこの出来事はその一例と言えるでしょう。ちょっと衝撃的なエピソードです。 Sさんはアルツハイマー型認知症の利用者で身寄りがなく、1人暮らしです。近隣住民とのトラブルが頻発するため介入しました。訪問すると、カサカサッと黒い影が横切りました。もしやと思い、目を凝らすと廊下・リビング・水回り、家中にゴキブリがうごめいており、「キャッ」と悲鳴を上げました。いつ行っても、ゴキブリがお出迎えしてくれます。私はゴキブリが気になりケアをおえるとすぐに家を出ていく日々が続きました。カンファレンスで、Sさんの不衛生な自宅環境の改善が必要と考え、殺虫剤でゴキブリを退治した後、自宅の片づけをしようと判断しました。そして決行日、くん煙タイプの殺虫剤を使用した後、扉を開けると、仰向けになったゴキブリが散乱しており声も出ず扉を閉めました。今でもあの光景は忘れません。その後、悲鳴を上げることを我慢し、片付けを行い自宅環境が改善し、Sさんの家でゴキブリを見ることはありません。今では耐性がつき、動じなくなりました。 2023年2月投稿 どんな出来事も冷静に受け止める平常心 今回は人の死にまつわる不思議な出来事やリアルにぎょっとしたエピソードをご紹介しました。稀有なエピソードを聞くと一見他人事のように感じるかもしれませんが、こうした出来事は自分自身にもふいに訪れることがあります。予期せぬ出来事や想像を超える出来事があったとしても、混乱せず冷静に受け止めること、また平常心を保ち対応することが大切だと教訓になりますね。 編集: 合同会社ヘルメースイラスト: 藤井 昌子

漫画「爪切りを通して」
漫画「爪切りを通して」
特集
2023年9月13日
2023年9月13日

受賞作品漫画「爪切りを通して<後編>」【つたえたい訪問看護の話】

NsPaceの特別イベント「みんなの訪問看護アワード」で募集した「つたえたい訪問看護の話」。今回は、古橋 笑生さん(ひだかK&F訪問看護ステーション/埼玉県)の入賞エピソード「爪切りを通して」をもとにした漫画の後編をお届けします。 「爪切りを通して」前回までのあらすじなかなかお風呂の介助以外のサポートができず、利用者の田中さんとの間に高い壁を感じていた古橋さん。どうコミュニケーションをとるべきか、悩んでいました。ある日、田中さんの爪が伸びていることに気付き、「切りましょうか」と提案。すると、田中さんは「そんなことお願いできるの?」と言いながら、何かを取り出して…。 >>前編はこちら受賞作品漫画「爪切りを通して<前編>」【つたえたい訪問看護の話】 爪切りを通して<後編> 漫画:さじろう山形県在住のイラストレーター兼グラフィックデザイナー。デザイン会社を経て独立。『ダ・ヴィンチ』『東京カレンダー』『Men’s NONNO』『R25.jp』等、多数の雑誌・Web媒体にてイラスト・漫画制作を手掛ける。 エピソード投稿:古橋 笑生(ふるはし えみ)ひだかK&F訪問看護ステーション(埼玉県)まさか入賞するとは思っておらず、ご連絡いただいた際には本当に驚きました。ステーションの所長や同僚もみんな祝福してくれました。漫画化は少し恥ずかしい気持ちもありましたが、「またお会いしたい」と思っていた利用者さんが漫画の中にいらっしゃって、またお会いできたような気持ちになり、嬉しくて笑みが溢れました。本当にありがとうございました。 [no_toc]

漫画「爪切りを通して」
漫画「爪切りを通して」
特集
2023年9月12日
2023年9月12日

受賞作品漫画「爪切りを通して<前編>」【つたえたい訪問看護の話】

NsPaceの特別イベント「みんなの訪問看護アワード」で募集した「つたえたい訪問看護の話」。今回は、古橋 笑生さん(ひだかK&F訪問看護ステーション/埼玉県)の入賞エピソード「爪切りを通して」の漫画をお届けします。 >>全受賞エピソードはこちらつたえたい訪問看護の話 受賞エピソード発表!【みんなの訪問看護アワード】 爪切りを通して<前編> >>後編はこちら受賞作品漫画「爪切りを通して<後編>」【つたえたい訪問看護の話】 漫画:さじろう山形県在住のイラストレーター兼グラフィックデザイナー。デザイン会社を経て独立。『ダ・ヴィンチ』『東京カレンダー』『Men’s NONNO』『R25.jp』等、多数の雑誌・Web媒体にてイラスト・漫画制作を手掛ける。 エピソード投稿:古橋 笑生(ふるはし えみ)ひだかK&F訪問看護ステーション(埼玉県) [no_toc]

× 会員登録する(無料) ログインはこちら