インタビュー

のばな、成長の軌跡

大阪府岸和田市で認知症に特化した取り組みをしており、現在はケアプランセンター、デイサービス、訪問介護、訪問看護、サービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホームを運営する「野花ヘルスプロモート(通称のばな)」。
今回は野花ヘルスプロモート代表取締役の冨田昌秀さんに、会社の経歴と事業内容をお伺いました。

はじまりは訪問入浴

さまざまな事業をされていますが、最初は何から始められたんですか?
冨田:
最初は、ケアプランセンター、訪問介護、訪問入浴の3つから始めました。
当時の岸和田市の訪問入浴事業所は、社会福祉法人だと1ヶ所しかなかったんです。在宅ケアが注目される中で、もっと必要になるはずだと思い、二番手として立ち上げました。
訪問入浴をやってみていかがでしたか?
冨田:
訪問入浴は、作業的、マニュアル的ことが多いですけれど、一番「ありがとう」が聞ける仕事でした。
立ち上げ時は看護師3人で運営していたので、訪問入浴中に医療的な面で気付けることもあり、ケアマネジャーさんにフィードバックしやすかったのもメリットだったと思います。
地域の評判は上々で徐々に利用者さんも増えました。
ただ、自分の給料も払えるくらいになったのは半年くらいしてからですね。
男性看護師で20代と若かったこともあって、会う方には「お前は何者や!」と警戒されるか、「面白い奴や!」と可愛がってもらえるか、反応はふたつに分かれましたね。
その後はどのように事業展開をされていったのでしょうか?
冨田:
次にトライしたのはデイサービスで、その後住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅を立ち上げています。
障害福祉の方面ではNPO法人を立ち上げ、復職支援・社会復帰支援のリワーク事業のシンクタンクとなっています。    
地域の中で求められるサービスを増やしていったんですね。
冨田:
そうですね。何が流行りかもありますが、経営者目線で安心安定の職場環境を作ることも模索しながら、地域で必要とされるものかをジャッジしながら作っていきました。
支える人を支えることが、持続可能な事業の柱となっています。    

働きやすい環境のマニュアル化を目指して


今後はどのようなことに取り組むご予定が教えてください。
冨田:
精神医療を提供しているクリニックや施設とのリワークのマッチング、コンサルティング事業が動いているところです。
訪問看護の多店舗展開はあまり考えていませんが、看護師が働きやすい環境についてマニュアル化していき、若い子たちがのれん分けのような形で展開していくときにサポートができたらと思います。    
ー「働きやすい環境をマニュアル化」について、具体的にお伺いしてもいいですか。
冨田:
のばなで働いている方のほとんどは女性で、子育てされている方も多いです。
ワークライフバランスを重視する方、バリバリ働きたい方、様々な課題や働き方に関する要望があります。
こういった課題や要望に対して、ICT技術などを活用しながら、それぞれのスタッフにあった働き方をマニュアル化して広げていけたらと思います。
そのために、クラウド化した電子カルテを利用したり、デバイスを配布したりするなど、看護師がリモートワーク出来る仕組みを整えています。
これから訪問看護が当たり前になっていく中で、他職種と良質なコミュニケーションを取ることが必要になります。そのための仕組みだったりツールだったりを、どんなものを使うと良いか経営側が考えていけたら、もっと面白く、うまくいくかと思います。
正解はないと思いますが、「より働きやすく」を意識しながら今後もやっていきたいです。


野花ヘルスプロモート代表取締役
冨田昌秀

祖母が看護師だった影響を受けて自身も看護師に。病棟での看護に違和感があり、介護保険施行のタイミングで起業を決意。代表を務める野花ヘルスプロモートは認知症ケアに注力しており、大阪府岸和田市にてケアプランセンター、デイサービス、訪問介護、訪問看護、サービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホームを運営している。

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