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マイコプラズマ肺炎とは?症状と治療

マイコプラズマ肺炎とは?症状と治療

マイコプラズマ肺炎とは、「肺炎マイコプラズマ」という細菌によって起こる呼吸器感染症です。発熱、だるさ、頭痛、のどの痛みなどから始まり、乾いた咳が長引くことがあります。

子どもや若い世代に多いとされていますが、大人がかかることもあります。症状が軽い場合もある一方で、肺炎に進行したり、咳が数週間続いたりすることもあります。この記事では、マイコプラズマ肺炎の症状、原因、感染経路、治療、受診の目安、ご自宅で見ておきたいポイントを解説します。

マイコプラズマ肺炎とは

マイコプラズマ肺炎は、肺炎マイコプラズマに感染することで起こる肺炎です。感染した人、特に小児の多くは気管支炎などの軽い症状で済むことがありますが、一部では肺炎となり、重症化する場合もあります。厚生労働省によると、潜伏期間は比較的長く、感染してから発症するまで2〜3週間程度とされています。

マイコプラズマ肺炎は、一般的な肺炎と比べて症状が軽く、歩ける程度の体調で経過することもあります。そのため「軽い風邪が長引いている」と思われることがあります。ただし、咳が長く続く、発熱が続く、息苦しさや呼吸時に異常な音がある場合は注意が必要です。

主な症状

マイコプラズマ肺炎の症状は、かぜ症状に似て始まることがあります。最初は発熱、頭痛、倦怠感、のどの痛みなどがみられ、その後、咳が目立つようになることがあります。

主な症状には、以下があります。

  • 発熱
  • 頭痛
  • 倦怠感
  • のどの痛み
  • 乾いた咳
  • 痰が少ない咳
  • 息苦しさ

特徴的なのは、咳が長引きやすいことです。発熱が落ち着いたあとも、乾いた咳が3〜4週間続く場合があります。また、厚生労働省によると、5〜10%未満の方で、中耳炎、胸膜炎、心筋炎、髄膜炎などの合併症を伴う例も報告されています。

また、CDCによると5歳未満の幼い子どもたちは、下痢、くしゃみ、嘔吐など異なる症状を示すことがあるとしています。

風邪との違い

マイコプラズマ肺炎は、初期には風邪と見分けにくいことがあります。ただし、次のような場合は、単なる風邪ではなくマイコプラズマ肺炎などの可能性も考えます。

  • 咳が1週間以上続いている
  • 乾いた咳が強い
  • 発熱が長引く
  • 家族や学校、職場で流行している
  • 咳で眠れない
  • 息苦しさがある

風邪症状だけで病名を判断することはできません。咳や発熱が長引く場合は、診察や検査が必要になることがあります。

感染経路とうつる期間

マイコプラズマ肺炎は、主に飛沫感染や接触感染によって広がります。咳やくしゃみのしぶきを吸い込んだり、病原体がついた手で口や鼻を触れたりすることで感染することがあります。感染拡大には、家族、学校、職場など、近い距離で過ごす環境が関係します。

潜伏期間が2〜3週間程度と長いため、いつ感染したか分かりにくいことがあります。また、症状が軽い人から広がる場合もあります。家庭内で咳が続く人がいる場合は、手洗い、咳エチケット、換気を意識しましょう。

治療の基本

マイコプラズマ肺炎の治療では、症状や検査結果、全身状態に応じて抗菌薬が使われることがあります。軽い感染では自然に回復する場合もありますが、肺炎と診断された場合は抗菌薬による治療が行われることがあります。

肺炎マイコプラズマは、ほかの一般的な細菌と性質が異なり、ペニシリン系などの抗菌薬が効かないという特徴があります。このため、どの薬を使うかは医師が判断します。自己判断で以前の薬を使ったり、途中で服用をやめたりせず、医師の指示に従いましょう。

咳がつらい場合でも、市販薬だけで長く様子を見るのは避けたほうがよい場合があります。発熱や咳が続く、息苦しさがある、食事や水分が取れない場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。

何科を受診する?

