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心温まるエピソード【つたえたい訪問看護の話】第2回vol06
公開日:2026年5月29日
更新日:2026年5月29日

訪問看護の現場には、利用者さんやご家族との心の交流から生まれるエピソードがたくさんあります。「みんなの訪問看護アワード2024」に投稿された作品の中から、心がほっと温まるエピソードをご紹介します。
「夫婦の絆」
がん末期のご主人が、亡くなる前日に奥さんを抱きしめ、「ありがとう」の想いを伝えた夫婦の物語。
| 夫婦二人暮らしのお宅で、がん末期のご主人への訪問看護に携わった。 奥さんはクリーニング屋を営みながら介護をしていた。 ご主人は気管カニューレを挿入しており、奥さんとうまくコミュニケーションを取ることができなかった。それでも奥さんは仕事の傍ら、なんとか気持ちを通わせようと声をかけ続けていた。しかし、ご主人は自分の想いをうまく伝えられないもどかしさからイライラし、奥さんをつっぱねるようになっていた。 その後、ご主人が亡くなりグリーフ訪問をした時に奥さんからこのようなお話があった。 「亡くなる前の日に、お父さんが私をぎゅーっと抱きしめてくれた。『ありがとう』って言われた気がしたんだよ」と涙目で話してくれた。私は「良かったね、お母さんの想いは、ちゃんとお父さんに届いてたんですね」と声がけし、一緒に泣いた。 |
2024年1月投稿
「もう一人のあたたかい家族」
「家族とは何か」を問いかけながら、訪問看護師として利用者さんに寄り添いたいという想いを綴ったエピソード。
| 家族って何でしょうか。血の繋がり?それとも同居している人?家族の形とは? 「家族」と聞いて私が思い出すのは、産み育ててくれた両親、そして兄弟。海外で我が子のように愛してくれた恩師や兄弟のように接してくれた友人。 彼らに共通することは、信頼や愛情、そして相手を深く想う気持ちを持って接してくれたことです。 遠く離れていても、いつも心のどこかにいる存在。家族とは形にとらわれるものではなく、人と人の純粋な関係性なのだと私は思います。そんな家族にたくさん支えてもらいました。 訪問看護師として、私の家族が私に与えてくれたものを、関わる人々へ返していける人間になりたいです。 この想いを大切にして、利用者様はもちろん、在宅医療に関わる方々やスタッフの「もう一人のあたたかい家族」となれるよう毎日全力で自転車を漕ぎます! いつか一人前の訪問看護師になれる日を夢にみて。 |
2024年1月投稿
「みんなに贈る体調管理表」
前立腺がんの終末期だったMさんが、体調管理表に残した「ありがとう」の言葉が、家族と看護師の心を支えたエピソード。。
| Mさんは前立腺がんの末期であった。几帳面な方で体調管理表を自ら作成されていた。 妻は介護に悩み、涙を見せることもあった。 ある時、発熱と肺炎症状があり入院されていたが、数日経ち、妻から「もう時間がない、家で過ごさせてあげたい」という電話を受けた。 訪問看護が介入し、一時外出が実現した。モルヒネ皮下注射を受けながらも、笑顔のMさんに私は「おかえりなさい!」と声をかけた。そこにはいつもの日常があった。 家族と一緒にテレビを観たり、ソファーに座ったり、特別なことをしているわけではなく、Mさんを包み込むような当たり前の幸せがあった。 夕方、病院へ帰る介護タクシーを見送った。 それは翌朝のことだった。「さっき息を引き取ったよ。家に連れて帰るね」と、妻から連絡があったのは。 「見て…」と妻から見せてもらった体調管理表には『私の人生みんなのおかげで楽しかった。ありがとう』と、少し震えたMさんの文字。 私は涙があふれた。この言葉が、家族だけでなく、私たち看護師の心も救ってくれた。 |
2024年1月投稿
「願いを叶えた、思い出の志賀島ドライブ」
腎臓がんの終末期を迎えたKさんが、「もう一度志賀島に行きたい」という願いを叶えた、思い出のドライブのエピソード。
| 私が印象深く覚えているのは、腎臓がんの終末期を患っていた50代のKさんです。 Kさんは、がんにより歩くことも難しい状態でしたが、毎回意欲的にリハビリに取り組まれていました。しかし、病状は無情にも進行していきました。 精神的にも落ち込み、生きる希望を見失いかけていたある日「もう一度、志賀島に行きたいです。」と相談されました。そこは、病前に奥様とドライブをした思い出の場所です。 早速、自家用車を福祉車両へ変更し、車椅子から助手席への移乗練習を何度も繰り返しました。介助に不慣れな奥様には移乗介助の方法も指導しました。 そして昨年、念願だった志賀島へ行くことができました。Kさんは「諦めないで良かったです。ありがとう。」と笑顔で言われました。 その後、Kさんは亡くなられましたが、私たちに最期まで諦めない姿を見せてくださいました。終末期のリハビリを通じて、利用者様やご家族様の思いに寄り添うことができ、私自身貴重な経験となりました。 |
2023年12月投稿
利用者さんやご家族との信頼関係から生まれる温かい瞬間は、訪問看護師にとってかけがえのない宝物です。これからも一人ひとりの人生に寄り添い、心通う看護を届けていきたいですね。
編集: NsPace編集部