マイコプラズマ肺炎が疑われる場合は、内科、呼吸器内科、小児科などで相談できます。子どもの場合は小児科、大人の場合は内科や呼吸器内科が選択肢になります。

受診を考えたい症状は、以下のとおりです。

  • 発熱が続いている
  • 咳が長引いている
  • 咳で眠れない
  • 息苦しさがある
  • 胸の痛みがある
  • 食事や水分が取れない
  • ぐったりしている
  • 呼吸が速い
  • SpO₂(血中酸素飽和度)が普段より低い
  • 高齢者や基礎疾患のある方に症状がある

喘息や慢性呼吸器疾患がある方では、咳や息苦しさが悪化することがあります。普段の呼吸状態と違う場合は、早めに相談しましょう。

ご自宅で見ておきたいポイント

ご自宅で過ごしている方に咳や発熱が続くときは、咳や発熱だけでなく、呼吸の様子や食事・水分がとれているかもあわせて見ておくことが大切です。訪問看護や介護の現場でも、同じ点を確認します。特に高齢者や基礎疾患のある方では、症状の訴えがはっきりしないことがあります。

確認したいポイントは、以下のとおりです。

  • 発熱がいつからあるか
  • 咳の強さ
  • 咳の続いている期間
  • 痰の有無
  • 息苦しさの有無
  • 呼吸数(1分間の呼吸の回数)
  • SpO₂(パルスオキシメーターで測れる場合)
  • 胸の痛みの有無
  • 食事量
  • 水分摂取量
  • 睡眠への影響
  • 家族や周囲の流行状況
  • 薬を指示どおり飲めているか
  • 普段の状態との違い

受診や相談のときに伝えやすいよう、以下のようにメモしておくと役立ちます。

「5日前から熱と咳があります。今朝の体温は37.5℃くらいです。乾いた咳が続き、夜は咳で眠りにくそうです。SpO₂は95%でした。食事はいつもの半分ほどです。家族にも咳が出ている人がいます。」

「熱は下がってきましたが、咳が2週間続いています。話しているときに咳き込みます。息苦しさは本人からは出ていませんが、階段を上ると息が切れるようです。受診について主治医に相談する予定です。」

このように、症状の経過と普段との差を伝えることで、医師や看護師が状態を判断しやすくなります。

家庭でできる予防

マイコプラズマ肺炎を完全に防ぐことは難しいですが、基本的な感染対策で広がりを抑えることができます。特に、咳がある人がいる家庭や施設では、手洗い、咳エチケット、換気を続けることが大切です。

予防のポイントは、以下のとおりです。

  • 石けんと流水で手を洗う
  • 咳やくしゃみをするときは口と鼻を覆う
  • マスクを適切に使う
  • タオルの共有を避ける
  • 室内を換気する
  • 体調不良時は無理に登校・出勤しない

咳が続いている間は、周囲へ広げない配慮も必要です。子どもの登園・登校や大人の出勤については、症状、全身状態、医師の指示、施設や学校のルールに沿って判断しましょう。

まとめ

マイコプラズマ肺炎は、肺炎マイコプラズマによって起こる呼吸器感染症です。発熱、頭痛、倦怠感、のどの痛みなどから始まり、乾いた咳が長く続くことがあります。

風邪と似た症状で始まるため、初期には見分けにくいことがあります。咳が長引く、発熱が続く、息苦しさがある、胸の痛みがある場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。

ご自宅では、咳の強さや続いている期間、発熱、息苦しさ、SpO₂(測れる場合)、食事・水分の量、睡眠への影響を見ておくことが大切です。手洗い、咳エチケット、換気を行い、家庭や施設内で感染を広げないようにしましょう。


監修:飛鳥馬 沙耶(あすま さや)/訪問看護ステーション 管理者
HCU・高度急性期病棟にて約6年間、循環器・心臓外科・脳外科領域を中心とした急性期看護に従事。2023年より訪問看護ステーションの管理者として、在宅医療の現場に携わる。専門領域は、訪問看護・在宅医療、急性期看護。

【参考文献】

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